三佐和ブログ


テストフィールドの年間灌水量 2019年10月17日

大田区南鎌田にあります大田区産業プラザPIOのテラスに設置された自然灌水システムお水番の年間灌水量のデータがまとまりました。芝生フィールドにつきましては先のブログでお話ししましたが、今回は2018年10月17日から2019年10月16日までの野菜フィールドのデータにつてご説明いたします。野菜フィールドへの年間灌水量は929.3㍑、1日当たり2.5㍑の灌水量です。1㎡当たりに換算すると2.8㍑/㎡になります。

年間灌水量の変化png.png

芝生フィールドへの灌水量と比べて野菜フィールドへの灌水量が少ないのにはいくつかの理由があります。その一つは野菜フィールドで育てる植物が、季節によって違うことです。冬から春にかけて葉ビオラ、イチゴ、シクラメンなどを、夏はキュウリ、ナス、ピーマンなどの野菜を育てました。

野菜フィールド年尾灌水。蒸散。降雨の循環.png

芝生フィールドでは1年を通して西洋芝ベントグラスを育てています。ベントグラスは野菜フィールドで育てている植物と比べて葉の全体面積が広く、冬でも光合成や蒸散作用を続けるので、1年を通して吸収する水量も多くなります。また野菜フィールドではキュウリやピーマンなどが実を成らせ続けるように、夏の間お水番からの灌水に加えててまき散水を行ったことも灌水量が芝生フィールドと比べて少なくなった原因のようですね。

PA170036.JPG野菜フィールドの植物の栽培もまる一年が経過して一区切りがつきました。そこで表層の土を整地して再び秋から冬に向けての植物栽培の準備を始めました。ベント芝は気温が下がり元気を取り戻してきたようです。10月17日撮影

芝生をめぐる水の循環 2019年10月11日

大田区産業プラザPIOに設置された芝生フィールドの10月11日までの灌水量がまとまりました。昨年の10月12日から今年の10月11日までの芝生フィールドの年間灌水量は2508㍑でした。1㎡当たりの灌水量は1393㍑です。一日当たり3.8リットル/㎡の灌水量です。ちなみに東京の年間降雨量は1528.8mmです。(理科年表第92冊)灌水量と降雨量を合計すると2921.8㍑です。1日当たりに換算すると8㍑/㎡になりますね。

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芝生からは1日当たりおよそ4㍑の水分が蒸散されるといわれています。年間合計は1460㍑。灌水量と降雨量の合計から蒸散量を引くと1461.8㍑で1日当たりに換算すると4㍑/㎡になります。これらの変化をまとめますと、下記のレイアウトのようになります。

芝生への灌水、蒸散、降雨の循環レイアウト.png

上のレイアウトを見て分かることは、芝生は雨水と灌水された水を吸収して,光合成で作られたエネルギーを利用して根や葉を作ります。また水分を体外に蒸散させることで体温を調整します。降雨量と灌水量を加え蒸散量を引いた芝生とガーデンクリートに保水される水分はおよそ4㍑/㎡になります。ガーデンクリートと土の厚みが約5cmなので1㎥あたりに換算するとおよそ20㍑です。アメリカの芝草学者マイカ ウッズ博士によるとグリーンは自然排水した後、土壌に残る水分が1㎥当たり15%~25%となるのが望ましいそうです。(USGA全米ゴルフ協会スペックより)(芝草科学とグリーンキーピング ゴルフダイジェスト社自然灌水システムお水番とガーデンクリートを組み合わせた芝生フィールドはベントグラスをはじめ植物を育てるのに理想的な環境を作ります。

植物に寄り添う自然灌水システム「お水番」 2019年10月11日

自然灌水システムお水番のサイトがホームページにアップされました。植物に寄り添う自然灌水システム「お水番」大田区産業プラザに設置したお水番の1年にわたる灌水量の計測の結果、年間平均3.8㍑/㎡日の水をベント芝に灌水しました。冬の間は灌水量は減り(2.3㍑/㎡日)初夏にかけて気温が上がり直射日光に当たる時間が増えると灌水量は増えました。(6.6㍑/㎡日)雨曇の日が続く梅雨の間は灌水量も大幅に減りました。(0.2㍑/㎡日)。そして梅雨が明けると灌水量は増え始めましたが、暑さと湿気でベント芝が衰退する間は灌水量はそれほど増えませんでした。(平均0.8㍑/㎡日)そして新しい芝生が成長を始めるとともに水量も増えました。

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自然灌水システム「お水番」は人間が植物への灌水量を決めるのではなく、植物が必要とする水量を灌水する植物に寄り添う自然灌水システムです。今回の測定で計測された芝生とガーデンクリートへの灌水量と東京の降雨量を合わせ、芝生からの蒸散量を引いた土壌水分量は1㎥当たり20%でしたが、この数値はベント芝が育つのに理想的な土壌水分量といわれている1㎥当たり15%から25%の範囲内に収まっていました。しかもこの土壌水分量は、植物が求めた灌水量と降雨量を加えた数値です。関連ブログ:芝生をめぐる水の循環 

                                   

                      

9月のフローラカスケード 2019年09月25日

   秋分を過ぎて浅草寺様境内のフローラカスケードではインパチェンスが満開でした。

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          ゼラニウムやミントなどのハーブも元気でした。

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空気もさわやかに境内では秋の気配が漂いがただよいはじめました。9月25日撮影

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夏の野菜フィールドの灌水量の変化について 2019年09月24日

先のブログで今年の夏の野菜フィールドの灌水量は梅雨の間約210リットルあったものが65リットルに減少したことをお話ししました。夏の灌水量の変化と今後の課題再び夏の灌水量の変化をまとめた表をご覧ください。

灌水量の変化 2019夏.png

夏の間に野菜フィールドの灌水量が減った大きな理由は二つあります。一つは梅雨の間、成長期を迎えたナス、ピーマン、キュウリ等の夏野菜が8月に入り成長のピークを越えて、それに伴い葉からの水分蒸散量や、実を作るために使う水分量が減ってきたことでしょうね。下の写真をご覧ください。上の写真が成長旺盛な梅雨の時期に撮影した野菜フィールドの写真です。(7月15日撮影)そして下の写真が夏野菜の成長がピーク越えた野菜フィールドの撮影です。9月16日撮影

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もう一つの理由は夏の間,野菜フィールドでは手まき散水が行われていて、それに伴いお水番からの灌水量が減ったのではないかと思います。なぜ手まき散水を行ったのでしょうか?それは継続してキュウリ、ナス、ピーマンなどの夏野菜の実を成らせながら育てるためです。今年の野菜フィールドは選んだ苗も良かったせいかと思いますが、梅雨の成長期からキュウリやナスが大きな実をつけました。8月に入っても手まき灌水を加えることで、ナスやキュウリの実が成り続けました。8月26日撮影

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お水番は植物が光合成や蒸散作用を通して植物が生きてゆくのに必要最小限の水を植物に灌水しますが、実を成らせ続けるためには人による野菜の観察と、それに応じて手まき散水を続けることでより安定した効果が生み出せるようですね。お彼岸も過ぎて野菜フィールドではこれから秋から冬にかけて何を育てるか検討を始めようと思います。

夏の灌水量の変化と今後の課題 2019年09月23日

先のブログで大田区産業プラザPIOの芝生フィールドと野菜フィールドの灌水量の変化について夏が終わったころご報告しますとお伝えしました。お水番の灌水量の変化と環境の変化の関係について

そこで秋分の日の今日までの灌水量の変化を表にまとめましたのでご覧ください。

灌水量の変化 2019夏.png

梅雨の32日の間わずか12リットルであった芝生フィールドは夏の灌水量が87リットルになりました。しかし梅雨の間約210リットルもあった野菜フィールドの灌水量は64.5リットルと大幅に減少しました。その理由についてご説明いたします。まず芝生フィールドの芝ですが、今年の東京は太陽が雲に隠れ雨の続いた梅雨が終わったとたんに30度以上の気温の真夏日が続きました。さすがの芝も気温の急な変化についてゆくことが出来ず、弱って枯れました。その後種をまきようやく面積の70~80パーセントほどが復活してきました。現在の芝生フィールド9月23日撮影

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芝生フィールドでは西洋芝ベントグラスを育てています。先のブログでもご説明しましたがベントグラスの生育に最適な気温は15度から25度ぐらいといわれています。ヒートアイランド東京の夏2今年の東京の夏の気温は夜でも25度を超える日が続きました。気温が25度を超えるということは芝生の根を支えている地温も25度を超えるということですね。ベントグラスの根にとり25度を超える環境は生存するのに危険です。日中の気温が40度を超えるアリゾナ砂漠でもベント芝が育つのは、夜間の気温が25度を下回るからと言われています。PIOの外気温28.1度 9月23日午前9時30分

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ここにきてPIOの芝生フィールドの外気温は30度を下回り水温も25度を下回るようになってきました。それにつれて芝生の根も元気になってきたようです。お水番の灌水量も急に増えてきました。お水番のタンクの水温23.2度 9月23日午前9時30分

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今後の課題として気温が25度を上回る夏の間は、芝生の根を包むお水番の緑化基盤の温度が25度を下回りる技術を確立したいと思います。幸いPIOのある大田区の町工場には、好奇心と技術力に優れた匠がいらっしゃるので相談してみようと思います。野菜フィールドの灌水量の変化につきましては次回のブログでご説明いたします。

ヒートアイランドにオアシスを フロントページのデザインが更新されました 2019年09月19日

ヒートアイランドにオアシスを」をテーマにして活動を続けていますが、今年の東京は梅雨が明けたらすぐ真夏日の連続という厳しい夏を迎えました。そこで国立天文台が編集している理科年表を使って東京の過去の気温の変化を調べてみたところ意外な結果に驚きました。1961年から2017年までの東京の気温の変化をグラフにしてみたところ、冬の気温は高くなりましたが夏の気温はあまり大きな変化が見られませんでした。

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私なりにその理由を考えてみたのですが、一つは人間が作り出すエネルギーと太陽が作り出すエネルギーに大きな差があるという事ではないでしょうか。太陽から離れて気温が低い冬の間は、ヒートアイランド東京が作りだすエネルギーが年とともに増えてゆくことで、気温が高くなりましたが、太陽が近づく夏の間は、そのエネルギーが人間が作り出すヒートアイランドのエネルギーよりも、とてつもなく強い事で気温に大きな変化が見られないのではないかと思います。

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もう一つは、東京の気温が皇居のそばの気象庁や北の丸公園といった、都内では木々の多い自然に恵まれた中の、芝生の地表から1.5m離れた百葉箱や通風筒の中で測定されていることも過去56年の間に気温の大きな変化をもたらさなかった一因ではないかと思います。芝生の表面とコンクリートの表面では真夏の暑さの中では20度以上の温度差がみられます。

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コンクリートジャングルとスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京で、強烈な真夏の太陽エネルギーに対処するには、都市の様々な場所を緑化したり、透水性舗装面を増やして保水性を高めることで、人が体感する温度を下げる事ではないでしょうか。「ブミコンとガーデンクリートで保水性を高めて都市に潤いを与えます」。これが当社の目標です。

関連ブログ:何故冬の気温が高くなったのか?

ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化 ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化2

何故冬の気温が高くなったのか? 2019年09月14日

先のブログで1961年から2017年の気温の変化についてご説明してきましたが、その中で気になったことは1961年の1月、2月の気温が2017年と比べて低く、9月から11月にかけての気温が1961年よりも2017年の方が低いことです。7月、8月の気温は1961年も2017年もあまり変わらないようですね。

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2017年の9月から11月にかけての気温が低いのは、2014年から気温の測定地が気象庁から北の丸公園に移ったことによることが原因であることが新聞報道で説明されていました。それでは1961年の1月、2月の気温が最近の気温と比べて低いのはなぜでしょうか?確かに子供のころ、私が住んでいた新宿区大久保でも冬になると空き地に霜柱が立つのを良く見かけました。その後、東京の都市化がより進むことで冬の気温が高くなったのではないでしょうか?人間が作りだす都市化によるヒートアイランド現象の影響は気温の低い冬に見られるようですね。

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それに対して1961年から2017までの8月の気温の変化にあまり大きな差がみられないのはなぜでしょう?先のブログでもお話ししましたが、太陽を中心とした自然が都市環境に与える影響が、人間が作りだすヒートアイランド現象よりも圧倒的に大きいことが下のグラフから見られるような気がします。

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ヒートアイランド現象を56年にわたる東京の気温の変化を見ながら考えたことは、東京はすでに1961年当時から、人、車、建物、舗装などが原因のヒートアイランド現象がみられ、その後、その影響がさらに大きなったことで冬の気温は高くなる一方、夏の気温にあまり大きな変化が見られないのは、太陽エネルギーの影響が都市のヒートアイランド現象を作りだすエネルギーをはるかに超えて大きいということではないでしょうか?

ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化 2 2019年09月11日

今回は1961年から2017年までの東京の気温の月別の変化についてご説明いたします。まず1961年から2017年までの月別の気温の変化の平均値のグラフ、1961年の月別気温の変化、そして2017年の月別気温の変化のグラフをご覧ください。

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次に1961年と2017年の月別気温変化のグラフをご覧ください。1961年と1月、2月の気温が低いことがわかります。

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次に1961年と961年から2017年までの月別の気温の変化の平均値のグラフをご覧ください。

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次に2017年と961年から2017年までの月別の気温の変化の平均値のグラフをご覧ください。2017年の秋以降の気温が低いようですが、2014年以降、気温の観測場所を大手町から北の丸公園に移したことが一つの要因のようです。日本経済新聞2014年10月3日参照

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1961年というと私が小学二年生のころです。私が生まれ育った新宿区大久保では、職安通りや明治通り周辺にまだ空き地(原っぱ)がありそこで野球などして遊んでいました。当時の東京は1964年の東京オリンピックに向けて都市の大改造が行われているさなかで、その後、高度成長と共に東京は都市化が進んでいきました。写真は2020年東京オリンピック会場の新国立競技場

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都市化の途中の東京の気温と都市化が進んだ東京の気温を比べてみて、大きな気温差がないという原因はどこにあるのでしょうか?一つは気温の測定方法にある気がします。理科年表で採用されている東京の気温の測定方法は、世界(WMO)基準に準じた方法で芝生の上、地上1.5mの測定地点に百葉箱やファン付きの通風筒の中に入れた温度計で測定されているようです。測定場所は1964年から2014年までが大手町の気象庁の敷地内、それ以降が900メートルほど離れた北の丸公園内の観測地点のようですね。写真はヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑のポプラ並木。夏でも木陰の体感温度は低いです。

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自然により近い環境で測定された気温は、アスファルトやコンクリートの上で測定された気温とは大きな差が出ます。私は以前、8月の始めの午後2時に日陰の状態でコンクリート表面と芝生の表面で温度を測定したことがありますが、コンクリートと芝生の表面温度差は20度以上ありました。風のガーデンの温度測定

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1961年から2017年までの気温の変化を見て、自然に近い環境設定をした東京の測定地点での気温は、冬の気温は上がりましたが夏の気温は大きな変化が見られないようです。そして測定地点が変わり秋の測定気温が低くなったようですね。56年にわたる東京の都市化の影響で、コンクリートやアスファルトに覆われた場所での気温測定値は高くなりましたが、自然に近い環境設定の基では東京の夏の気温に大きな変化が見られません。それは人間が作りだす都市環境への影響に比べて、太陽を中心とした自然が都市環境に与える影響力がとても大きいということかもしれませんね。しかしながら風のガーデンの温度測定でも見られるように、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京に緑のオアシスを作ることで、そこで人が体感できる温度を下げることは可能です。

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コンクリートのベランダの上に3㎝厚みのガーデンクリートと灌水システムを組み合わせた緑化基盤の上では真夏でも様々な植物が元気に育ちます。関連ブログ:都市の温暖化と地球の温暖化

ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化 2019年09月10日

先のブログで過去40年間の東京の気温の変化についてお話ししましたが、今回はさらに観測年次をさかのぼり過去56年にわたる東京の気温の変化につきましてグラフをご覧いただきたいと思います。まず1961年から2017年までの平均気温の変化のグラフです。(1961年から2017年まで)理科年表第76冊、第92冊参照)

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次に各月別の気温の変化のグラフをご覧ください。冬と夏では気温の変化に違いがあることがわかりますね。

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皆さんはこのグラフを見てどのような印象を受けられたでしょうか?私は冬(12月、1月、2月)の温度が56年間で上昇したのに対して夏(6月、7月、8月、9月)の温度変化が56年前とあまり変わっていないような気がしました。詳しいことは次のブログでお話させていただきます。


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