三佐和ブログ


地球の歳差運動 2010年01月10日

以前,ブログで天女や鳳凰が長い時間をかけて天から地上に舞い降りてきて、再び長い時間をかけて天に昇る話を紹介しました(億劫)。仏教やHinduに伝わる神話です。この正月休みにある本を読んでいたところ、これと似たような話が古代エジプトにも伝わっていました。「創世の守護神」(小学館文庫)エジプトでは不死鳥フェニックスが火の中からよみがえり天に昇り、長い年月をかけて再び地球に回帰するストーリーです。

                                        Quwwat-ul-Islam Masjid(破壊したHindu寺院の石材を利用したインド最初のイスラム寺院です。)New Delhi  India       

P3090003_edited.JPG神話として伝わってきたこのような自然現象を科学的に表現すると,地球の歳差運動という言葉になります。歳差運動は、地球の自転軸がコマの首振り運動のように回転するために、春分点・秋分点が、長い年月をかけて、黄道に沿って少しずつ西に向かって移動する現象です。この歳差運動の影響で地球から見て、黄道上にある12の星座がおよそ26000年かけて、黄道を一回りして来るように見えます。現代の地球では、春分の日の夜明けに太陽が昇る方角は魚座から水がめ座にかけてのあたりですが、13000年前の春分の日に太陽が昇る場所はおとめ座から獅子座にかけてのあたりでした。

                                                            ライオン像 香港上海銀行 香港本店   Hong Kong                                                                                        

IMG_0847.JPG黄道は天の赤道に対して約23.4度傾斜していています。今からおよそ13000年ほど前の春分の日、獅子座周辺の方角から太陽は昇りました。この時、黄道と天の赤道が接する春分点に獅子座の周辺はありました。それからおよそ6500年ほど前の春分の朝、太陽の昇る方角は雄牛座周辺に移りました。その時獅子座は夏至点にありました。さらに6500年ほど経過した現代、春分の朝、魚座から水がめ座にかけてのあたりに太陽が昇り、獅子座は再び天の赤道(秋分点)に接近してきました。

                                                                                                                                                                 富の象徴 ゼブ牛   Madagascar

 

 

M11-マダガスカルの富 ゼブ牛_edited.jpg 地球の歳差運動は様々な要因が絡み合っていて理解するのが難しいのですが、獅子座は約13000年かけて西に向かって黄道を回ってきました。これから数百年後に、獅子座はおとめ座に変わり秋分点に入ります。そしてさらに約13000年かけて、獅子座は冬至点を経て再び春分点に向けて天を駆け巡ります。地球の自転軸が揺れ動くことが原因で、天空の無数の星々が法則性を持って動いているように見える現象を、古代の人々は天女や鳳凰、不死鳥が地上に舞い降り、再び舞い上がる姿に喩えたのでしょうね。

                                                          Raffles Hotel  Singapore                             

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