水と石油 1 | 2010年05月02日 |
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石油に代わるエネルギーとして、原子力、太陽光、風力、水力、地熱などのエネルギーが挙げられます。石油がこれらのエネルギーと決定的に違う点は、石油にはエネルギーとしての利用の他に、高分子化合物として合成樹脂、合成繊維等の物質を作り出し、日常生活の様々な場所で利用されていることです。そして高分子化合物には、再生利用、さらには再々生利用ができるという素晴らしい特性があります。
ペットボトルキャップを再生して緑化ブロックのトレーにするプロジェクトを通して、大坂のUさんからペットボトルキャップの素材であるポリエチレンやポリプロピレンがとても利用価値のある素材である事を教えていただきました。最近ではペットボトルキャップを回収する運動が全国的な広がりを見せていますが、それでも回収されたキャップが再利用される割合は、生産量の10%にも満たないとのことです。残り90%以上のペットボトルキャップがゴミとして焼却されたり捨てられたりしているのでしょうね。モッタイナイ!回収運動が進んでいるペットボトルキャップでさえこのありさまです。(ちなみにペットボトル本体の回収率は70%前後)おそらく今、地球上では膨大な量の石油由来の素材が再利用される事なく焼却・廃棄されていることと思います。
確かにエネルギー効率の視点から考えると、石油製品を回収して再利用するよりも、ゴミとして燃やしてしまったほうが効率的なのかもしれません。しかし資源として先が見えはじめた石油で出来た製品を今、この時期に燃やすだけで良いのでしょうか?何億年もかけて形成されてきた石油も、燃やしてCo2を出してしまえばおしまいです。石油由来のプラスチックは、燃やさなくても備蓄ができ、しかも再利用ができる大変ありがたい素材です。
長野県の安曇野は、北アルプスからの清冽な伏流水が流れ出しています。山が多く周囲が海に囲まれた日本の風土は、大陸からの冬の高気圧や偏西風、そして南の海からやってくる台風などの自然現象と呼応して豊富な雨や雪がもたらされます。この風土と自然現象がある限り、日本は豊富な雨や雪に恵まれた環境を保つでしょう。日本の強みですね。安曇野市大王わさび農場