未来のゴルファーやサッカー選手を育てるケンタッキーブルーグラス? | 2010年09月26日 |
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東京都中央区勝どきにありますS保育園では、4月から静岡県東富士カントリークラブのケンタッキーブルーグラスを育ててきました。毎日芝生に接する保育園の方々や芝生を施工した尾瀬林業の皆さんに見守られてケンタッキーブルーグラスは猛暑の中、都会の夏を無事に乗り切り秋分の日を迎えることができました。
秋からは、保育園の庭には茨城県カシマサッカースタジアムのケンタッキーブルーグラスが新たに加わりました。
ゴルフ場やサッカースタジアムで育てられたプロ仕様の芝生の上で遊びまわる事が出来る子供たちは幸せですね。この芝生で遊ぶ子供たちの中から将来、世界で活躍するゴルファーやサッカー選手が生まれるかもしれません?!
猛暑の夏を乗り切って | 2010年09月19日 |
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今年の夏は東京都内でも雨が一月以上降らず、気温も連日35度を超えるかなり厳しい気候条件の日々が続きました。その中で大田区産業プラザPIOの屋上、荒川区町屋のホテルの屋上のガーデンクリートの上で育てている芝生も試練の日々を何とか乗り切り秋を迎えることができました。
PIOの屋上では昨年の夏から、西洋芝トールフェスク、ペレニアルライグラス、ケンタッキーブルーグラスの種をブレンドした「年中無休」を撒いて芝生を育ててきました。ここにきて7月に生育の終わりを迎えた1年草のペレニアルライグラス、トールフェスクは枯れましたがケンタッキーブルーグラスが猛暑の夏を乗り切りました。ようやく気温も25度前後まで下がって来ましたので、これから再び年中無休をまいて緑のテラスで秋冬を迎える準備を始めようと思います。(9月13日撮影)
荒川区町屋のホテルの屋上の西洋芝は先のブログでもご紹介しましたように、隣のブラウンルーフからバミューダグラスをはじめとする様々な草花が越境してきて、大盛況の夏を過ごしました。今年のように猛暑の夏でも、保水性、排水性のよい緑化基盤(ガーデンクリート)と適度の散水の継続(スプリンクラーや底面灌水など)、そして風が吹く環境が整っていれば都内の屋上で、わずか3cm厚みの緑化基盤ガーデンクリートと3cm前後の土の上でも植物が元気に夏を越えることがわかりました。
6月の終わりにきれいに刈り込んだ芝生も夏の間にかなり伸びてしまいました。そこで再びNさんにご協力をいただいて芝刈りをしました。さっぱりと刈り込んだ芝生のソッドに種や肥料をまいて秋から冬を迎える準備をする予定です。 9月10日撮影
屋上緑化の温度測定結果 | 2010年09月12日 |
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今年の夏は暑い日が続きました。その中で8月13日に神奈川県伊勢原市にあります山武様伊勢原工場の屋上と、屋上下の階の部屋の天井の温度を尾瀬林業さんのご協力で測定しました。工場は休日で室内のエアコンも作動しおらず測定には最良の環境でした。
測定データを分析しますと、外気温度が35度から36度のときに、屋上の芝生の表面温度は37度から43度、屋上のコンクリートの表面温度が47度から53度で,コンクリートと芝生では10度近くの温度差が見られました。この数字は保水されたガーデンクリートとコンクリートやアスファルトの表面温度の差が10度ぐらいある測定値と似ています。(ヒートアイランド対策に参照)これらのデータを元にご提案できることは、ベランダやテラス、建物の周囲、そして街や公園の歩道を緑化したり保水されたガーデンクリートで舗装することで真夏の照り返しの温度をコンクリートやアスファルト舗装と比べて10度ほどは下げる事が出来るということです。
芝生表面温度
さらに、今回の測定で得た貴重なデータは芝生とガーデンクリートで舗装された屋上の真下の天井の温度と、コンクリートむき出しの屋上の真下の天井の温度を測定できたことでした。測定結果は外気温度が35度から36度のときに芝生下の天井温度は26.5度から29.2度、そしてコンクリート下の天井の温度は28.8度から30.6度で、芝生下とコンクリート下の温度差は1.4度から2.3度でした。
冷暖房設定温度と消費エネルギーの関係で、冷暖房それぞれについて設定温度を1度変更すると、熱源で消費されるエネルギーがそれぞれ約10%削減されるといわれています。(出典:財団法人エネルギーセンター) 今回は屋上の下階の壁面温度については測定しなかったので一概には言えませんが、芝生下とコンクリート下の1.4度から2.3度の温度差は熱源として消費されるエネルギーを約10%から20%削減できるということになりそうですね。詳しくはを「屋上緑化の温度測定結果」ご参照ください。
芝生下 天井の表面温度
放置人工林と平準化作用 | 2010年09月05日 |
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雑誌WEDGE9月号に"日本の森林「孤独死」寸前"という見出しで特集が組まれていました。日本の森林の現況を簡潔にまとめた読みごたえのある内容です。その中で気になったキーワードがありましたのでご紹介させていただきます。戦後日本の国土に植林されたスギ・ヒノキを中心とする人工林が現在1000万ヘクタールを超え全国の森林の約4割を占めているのですが、この中で手入れ不足になっている人工林があるようです。人工林は放置され間伐が遅れると木が込み合い、日光が林内に入らず、下草が育たなくなります。落ち葉や下草が作られる土壌が貧弱になると、林地に表面侵食が起き土砂崩れが起きやすくなり、森林の洪水緩和機能も低下します。このように放置されている人工林のことを「放置人工林」と呼ぶそうです。
「平準化作用」とは、雨水を一時的に保水し、川や地下水にゆっくりと流してゆく作用です。この作用は、大雨の一部を保水し下流に流れる作用を抑えることで、「洪水緩和機能」にプラスに働き、雨が降らない期間、川にゆっくり水を流し続けることで「水資源涵養機能」にもプラスに働きます。平準化作用は森と水との関係を研究する森林水文学の基礎的な知見だそうです。
平準化作用は、木の樹冠ではなく林床の土壌の状態で決まるため、落ち葉や下草がないために土壌が流出し、根が地表に見えているような放置人工林では、平準化作用が小さくなります。その結果、総保水力が管理人工林より小さくなり、洪水緩和機能も小さくなります。(以上の内容は雑誌WEDGE9月号27ページから30ページにかけての「問題は荒れた人工林」の内容の一部を記載させていただきました。)
保水性能の高い軽石を固化材BGパウダーで固めたガーデンクリートを放置人工林のむき出しになった土壌の上に舗装するのはいかがでしょうか?根が地表に見える放置人工林から流出した土壌は、河川からやがては海に流れ込み、川や海に生息する動植物にも影響を与えるようですね。健全な森林は雨水を200~300mm/hほど保水するようです。透水性と保水性のあるガーデンクリートを70cm舗装すると保水力は約210mm/h前後です。
放置人工林の表面をガーデンクリートで舗装することで土壌の流出は防げます。さらにガーデンクリートの平準化作用でガーデンクリートに保水された水が、少しずつ流れ出すことで洪水緩和機能も改善されると思います。やがて緑化基盤としてのガーデンクリートの表面に落ち葉が重なり下草が生えて森の機能もよみがえるかもしれませんね。浅草寺様の境内の一部でも、ガーデンクリートをこのような目的で舗装させていただいてますが、何処かの放置人工林でも実験してみたいものです。