新緑の境内と御本堂 | 2011年04月24日 |
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浅草寺様の境内の木々も新しい葉が芽生え新緑の季節を迎えています。今回は境内のブミコン舗装の一部に高圧洗浄をかけて、目に詰まった泥などの汚れを洗い流しました。
御本堂のチタン屋根瓦への葺き替え工事は昨年の末に終了しました。昭和20年3月10日の大空襲で焼失した御本堂は、昭和26年から約7年の歳月をかけて再建されました。戦後も間もない資材の不足した時代にもかかわらず、立派な屋根瓦が焼かれました。またコンクリート造りの御本堂は、昨今のコンクリートの建物に勝るとも劣らない素晴らしい品質の建造物です。そして「平成の甍」、軽量化されたチタンの屋根瓦は先の3月11日の大地震の時も、御本堂をしっかりと守りました。
御本堂の焼失から再建が始まるまで6年かかりました。それから資材や重機が整わない中で人力を中心に7年の歳月をかけて御本堂は再建されました。今回、日本を襲った災害で被災された方々にとって、今は日々を如何に過ごすかが喫緊の課題ですが、やがて被災地が復興を迎える時、浅草寺様の御本堂のように人々の心を支えるより処が、多くの方々の手で造られるようになるといいですね。 4月20日 4月27日撮影
仏の教えと科学の眼 2 | 2011年04月17日 |
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以前のブログで諸行無常とは「すべての作られたものは常に流動変化して一瞬たりともとどまることが無い。」という考え方をご紹介しました「仏の教えと科学の眼」。先週のブログで「気体や液体は、圧力、体積、温度などの物理的性質と、粒子数(物質量)でとらえることが出来ます。」とご説明しました。我々を取り巻く自然環境の中で、気圧、温度は常に変化しています。それに伴い気体や液体の体積も変化します。その中で体積当たりの粒子数(質量)は常に一定なので、体積が増ると気体になり、体積が圧縮されると液体になるんでしょうね。このような自然現象の変化を表現するのに「諸行無常」は的確な言葉です。Chettiar Hindu Temple Singapore
今回は仏教の考え「三法印」中の「諸法無我」という言葉について考えてみたいと思います。諸法無我とは字のごとく諸々の法則には我が無いということではないかと思います。たとえば地球は北極星から見て毎日、反時計回りに1回転します(自転)。また同じく1年をかけて反時計回りに太陽の周りを周ります(公転)。これらの運動は今から46億年ほど前に地球が生まれて以来、今日まで続いています。そしてこれからも地球の自転、公転運動は続くでしょう。Qutb complex New Delih India
地球は46億年前に誕生して以来、生命が生まれる35億年前までの11億年の間、まさに諸法無我の法則で動いていました。そして地球に生物が生まれると共に我も生まれたのでしょうね?生物は自分の生命を維持するために様々な形でエネルギーを取り込んだり作り出したりします。植物は、太陽エネルギーを利用して自らの力で、炭水化物を作り出すことができます。(光合成)。動物は自らの力で炭水化物やたんぱく質を作り出す事が出来ないので、生命を維持するために他の生物から炭水化物やタンパク質を奪います。つまり生物は無我では生き続けることはできないのです。(アボリジニ のアートKuranda Queensland Australia)
「今、我々が生きているこの場所は祖先からの遺産ではありません。これから生まれてくる我々の子孫からお借りしているものです。この場所を大切に使い子孫に引き渡さなければなりません。」というアフリカに伝わるといわれることわざがあります。この考え方はアフリカのみならず、アボリジニなど自然の中で生きている人間の考え方でもあります。自然の中で生きる動物たちは生命をつなぐのに、自然界から必要な量だけの食物を摂取しているようです。人間も自然の中で生きてゆくには、生命を維持するのに必要な量だけの食物を摂取することで、自然のバランスを保ちながら次の世代が生存できる環境をつないで来た知恵ですね。 鳩森八幡神社 渋谷区 東京都 4月12日撮影
今、日本が直面している自然災害という厳しい現実の中で考え行動しなければならない事は、厳しくとも素晴らしい恵みを与えてくれる自然環境に対して驕ることなく謙虚な気持ちで接し、次代の日本人が元気に活動できる社会環境を造り引き渡して行くことです。 関連ブログ「都市の温暖化と地球の温暖化」
ピットからの漏水を止めるには?2 | 2011年04月16日 |
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今日(4月16日)のYahoo Newsによりますと、福島第1原子力発電所の汚染水対策に、吸着性のあるゼオライトを土嚢袋に詰めて取水口に投入するというニュースが流れていました。福島をはじめとする東北地方はゼオライトの産地です。豊富なゼオライトを地元の危機にガンガン利用してください!
福島第一原子力発電所のピットの亀裂による漏水が海に流れているようです。今のところコンクリートや高分子ポリマーを流し込んでも漏水は止まっていないようです。専門家の方々が対応しているので、様々な方法が検討されているとは思いますが、昔から日本の堤防などで使用されていた「じゃかご」に漏水を抑えるヒントがあるような気がします。「じゃかご」を造るのが間に合わなければ、石より軽く持ち運びが容易な軽石や木炭を土嚢袋に詰めて亀裂のあるピットに流し込み、水の流量を少なくしてからコンクリートや高分子ポリマーを流せば亀裂からの漏水を抑える事が出来るかもしれませんね。シンガポールでのガーデンクリートの施工には、インドネシアで軽石を50リットルの土嚢袋に詰めたものを使用しています。軽石や木炭、ヤシガラ炭には吸着性があるので、放射性物質もある程度は吸着することが出来るかもしれませんね? インドネシアの軽石(50リットル/袋) このほかにやしガラ活性炭、やしガラ炭、木炭、さらに木のチップなどを、写真のような土嚢袋に詰めて亀裂からの漏水による流水量を抑えてからコンクリートや高分子ポリマーが流せればいいですね。(4月4日)
気体・液体・都市冷却 | 2011年04月10日 |
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今年の夏は関東地方を中心に約1500万KWの電力が不足する予想だそうです。夏の家庭で使用される電力の用途はがエアコンが25.2%,冷蔵庫が16.1%、照明が16.1%、そしてTVが9.9%という数値が報道されていました。家庭で使用される電力の約40%がエアコンや冷蔵庫で消費されているようですね。そこで今回は電力がどのようにしてエアコンや冷蔵庫で使用されているか、Wikipediaなどインターネットで収集した情報を整理してご紹介いたします。気体液化ヒートポンプの仕組み(図:Wikipedia参照)
1.凝縮器 2.膨張弁 3.蒸発器 4.圧縮器 (赤が高温、青が低温)
エアコンや冷蔵庫は液体が気体に、そして気体が液体に変わるときに発生するエネルギーを利用して温度を下げたり上げたりしています。気体や液体は、圧力、体積、温度などの物理的性質と、粒子数(物質量)でとらえることが出来ます。例えば1リットルの容器に空気を入れて1/10リットルの体積に圧縮すると、エネルギー保存の法則で、その空気に含まれている粒子数(エネルギーと表現しておきます)は変わりませんが、単位体積当たりの熱量は10倍になります。エアコンの室外機では室内から送られてきた気体が圧縮ポンプで圧縮されて液体になるのですが、このときに熱が発生するのはこの原理によります。さらに室外機では圧縮され発熱した液体に送風機で風を送り熱を冷まします。こうして圧縮され冷まされた液体が室内機に送られ気体として元の体積に戻るときに、室内よりも涼しい空気が生まれるのです。 つまり気体を圧縮して発熱した液体に風を送り冷ますのに電気エネルギーが使用されるのですね。
一方、保水されたガーデンクリートの表面温度が、コンクリートやアスファルトよりも低いのはなぜでしょうか?ここでも、液体が気体に変わるときに発生する自然エネルギーの働きがあります。太陽光に含まれている熱エネルギーは建物や舗装されているコンクリートやアスファルトに蓄積されるのですが、ガーデンクリートのように内部に水が保水できる場合、太陽エネルギーを利用して水が気体に気化するのです。1グラムの水が気化するためには540カロリーのエネルギーが必要です。ガーデンクリートに保水された水が太陽エネルギーの働きで気化されるので、表面温度がコンクリートやアスファルトよりも低くなるのです。コンクリートやアスファルトは水を保水来ることが出来ません。
コンクリートやアスファルトに覆われてヒートアイランド現象化が進んだ都市では、都市の保水性を回復して水の持つ液体から気体への相移転による自然エネルギーを利用して、都市を冷やし潤いを与えるのはいかがでしょうか? 参考ブログ:水の循環の素晴らしさ
春の息吹 2011年 | 2011年04月03日 |
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神奈川県伊勢原市にあります山武様伊勢原工場の屋上(1000㎡)にガーデンクリートを施工して、高麗芝を育てて丸2年が経過しました。灌水はスプリンクラーで行っています。今年も春を迎え、また新しい芝が育ち始めました。
今年は春夏秋冬を通して芝生やガーデンクリートの温度を測定する予定です。広い面積の屋上緑化環境の長期にわたる温度測定なので、様々なデータ、思いがけないデータが採れそうで期待できますね。建物や建物の周囲の環境の温度を下げるには植物やガーデンクリートの蒸散作用による気化冷却が最適です。水と風、そして太陽という自然エネルギーの恩恵ですね。参考ブログ:水の循環の素晴らしさ・有難さ
3月31日撮影