三佐和ブログ


気体・液体・都市冷却 2011年04月10日

今年の夏は関東地方を中心に約1500万KWの電力が不足する予想だそうです。夏の家庭で使用される電力の用途はがエアコンが25.2%,冷蔵庫が16.1%、照明が16.1%、そしてTVが9.9%という数値が報道されていました。家庭で使用される電力の約40%がエアコンや冷蔵庫で消費されているようですね。そこで今回は電力がどのようにしてエアコンや冷蔵庫で使用されているか、Wikipediaなどインターネットで収集した情報を整理してご紹介いたします。気体液化ヒートポンプの仕組み(図:Wikipedia参照)      

     1.凝縮器 2.膨張弁 3.蒸発器 4.圧縮器 (赤が高温、青が低温)

750px-Heatpump_svg.pngエアコンや冷蔵庫は液体が気体に、そして気体が液体に変わるときに発生するエネルギーを利用して温度を下げたり上げたりしています。気体や液体は、圧力、体積、温度などの物理的性質と、粒子数(物質量)でとらえることが出来ます。例えば1リットルの容器に空気を入れて1/10リットルの体積に圧縮すると、エネルギー保存の法則で、その空気に含まれている粒子数(エネルギーと表現しておきます)は変わりませんが、単位体積当たりの熱量は10倍になります。エアコンの室外機では室内から送られてきた気体が圧縮ポンプで圧縮されて液体になるのですが、このときに熱が発生するのはこの原理によります。さらに室外機では圧縮され発熱した液体に送風機で風を送り熱を冷まします。こうして圧縮され冷まされた液体が室内機に送られ気体として元の体積に戻るときに、室内よりも涼しい空気が生まれるのです。 つまり気体を圧縮して発熱した液体に風を送り冷ますのに電気エネルギーが使用されるのですね。

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一方、保水されたガーデンクリートの表面温度が、コンクリートやアスファルトよりも低いのはなぜでしょうか?ここでも、液体が気体に変わるときに発生する自然エネルギーの働きがあります。太陽光に含まれている熱エネルギーは建物や舗装されているコンクリートやアスファルトに蓄積されるのですが、ガーデンクリートのように内部に水が保水できる場合、太陽エネルギーを利用して水が気体に気化するのです。1グラムの水が気化するためには540カロリーのエネルギーが必要です。ガーデンクリートに保水された水が太陽エネルギーの働きで気化されるので、表面温度がコンクリートやアスファルトよりも低くなるのです。コンクリートやアスファルトは水を保水来ることが出来ません。

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コンクリートやアスファルトに覆われてヒートアイランド現象化が進んだ都市では、都市の保水性を回復して水の持つ液体から気体への相移転による自然エネルギーを利用して、都市を冷やし潤いを与えるのはいかがでしょうか? 参考ブログ:水の循環の素晴らしさ


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