三佐和ブログ


次の世代が活躍できる社会へ! 2011年05月15日
テレビを見ていて津波でわかった今の日本の実力と、これからの国造りの方向を示す二つの象徴的なニュースが報道されていました。ひとつは、東大の地震学の先生が被災されたある海辺の町を調べたところ昭和30年代に作られた防波堤がしっかり残り、近くにある昭和50年代に作られた防波堤が流されていたというニュースです。浅草寺様の御本堂をはじめ、昭和30年代の戦後復興期に作られた構造物の品質の良さと、その仕事に取り組んだ人々の技に改めて敬意を表すとともに、流された堤防を作ったその後の建築・土木技術の推移に疑問を感じました。
 

IMG_0516.jpgもう一つは、釜石市ではなかったかと思いますが、ある中学校の津波を想定した教育です。先生が津波に対して日ごろから生徒たちに、1.想定を信じるな、2.ベストを尽くして逃げろ、3.自らが率先して逃げることで周囲に人への警鐘となれ、というような内容の避難訓練を繰り返えし行なっていたようです。ハザードマップでは津波の想定外にあったその中学校にも津波は襲いかかりましたが、その前に中学生たちは自主的に訓練通り高台に全力で逃げ始め、それを見て小学生や町の人々も高台に逃れて助かったという話です。
 


IMG_0517.jpg「激変する核エネルギー環境」池田 清彦著KKベストセラーズを読みました。冒頭、池田先生が原子力発電にたいして日本を支配してきた絶対賛成と絶対反対いう対立に対して、「絶対賛成とか絶対反対とかは政治もしくは宗教であって科学ではない。そのことに思い至ればもう少し何とかなったのではないかと思うが、福島第一原発に対してはもはや手遅れだ。」と述べていらっしゃいます。破壊された原子力発電所の周辺の方々の事を思うと、原子力発電に対して絶対賛成、絶対反対の対立で硬直した状況を作り問題を隠したり先送りにしてきた当事者たちはもちろん反省と対処をする責務がありますが、何もできなかった国民の一人として、これから何かしなければと思います。

  IMG_0513.jpg本の中で池田先生がおっしゃっていますが、エネルギー問題は人口問題です。いま地球上には68億人の人間が生活していますが、さらに人口は増え続けています。これから先、石油資源に限界が見えた中で、地球規模での資源の激しい争奪戦がすでに始まっています。世界が大きく変動している中、日本国内で様々な問題に対して絶対賛成、絶対反対といった不毛の議論をする暇はありません。一方、今回の災害で、東北をはじめとする日本の若者たちの様々な行動に未来に対する希望を感じました。これからは一人の国民として次の時代を担う若者たちが活躍できる社会の仕組を作る協力をして行こう思います。
 
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写真は裏磐梯高原を中心とした美しい福島の自然です。(上から磐梯山、浄土平、五色沼)関連ブログ:坂の上の網 石油Peak Out!  熱帯の人口増加と都市化  




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