三佐和ブログ


箱モノから現場へ! 2011年05月16日
先週のブログで津波を想定した防波堤が流されたのに対して、津波を想定した避難訓練の繰り返しで、高台まで逃れ人命が助かったというお話を紹介しました。この二つの事例は今後、被災された地域の復興に向けてヒントを与えてくれる話です。

これから被災地が復興してゆくには、被災地が直面している問題を解決するハードとソフトを提供する事が大事です。ハードも、単に西洋で役立っているからから日本に持ってくるというような一昔前の発想ではなく、被災地が必要としているものは何か見極め、被災地の風土に合ったハードやソフトを構築してゆくことですね。冒頭の例のように、津波を防ぐ防波堤というハードも大事ですが、人間がいかにして津波から逃げるかというソフトを築き上げることも大事です。自然と対峙するのではなく、自然と対話しながら行動する柔軟な現場力を重視する社会を築きたいものです。
 
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平成の時代を迎え日本各地では多くのコンサートホールが新設されました。新しいホールでは素晴らしい音響の中でゆったりと音楽が楽しめるのはありがたいのですが、ある違和感も感じます。それは豪華なパイプオルガンを備えた施設が増えたことですね。パイプオルガンは宗教音楽にはつきものの楽器です。ヨーロッパでは各地の教会に素晴らしいパイプオルガンが備わっているようですね。キリスト教の儀式の中でパイプオルガンの果たす役割は重要で、今でも多くの人々の生活と密着して活用されているようです。以前、私はブログで「風力発電はヨーロッパの風土が作り上げた発電システムです。」と述べました。ホーム&アウェイパイプオルガンもヨーロッパの風土と文化が作り上げた楽器です。
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私もパイプオルガンのスケールの大きな響きは大好きです。しかし日ごろコンサートホールで楽しむ音楽のスコアでパイプオルガンが活躍する場面はそれほど多くはないのです。一方、本来であれば パイプオルガンが活躍すべきき礼拝などの現場で、質素なオルガンが頑張っているのが日本の現状です。
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今回の地震、津波、原子力発電所の破壊で日本は大きな被害をこうむりました。ここから立ち上がるには、もう無駄な箱モノに資力を分配するゆとりはありません。そして世界中で始まっているエネルギー争奪戦の中で日本が生き残るには、石油や原子力が利用できるうちに自然と向き合いながら、人間の小さなエゴを克服して日本の風土に最も適したエネルギーを見つけ活用して行かなければ!写真は上からザルツブルグ大聖堂のドームとパイプオルガン アウグスティーナ教会 ウィーン オーストリア               関連ブログ:黒船効果  天災と人災 国立公園  

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