今年は春からベランダで自然灌水システムの上で芝生を育てています。毎日の灌水量の変化を記録していますが参考までに
Googleの天気に発表されている東京の温度も記録しています。このデータを見ていて面白い事に気がつきました。夏に向けて東京の気温が20度を下回った最後の日が6月17日でその気温は19℃でした。それ以降東京の気温は20度以上で推移しましたが、今週の9月21日に久しぶりに19度を記録しました。東京が20度以上の気温を続け始めたのは夏至(6月22日)の時期で再び20度を割り込んだのが秋分(9月23日)を迎える時でした。夏至から秋分の日までの3ヶ月間、東京は20度以上の気温をキープしてきましたが、この気候を夏と呼ぶのでしょうね。そして季節は秋を迎えました。(夏の終わりを感じさせる新宿御苑9月17日撮影)
今年の夏はインターネットからの温度情報とは別に、神奈川県伊勢原市にあります山武azbil伊勢原工場様のご協力を頂き、ガーデンクリートに芝生を載せた屋上の下と、コンクリートむき出しの屋上の下の階の天井温度を測定しました。そこで解った事がいくつかあります。
2011年夏伊勢原.pdf関東地方では気温が30度を超えても、保水されたガーデンクリートや芝生の下の温度は30℃前後以上にはならないということです。2004年の夏に東京都荒川区で保水されたガーデンクリートの下の温度を測定した時も温度は30℃前後で推移しました。
2004年夏東京.pdf
今回の測定では、コンクリートむき出しの下の階の天井温度が太陽が昇るとともに上がり沈むと下がる様子が、波形の連続グラフでとらえられました。またガーデンクリートに芝生を載せた下の階の天井温度とコンクリートむき出しの下の階の天井温度では、平均気温で4℃も差がある事が確認されました。冷暖房設定温度と消費エネルギーの関係で、冷暖房それぞれについて設定温度を1度変更すると、熱源で消費されるエネルギーがそれぞれ約10%削減されるといわれています。(出典:財団法人エネルギーセンター)平均温度で4℃の差があるということは大きな省エネ効果が得られそうですね。
ミュージカル「回転木馬」(Carousel)の中でStar keeperという不思議なキャラクターが登場します。日本語訳は「星の番人」でした。それではGreen keeperは「芝生の番人」、または「緑の番人」とでもいうのでしょうか?なかなか的を得た表現ですね。新宿事務所の近くには玉川上水の水番所跡があります。江戸時代、この辺りには玉川上水から開渠で送られて来た水を、石樋や木樋でできた水道管を地下に埋設して江戸の町へ給水する水番所がありました。水の番人が一人いて水門を調節し水量を管理したり、ゴミを除去して水質を保持したりして貴重な水の番をしていたようですね。
新宿に事務所を置いて2年が経過しました。この間の仕事のテーマの一つは、コンクリートやアスファルトで覆われた都市環境で植物を育てる緑化システムを完成させる事でした。水分を含んだ土の上では多くの植物は自然に育つことが出来ますが、アスファルトやコンクリートは植物が土から水を吸収するルートを遮断してしまいます。この問題をクリアするために多くの方々のご協力を得ながら、ガーデンクリートを緑化基盤としてコンクリートやアスファルトを覆い、その上で植物を育てる緑化システムを開発しました。
植物が生きるには植物に水を供給し続ける環境が必要です。そこで毛細管現象の原理を利用して、細く長く水を供給するシステムを作りました。使用する水は水道水はもちろんのこと、水道管がひかれていない場所でも灌水できるように、貯水タンクを利用したシステムも開発しました。雨水も利用できるように様々な工夫が施されています。
以前ブログでもお話ししましたが、コンクリートやアスファルトで覆われた都市で植物を育てるということは砂漠で植物を育てるようなものです。この都市環境で植物たちが生きながらえられるように、供給する水量を調整する水の番人の役割を果たす自然灌水システムが完成しました。
夏の暑さもようやく峠を越したようです。日中の日射しはまだ強いですが朝夕は温度も下がり、すがすがしい季節を迎えました。大田区産業プラザPIOのテラスに設置したガーデニングキットのオープニングを飾る植物は日々草とペンタスに決まりました。
日々草(ニチニチソウ)はマダガスカル原産の一年草で抗がん剤の原料にもなる有難い植物です。ペンタスはアカネ科の植物で,仲間にはあかねやクチナシ、コーヒーの木などがあります。あかねは茜色の語源でもあり古来から赤色の染料として使用されてきました。クチナシは甘い香りの強い白い花が咲きます。私は部屋でコーヒーを育てていますが、白い花の香りはほのかに甘くクチナシに似ていると思っていました。コーヒーとクチナシは同じアカネ科の仲間だったようですね。
テラスには貯水量が約60リットルの大きなタンクが設置されています。大坂のUさんが半透明緑色のシャレた灌水タンクを開発してくれました。大田区のF社長をはじめ多くの皆さんとのコラボレーションで完成した自然灌水システムの上に、初秋の主役たちが登場しました。
皆さんもPIOの6Fテラスにお越しください。 関連ブログ:舞台準備完了 9月7日撮影
渋谷区富ヶ谷にあります
ダイ ナストーン(株)様の事務所前コンクリートスペースにガーデンクリートを施工して西洋芝を張りました。芝生は夏の暑い中、茨城県の鹿島サッカースタジアムから
ケンタッキーブルーグラスがやって来ました。素晴らしい品質です。
ガーデンクリートと灌水システムを組み合わせるだけで、コンクリートスペースもコンクリートを削ったり土を盛ることもなく美しいスモールガーデンに変身させることができます。
コンクリートスペースには時々、車を駐車します。車輪が乗る場所は、ダイナストーンさんが扱っているインド砂岩が敷きつめられました。砂岩の質感のあるアイボリーと芝生の緑が美しいコントラストを見せていますね。味わいのあるアンティークレンガが芝生を縁取ります。ダイナストーンさんの石とガーデンクリート、そして芝生や様々な植物とのコラボレーションで、アスファルトやコンクリートに覆われた場所が手軽におしゃれなスモールガーデンに変身します。
灌水はガーデニングキットの自然灌水システムを利用しています。タンクに水を補給すると、植物に必要な水が毛細管現象の働きで少しずつ芝生の根の砂に流れ続けます。
大田区産業プラザPIOの6Fテラスに
ベランダガーデニングキットを設置しました。今年は春からベランダガーデニングキットで西洋芝を育てて夏を越しました。次は新たな植物の育成に挑戦しようと思います。灌水タンクも新しいデザインで貯水量もアップしました。
今回はキットの上に土を敷いて植物を育てます。土は静岡県浜岡産のプロ仕様の培養土「セル・培土」が用意されました。「セル・培土」は昔から伝わる農法(微生物応用農法と天然ミネラル農法)をドッキングさせた新しい農法の根幹肥料(
むかし肥料)をベースにした、植物を育てるのに必要な栄養素をたっぷり含んだ土壌です。
ベランダガーデニングキットは毛細管現象の働きを利用して必要量の水を継続して供給するので、テラスのタイルの上でも地植えに近い土壌環境を作ります。
舞台の準備は整いました。後は主役の植物の登場を待つばかりです。8月23日撮影
オペラも秋のオープニングシーズンが近づいています。(ウイーン国立歌劇場 オーストリア)