東京では1月23日の夜半に雨が雪に変わり翌日の午前2時ごろまで降り続きました。翌朝1月24日午前8時30分ごろの浅草寺様境内の写真をご覧ください。
浅草寺様は周囲の遮蔽物が少ないので都心でも雪の積もりやすい場所です。ここで一つ面白い現象を見つけました。昨年、宝蔵門前をブミコンで舗装させていただいた場所の雪の量が、土や敷石などの上よりも少なくブミコンが現れている場所もありました。ここは朝日が直接当たり雪解けが早い所でもありますが、それでも他の場所と違います。
理由は、宝蔵門前のブミコンの透水性がほかの場所よりも良く、融けた雪が氷になって固まる量が少なかったことが考えられます。この時期の東京の最も気温が低い時間は午前5時から6時の間です。午前2時ごろに雪が降り止み、最低気温を迎える午前5時ごろまでの3時間ほどの間の雪融け水がブミコンの内部に浸透する量が多かったために、ブミコンの表面で氷になる量が他の部分よりも少なかったからだと思われます。
理屈では分かっていることが、実証されるのはちょっと嬉しいですね。土やコンクリート・アスファルトの場所をブミコン舗装することで、雪の日でも歩きやすい歩行環境を作ります。関連ブログ:
地球の運行を計測する? 1月24日撮影
1月21日は
二十四節気の第24
大寒です。今年の東京は暦の通り寒い日が続いています。東京の1月の平均気温は6.1度で1年を通して最も気温が低い月です。東京から見て太陽の位置は
冬至二十四節気の第22(南緯23.4度)の時が一番遠いのですが、東京の気温が一番低くなるのはそれから一月ほどのタイムラグ(時差)があります。それは地球を取り巻く
空気の熱伝導率(0.024w/mk
)
が低く ,太陽光の熱エネルギーが地表に伝わるまでに時間がかかるからですね。最近の太陽の位置は 冬至から約8度ほど北上しています。
さらに 太 陽の位置は
夏至二十四節気の第10(北緯23.4度)にむけて北上を続け東京の気温も上昇を始めます。
寒い日が続く中、新宿事務所ベランダのローマンカモマイルとケンタッキーブルーグラスは冬でも光合成を続け、生きるために必要な炭水化物エネルギーを自らの力で作り続けています。植物のたくましさに敬服する限りです。一方、新宿御苑の高麗芝は夏の間に光合成で蓄えた炭水化物エネルギーを消費しながら命を保ち暖かい春を待っています。クマの冬眠に似ていますね。そして気温が高くなると再び緑色の葉が伸びて光合成を開始します。(1月18日撮影)
二四節気は地球の公転と自然の変化の関係をうまく表現した暦です。大寒から2週間ほどすると二十四節気の第1
立春です。この一番寒い時期を乗り切り立春が過ぎると、気候も徐々にゆるみ始め冬眠中の動植物たちも活動の準備を始めます。 関連ブログ:
光呼吸(寒冷地型芝草と暖地型芝草の違い)
先週ご紹介しました理科年表2012年度版には3.11東日本大震災に関連したデータが特集として記載されています。地震発生のメカニズムから生物多様性や放射線の発生まで、数値に基づき科学的に表現されていて 中学生から社会人までが理解しやすい内容です。TVでよく見かけるガレキの山の総重量は約2,300万トンで日本全国の一般廃棄物年間発生量5,000万トンの約半分の数量です。それと津波とともに海から打ち上げられた堆積物(ヘドロ、汚泥、土砂など)の量が1,300万トンから2,300万トン推定されるという数値に驚きました。ちなみに石灰石を主原料とするセメントの
日本の 生産量は4,000万トン弱(2010年)です。
「日本近海は生物多様性が極めて高くバクテリアから哺乳類までを含めた生物種数は155542種と推定され、全海洋生物の14.6%にあたる。日本近海が全海洋の0.9%に過ぎないことを考えると日本近海が生物多様性のホットスポットであることが良くわかる。」(理科年表2012年度版1032ページ)この豊かな海の底の堆積物が津波で陸地に押し上げられ、さらに陸地の構築物が海に押し流された今、東北の海の生物多様性は大きな変動の局面を迎えています。
以前、ブログで日本の太平洋沿岸には石灰石の産出される場所が多い事について「
、北米プレート、太平洋プレートやフィリピン海プレートに乗って海底やサンゴ礁に堆積されたサンゴ虫(刺胞動物)や有孔虫等の骨が日本にたどり着き、時間をかけて石灰石になったからでしょうね。」というお話をしました。
(ヒトは西からホネは東から) この石灰石の中には、
カンブリア紀の初期のころのサンゴ類も見かけられるようです。カンブリア紀から現代まで約5億4千万年かけてサンゴ虫の骨は太陽エネルギーと地球の自転や公転等の運動エネルギーの働きで石灰石に変化してきました。今回の地震と津波で大きく変化した東北の海も、これから壮大な時間をかけて変化し続けて行くことでしょう。これもまた諸行無常です。
写真は上から北太平洋上の海、マダガスカルから見たインド洋、そしてケアンズ(オーストラリア)から見た南太平洋です。 関連ブログ:
仏の教えと科学の眼
理科年表2012年度版が発売されました。気象部10年ぶりの大改訂だそうです。この改訂版で 2001年から2010年までの
日本の各地の 平均気温が加わりました。 都市部に限られたデータですがこれで1971年から2010年までの平均気温の推移が分かります。
平均気温1971年~201年このグラフを見てどのような印象を受けるか皆さんも想像力を働かせて見てください。私はこの40年間の気温の推移のグラフを見て、最初の20年間である1971年から1990年までの平均気温はほぼ横ばいに推移した後に、1991年頃に温度が上昇してその後の20年間もほぼ同じ温度の変動の範囲の中で推移しているように見えます。また那覇の平均気温の推移をみると、この40年間、それほど大きな変化はないような気がします。
気温の測定ポイントが、札幌、東京、広島などの大都市なので、都市化(コンクリート、アスファルトの被覆面積の増加、車両の増加、人口の増加)によるヒートアイランド現象の要因が加わっていて、地球全体の気温の変化と単純に比べることはできません。東京の過去40年の気温の変化が、ここにきて広島などの地方の都市と近づいてきたということは、東京のヒートアイランド現象が一息ついたのか、それとも日本の地方都市のヒートアイランド現象が進んだと考えるのか、どちらでしょうか?ちなみに1971年から2000年までの富士山頂の平均気温は-6.4℃南極昭和基地の平均気温は-10.5℃、1981年から2010年までの富士山頂の平均気温は-6.2℃、南極昭和基地の平均気温は-10.4℃です。
21世紀に入り世界中で地球の温暖化が叫ばれていますが、気温変化の傾向を数字で観ることで今、我々が置かれている立ち位置を冷静に確認してみてはいかがでしょうか。写真は香港の友人Hさんが送ってくれた南米チリの
アタカマ砂漠(Atacama desert)にあるジャノス・デ・チャジェ(Llanos de Challe)国立公園の様子です。ここは世界で最も乾燥した砂漠と呼ばれているそうですが例年にない降雨で200種類もの希少な植物が一斉に花を咲かせているとの事。気候は地球上の様々な場所で常に変動を続けています。 関連ブログ:
都市の温暖化と地球の温暖化
昨年の4月から
緑化ブロックと自然灌水システム
「お水番」を組み合わせて、マンションのベランダで芝生を育てています。12月末日までの9か月の間におおよそ1000リットルの水を灌水しました。灌水タンクから水量調整バルブを通して灌水される一日当たりの灌水量は約3.7リットル、1時間当たりの灌水量は約155ccです。< 西洋芝ケンタッキーブルーグラス>
9月を過ぎて気温が下がり始めると灌水量も少なくなるようになりました。自然灌水システム「お水番」は水量調整バルブを手動で調整しながら水を流し続けるシステムです。8月以降はバルブの調整は行っていません。それにもかかわらず灌水量が減少するのは、灌水量が気温の変化に影響されているからでしょうね。
灌水量の変化.pdf <クリーピングタイム>
新宿事務所<ローマンカモマイル>
昨年は温度センサーとロガーを使い、ガーデンクリートを使用した様々な場所で温度を測定しました。同じく「お水番」 の灌水量も毎日測定しています。 毎日変化する温度や水量を数字に記録してグラフで見てゆくと、地球が動いていることを実感します。常に移り変わる自然の変化に諸行無常を感じますね。今年もこれらのデータに基づき、省エネ機能に優れたガーデンクリートを使用して緑豊かな潤いのある都市空間を御提供する予定です。 関連ブログ:
地球の運行を計測する?12月29日、30日撮影