理科年表2012年度版が発売されました。気象部10年ぶりの大改訂だそうです。この改訂版で 2001年から2010年までの
日本の各地の 平均気温が加わりました。 都市部に限られたデータですがこれで1971年から2010年までの平均気温の推移が分かります。
平均気温1971年~201年このグラフを見てどのような印象を受けるか皆さんも想像力を働かせて見てください。私はこの40年間の気温の推移のグラフを見て、最初の20年間である1971年から1990年までの平均気温はほぼ横ばいに推移した後に、1991年頃に温度が上昇してその後の20年間もほぼ同じ温度の変動の範囲の中で推移しているように見えます。また那覇の平均気温の推移をみると、この40年間、それほど大きな変化はないような気がします。
気温の測定ポイントが、札幌、東京、広島などの大都市なので、都市化(コンクリート、アスファルトの被覆面積の増加、車両の増加、人口の増加)によるヒートアイランド現象の要因が加わっていて、地球全体の気温の変化と単純に比べることはできません。東京の過去40年の気温の変化が、ここにきて広島などの地方の都市と近づいてきたということは、東京のヒートアイランド現象が一息ついたのか、それとも日本の地方都市のヒートアイランド現象が進んだと考えるのか、どちらでしょうか?ちなみに1971年から2000年までの富士山頂の平均気温は-6.4℃南極昭和基地の平均気温は-10.5℃、1981年から2010年までの富士山頂の平均気温は-6.2℃、南極昭和基地の平均気温は-10.4℃です。
21世紀に入り世界中で地球の温暖化が叫ばれていますが、気温変化の傾向を数字で観ることで今、我々が置かれている立ち位置を冷静に確認してみてはいかがでしょうか。写真は香港の友人Hさんが送ってくれた南米チリの
アタカマ砂漠(Atacama desert)にあるジャノス・デ・チャジェ(Llanos de Challe)国立公園の様子です。ここは世界で最も乾燥した砂漠と呼ばれているそうですが例年にない降雨で200種類もの希少な植物が一斉に花を咲かせているとの事。気候は地球上の様々な場所で常に変動を続けています。 関連ブログ:
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