アズビル株式会社様(旧㈱山武)伊勢原工場の屋上で温度測定を続けて1年が経過しようとしています。昨年の夏からは緑化(ガーデンクリートを基盤として、シバを植栽)した屋上とコンクリートの屋上の直下階の天井温度も測定を始めました。夏から秋、そして冬と温度測定を続けてとても興味深い温度データが採れました。夏から秋にかけて、緑化した階下の天井温度は、コンクリート階下の天井温度よりも低く(冷房・省エネルギー)推移しましたが、気温が下がり冬になると逆転して今度は、コンクリート階下の天井温度が緑化階下の天井温度よりも低く(暖房・省エネルギー)なりました。一例として、9月では最大で約8度、平均で約3℃、緑化した階下の温度が低く、1月では逆に最大で約4℃、平均で約2℃、緑化した階下の温度が高くなりました。 9月24日撮影
夏の暑い間は、屋上に直接降り注ぐ太陽エネルギーを、保水した芝生やガーデンクリートの蒸散作用で、芝生の表面温度をコンクリートより低く保つことができます。さらにガーデンクリートとコンクリートの熱伝導率の差が、太陽の直射熱を建物の内部に伝わりにくいよう断熱します。そして冬になり気温が下がると、今度は芝生やガーデンクリートの熱伝導率とコンクリートの熱伝導率の違いが保温効果につながります。保水されたガーデンクリートの熱伝導率は0.3W/mk,コンクリートの熱伝導率は1.6W/mkです。 3月1日撮影
温度は高いところから低いところに向かって伝わります。夏の昼間は屋外の気温が室内よりも高いので、室内に向けて熱は伝わります。一方冬は、温度の高い室内から室外に向けて熱は移動します。保水されたガーデンクリートや芝生を屋上に被覆することで、夏は断熱、冬は保温効果が得られます。参考として、省エネルギーセンターの資料では、エアコンの設定温度を1℃上げることにより10%の節電になるといわれています。
尾瀬林業株式会社様と共同実施 関連サイト:
ガーデンクリートが温度を下げる仕組み ガーデンクリート屋上芝緑化の温度測定