「空気の発見」三宅泰雄著(角川ソフィア文庫)を読みました。地球を取り巻く空気に対する科学的研究が本格化したのは、ガリレオ・ガリレイが空気には重さがある事を見出してからでした。そして17世紀から19世紀にかけてヨーロッパを中心に様々な科学者たちが空気の研究をしました。電気のなかったこの時代、目に見えない空気の姿を様々な発想と手法で解明していった科学者たちの姿が描かれた本で、これから科学を学ぼうとする中学生や高校生はもちろんの事、オジサンにも読みごたえのある本です。 <PIOの緑のピラミッドも葉の成長が旺盛です。5月23日>
この本の初版が発行されたのは昭和37年ですが、その当時、今では地球環境のカタキ役のように扱われるCo2(二酸化炭素)が「生命のもととして、我々は空気中の二酸化炭素のおかげで生きていると言っても良いくらいである」と著者は述べています。良識的な見解ですね。21世紀に入り10年以上経過した現在、そろそろ地球温暖化にかこつけてCo2をネガティブに扱う風潮から目覚めてCo2の大事さ(植物の光合成により作られる、活動エネルギーのもとである糖分の原料としての役割)を次世代の子供たちに伝えてゆくべきだと思います。 < 香港の友人Hさんが送ってくれた福音豆が発芽しました。5月20日>
そして著者が学生たちに向けて語った言葉が印象的でした。「みなさん、私は君たちの中から、第二のラヴォアジェ、第二のドールトンの生まれることをどんなにか、たのしみにまちのぞんでいるでしょう。しかし、私がもっときみたちにのぞみたいことは、たとえ、むくいられることがなくとも、また、たとえめざましい研究ではなくとも、科学の巨大な殿堂のかたすみに、ただ一つでも誠実のこもった石をおく人に、なってもらいたいということです。」(97ページ) 今の世の中、目先の利益を得るために、地球や宇宙の自然法則を歪めて利用しようとする輩が世界中にいるようですね。著者の言葉に救われます。参考図書:
「地球温暖化神話ー終わりの始まりー」渡辺正著(丸善出版)参考ブログ:
「光合成と芝生の呼吸」 「
二酸化炭素は魔女じゃない」 「都市の温暖化と地球の温暖化」