三佐和ブログ


都市の環境は植物のパラダイス? 2012年06月29日
香港のパートナーからガーデンクリートと灌水システムを組み合わせた上で芝生の種が発芽した写真が送られてきました。種をまいて一月ほどですが芝生が元気に育っていますね。香港の平均気温は23.3℃だそうです。亜熱帯気候の香港では植物の成長も旺盛です。コンクリートとアスファルトに覆われた大都市東京の平均気温はこの100年で3度ほど上昇したようですが最新の情報では東京の平均気温は16.3℃です。そして東京より平均気温がおよそ3度低い場所は福島(13℃)です。(理科年表2012年度版)
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都内の様々な場所でガーデンクリートと自然灌水システムを組み合わせて芝生やハーブなどの植物を育てて5年以上が経過しましたが最近あることに気がつきました。それは東京の都市環境は植物の生長に適しているのではないかということです。先ほどの香港の事例のように気温の高い場所では植物の成長も旺盛です。また1000万人を超える人々が蠢き合いながら数十万台の車と共に排出するCo2は光合成でエネルギーを作る植物にとってはごちそうですね。 
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大都市を覆うヒートアイランド現象もひと工夫すれば、植物が育つのに好都合な環境になるのではないかと思います。それには常に水が植物に供給される事が必要ですね。私の事務所のそばにある新宿御苑のように土の豊富な場所では水が地面に十分に吸収されるので植物は元気に育ちます。東京の年間降水量が1528.8mmですから1日当たり約4mmの水が地面にしみ込む計算です。コンクリートやアスファルトに覆われた場所でも、水が安定して供給できるシステムが確立できれば植物は育つのではないかとの発想からガーデンクリートと自然灌水方式を組み合わせた緑化システムが開発されました。
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もちろん日蔭の問題や風通しなどの要因も大事ですが、基本的には太陽光がそこそこあたり、水が安定して供給できる環境で植物は元気に育つようです。気温が周囲よりも高くCo2が豊富な大都市東京は植物にとってパラダイスです?大田区産業プラザの江戸の庭も、ケンタッキーブルーグラス、クリーピングタイム、ローマンカモミールが 夏の装いを見せ始めました。   6月27日撮影  関連ブログ・サイト: 光合成と芝生の呼吸  ガーデンクリート都市緑化システム  マンションベランダガーデニングキット
6月の風のガーデン 2012年06月22日
文京区の風のガーデンも6月に入り梅雨を迎えました。風通しと日当たりのよい庭では、雨の恵みを受けてクリーピングタイムやローマンカモミールなどのハーブや芝生が元気に育ってきました。
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6月の風のガーデンの新しい仲間はアオイ科の植物ホリホックです。白鳥貞三先生の花言葉によるとホリホックのピンクは「初めてのデート」、ホワイトは「粛々たるいいわけ」だそうです。「貞三先生の花言葉365篇」倉本聰著(エフジー武蔵)
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今年の東京は梅雨に入っても意外と涼しい日が続いています。夏至も過ぎてあとひと月足らずでセミが鳴く夏を迎えますが、気温が低く台風が来る気候の中で、今年のセミの鳴きだしの日に気をつけてみようと思います。
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                       6月14日撮影
浅草寺様の江戸の庭 2012年06月14日
浅草寺様境内で緑化ブロックにハーブ(クリーピングタイム)を載せてダイナストーン社アイアンリーフで縁取りした「江戸の庭」を設置させていただきました。「江戸の庭」は 簡単に コンクリートの上に設置できるので、既存のコンクリートを壊す必要がなく産業廃棄物も出ません。
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「江戸の庭」は御本堂前の参道左のお札場とおみくじ場の間のスペースにあります。ここは西を向けば五重塔が、そして東を向けば東京スカイツリーが見える絶好のポジションで周囲には心地よいハーブの香りが漂っています。皆さんもご参拝の際は是非お立ち寄りください。
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                                     関連ブログ:緑のオアシス「江戸の庭」   6月13日撮影
火山の名について 2012年06月08日
寺田寅彦の「火山の名について」という随筆があります。寺田寅彦随筆集第三巻(岩波文庫)著者が日本から南洋にかけての火山活動の時間分布を調べているうちに、火山の名前の中には 互いに似通ったものがある事に気づき、科学者でありながら言語学者のような視点で考えを展開されていてなかなか面白いエッセイです。例えば日本の火山、アソ、ウス、オソレ、アサマ等A、O、U母音とS子音で表現された火山が古くからありますが、カムチャッカにはウソン、マリアナ群島にはアソンソン、スマトラにはオサールという名の火山があるようですね。 写真 浅間山( 引用 Wikipedia)
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一方南の島々で語られているオーストロネシア語には、ニュー・ヘブリデス諸島のエファデではAso(燃える)、Asu(煙)、という言葉があり、インドネシア・マレー語では煙の事をアサップ(asap)と言います。また日本語の火(ヒ)、はポリネシアではアフィ(afi)、インドネシア・マレー語ではアピ(api)と言います。このような事例を見ていますと日本の火山の固有名詞がオーストロネシア語に似ているのは偶然とは思えません。 写真 マダガスカルの朝 マダガスカルはオーストロネシア語圏の西端です。
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太古の時代、我々のご先祖様が日本にやってきたルートは南の島々から黒潮に乗ってやってきた道と、氷河期に大陸から陸伝いにやってきた道があったようです。太古の道のりで日本にやってきたご先祖様に続いて今日に至るまで、様々な人々が日本にやってきました。そして日本にやってきた人もいれば日本から海や陸を渡り海外に出て行った人々もたくさんいた事でしょうね。                    写真 お台場に停泊する日本丸
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太古の時代から、ヒトは風や海流などの自然エネルギーを利用して舟や筏を動かし移動していたようです。我々は船舶や飛行機などの交通手段の発展はもちろんのこと、インターネットを通して情報が自由に世界を飛び交う時代を迎え、国境を越えて活動するグローバルな時代を迎えていますが、それは太古の人間の活動圏に戻っているのかもしれませんね。 関連ブログ:ヒトは西からホネは東から

萱葺き屋根効果の実証 2012年06月02日
神奈川県伊勢原市にありますアズビル㈱様(旧山武様)の屋上をガーデンクリートと芝生で緑化して4年目を迎えました。ここは北は大山をはじめとする丹沢山系、南には湘南の海が広がる場所で一年を通して日当たりも良く芝生の生育には恵まれた環境です。一方、山と海がそばにあることで、季節によっては強い風も吹く事があります。このような環境で芝生が元気に4年目が迎えられたのは管理に携わられている伊勢原工場や尾瀬林業の皆さんの日々の手入れの積み重ねのおかげです。
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この伊勢原工場の屋上と室内で温度の変化を測定させていただいていますが、とても素晴らしいデータが採れました。日本のように夏は暑く冬は寒い環境では、人々が快適な生活をすごすために、夏は外部から室内に入る熱を断熱し、冬は室内の熱が外部に逃げないように保温する機能が建物には求められます。日本の家屋では茅葺屋根がこの機能を果たしました。
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ガーデンクリートに芝生を載せて建物を被覆することで、茅葺屋根と同じ効果が得られることが数値で実証されました。グラフ参照 このグラフの測定ポイントはガーデンクリートと芝生を被覆した屋上下階の天井と、コンクリートむき出しの屋上下階天井の2点です。夏(9月)の間はガーデンクリートと芝生で被覆した屋上下階天井温度が、コンクリートむき出しの屋上下階天候温度よりも低く推移しました。温度差は最大で8℃、平均で3度ほどでした。そして冬(2月)になるとコンクリート屋上階下天井温度がガーデンクリートと芝生で被覆した屋上階下天井温度よりも低く推移しました。温度差は最大で4℃、平均で2度ほどの差が見られました。
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またガーデンクリートと鉄板の下の騒音測定をしたところガーデンクリートは鉄板と比べて20dBほど騒音を軽減することがわかりました。コンクリートや鉄板と比べてガーデンクリートに断熱、保温、遮音効果があるのはガーデンクリートの内部にある空隙にその秘密があります。当社ではこのガーデンクリートの特性を生かしたDHパネルを開発しました。DHパネルのDは断熱、Hは保温を表します。現代の茅葺素材DHパネルをコンクリートの上や、鉄でできた折半屋根、仮設住宅等でご利用ください。

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                                        5月29日撮影 関連サイト:「夏は断熱・冬は保温ガーデンクリートDHパネル」




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