「昭和天皇のゴルフ」:田代靖尚著(主婦の友社)
を読みました。昭和天皇が皇太子であられた大正時代から天皇になられて終戦を迎えた昭和20年までのご様子を、陛下にお仕えした侍従達が残した日記などを参考にしてまとめた本で、歴史とゴルフにご興味のある方は御読みになると良いと思います。文中に新宿御苑にあったゴルフコースのレイアウトが載っていました。以前から新宿御苑にゴルフコースの雰囲気を感じていた私とってとては興味深い資料です。コースは9ホール、パー32、1736ヤードのプライベートコースでした。ヒッコリーシャフトと糸巻きボールを使用していた当時のゴルフ事情から拝察して満足のゆく広さではなかったかと思います。(旧洋館御休憩所)-thumb-400x300.jpg)
歩幅0.8ヤードで歩測しながらコースをめぐってみようと思います、スタートホールはクラブハウスであった旧洋館御休憩所の前から、東南の方角に打ち出す122ヤード、パー3、のショートコースです。現在は桜の木が前方を覆っていますね。(1番ホールのティグランドであったと思われる場所からグリーン方向を望む)
2番ホール 102ヤード パー3 1番ホールと同じく東南の方向に打ち出すパー3のショートホールです。この方角の先にはフランス式整形庭園が広がり御苑正門があります。
3番ホール 126ヤード パー3 ショートホールが3つ続きます。西に向かってショットをしますが、左はフランス式整形庭園、右にはイギリス風景式庭園があり、御苑の中でも最も広々とした風景を眺めることができる場所です。
4番ホール 204ヤード パー4 4番ホールは池越えのパー4のコースだったようです。今では木々が鬱蒼と茂る千駄ヶ谷駅付近の場所にグリーンがあったようですね。
5番ホール 270ヤード パー4 5番ホールも池越えのパー4のコースです。池を越えた先にはレストハウスがあります。
6番ホール 208ヤード パー4 6番ホールは見晴らしの良い場所にあります。旧洋館御休憩所がある北に向けてティショットを放ちます。ティグランドの左には
ユリノキの巨木がありますが、このユリの木も陛下のゴルフを見ていたのでしょうね。
7番ホール 262ヤード パー4 7番ホールは再び南の方角に打ち出すパー4のコースです。コースの途中の右手には東屋がありますが、陛下もここで休憩されたかもしれませんね。
8番ホール 292ヤード パー4 8番ホールは新宿御苑ゴルフコースで一番長いコースだったようです。北に向けて日本庭園の右端の方向に打ち出すコースで、今では飛球線上に中央休憩所があります。
9番ホール 150ヤード パー3 最終ホールは東に向けて打つパー3のショートコースです。今では前方を木々にふさがれていますが、静かな気配を感じさせるホールで旧洋館御休憩所に戻ります。
新宿御苑ゴルフコースが使用されなくなり75年以上が経過しますが今でもコースの面影が所々に残っています。この次は芝生や木々が緑になる初夏のころにコースを歩いてみようと思います。12月26日撮影
東京も12月にはいり夜間の気温が5℃以下の日が続き白華 (efflorescence)の季節がやってきました。白華はこの季節にブミコンやガーデンクリートを施工するときに発生する自然現象です。白華が発生する仕組みは、ブミコンやガーデンクリートを作る石灰系固化材BGパウダーに水を加わえて化学反応を起こすときに、周囲の気温、湿度、風等の条件が微妙に重なり合い発現します。

化学式であらわすと、BGパウダーに含まれている水酸化カルシウムCa(OH)2が空気中の二酸化炭素CO2と反応して炭酸カルシウムCaCO3に変化する現象です。そして、結晶化された炭酸カルシウムに光が反射するときに、屈折角度の異なる周囲のBGパウダー本来の色や、顔料の酸化鉄などの屈折角度と異なり白く見えるのです。
白華を解消するには白華面をクエン酸や塩酸などを含んだ水溶液で洗うと、化学反応を起こしてカルシウムイオン(Ca+)と炭酸水(H2CO3)に分解します。そして分解されたカルシウムを水で洗えば白華は消えるという仕組みです。
理屈ではよくわかるのですが実際に冬の現場で白華が発生した時はちょっとマイリますね。でも様々な現象を分析して白華と対話しながら現場を仕上げてゆく予定です。 世田谷区:知行院様墓所 12月20日撮影
12月の風のガーデンにやってきた植物は
数珠サンゴです。山ゴボウ科ジュズサンゴ属の常緑多年草で赤い果実が実ります。その実の姿から日本ではジュズサンゴ、欧米ではBlood berry,Rouge plantと呼ばれています。
12月に入り気温も下がり風のガーデンの植物たちも冬支度を始めています。その中で6月にやってきた
ホリホック7月の
ルドベキア・トリロバ、そして10月に植えた
菊が寒い中で、けなげに花を咲かせていました。 ホリホック
ルドベキア・ トリロバ
キク
今月は風のガーデンにチューリップやスイセンの球根を80球ほど植えてみました。来年の春が楽しみですね。
北海道から風のガーデンにやってきたクリーピングタイムやラベンダーは冬の寒さの中でも元気です。そして夏の間、緑を楽しませてくれた高麗芝は深い眠りに就いたようです。
12月13日撮影
新宿御苑の温室が4年ほどの歳月をかけてリニューアルオープンしました。長かったですね。私が子供のころから慣れ親しんだ旧温室と比べるとややコンパクトになったと思いますが、耐震性などを考慮した結果なのかもしれませんね。新しい温室は入園料をとらないようなので手軽に熱帯の雰囲気を楽しむことができます。 (サラソウジュ)
一方、熱帯の国シンガポールでも新しい植物園
Gardens by the Bayが今年オープンしました。こちらにはCold forestというコーナーがあり標高1000メートルから3000メートルの山で育つ植物を楽しむことができるようですね。 (スイレン)
日本であれば長野県をはじめ様々な場所で標高1000メートル以上の自然と親しむことができますし、赤道直下の熱帯の国シンガポールでは一年を通して熱帯の植物と親しむことができます。温帯の日本では冬になると温室の温度を室外より高く設定する必要があります。ちなみに新宿御苑温室の温度を測ったところ今の時期では22℃前後に管理されているようです。一方、シンガポールのCold forestの温度は、シンガポールの友人によると15℃前後で管理されているのではとのことです。(ディオーン・スビヌロム)
西洋芝を育てるのに最適な温度は15℃から24℃前後といわれています。芝に限らず、植物、動物、ヒトなど地球上で活動している多くの生物にとり15℃から25℃の間の気温は過ごしやすい環境なのかもしれませんね。 (ラン)