三佐和ブログ


お年寄りが冬を暖かく過ごせる社会を! 2013年11月29日
インターネットを見ていたらちょっとショッキングなニュースを見かけました。イギリスのFinancial Timesのニュースなのですが2012年から2013年にかけてイギリスのEnglandとWalesでそれまで減少傾向にあった冬の死亡者の数が前年と比べて増えて30,000人を超えたようです。(その内75歳以上のお年寄りが25000人)その理由が建物の断熱不足とエネルギーコストの上昇による建物の寒冷化(cool house)にあるとのことです。建物が冷えることで心臓や呼吸器系疾患による病気が増えることが原因で、体温の低下による低体温症が原因ではありません。今年の3月のEnglandは1962年以来の寒さで平均気温が2.2度。これは1910年以来、2番目の寒さだったようです。しかし同じように寒い冬を迎えたドイツやフィンランドでは寒さによる死者の数は増えていないとのこと。その違いは建物の断熱普及率にあるようです。
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それでは日本の断熱普及率はどうでしょうか?数字が少し古いのですが1990年から2006年までの16年の間に日本の住宅着工数は165万戸から129万戸に減少(2012年現在ではさらに90万戸前後に減少)しているのに対して住宅用断熱材は面積ベースで2億7千6百万㎡から3億8千5百万㎡と、約1.4倍も増えているようです。(矢野経済研究所2007年9月27日データ参照
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FTのニュースが伝えようとしているポイントは、England,Walesで100年来、2番目に寒い冬を迎えた中、断熱化されていない寒い家で、エネルギーコストの高騰のために満足のゆく暖房が得られない環境で75歳以上の多くのお年寄りが亡くなったということです。日本では建物の断熱化はそれなりに進んでいるとはいえ最近では電気料金等のエネルギーコストが高くなってきています。これから寒い冬を迎えるのに、お年寄りたちが電気料金を気にしながら暖房費を節約することなく、暖かい環境で冬が過ごせる社会を作らなければいけませんね。

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                                                    River Thames London

11月の風のガーデン 2013年11月22日
11月も中旬を迎え風のガーデンも周囲の気温が下がり晩秋の気配を感じます。今月風のガーデンにやってきた草花はガーデンシクラメン、クリスマスローズ、シモバシラ、そして水仙の球根です。
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シクラメンはサクラソウ科シクラメン属に属する多年草で原産地は地中海沿岸でトルコ、イスラエルにかけて原種が自生しているそうです。ガーデンシクラメンは日本で改良された耐寒性のあるミニシクラメンでこれから寒い冬を迎えても屋外で元気に花を咲かせます。
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クリスマスローズはキンポウゲ科に属する植物で総称をヘレボルスといいます。原種は東ヨーロッパ、バルカン半島からトルコ、シリアにかけて生息しているようです。20世紀の後半にイギリスで品種改良がおこなわれクリスマスローズという呼称もイギリスのクリスマスに開花するという事でつけられたようですね。
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シモバシラはシソ科の多年草で枯れた茎に霜柱ができるそうです。日本固有種で関東以南、本州から九州にかけて分布しているようですね。
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スイセンはヒガンバナ科の属の一つです。白鳥貞三先生の花言葉ではスイセン'アイフォリオス'の花言葉は「北風に恋した村娘」、スイセン'スージー'は「サチコちゃんの弁当箱」、'スイセン'マーガレットミッチェル'は「ナルシストの自己満足」だそうです。今回植えた球根がどのスイセンかは来年の春のお楽しみです。
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                              風のガーデンもこれから2回目の冬を迎えようとしています。11月19日撮影

2013 Japan Turf Show 2013年11月16日
千葉市にあるフクダ電子アリーナで開催された2013ジャパンターフショーに行ってきました。芝生の専門家であられる Asian Turf-grass CentreのMicah Woods博士のセミナーに参加して芝生の生態の面白さを改めて学びました。                                  フクダ電子アリーナの西洋芝 11月15日撮影

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今回のWoods博士のセミナーでは暖地型芝生であるバミューダグラスと寒冷地型芝生であるベント芝についての比較を通してそれぞれの芝生の成長に適した環境がよくわかりました。芝生など植物には生育に適した温度である生育ポテンシャル(growth potential)というものがあります。たとえば寒冷地型芝生C3(ベント芝、ケンタッキーブルーグラス等)の場合、20度を中心に±5度前後が最適な成長ポテンシャルです。一方、暖地型芝生C4(バミューダグラス、高麗芝、野芝)の生育ポテンシャルは30度を中心に±5度前後です。

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                                            Asian Turf-grass Centre biog 引用


日本のように四季のある環境では、西洋芝の生育ポテンシャルがピークに達するのは春と秋の2回あります。春に生育ポテンシャルのピークを迎えた西洋芝は夏に向けて気温が高くなるにつれて生育ポテンシャルが落ちてゆき、秋を迎えて再びピークに達します。一方、日本における暖地型芝生の生育ポテンシャルがピークを迎えるのは夏ですね。新宿御苑の高麗芝は、夏の活動期に光合成を通して作った炭水化物をしっかりと貯めこんでこれから冬に向けて生育ポテンシャルも落ちて休眠に入ります。                                              新宿御苑の高麗芝生 11月16日撮影
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一方、夏から秋に向けて生育ポテンシャルが上がったベント芝は、光合成を通して作った炭水化物を内部に貯めこむことが出来ないので冬になっても光合成の活動を続け緑を保ちます。
大田区産業プラザPIOで育てているベント芝も9月の初めにまいた種が生育期を迎え、元気に育っています。                                                                 PIOのベントグラス11月13日撮影
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最近の地球の気候 2013年11月08日
先週のブログで最近の日本の気候は温暖・多雨の傾向にあると述べました。確かに今年の日本の夏は太平洋の海水温度が上昇し太平洋高気圧が強く張り出し、さらにその上をチベット高気圧が覆う気圧配置の影響で日本各地で高温を記録したり、台風がたくさんやってきたりと大変な気候でした。しかしこのような気候が地球規模で起こっているわけではないようです。                                                 サイパン島の夕暮れ
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北極海の今年9月の氷の最少期の面積は535万k㎡で昨年2012年の同時期の氷面積363万k㎡よりも172万k㎡(約32%)ほど増えたようです。 (下のグラフ 破線グラフ2012年の氷面積の推移 灰色グラフ2013年の氷面積の推移 黒グラフ1981年から2010年までの平均グラフ 期間6月から10月)
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また地球温暖化の喩えとしてよく引き合いに出される南極の氷も今年は1981年から2010年の平均面積よりも3.6%ほど増えて1980万k㎡になったようです。 National Snow & Ice Data Center
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今年の夏、地球で起こった気象現象からいくつかの説明が唱えられています。たとえば地球の表層の温度はある場所では高くなっても他の場所では低くなり地球全体ではあまり大きな温度の変化は見られないという説。また2012年から今年にかけて地球の気候の変わり目を迎えこれからは地球が寒冷化に向かうという説。そしてさらに地球の温暖化が進むといった説。私は気候学者でも気象予報士でもないのでどの説が妥当なのかはわかりませんが、これから地球が寒冷化に向かうよりも温暖であるほうが生物にとり住み心地は良いでしょうね。
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大気を汚染する二酸化硫黄や二酸化窒素などの排出量は規制すべきですが、植物が光合成を通してエネルギーを作り出す原料になる二酸化炭素の量は増えても良いのではないでしょうか?またこれからの人間社会を支えるエネルギーとしては、プラスチックを作ることが出来る石油のエネルギーとしての使用は抑えてガス系のエネルギーに代替して行くのが妥当でしょうね。そして原子力に変わるエネルギーの開発も重要な課題です。 関連ブログ:都市の温暖化と地球の温暖化   二酸化炭素は魔女じゃない     
地球環境の保護と再生を目指して 2013年11月01日
「地球環境の保護と再生を目指して」をモットーに会社を設立してから10年、都市のヒートアイランド現象・ドライアイランド現象対策を目的とした透水性コンクリートと緑化コンクリートの開発を行ってきました。その間、多くの皆さんからのご協力を得ながら透水性コンクリート「ブミコン」、緑化コンクリート「ガーデンクリート」の商品化出来ました。気候変動の影響でしょうか、最近の日本の気候は温暖・多雨の傾向にあるようです。このような環境の変化の中で、都市のコンクリートやアスファルトに代わり雨水を透水・保水するブミコンや、土がなくてもアスファルトやコンクリートの上を容易に緑化できるガーデンクリートは都市のヒートアイランド現象・ドライアイランド現象、そしてゲリラ豪雨対策として都市の環境を改善する一助となります。                                                               浄土平 磐梯朝日国立公園
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これからは今の日本の自然が抱えている環境問題に取り組んでゆこうと思います。スケールの大きなテーマではありますが今まで培ってきた経験と技術を活かし、さらに多くの皆さんと共に自然との対話を通してこの問題の解決を目指します。
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三佐和ブログの中から地球環境をテーマにしたブログをまとめてみました。「地球環境の保護と再生を目指して」 当社のフロントホームページにある資料ダウンロードのコーナーからもpdfでご覧になる事ができます。皆さんも是非ご覧ください。
                                                           

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