千葉市にあるフクダ電子アリーナで開催された2013ジャパンターフショーに行ってきました。芝生の専門家であられる Asian Turf-grass CentreのMicah Woods博士のセミナーに参加して芝生の生態の面白さを改めて学びました。 フクダ電子アリーナの西洋芝 11月15日撮影
今回のWoods博士のセミナーでは暖地型芝生であるバミューダグラスと寒冷地型芝生であるベント芝についての比較を通してそれぞれの芝生の成長に適した環境がよくわかりました。芝生など植物には生育に適した温度である生育ポテンシャル(growth potential)というものがあります。たとえば寒冷地型芝生C3(ベント芝、ケンタッキーブルーグラス等)の場合、20度を中心に±5度前後が最適な成長ポテンシャルです。一方、暖地型芝生C4(バミューダグラス、高麗芝、野芝)の生育ポテンシャルは30度を中心に±5度前後です。
日本のように四季のある環境では、西洋芝の生育ポテンシャルがピークに達するのは春と秋の2回あります。春に生育ポテンシャルのピークを迎えた西洋芝は夏に向けて気温が高くなるにつれて生育ポテンシャルが落ちてゆき、秋を迎えて再びピークに達します。一方、日本における暖地型芝生の生育ポテンシャルがピークを迎えるのは夏ですね。新宿御苑の高麗芝は、夏の活動期に光合成を通して作った炭水化物をしっかりと貯めこんでこれから冬に向けて生育ポテンシャルも落ちて休眠に入ります。 新宿御苑の高麗芝生 11月16日撮影
一方、夏から秋に向けて生育ポテンシャルが上がったベント芝は、光合成を通して作った炭水化物を内部に貯めこむことが出来ないので冬になっても光合成の活動を続け緑を保ちます。
大田区産業プラザPIOで育てているベント芝も9月の初めにまいた種が生育期を迎え、元気に育っています。 PIOのベントグラス11月13日撮影