東京都文京区にあるビルのテラスに風のガーデンを造園して4回目の夏を迎えました。風のガーデンもすっかり夏の装いを見せています。これまでに100種類は超える様々な植物が風のガーデンにやってきて、それぞれ縄張りを主張しながら生育を続けています。
匍匐系の芝生やタイムなどのハーブが地面を覆い、ハギやジャスミンがパーボラに絡み合いながら育っています。ハギや桔梗、ススキなど昔から日本の風土で育ってきた植物は風のガーデンのように地面から離れた環境でも越年しながら逞しく育ってきました。
今年の7月の東京はそれほど雨も降らず暑い日が続いていますが、風のガーデンでは雨が降らなくても必要最小限の灌水量が厚み3cmのガーデンクリートと灌水システムの上で常に確保されています。
7月23日の大暑から9月の秋分の日あたりにかけて本格的な夏日が続きますが、光と風と水に恵まれた風のガーデンはコンクリートに囲まれた都会の中のオアシスです。 7月21日撮影
週刊ビル経営7月6日の特集「万全なゲリラ豪雨対策を 製品・サービス」で当社の活動が紹介されました。
150717IMG.pdf私が透水性コンクリートに出会った20年以上前、ヒートアイランド現象やゲリラ豪雨といった言葉はあまり馴染みのある言葉ではありませんでした。その後、東京では臨海地区に高層ビルの建築がはじまり海からの風の道が変わり、上昇気流で急に積乱雲が発生してゲリラ豪雨につながる環境が生まれました。またコンクリートやアスファルトに覆われた都市環境では、地面の保水能力の低下等が原因で発生するヒートランド現象が確認されて今日に至っています。
当初は雨水を浸透させて快適な歩行環境を作る目的で開発された透水性コンクリートですが、その後の都市環境の変化によりゲリラ豪雨等による雨水を浸透貯留させることで、都市の排水能力を補完する役割が生まれました。台東区浅草にある浅草寺様ではブミコンで境内の環境整備のお手伝いをさせていただいています。
次に当社が目を向けたのは、透水性コンクリートの骨材として軽石を使用することでさらに保水能力を高めて、植物の育成基盤となる緑化コンクリートの開発でした。当時、東京都は石原都政の下、都市環境の緑化が進められていました。当社の緑化コンクリート・ガーデンクリートの開発が東京都より中小企業創造法の認定を受け、東京都中小企業振興公社のビジネスナビゲーターの皆さんと一緒に、都内の町工場をを廻り、素晴らしい発想力、技術力のある中小企業の協力を得て商品開発を進めました。その間にシンガポールでの特許を取得したほか、今年の2月にはガーデンクリートを使用した緑化ブロックと灌水システムを組み合わせた緑化システムの特許が査定されました。
緑化コンクリート・ガーデンクリートを使用した緑化システムは、工場やビルの屋上、テラス、ベランダはもちろんのこと、コンクリートやアスファルトに覆われた地面の上を容易に緑化します。そして熱や紫外線に強いガーデンクリートの耐候性は、熱帯のシンガポール、亜熱帯の香港等、一年を通し厳しい太陽光にさらされ、雨量の多い東南アジアで評価されています。
新国立競技場の建設もようやく目処が立ち、2020年の東京オリンピックに向けて東京の環境整備が始まりました。オリンピックが開催される7月の東京はかなり暑いでしょうね。熱帯・亜熱帯の都市緑化に使われている
ガーデンクリート都市緑化システムで東京の環境整備のお手伝いをしたいと思います。
6月27日のブログで東京都内にある風のガーデンでは秋の七草であるハギや桔梗が満開を迎えていることをお話しました。その理由としてヒートアイランド現象の影響で都内の気温が緑に囲まれた自然環境の気温よりも多少高めにあるからではないかと述べましたが、今回はその原因についてもう少し詳しく考えてみたいと思います。
東京都内の屋上、テラス、接道にガーデンクリート緑化システムを施工して様々な植物を育てて10年を迎えました。もともと植物とはそれほど縁のなかった私ですが、都市環境の中で植物に接することで、植物の逞しさを感じると同時に都市環境は植物の生育に適しているのではないかと考えるようになりました。
東京都内はコンクリート、アスファルトに覆われた面積が多く、ここ10年の間に臨海地域では高層ビルが立ちはだかり、海からの風の道にも影響が出てゲリラ豪雨といった現象も頻繁に発生するようになりました。都内では毎日、動く発熱機?自動車が走り回り1000万人の人間がうごめき、人体から発生する熱量(体温)やCo2の量もかなりの数値になっていることでしょうね。
コンクリートやアスファルト、そして自動車から放射される熱量や人間が発生する熱量やCo2は植物の生育にとり決して悪い条件ではないと思います?それでは植物の生育に不都合な都市環境とは何でしょうか?それは圧倒的に地面を占有しているコンクリートやアスファルトの保水量が少ないからではないでしょうか。ゲリラ豪雨も保水することで植物の生育にはプラス要因にまります。ガーデンクリート緑化システムはアスファルトやコンクリートに不足している通気性と保水性を補い最適な灌水を継続することで植物が育ちやすい環境を作ります。
人間にとって不都合なヒートアイランド現象も、一工夫することにより植物が生育するのに都合のよい環境に変わります。
町の舗道で良く見かける花壇の土の厚みは15cmぐらいです。土中水分量を20%とすると30㍑/m2の水分量です。3日に一度雨が降ると想定して1日当たり10㍑/m2・日の灌水量が必要となります。
ガーデンクリート緑化システムは3cmのガーデンクリートと灌水クロスの上で2cmぐらいの厚みの土で植物を育てます。5年以上のフィールドワークで1日当たりの灌水量が5㍑/m2以下で植物を育てられることが確認されました。1日当たり5㍑/m2の灌水量を維持するためにガーデンクリート緑化システムでは灌水クロスと灌水チューブを組み合わせた灌水を行います。
ガーデンクリート緑化システムでは、植物の根が灌水クロスを貫通してガーデンクリートの空隙に活着して育ちます。ガーデンクリートには保水性と通気性があるので植物の根が適度な水分と空気を吸収して植物の成長に良いようです。
5年以上にわたるフィールドワークを通してガーデンクリート緑化システムの上では芝生はもちろんのこと様々な植物が元気に育つことが分かりました。