三佐和ブログ


フローラカスケード FLORA CASCADE 2015年08月20日
FLORA CASCADE(フローラカスケード)はガーデンクリートを緑化基盤とした立面緑化システムの登録商標です。FLORAは植物、 CASCADEは小滝を意味する英語です。無数の植物が立面を小滝が流れ出るような様子をイメージしました。
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立面型の緑化基盤は平面に敷き並べる緑化基盤とは異なり、外気に直接触れる面積が広くなります。耐候性、耐火性能に優れるガーデンクリートを使用した立面緑化基盤は太陽光、紫外線が一年中降り注ぐ熱帯、亜熱帯の環境での使用に最適です。そしてフローラカスケードは必要最小限の水量で植物が育つように様々な工夫がなされているので水が貴重な砂漠などの乾燥帯でも効果を発揮します。
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日本の都市の夏は、アスファルトやコンクリートに覆われた砂漠のような厳しい環境に置かれています。熱帯、亜熱帯、乾燥帯向けに開発されたFLORA CASCADEですが、ヒートアイランド現象に悩む日本の都市砂漠でも十分に対応できるでしょうね。とくに長時間、長期間にわたり直射日光が当たる場所の緑化基盤として最適です。しかもガーデンクリートは長野県の松本市や秋田県など真冬の気温がマイナス10度以下になる環境でも、十分使用に耐えることが実証されています。

洪積層と沖積層 2015年08月13日
事務所のある新宿は武蔵野台地の東端、淀橋台と呼ばれれる高台にあります。武蔵野台地は今から10000年前まで続いた更新世に形成された洪積層の地層で山の手とも呼ばれています。洪積層は沖積層に比べて地盤が強く、古くから日本の重要建築物は洪積層が露出した土地に建てられたようです。
  武蔵野台地の東に位置する新宿御苑は、江戸時代は信州高遠藩内藤家の下屋敷の敷地でした。

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武蔵野台地には最終氷河期に発達した河川や氷河により洪積層が削り取られて形成された河谷がありました。そして最終氷河期後期には海面が上昇し土砂が河谷に堆積して沖積層が形成されました。沖積層の地盤は洪積層の地盤と比べると地盤沈下、洪水、地震災害時の液状化などの被害にあいやすい場所です。私が事務所に行くときによく歩く外苑西通りは洪積層の河谷に土砂が堆積した沖積層で江戸時代、古川(恩田川ー渋谷川)が流れていました。恩田川は今でもの外苑西通りの下を暗渠として流れています。(千駄ヶ谷線)
      新宿御苑の東にある玉藻池から恩田川は流れ始めました。カメが甲羅干しをしています。
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その恩田川の地形上の源頭は、新宿事務所の南の新宿御苑の中にある玉藻池と下ノ池、中ノ池、上の池にあったようです。玉藻池は四谷大木戸門で分岐した玉川上水により出来た池だったようです。分岐された片方の水は暗渠を通り江戸市中に給水されたました。下ノ池、中ノ池、上の池の水は新宿御苑の西横にある天龍寺の境内の湧水から出来た池です。そしてそして玉藻池から流れた水と、下ノ池から流れた水が合流した場所が千駄ヶ谷駅の東にある外苑橋あたりだったようです。
この外苑橋のすぐそばには、今話題になっている国立競技場がありました。皆さん、国立競技場のある場所の住所をご存知ですか?新宿区霞ヶ丘町といいます。おそらく新宿御苑の2つの池から流れ出た水が合流したこの辺りはその昔、霞がたなびく沖積層の湿地帯だったのでしょう?

新宿御苑の南にある下ノ池から流れた水は千駄ヶ谷を通り外苑橋のあたりで玉藻池を水源とする恩田川に合流しました。
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そのような場所にキールアーチをかけるには沖積層の土をかなり掻き出さなければならないでしょうね。試算によると10トントラックで1日当たり100台搬出しても10年、1年でかたずけるとなると1日当たり10トントラックで1000台の搬出量になる話がTVで報道されていました。都心でこのような通交量があると道は傷むし一般の通行にも支障をきたすでしょうね。しかも国立競技場の横には地下鉄都営大江戸線、JR総武線が走っています。
  外苑西通りに隣接する国立競技場の跡地では整備作業が行われています。(8月5日撮影)
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建築物を作るには確かにデザインも大事ですが、実際に建物が建つことが前提です。今回の新国立競技場建設騒動のなかで、キールアーチ案が却下されたのは建築資材などの高騰が大きな要因とされていますが果たして本当なのでしょうか?建築物の提案をする場合、上っ面のデザインにこだわる前に、建築物を立てる場所の地層や、周辺の情報をしっかりつかんだうえで意匠(デザイン)考えるのが建築家の基本ではないかと思います!
風のガーデンの温度測定 2015年08月06日

連続猛暑日の記録更新が続く東京ですが、文京区にあります風のガーデンで温度測定を行いました。ここでは以前2013年7月25日にも温度を測定したのですがその時のデータは外気温が30度、コンクリートの表面温度が50℃、ガーデンクリート緑化システムの表面温度が32.4℃でした。7月の風のガーデン

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今回も前回とほぼ同じ時間(午後2時)に同じ場所で測定しました。測定に使用した計測器も前回と同じ非接触赤外線表面温度計で測定場所はコンクリート表面もガーデンクリート緑化システム表面も温度計も日陰の場所です。その結果は外気温度が33.0℃、コンクリート表面が58.8℃、そしてガーデンクリート緑化システムの表面温度は32.7℃でした。
            2015年8月6日午後1時57分 気温33度 湿度56%でした。
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コンクリートの表面温度は日陰でも58.8℃で2013年の7月に測定したときよりも8.8℃も高くなっていました、。
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     ガーデンクリート緑化システムの表面温度は32.7℃で前回とほぼ同じ温度でした。
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ガーデンクリート緑化システムでは芝生の部分の温度を測定しましたが、芝生は夏の水分蒸散量が1日当たり約5リットル/m2と言われていており、緑化システムもそれに合わせて灌水量を調整しています。1リットルの水が蒸発するときの気化熱は約540キロカロリーなのでガーデンクリート緑化システムで灌水されている芝生の1日当たりの気化熱は2700キロカロリー/m2ですね。
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水分を保水できないコンクリートは水分の蒸散作用を行うことが出来ず、太陽からのエネルギーを内部に蓄熱して表面温度が高くなりますが、水分を保水するガーデンクリートと灌水システムの組み合わせは常に適量の水を植物に灌水するので、気温が高くなっても植物の表面温度は気化熱の働きで一定に保つことが出来ます。
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                             8月6日撮影

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