三佐和ブログ


朝倉彫塑館2 2015年11月06日
久しぶりに朝倉彫塑館に行ってきました。2008年の11月に訪れて以来、7年ぶりの再訪です。朝倉彫塑館当時私はガーデンクリートを素材とした屋上緑化システムの開発を始めていましたが、70年以上も前に自ら現場打ちコンクリートを打設してビルを立ち上げ、その屋上に菜園を作っていた朝倉先生の開拓精神は、軽石を使用した緑化コンクリートで建物の屋上を緑化する課題に取り組んていた私に勇気を与えてくれました。
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朝倉先生が屋上に菜園を作った当時、ドリップチューブやタイマーなどの灌水装置は日本にはなく、雨水と手まきによる散水で植物を育てなければなりませんでした。そこで先生は土の厚みを20cm位に設定したようです。
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土中の保水量を20%とすると20cm厚みの屋上菜園の保水量は40r㍑/m2です。現在の東京の年間降水量が約1500mmなので土中保水量を40㍑/m2を保つには年間約38日(1500÷40)の降水が必要です。つまり一年を通して10日に一度は雨が降るこを想定ですね/(365÷38)芝生などの植物からの水分蒸散量もおよそ4mm/m2日ですから、東京の年間降水量からすると雨水をあてにした自然灌水では 20cmの土厚は妥当な想定だと思います。
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私が開発してきたガーデンクリートと灌水システムを組み合わせた緑化では、ガーデンクリートと土の厚み合わせて5cm位の厚みで様々な植物が育てられます。灌水システムには灌水タイマーと雨センサーが組み合わされているので季節ごとに灌水時間を調整し、雨の日は灌水を中止します。これにより一年を通して必要最小限の水量で植物を育てられることが可能になりました。さらに緑化基盤のガーデンクリートはコンクリートやアスファルトの上に直接施工できるので、屋上はもちろんの事、建物の周囲、道路に面した接道の緑化も容易になりました。
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ガーデンクリートを素材とした緑化システムも開発が終了し各地で実用化が進んでいますが、7年前に出会った朝倉彫塑館の屋上菜園が、コンクリートやアスファルトに覆われた都市の砂漠で植物を育てる私の挑戦の心の支えになりました。関連サイト:ガーデンクリート都市緑化システム  土と比較したガーデンクリート緑化システムの特徴  関連ブログ:風のガーデン


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