大田区南鎌田にあります大田区産業プラザPIOのテラスと、台東区浅草の浅草寺様境内でガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて芝生や野菜、花など様々な植物を育てています。ガーデンクリートには30%ほどの空隙があります。厚みが3㎝から6cm(フローラカスケード)のガーデンクリートの上で植物を育てるには、この30%の空隙内の保水性の継続が求められます。
PIOのテラスのトマト
芝生から蒸散される水量は、真夏で4mmから5mmと言われています。3cm厚みのガーデンクリートに保水される水量は9mmです。つまり2日に一度、雨が」継続して降る気候であれば3cm厚みのガーデンクリートの上でも植物は生命を繋いでゆくことが出来る計算ですね。(ガーデンクリートの保水性を補うために灌水システムが植物への灌水量を調整します。) PIOのテラスの西洋芝
一方、コンクリートやアスファルトは水分を内部に保水することが出来ません。降った雨も表面にとどまることがありません。以前、荒川区西日暮里にありますデベロッパーさんの住宅展示場の屋根にガーデンクリートを施工させていただき温度の測定をしたことがありました。測定した年は2004年の7月20日から8月14日にかけてでした。この時の測定データに基づき作成されたのが下記のグラフです。この年は東京で真夏日が7月6日から8月14日にかけて40日連続した年で記録的な暑さが続いた夏でした。グラフで示されているように外気温度が39℃のときに保水されたガーデンクリートの表面温度は43℃、そしてアスファルトやコンクリートの表面温度は60℃前後です。ガーデンクリートとアスファルトやコンクリートの表面温度に大きな差があるのはガーデンクリートに保水された水の蒸散作用の働きで表面温度が下がるからですね。
そしてガーデンクリートの上で芝生を育てると、表面温度はさらに低くなります。文京区の建物のテラスでガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて芝生や様々な植物を育てています。昨年の8月6日にここで、ガーデンクリートの上の芝生とコンクリートの表面温度を測定したのが下記の写真です。外気温が33度の時、芝生の表面温度は32.7℃、コンクリートの表面温度は58.8℃でした。
植物は根から吸い上げた水の90%以上が葉などから蒸散されるといわれています。植物たちが生きてゆくために炭水化物を光合成で作り出すのに必要な水分量は3%前後のようです。植物たちは太陽の光から受ける熱量を下げるために葉などを通して体内に取り込んだ90%以上の水分を蒸散させるようですね。人間が暑い中で、汗をかいて皮膚の表面温度を下げて体温を調整するのと同じです。
蒸散夏の太陽光の下でも、芝生の表面温度が30度前後に保たれるのはこのような仕組みがあるからですね。