今年の東京都内の7月は、前半から中盤にかけて雨が少なく気温も高く推移しました。先日、ようやく一定量の雨が降ったところです。
文京区の風のガーデンではこれまで、東京の年間降水量に基づいた灌水量を設定して灌水を続けてきましたがこれから8月にかけて熱帯地方の降雨量に基づいた灌水計画を立てようと思います。
温帯地方に属し、海に囲まれた日本の風土は春夏秋冬と4つの季節に分かれ、雨にも恵まれて豊かな自然を形成してきました。しかしコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われた東京の夏は、ヒートアイランド砂漠に様変わりします。
保水力の低下や人口の集中などに起因するヒートアイランド現象を生み出す都市の環境は、季節の気候の変化と雨の恵みを利用しながら植物たちにより作り出されてきた日本の風土とは別物として対応しなければなりません。ガーデンクリートと灌水システムを組み合わせた風のガーデンは、ヒートアイランド東京で、植物の生育が保てるように灌水量をコントロールします。
アルベドとは地球に入射する太陽光エネルギーのうち反射する光のエネルギーの割合を言います。
地球に入射する太陽光エネルギーは地球全表面の平均で342w/㎡といわれています。その3割は反射され、2割は水の蒸散に使用されるそうです。地球を覆う海のアルベドは0.06,森林のアルベドは0.09から0.15、そして砂漠のアルベドは0.4だそうです。
以前ブログで外気温度が39度の時にコンクリート、アスファルトの表面温度が約60度、保水されたガーデンクリートの表面温度が43度であることをお話ししました。また外気温度が33度の時にコンクリートの表面温度が58.8度、芝生の表面温度が32.7度の測定記録についてもお話ししました。
コンクリートやアスファルトは砂漠と同じように水分の保水率が低く太陽光を反射するアルべドが大きいので表面温度も高いのでしょうね。そして芝生の表面は森林と同じように保水力があり水分を蒸散出来るのでアルベドが低いのだと思います。
それでは保水されたガーデンクリートのアルベドはどのぐらいになるのでしょうか?アスファルトやコンクリートの表面温度が60度前後の時に保水されたガーデンクリートの表面温度は43度、そしてガーデンクリートの上の芝生の表面温度が33度前後でした。コンクリートやアスファルトのアルベドが砂漠のアルベドと同じとすると0.4,芝生のアルベドが森林と同じとすると0.09から0.15とすると、保水されたガーデンクリートのアルベドは0.25から0.3前後になるのかもしれません?ちなみに土のアルベドは0.2から0.3前後のようです。
各種の裸地土壌 におけるアルベ ドと分光反射率の土壌水分依存性参照
アルベドの数値を見てもガーデンクリートが土の性質に似ていることがわかりますね。
水は蒸散するときに地表の太陽光エネルギーを使用します(気化熱)。それにより地表の温度を低く保てるのです。植物の優れているところは、太陽光エネルギーを利用して光合成を行うだけでなく、水を利用して必要以上の太陽光エネルギーを蒸散させることで生命を維持する体温の調整機能を備えていることです。
このような機能を得るために生命は地球上で35億年以上の歳月を重ねてきました。
写真は今の季節の新宿御苑の様子です。木々の下を歩くと涼しく、芝生の上の照り返し温度がアスファルトよりも低く、まさにコンクリートジャングルとアスファルト砂漠の中の緑のオアシスですね。
三佐和ブログ都市環境編Ⅱがアップされました。
都市環境の保護と再贅を目指して都市環境編Ⅱホームページの資料ダウンロードのコーナーからダウンロードすることが出来ます。
これから日本をはじめとして世界各地で人口の都市集中が進むことが予想されています。人口が減少傾向にある温帯地方でも、人口が増加傾向にある熱帯地方でも人々はライフラインの整備された快適な都市空間を求めて集まってゆくことでしょう。
温帯地方ではヒートアイランド現象の発生により、人々が不快感を覚えるのは夏の間の3か月程度ですが熱帯地方の都市のヒートアイランド現象は一年を通してより厳しい環境が予想まれます。
都市では人々が快適な空間で過ごせるように建物や道路が整備されています。それに伴いコンクリートジャングルやアスファルト砂漠が増加して、世界規模でヒートアイランド都市が生まれています。
都市のヒートアイランド現象を解消するには都市の保水力をアップして雨水を貯留できる環境を造ることです。透水性能、保水性能、通気性能に優れたガーデンクリートはコンクリートジャングルやアスファルト砂漠を緑のオアシスに変えてゆきます。
PIOのテラスでは4月の終わりから5月にかけて植えた寺島ナス、内藤トウガラシ、トマト、ピーマンが実を付けています。そして5月の下旬に植えたキュウリも成長して黄色い花を咲かせています。
大きくなった寺島ナス
内藤トウガラシも緑色の実を膨らませています。
今年もピーマンの実がなりました。ピーマンと内藤トウガラシは葉も実も似ていることに気がつきました。トウガラシとピーマンは兄弟のようなものでカラミのもとであるカプサイシンを持たない仲間がピーマンやパプリカと呼ばれるようですね。
トウガラシとピーマンは兄弟 ミニトマトが美味しそうな実を連ねています。
キュウリが黄色い花を咲かせています。
6月のPIOのテラスの野菜フィールドの1日当たりの灌水量は1.6リットル、1㎡当たりの灌水量は1.7リットル/日でした。3cm厚みのガーデンクリートの上に灌水クロスを敷いて3cmぐらいの土の上でナス、トウガラシ、ピーマン、トマト、キュウリが元気に育っています。