9月も終わりを迎えています。芝生フィールドの芝も西洋芝の種「
年中無休」と「
Tyee」を蒔き猛暑の中で復活しました。これから気温が下がり西洋芝はさらに元気に成長してゆくことでしょうね。
今年は初の試みとしてカスケードブロックで稲を育て稲穂も実りました。今年の経験を活かしながら来年もカスケードブロックで稲を育ててみようと思います。
今年の野菜フィールドは猛暑のせいか昨年と比べて受粉活動を手助けする昆虫があまり見かけられませんでしたが、ミニトマト、パプリカ、内藤トウガラシが良く育ちました。
そろそろ秋から冬にかけて育てる植物の選定を始めようと思います。9月28日撮影
先のブログで「これから秋にかけて風のガーデンの灌水量をヒートアイランド東京に適した灌水量に設定しました。」と述べましたが、ヒートアイランド東京に適した灌水量とはどのような灌水量なのでしょうか?それはドリップチューブから灌水クロスを通して植物に灌水される水量が緑化基盤のガーデンクリートの保水量を上回り周囲にオーバーフローしないぎりぎりの灌水量です。
東京都文京区にあります建物の9階に設置した風のガーデンで、ガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて植物を育てて7年目を迎えています。7年にわたる植物栽培の経験を通して作りだされたのがヒートアイランド東京に適した灌水計画です。目安として冬は東京の年間降水量、夏は香港シンガポールの年間降水量、そして春と秋はその間の数値を参考にして灌水計画を立てています。
風のガーデンでは3cm厚みのガーデンクリートと布を粉砕した代替土壌の上で様々な植物を育てています。そこでの灌水計画は地植えの植物への灌水よりも気を配らなくてはいけません。
7年に及ぶ風のガーデンでの植物栽培の経験から、植物が必要とする水分量を一年を通して把握することが出来ました。
植物が根から吸い上げる水分の内、光合成で利用される水量はおよそ3%前後のようです。残りは植物の体内にとどまる水分と体外に蒸発してゆく水分です。気温が高くなるにつれて植物から体外に蒸発する水分は増えます。そして気温が低くなるにつれて蒸発する水分が減る仕組みです。
つまり植物からの水分の蒸発量は、植物を生育しているその土地からの水分蒸発量に近い数値ではないかと思います。地植えの植物は土に保水量があるので必要な水分を地面から吸い上げることができますが、保水性のないアスファルトやコンクリートの上で植物を育てるには、太陽熱により植物の体内から蒸発するのに見合う水分量をどこかに確保しなければいけません。3cm厚みのガーデンクリートとドリップチューブと灌水クロスを組み合わせて灌水される水分量を調整することで、植物から蒸発する水分量を確保するのがガーデンクリート植物栽培システムのしくみです。
9月に入り東京の気温も下がり始めました。風のガーデンの灌水量も気温に合わせて変更しました。風のガーデンでは3か月ごとに灌水量を調整して植物に灌水しています。冬の3か月間(12月中旬から3月中旬まで)は東京の年間降水量を参考にしています。春の3か月間(3月中旬から6月中旬まで)と秋の3か月間(9月中旬から12月中旬まで)はヒートアイランド東京に適した灌水量、そして夏の3か月間(6月中旬から9月中旬まで)は香港・シンガポールの年間降水量を参考にして灌水計画を立てています。
ヒートアイランド東京にある風のガーデンで夏至冬至、春分秋分を目安にした灌水方法ですが、古代中国では暦をを24まで分割して季節の動きを見ていたようですね。中国中原の人々が季節の移り変わりを感じながら見出してきた素晴らしい暦です。
二十四節気自然に囲まれていたであろう中原の人々は季節の移り変わりを敏感にとらえて二十四節気まで分けることが出来たのでしょうね。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京では季節の移り変わりを二十四節気まで微細にとらえることが出来なくなったようです。
弁解がましいですがIT・ライフラインの整備された都市環境で暮らす私自身が、自然に囲まれた古代中原の人々のように自然環境の変化を敏感にとらえる感覚を失っていることも大きな要因です。
9月も半ばを迎え風のガーデンの灌水量をヒートアイランド東京の環境に適した灌水量に調整しました。来週は秋分です。 関連ブログ:
啓蟄に虫を見る 9月18日撮影
今年の夏、東京は35度を超える猛暑日が続き例年にない暑さを経験しました。そして埼玉県熊谷市では8月23日に日本歴代最高気温41.1度を記録しました。ヒートアイランドの規模が東京と比べて小さい熊谷が最高気温を記録した原因はいくつかあると思われます。
その一つは熊谷が内陸部に位置しているからではないでしょうか?東京は熊谷に比べてヒートアイランドの規模は面積、人口などを比較しても大きいのですが海に面しており海水表面の
アルベドが土よりも小さいことが影響していると思います。また、コンクリート構造物やアスファルト舗装にこもった
輻射熱による暑い空気が上昇しながら南風に運ばれて内陸の熊谷を覆ったことも最高気温更新に影響を与えたような気がします。熊谷にお住いの方も昔は今ほど暑さを感じなかったとおっしゃっていました。
ヒートアイランド東京を作りだす原因は、コンクリート構造物、アスファルト舗装、人口、クーラーや自動車からの廃熱など様々な要因がありヒートアイランド現象を解消することは一筋縄ではいきません。しかしヒートアイランドの中で暮らす人々が身近な空間を緑化して保水率を高めることで対処することが可能です。
ブミコンとガーデンクリートは保水率を高めたり植物を育てることで都市に潤いを与え広大なヒートアイランド砂漠に無数のオアシスを作るお手伝いをいたします。
最近の三佐和ブログ中からいくつかのブログをまとめてPDFにアップしました。ホームページトップの資料ダウンロードのコーナーからもダウンロードできます。ご利用ください。
私は新宿御苑を抜けて事務所に通っています。猛暑日が続いた今年の夏は、御苑の木陰を歩く度に涼しさをつくづく体感しました。新宿御苑はまさにヒートアイランドの中のオアシスです。
新宿御苑は江戸時代、信州高遠藩、内藤家の江戸中屋敷でした。そして江戸の町で流行していたソバの薬味としてトウガラシが人気になったのが内藤トウガラシの始まりだそうです。
内藤トウガラシ今年も5月の始めから新宿事務所や大田区産業プラザPIOで内藤トウガラシを苗から育てていますが白い花が咲き赤い実をつけ始めました。
明治8年に内藤家の中屋敷は日本初の農業試験場「内務省内藤新宿試験場」に変わりイチゴやメロンなどの果物や街路樹用の樹木の開発が行われました。以前のブログでもお話しましたが新宿駅東口の高野フルーツパーラーは当時、農業試験場で作られた果物を販売していたそうです。
百年の巨木 モモのフルーツパフェ お値段は張りますが品質の良いモモで美味しかったです。
農業試験場はその後、皇室の御苑になり昭和天皇が皇太子であられたころ、ここでゴルフを楽しまれたそうです。確かに今の御苑にもゴルフ場の面影がありますね。
冬の新宿御苑ゴルフコース?東京でヒートアイランドの不快感を味わうのは6月中旬から9月の中旬にかけての3か月間です。ヒートアイランド東京は冬を迎えると、自然に恵まれた周囲の環境と比べるとやや暖かい気候になるのですが、これはヒートアイランドで育つ植物にとっては悪い気候ではないような気がします。
美しい御苑の芝生もこれから秋から冬に向けて休眠の準備を進めます。
9月8日撮影
浅草寺様の境内に設置されたフローラカスケードの植物たちも何とか猛暑を乗り切ったようです。
日当たりの良い場所に植えたニチニチソウは今花盛りです。
同じく日当たりの良い場所に植えたバジルが大きく伸びました。
大イチョウの後ろのハーブたちからは良い香りが漂っています。
もう少し涼しくなったら、またイチゴを植えてみようと思います。
9月6日撮影