三佐和ブログ


ヒートアイランド東京に適した灌水量 2018年09月22日
先のブログで「これから秋にかけて風のガーデンの灌水量をヒートアイランド東京に適した灌水量に設定しました。」と述べましたが、ヒートアイランド東京に適した灌水量とはどのような灌水量なのでしょうか?それはドリップチューブから灌水クロスを通して植物に灌水される水量が緑化基盤のガーデンクリートの保水量を上回り周囲にオーバーフローしないぎりぎりの灌水量です。
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東京都文京区にあります建物の9階に設置した風のガーデンで、ガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて植物を育てて7年目を迎えています。7年にわたる植物栽培の経験を通して作りだされたのがヒートアイランド東京に適した灌水計画です。目安として冬は東京の年間降水量、夏は香港シンガポールの年間降水量、そして春と秋はその間の数値を参考にして灌水計画を立てています。

P1350857.JPG風のガーデンでは3cm厚みのガーデンクリートと布を粉砕した代替土壌の上で様々な植物を育てています。そこでの灌水計画は地植えの植物への灌水よりも気を配らなくてはいけません。
7年に及ぶ風のガーデンでの植物栽培の経験から、植物が必要とする水分量を一年を通して把握することが出来ました。
P13509341.JPG植物が根から吸い上げる水分の内、光合成で利用される水量はおよそ3%前後のようです。残りは植物の体内にとどまる水分と体外に蒸発してゆく水分です。気温が高くなるにつれて植物から体外に蒸発する水分は増えます。そして気温が低くなるにつれて蒸発する水分が減る仕組みです。
P13509441.JPGつまり植物からの水分の蒸発量は、植物を生育しているその土地からの水分蒸発量に近い数値ではないかと思います。地植えの植物は土に保水量があるので必要な水分を地面から吸い上げることができますが、保水性のないアスファルトやコンクリートの上で植物を育てるには、太陽熱により植物の体内から蒸発するのに見合う水分量をどこかに確保しなければいけません。3cm厚みのガーデンクリートとドリップチューブと灌水クロスを組み合わせて灌水される水分量を調整することで、植物から蒸発する水分量を確保するのがガーデンクリート植物栽培システムのしくみです。



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