秘められた自然法則に対する畏怖 | 2019年06月29日 |
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アメリカの物理学者R.Pファインマンの回顧録「御冗談でしょう、ファインマンさん」(大貫昌子訳 岩波現代文庫)を読みました。その中でファインマン先生が自然法則について語った素晴らしい文章があったのでご紹介します。
言うなればこの世界の美しさに対する感動を、なんとか表現したいと思っていたのだ。感動だからなかなかうまく説明できないが、全宇宙を司どる神に対する宗教感情に似たものといえるかもしれない。この世界で外観も性質もぜんぜん異なったものが、実はその「背後」では同じ組織、同じ物理的法則に支えられているのだということを考えるとき、人間が感じるあの気持ちも宗教感情に一脈通じるものがある。
それは自然の数学的美というもの、言いかえれば内側で自然がどのように働いているかを味わうことであり、僕らが目のあたりにしている自然現象というものは、実は原子同士の複雑な内的活動の結果なのだということを悟ることでもある。そしてそれがどんなに劇的で、どんなに素晴らしいことかを感じ取ることだ。それはほとんど畏怖(言ってみれば秘められた自然法則に対する畏怖)に近い感情なのだ。「それでも芸術か?」より
先日神宮球場で野球を観戦していたら美しい夕日をみかけました。夕日は長い波長の赤い太陽光が空気中の窒素や酸素分子、火山灰などのチリに当たって見える自然現象ですね。6月18日撮影 関連ブログ:光は生命の源 自然法則に従い中道を行く