ヒートアイランド東京の夏3 | 2019年08月21日 |
---|
今回は東京とシンガポールの気候を比べてみようと思います。先のブログでもご紹介した、東京の月ごとの降水量を月ごとの気温の合計で割り100をかけた表とグラフと、同じ方法で計算したシンガポールの表とグラフをご覧ください。
東京
シンガポール
上の二つの表とグラフを比較して気がついたことは、降水量を気温の月ごとの計で割った数値が気温よりも下回った期間を体感的ヒートアイランドという言葉で現すと、東京の体感的ヒートアイランドの季節は6月中旬から9月中旬までの3か月間、シンガポールの体感的ヒートアイランドの季節は2月から11月までの10か月間ということになりますね。
そしてこの体感的ヒートアイランドの季節は、東京における寒地型芝草のGrowth Potentialが低下する季節でもあります。芝生とヒトでは大きな違いがありますが、東京に暮らすものとして6月中旬から9月中旬までの東京の夏は気温と湿度が高く体力も消耗することを体感します。
「ヒートアイランドにオアシスを」をテーマとしている私にとり、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドで手軽に植物が良く育つ環境を作ること。植物を育てることでヒートアイランドの保水率を高める事。そして植物の蒸散活動を通してヒートアイランドの体感的な温度を下げて、人々により快適な環境を提供することが活動の目的です。
私が生活している東京は冬と夏の温度差が大きく、寒地型芝草と暖地型芝草の比較でご説明したように、夏と冬では育てる植物を選ぶ工夫が必要です。また一年を通して温度差のあまりないシンガポールのような熱帯地方では、一年を通して同じ植物を育てることで緑が保てると思います。温度差の大きな東京の環境も、気温の高いシンガポールの環境も、その環境に適した植物を選び、その環境に適した灌水量を計画することで、ヒートアイランドをオアシスに変えることができるのです。