三佐和ブログ


芝生をめぐる水の循環 2019年10月11日

大田区産業プラザPIOに設置された芝生フィールドの10月11日までの灌水量がまとまりました。昨年の10月12日から今年の10月11日までの芝生フィールドの年間灌水量は2508㍑でした。1㎡当たりの灌水量は1393㍑です。一日当たり3.8リットル/㎡の灌水量です。ちなみに東京の年間降雨量は1528.8mmです。(理科年表第92冊)灌水量と降雨量を合計すると2921.8㍑です。1日当たりに換算すると8㍑/㎡になりますね。

P90900071.jpg

芝生からは1日当たりおよそ4㍑の水分が蒸散されるといわれています。年間合計は1460㍑。灌水量と降雨量の合計から蒸散量を引くと1461.8㍑で1日当たりに換算すると4㍑/㎡になります。これらの変化をまとめますと、下記のレイアウトのようになります。

雨水の循環.png

上のレイアウトを見て分かることは、芝生は雨水と灌水された水を吸収して,光合成で作られたエネルギーを利用して根や葉を作ります。また水分を体外に蒸散させることで体温を調整します。降雨量と灌水量を加え蒸散量を引いた芝生とガーデンクリートに保水される水分はおよそ4㍑/㎡になります。ガーデンクリートと土の厚みが約5cmなので1㎥あたりに換算するとおよそ80㍑です。これは1㎥当たり8%の水分量です。アメリカの芝草学者マイカ ウッズ博士によるとグリーンは自然排水した後、土壌に残る水分が1㎥当たり15%~25%となるのが望ましいそうです。お水番から灌水される水分量が芝生を育てるのに理想的な水分量の半分以下の8%であるということはお水番が、芝生が必要とするだけの水分量を継続して補給しているということですね。(USGA全米ゴルフ協会スペックより)(芝草科学とグリーンキーピング ゴルフダイジェスト社自然灌水システムお水番とガーデンクリートを組み合わせた芝生フィールドはベントグラスをはじめ植物を育てるのに理想的な環境を作ります。


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