毛細管現象と蒸散作用 | 2020年03月08日 |
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先のブログでご説明した芝生からの水分の蒸散作用についてもう少しお話ししようと思います。ガーデンクリートと灌水クロスの上に土を2cmほど載せて芝生を育ていると、芝生が育っている周囲は土が濡れているのですが、芝生がない場所の表面の土がか乾くことがあるのです。
これは芝生の根が蒸散作用の働きで灌水クロスから水を吸い上げて葉に送るときに、濡れた根の周辺の土が毛細管現象の働きで湿るのに対して、芝生のない場所では芝生の蒸散作用が働かないので、土が乾くからだと思います。冬の間は芝生の表面に光があまり当たらないので芝生から蒸散する水量は少なく灌水タンクの水はあまり減りませんが、西洋芝は緑を保つために光合成をおこなうので少量の水分は必要とします。PIOのテラスの西洋芝3月6日撮影
先のブログで紹介した水の循環に説明を加えると、芝生の葉から蒸散作用で空気中に蒸発した水分を補給するために、灌水タンクから毛細管現象の働きで灌水クロスを通して芝生の下の土とガーデンクリートに3.8㍑/㎡・日の水が伝わります。そして芝生の根がら蒸散作用の働きで4㍑/㎡・日の水が葉から蒸散するとともに根の周囲の土も毛細管現象の働きで濡れるという仕組みですね。
1気圧の大気中で植物が毛細管現象の働きで導管から水を吸い上げられる高さは10メートルほどだそうです。10m以上の高さの植物が水を吸い上げられる仕組みは植物の葉にある気孔から、蒸散作用を通して水分が蒸散することで、導管内の圧力が下がるので水分を上まで引っ張り上げることができるからだそうです。毛細管現象と蒸散の関係参照