ヒートアイランドにオアシスを2021 | 2021年01月01日 |
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先のブログで「私の仕事は人工物に覆われた76%の東京を透水性コンクリートブミコンと緑化コンクリートガーデンクリートで被覆してオアシスを作ることです。ただ76%の人工物をすべてブミコンとガーデンクリートで覆うことなどは全く考えていません。」と述べましたが、その理由は東京23区の人工物をすべてブミコンやガーデンクリートで覆う事が不可能であることがもちろんですが、ほかにも理由があります。
以前私はブログで過去56年にわたる東京の気温の変化についてお話したことがありました。「ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化2」理科年表のデータに基づいて過去56年の東京の気温の変化をグラフにしたものですが、それによると真夏8月の東京の気温は1961年も2017年もあまり変わらずにほぼ同じ数値になっていました。それに対して1月、2月の気温は2017年の方が高くなっていることがわかります。下記のグラフをご覧ください。
2017年は1961年に比べて、東京は都市化が進み人工物の質量(重量)が確実に増えているのに、なぜ真夏の温度に変化がないのでしょうか?その答えは気温の測定方法にあるようです。東京の気温は大手町の気象庁で測定されてきましたが、その測定方法は世界(WMO)基準に準じた方法で芝生の上、地上1.5mの測定地点に百葉箱やファン付きの通風筒の中に入れた温度計で測定されているようです。
都市化が進み人工物が増えても真夏の芝生の上の気温は、都市化が進む前と比べて温度にあまり変化がないということですね。もちろん、真夏のコンクリートやアスファルトなど人工物の上の気温は芝生よりも20度以上の開きがありますが。
私はこの現象に注目しています。コンクリートやアスファルトなどの人工物が増えた東京でも、その上に芝生などの植物を載せて育てる空間が都内の各地に広がると、そこは日陰で56年以上前の東京の夏に似た環境に近づくのではないでしょうか。
上のグラフを見てわかることは都市化が進み人工物が増えると冬の気温が高くなり、それに伴い年間の平均気温が高くなるということです。人工物が増えることで都市の温暖化が進んでいるといえるでしょうね。でも冬の気温が高くなることは人間や植物にとり過ごしやすい環境になっているのではないでしょうか?