三佐和ブログ


世界に散在する240の気象観測施設 2021年01月12日

20世紀以降,世界の平均温度は高くなっているといわれていますが、その根拠となる世界の気温はどのようにして観測されているのでしょうか?その一つが理科年表の気温年表に掲載されている世界各地240地点で観測された気象観測平年値です。理科年表ではWMO(世界気象機関)の資料に記載された世界240の観測地点で計測された気象データや、アメリカの国立気候データセンターが配布しているデータに基づき気象庁がまとめた数値が掲載されているようですね。一方で私が活動をしている東京の気温は、日本全国の気象台、測候所など156地点の一つとして観測されています。観測場所は2013年までは東京都千代田区大手町にある気象庁に設置された観測施設で観測されました。そしてその後は、気象庁の測定場所から900メートルほど離れた北の丸公園に観測施設が移されたようです。世界の気象観測施設の位置を示した地図をご覧ください。

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この地図を見て気が付くことは世界に分散された気象観測施設の多くが都市に置かれていること、そしてロシア、中国、インド、南北アメリカなどでは空白の地帯が多く見受けられることなどです。もっとも地球規模の視点に立つと、ここに見られる気象観測施設の設置された場所は限られた点にすぎませんね。地球上の人工物と植物の重量が同じになったい現在でも、植物が生息する面積は人工物が集積する都市の面積よりも圧倒的に広いようですね。

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それでは都市で計測された気象観測データと自然の中で観測された自然観測のデータではどのような違いがあるのでしょうか?私の生活している東京23区の温度測定は千代田区大手町にある気象庁で計測されてきたことは先のブログでもお話ししました。「ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化2」東京の過去56年の気温の変化を見ると、都市の人工物が増えるに従い冬の気温が高くなる一方芝生(植物)の上で測定された夏の気温には大きな変化がみられず、それにより年間の平均気温が高くなっているようです。

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この傾向は東京に限らず、世界中の人工物が増えつつある都市でも見られるのではないでしょうか?そして地球規模で圧倒的に広い植物が生息する場所では,地中の水分を吸収して体外に蒸散させて体温を調節する植物による水の循環が行われ、この機能を持たない人工物に覆われた場所よりも気温の上昇を防いでいるのではないでしょうか?人工物に覆われた都市の気温の変化を見ただけで,地球規模で気温が上昇していると結論づけることは難しいと思います。関連ブログ:「都市の温暖化と地球の温暖化


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