イスラエルの灌水技術 | 2021年07月28日 |
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ネットを見ていましたら「東南アジア各国イスラエルの技術で農業増産を目指す」という記事がありました。イスラエルには砂漠を緑化して国土の緑化を進めてきた素晴らしい灌水システムの技術が蓄積されています。この技術を活用して東南アジアの各国が農産品の増産を進めようとする話です。
当社で開発しましたガーデンクリート植物栽培システムにもイスラエルの灌水システムの技術が利用されています。ガーデンクリート植物栽培システムはガーデンクリートを緑化基盤として、灌水システムお水番を組み合わせた緑化システムでコンクリートやアスファルトの上で様々な植物を育てることができます。特許第5692970号
灌水システムお水番の原理は水を点滴化して灌水することで、イスラエルで開発された点滴灌水システムと当社で開発した点滴灌水システムの2種類のシステムがあり、植物を育てる環境に応じてこれらのシステムを使い分けています。水道水が利用できる場所ではイスラエルの灌水システムを、そして水道水が利用できない場所では当社で開発した灌水システムが利用できます。
21世紀は気候変動と人口増加の時代です。世界規模での人口増加に伴い人々がインフラストラクチャーの整備された都市に集まってきています。世界規模で大都市化が進み、それに伴い都市のヒートアイランド化が様々な場所で発生しています。ガーデンクリート植物栽培システムはコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドを緑化して、都市に無数のオアシスを作るのが目的です。私は第二次大戦後イスラエルに移住して砂漠を緑化していったイスラエル人の英知と忍耐力から様々なことを学ばせていただきました。関連ブログ:「砂漠の緑化から都市の緑化へ」
芝生から大気に蒸発してゆく水分量4 | 2021年07月21日 |
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6月29日から7月20日までの植栽装置オアシスから蒸発した芝生の蒸発水量のデータがまとまりました。
6月29日から7月20日までの東京は梅雨の気候で7月16日に梅雨が明けました。今回の測定では湿度の上昇率が高く、それに伴い芝生や植栽装置オアシスからの水分の蒸発量が減少傾向に向かったのが大きな特徴でした。下のグラフでその傾向が読み取れます。
このグラフを見て気が付いたことは、湿度の上昇グラフと、芝生やオアシスからの水分蒸発量の下降のグラフに対称性がみられることです。そこで湿度の推移の数値と芝生の蒸発量の推移の数値を足して2で割り平均値を出してみました。下記のグラフをご覧ください。
オレンジ色で示されたグラフが平均値の推移ですが、ほぼ横ばいでここに来て少し下降してきました。考えられることは、芝生からの水分蒸発量と大気中の湿度の間には、相互のバランスがある程度取れるポイント(飽和点)があり、ここにきて大気中の湿度の上昇に伴いそのポイントが下がる傾向がみられることです。
しかし7月16日に梅雨が明けてからの晴れの日の1日当たりの芝生からの水分の蒸発量も再び増加し始めたようです。芝生からの水分蒸発量と湿度や気温の関係も夏の気候の中での観測に入りました。これから8月中旬に向けて芝生からの水分蒸発量がどのように変化してゆくのか楽しみです。
自然の方から教えてもらうんだ | 2021年07月17日 |
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「ファインマン先生最後の授業」レナード・ムロディナウ著(ちくま文庫)を読みました。この中で著者がファインマン先生と交わした面白い会話があります。
著者が先生に「統一場理論ですよ。僕たち誰もが望んでいる理論ですよね。」と問うたところファインマン先生は「僕は何も望んじゃいないよ。自然は、僕の望みなんかとは関係ないからな。統一理論があるかなんて、どうしてわかるんだ?理論は四つだよ!それぞれの力に一つだ!僕にはわからんよ。自然に向かってどうしろこうしろなんて、とても言えんね。自然の方から教えてもらうんだ!」130ページ
ファインマン先生らしい考え方ですね。自然現象に対して好奇心(興味)を持つことがファインマン先生の行動の第一歩です。自然現象の変化に対して興味を持ち、それを数字やグラフに置き換えてゆく事は楽しいことです。
私も事務所のベランダの芝生が毎日吸い上げる水量の変化を数値とグラフに置き換えていますが、毎日芝生が吸い上げる水分が周囲の気温や湿度の影響を受けながら変化してゆくのを見ると、芝生は生きているということが実感できて、大変興味深く感じます。
7がつのPIOのテラス | 2021年07月16日 |
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7月も中旬を迎えましたが東京の前半の気候は雨や曇りの多い日が続きました。その中でPIOのテラスのイチゴや西洋芝は元気です。イチゴが育っている野菜フィールドの最近の灌水量はおよそ5.4㍑/㎡・日でした。
4月の下旬から5月にかけてピークを迎えたイチゴも、ここにきて再び花を咲かせ赤い実をつけ始めました。野菜フィールドのイチゴは甘酸っぱい野生の味がします。
植栽装置オアシスのミントは一度枯れましたがここにきて復活して、再びクリーピングベントグラスと生存競争を始めたようです。
東京も梅雨が明けたようです。これから日差しの強い暑い夏を迎えますが、タイルに囲まれたテラスの厳しい環境で、緑化ブロックやカスケードブロック、そして植栽装置の上でイチゴや芝生、ミントなどの植物たちが、自然灌水システムお水番で灌水量を整えながら育ってゆく様子を見守ってゆこうと思います。7月15日撮影
7月の新宿御苑 | 2021年07月14日 |
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新型コロナウイルス感染症対策のために東京都に緊急事態宣言が発令している中で新宿御苑は、多少の制約はありますが人々に癒しを与える都会のオアシスの役割を果たしてくれています。
今朝は温室を訪れましたが、スイレンやランが美しく咲いていました。人間は自分たちの都合に合わせて自然を整えてゆきますが、自然のとてつもなく強い力に立ち向かうことはできません。いま世界を席巻しているコロナが人間に与えている影響を見ればよくわかります。
植物と比べても、人間は植物たちの生命力にはかないませんね。植物たちにとってコロナの影響は他人事です。
人間は地球を取り巻く自然の中の微力な一員であることを忘れてはいけませんね。人間は自然をコントロール(制覇)出来るといった奢りを持つことは愚かなことです。コロナの影響で社会が混沌としている中で、自然に囲まれた御苑を歩いていると人間の微力な存在をつくづくと感じます。
7月の新宿事務所 | 2021年07月13日 |
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7月に入り新宿事務所のベランダでは面白い現象が見られます。一つはカスケードブロックで育っているビオラの成長力です。今までビオラは11月ごろにカスケードブロックフローラに植えて5月ごろまで花を咲かせていたのですが、今年は夏に入ってもまだ花を咲かせ続けています。
もう一つはミントが白い花を咲かせたことです。ミントも新宿事務所にやってきて5年ほどたつのですが、今年は成長が旺盛です。
夏に入りコーヒーやパキラも葉につやが出て元気そうに日々を過ごしています。
植栽装置オアシスで植物の葉から蒸発してゆく水分量を観察している西洋芝ベントグラス007ですが、半年以上も葉を刈るのをやめて伸び放題です。葉から蒸発してゆく水分量の変化も面白いデータが読み取れます。
新宿事務所のベランダの気温も26度を超えて、これから本格的な夏を迎えますが植物たちがガーデンクリートで作られた様々なブロックで、さらに元気に成長を続けてもらいたいと思います。7月13日撮影
7月のフローラカスケード | 2021年07月12日 |
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浅草寺様境内に設置されたフローラカスケードではツルニチニチソウとインパチェンスが梅雨の中で成長をを続けています。
特にツルニチニチソウの成長が旺盛で、フローラカスケード全体をカスケード(小滝)のようにを覆ってきました。
このような環境の中で夏の花インパチェンスがどのように成長してゆくのか注意深く観察してゆこうと思います。
西光寺様ブミコン舗装2 | 2021年07月07日 |
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葛飾区四つ木にあります天台宗西光寺様墓所ブミコンD工区の舗装が終了しました。 梅雨に入った6月半ばからの仕事でしたが。お盆の前に終了して一安心です。
西光寺様の墓所はもともと水はけは悪くない土地ですが、ブミコンで表面を覆うことで、歩きやすいバリアフリーの歩行環境に変わります。7月7日は二十四節の小暑ですね。これから東京も暑い季節を迎えます。
次の施工は夏の暑さを乗り越えた8月下旬から9月上旬を予定します。秋のお彼岸前までには施工を終わらせようと思います。
7月7日撮影
7月の浅草寺様の境内 | 2021年07月06日 |
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7月に入り昨年、宝蔵門の横をブミコンで透水性舗装をさせていただき1年が経過しました。浅草寺様境内のブミコンは下地の路盤と合わせて約20mmの雨を透水させることが可能です。
浅草寺様の境内ではU字構をグレーチングで覆い雨水を排水するシステムが整備されています。瞬間的に1時間当たり20mm以上の雨が降ってもブミコンからオーバーフローした雨水は排水構を通して下水に流すことが可能です。
今年の梅雨も日本各地で大雨による被害が発生しています。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われた都市環境では、短時間で降った雨水を処理するのに限界がありますね。東京都では浸水対策として1時間当たり50mmの降雨量を排水できるシステムが整備されつつあります。(全地域の整備が完成させるには 30年ほどかかりそうですが?東京都の下水道2013参照)
これからもブミコンと排水システムを組み合わせながら、ヒートアイランド東京の集中豪雨、ゲリラ豪雨の対策を目指したいと思います。参考サイト:ゲリラ豪雨・雷雨対策に(透水性舗装)7月5日撮影
芝生が生きている証 | 2021年07月01日 |
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先のブログで灌水装置全体からの水分蒸発量の変化と芝生からの水分蒸発量の変化の比較を、温度と湿度の変化を交えてお話ししました。
今回は灌水装置全体から蒸発する水分蒸発量から芝生からの水分蒸発量を除いたデータと芝生からの水分蒸発量の変化を、温度と湿度の変化を交えてグラフにしてみました。
このグラフでグレーの線で表示されているのが灌水装置全体から蒸発する水分蒸発量から芝生からの水分蒸発量を除いたデータの変化です。そして緑色で表示されているのが芝生からの水分蒸発量の変化です。グレーのグラフは湿度の青のグラフが4月下旬に下がった時にピークを迎えその後、下降して推移しています。一方で緑色の芝生の水分蒸発量のグラフもグレーのグラフと同じ時期にピークを迎え下降し始めますが、グレーのグラフを上回るポジションを保ちながら推移しています。
4月の下旬から大気中の湿度や気温が上昇してゆく中で、芝生からの水分蒸発量が灌水装置、つまりガーデンクリートと表面の土よりも高いポジションを保つということは、無機質の土や緑化コンクリートと比べて芝生が生命を保つために水分の蒸散作用を続けている証ではないかと思います。これから夏にかけて気温や湿度が上昇してゆく中で、芝生からの水分蒸発量と、土やガーデンクリートからの水分蒸発量がどのように変化してゆくのか興味深く観察してゆこうと思います。写真は灌水装置オアシスで成長を続けるクリーピングベントグラス007 7月1日撮影