福徳岡ノ場火山噴火の軽石 | 2021年11月06日 |
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2021年8月13日から15日にかけて小笠原諸島硫黄島の南方60㎞に位置する福徳岡ノ場火山の噴火で噴出された軽石が2か月後に琉球諸島に到着しました。福徳岡ノ場火山2121年(地質調査総合センター)この軽石が11月ごろから黒潮に乗り北上して本州に漂着するかもしれないという記事を見かけました。ウエザーニュース軽石が日本の周辺に漂着することで漁業をはじめ様々な分野で負の効果が現れる見方はニュースで紹介されているので、ここで取り上げることはしませんが、軽石を素材として商品を開発している者としての意見を述べさせていただこうと思います。
まず海底火山からの噴出物が海面に浮くというということは、噴出物の内部に空気が含まれていて比重が1(1000kg/㎥)以下の物質であることですね。緑化コンクリートガーデンクリートで使用している十和田湖の軽石は仮比重が380kg/㎥です。ちなみに透水性コンクリートブミコンで使用する天然砂利の仮比重はおよそ1700~1800kg/㎥です。福徳岡ノ場から噴出した軽石は緑化コンクリートや透水性コンクリートとして使用できそうですね。
海水の塩分を含んだ軽石は鉄筋を使用する構造物用のコンクリート骨材として使用することはできませんが、構造物を被覆する緑化コンクリートや断熱コンクリート、そして透水性コンクリートとしては利用できそうです。ただし緑化コンクリートとして使用する場合,海水に含まれているマグネシウムなどが植物の成長にどのような影響を及ぼすか見極める必要はあります。(マグネシウムは植物の生育に大事なミネラルの一つではありまが?)
報道によると福徳岡ノ場火山から噴出した軽石の粒度は3mm~30mmのものが多いとのことですが、このサイズであれば当社で開発した配合技術に基づいて緑化コンクリート、断熱コンクリート、透水性コンクリートとして利用することが可能です。流れ着いた軽石を製品化して使用するには、水洗、ふるい分け、乾燥などの工程が必要ですが、地球からの贈り物の使用方法を前向きに考える事は悪いことではありませんね。関連ブログ: 火山と軽石