三佐和ブログ


8月の新宿事務所 2022年08月23日

8月も下旬に入りヒートアイランド東京は、ようやく暑さのピークを超えて、かすかに秋の気配が感じられるようになりました。新宿事務所のテラスの植物たちは夏の暑さの中でさらに大きくなったような気がします。

P1130172.JPG

室内ではベランダで育てているベゴニアの葉と茎を小さなペットボトルに入れて観察していますが、水中に伸びた根から水を吸収して葉から蒸発させている様子が、水位の低下の比較からよくわかります。

P1130177.JPG

カスケードブロックのベゴニアも花は咲き終えましたが、緑の葉から水分を蒸発させて夏の暑さの中でも元気です。

P1130173.JPG

これから秋分に向けてヒートアイランド東京の気温も下がり始め、人や植物にとって住みやすい季節を迎えます。 8月23日撮影

8月のベランダガーデニング 2022年08月22日

緑化ブロックヒルダに灌水クロスを敷いて、ベランダのドレーンにたまった水を吸い上げるシステムで植物を育てて7年が経ちました。「毛細管現象を利用した植物の育て方」その間に植物は大きく育ちました。

IMG_0641 (002).jpg

手作りフラワーポッドにシルバースノーなどの花を植えてベランダの室外機に置いて4年がたちました。「手作りフラワーポッドに花を植えました」シルバースノーは真夏の日差しを受けながらも元気に育ち続けています。

P1130134.JPG

昨年の11月にプランターブロックマーガレットに植えたイタリアンパセリもまだ食べられそうですね。ヒートアイランド東京のベランダも、少しづつ夏から秋の気候に移り変わろうとしています。

P1130130.JPG

                      8月21日撮影

世界各地の芝生が育つ水の循環予想 2022年08月18日

先のブログで世界各地で植物が育つ水の循環を調べたいというお話をしました。水の循環  今回は新宿事務所で測定した芝生からの水分蒸発量・気温・湿度の実測値をもとにして、台北、シンガポール、バンコック、エルサレムの水の循環の予想をしてみました。新宿の降水量と各地の気温、湿度、降水量などのデータは理科年表2019年度版から引用しています。下の表をご覧ください。

220818表.png

こうして各地の都市の測定値を見ると各都市の特徴がよくわかります。降水量が最も多いのは台北、バンコックは気温が最も高いのですが降水量はシンガポールや台北よりも少なく東京に近い数値です。そして砂漠に覆われたエルサレムはやはり降水量が少ないようですね。下のグラフをご覧ください。

220818グラフ.png

新宿事務所のベランダで植栽装置オアシスを使って芝生からの水分蒸発量を測定したところ、芝生からの水分蒸発量は気温に比例し、湿度に反比例する傾向が見られました。これらの現象を参考にして計算したのが世界各地の芝生からの水分蒸発量予測です。台北、シンガポール、バンコックは東京よりも平均気温が高いので芝生からの水分蒸発量も多くなることが予想されます。

P1130037.JPG

今回の都市の比較で難しかったのは東京よりも平均気温や降水量の少ないエルサレムの予想です。エルサレムの平均降水量は東京の半分以下の1.7mm/日です。ここで一つある予測をしてみました。新宿事務所のオアシスから蒸発していった水分蒸発量は芝生から直接蒸発した水分量と、オアシスの表面の土や緑化ブロックから蒸発した水分量を合わせて3.7㍑/㎡・日で、芝生からの水分蒸発量はその半分のおよそ2.1㍑/㎡・日ほどでした。エルサレムの平均気温は新宿事務所よりも低いこともあり、オアシス全体から蒸発する水分量を2.09㍑/㎡・日としました。その根拠は芝生から蒸発してゆく水分量だけを毎日灌水し続けることで芝生は命をつなぐことができるのではないかと考えました。

P1130023.JPG

エルサレムは砂漠を緑化した灌水システムの発祥の地であるイスラエルの首都ですね。植栽装置オアシスも、灌水システムお水番も必要最小限の水を供給し続ける底面灌水システムで、そのヒントと技術は砂漠を緑化し続けているイスラエルの灌水システムにあります。

水の循環 2022年08月15日

今年の夏、日本や韓国では大雨に見舞われて、多くの雨水が川から海に流れ出しています。一昨年の中国でも大雨で、長江から大量の雨水が海に流れました。しかし大量の雨水が海に流れても海の水があふれたという話は聞いたことがありませんね。地球の表面を覆う水は、気化(水蒸気)と液化(水)の循環を繰り返しています。そして世界中の川から海に向けて大量の水が流れ込んでも気化して水蒸気や雲となるので海があふれることは無いのです。

P1120910.JPG

ヒートアイランド東京のテラスやベランダに緑化ブロックを敷いた上に芝生を載せて芝生から蒸発している水分量を測定しました。大田区産業プラザPIOのテラスに設置した灌水装置「お水番」を組み合わせたシステムから大気に蒸発した年間平均水分量は3.8㍑/㎡・日でした。一方で新宿事務所のベランダに設置した植栽装置オアシスから蒸発した年間平均水分量は3.7㍑/㎡・日でした。そして理科年表によると東京の年間平均降水量は4.2mm/日です。

P5300029.JPG

つまりヒートアイランド東京でも緑化ブロックに芝生を載せてお水番やオアシスで灌水しながら芝生を育てると、だいたい年間平均4mm/日の水が芝生から大気に向けて蒸発し、それと同時に大気中の水蒸気がだいたい年間平均4mm/日の雨に液化する水の循環が生まれるということですね。気化と液化の水の循環が生まれることでコンクリートジャングルやアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京に植物が命をつなぐ環境が生まれるということです。

P1120801.JPG

ただこの水の循環の話は温帯のヒートアイランド東京の観測データなので、熱帯や、乾燥地帯ではその地域の環境が作る雨水の循環があると思います。植栽装置オアシスやお水番を利用して世界各地で植物が育つ水の循環を調べたいですね。関連ブログ:芝生は生きている 大田区産業プラザ6Fテラス

The Grass is alive 2022年08月10日

新宿事務所のベランダで観測した芝生からの水分蒸発量の観察記録「芝生は生きている」の英文パワーポイントデータ「The Grass is alive」がアップされました。ホームページの英文資料ダウンロードからご覧いただけます。

P1120812.JPG

今回の観察記録はヒートアイランド東京のマンションベランダにおける、緑化ブロックを組み合わせた植栽装置オアシスからの芝生からの水分蒸発量の記録ですが、海外の都市でもその地域の年間降水量、気温、湿度をもとにして芝生からの水分蒸発量を予測したり、植栽装置オアシスを利用して記録することができると思います。

ベゴニアも生きている 2 2022年08月09日

新宿事務所の机の上で同じ形をした容器に、水を入れたものと茎から根が出たベゴニアを並べて、容器から蒸発してゆく水分量を比較して一月が経過しました。水分の蒸発だけを観察している容器では、上部の細い筒の部分の水が一月かけて蒸発しただけでした。下の写真の左の容器の様子をご覧ください。

P1120785.JPG

一方ベゴニアを育てている容器では、細い筒の部分から下に広がる部分まで水が蒸発している様子がわかります。下の写真の右の容器の様子をご覧ください。

P1540909.JPG

私は以前、イギリスの生物学者ポール ナースの著書What is lifeから引用して「あらゆる生体は、自らを維持し、組織化し、成長し、そして増殖する。」。「生物学では、目的について論じても、あまりおかしいとは思わない。一方物理科学では、川や彗星や重力波の目的について問うことはない。」というお話をしました。生物は目的意識を持って行動する

P1120783.JPG

室内で同じ容器でベゴニアから蒸発してゆく水分量の変化を観察していると、ベゴニアはまさに自らを維持し、成長する目的のために容器の水を利用していることがわかります。一方で水だけを入れた容器からは、自らの目的ではなく、容器の周囲を覆う湿度や気温の変化に影響されて水分が蒸発してゆく事がわかりますね。

新宿御苑の芝生の広場では、真夏の暑さの中で芝生は自らの意思で土中から水分を吸い上げ、大気に蒸発させています。こうして体内の水分量を調整して枯れることを防いでいます。8月9日撮影

8月の新宿御苑 2022年08月06日

東京は7月の後半から続いていた30度を超える猛暑日はひとまず落ち着きました。今朝の新宿御苑は猛暑日と比べて涼しく高原を歩いているような気がしました。猛暑日が続いていたころ、御苑の木立の下を歩いているとつくづく涼しさを実感しました。これは木々の緑が太陽からの日差しを遮るとともに、葉から蒸発してゆく水分の働きで気化熱が発生して木々の周囲の気温を調整しているからですね。

P1540811.JPG

今、東北や北陸地方など各地では大雨に見舞われています。昨年の8月の東京は雨曇りの日が多かったです。一昨年前の夏も日本をはじめ中国、韓国など東アジアの地域で大雨に見舞われた記憶があります。地球全体を見回すと降雨量が増えているのでしょうか?または降雨量が増えた地域があるとともに降雨量が減った地域もあるのでしょうか?

P1540809.JPG

昨年の春から今年の春にかけて新宿事務所で芝生からの水分蒸発量と計量カップから蒸発してゆく水分量を、周囲の温度や湿度の変化と合わせて観測しました。そして地球(計量カップ)から蒸発してゆく水分量の変化は植物(芝生)から蒸発してゆく水分量と比べると変化が少ないようでした。芝生から蒸発してゆく水分量15

P1540818.JPG

地球規模で行われている降雨と地面や水面から蒸発してゆく水の循環のスケールはとてつもなく大きく、どこかの地域で雨量が増えてもどこかの地域では雨量が減って地球全体のバランスが取れているかもしれませんね。新宿事務所のベランダで芝生や計量カップからの水分の蒸発量を観察したり、新宿御苑を歩きながら微妙な自然の変化を感じると都市と地球の環境について様々なことが考えられます。 8月5日撮影

8月のフローラカスケード 2022年08月03日

東京は8月に入り連日30度を超える暑い日が続いています。その中で浅草寺様境内のフローラカスケードではインパチェンスやツルニチニチソウの成長が旺盛です。

P1540751.JPG

浅草寺様境内のフローラカスケードは大イチョウの下に設置されていて、夏の強い日差しが直接当たることがありません。そして重力に逆らずに立面で育てていることが植物の成長を旺盛にしているのかもしれませんね。

P1540763.JPG

境内では直射日光が当たる暑い中、参拝に訪れる人の姿がちらほら見られました。夏の風景ですね。

P1540771.JPG

                      8月3日撮影


TOP