ベゴニアも生きている 2 | 2022年08月09日 |
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新宿事務所の机の上で同じ形をした容器に、水を入れたものと茎から根が出たベゴニアを並べて、容器から蒸発してゆく水分量を比較して一月が経過しました。水分の蒸発だけを観察している容器では、上部の細い筒の部分の水が一月かけて蒸発しただけでした。下の写真の左の容器の様子をご覧ください。
一方ベゴニアを育てている容器では、細い筒の部分から下に広がる部分まで水が蒸発している様子がわかります。下の写真の右の容器の様子をご覧ください。
私は以前、イギリスの生物学者ポール ナースの著書What is lifeから引用して「あらゆる生体は、自らを維持し、組織化し、成長し、そして増殖する。」。「生物学では、目的について論じても、あまりおかしいとは思わない。一方物理科学では、川や彗星や重力波の目的について問うことはない。」というお話をしました。生物は目的意識を持って行動する
室内で同じ容器でベゴニアから蒸発してゆく水分量の変化を観察していると、ベゴニアはまさに自らを維持し、成長する目的のために容器の水を利用していることがわかります。一方で水だけを入れた容器からは、自らの目的ではなく、容器の周囲を覆う湿度や気温の変化に影響されて水分が蒸発してゆく事がわかりますね。
新宿御苑の芝生の広場では、真夏の暑さの中で芝生は自らの意思で土中から水分を吸い上げ、大気に蒸発させています。こうして体内の水分量を調整して枯れることを防いでいます。8月9日撮影