三佐和ブログ


古代文明と気候大変動 2024年04月27日

以前のブログで「古代メソポタニア、エジプト、インダス、黄河などの文明が滅んだのは、その土地の力である自然の上に人間が生活する都市を作り、植物の棲息する自然を覆うことで雨水の循環という土地の力が失われたからです。」というお話をしました。「ヒートアイランドにオアシスを」しかし雨水の循環という土地の力を弱めるには、都市化の他にも大きな要因があるようです。

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古代文明と気候大変動 Bフェイガン著 河出文庫」を読んでいます。この本によると古代のシュメールやエジプトの文明が滅んだり衰えた原因は紀元前2200年から300年間続いた干ばつの影響だったようです。この干ばつはエルニーニョ・南方振動ENSO現象が立て続けに起きたからのようです。エルニーニョ現象の影響で気圧配置が変わり風の流れが変化した事で、気候は乾燥して古代の人間の生活空間(土地の力)に大きな影響を与えました。

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植物や人間が生活する自然を左右するのは水の循環です。気候が変わり乾燥して水の循環が失われた場所では、人間はもちろん植物も生育することが出来ません。水の循環が失われる大きな要因は、気圧配置が変わり気候が変動する事ですが、古代から人間による植物の生育域の消失や都市化などの積み重なりが、水の循環に影響を与え土地の力を弱める原因にもなったようですね。写真は新宿御苑のメタセコイアの木とラクウショウの気根です。4月28日撮影

オアシスⅡへの給水量の推移12 2024年04月23日

4月13日から4月23日までのオアシスⅡへの給水量は2.6㍑/㎡・日で、前回の測定より0.2㍑/㎡・日増えました。また周囲の水分蒸発量は2.5㍑/㎡・日で前回の測定よりも1.1㍑/㎡・日と大幅に増えました。今回も風の影響が大きな要因のようです。そしてオアシスⅡの土と芝生は風の影響を大きく受けることなく蒸発を続けているようです。

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新宿事務所の室内の気温も20℃を超えるようになりました。来週からは5月のゴールデンウイークが始まりますがこの時期、東京は春から初夏の気候に変わります。私はこの時期に寒冷地型のクリーピングベントグラスを枯らすことがありました。そこで今回は給水のインターバルを11日から10日に短縮しようと思います。次回の給水日は5月2日です。

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今のところベントグラスは枯れることなく成長を続けていますが、これから毎日の気温や湿度、そして風と給水のバランスを気をつけて見てゆこうと思います。4月23日撮影

グラフで見る土地の力 2024年04月19日

以前のblogで「自然とはその土地の力である」というお話をしました。「自然は土地の力」今回は世界各地の土地の力をグラフで見てみたいと思います。土地の力を表す指標は、降雨量、気温、相対湿度です。そして比較する土地は温帯の東京、熱帯のクアラルンプール、乾燥地帯のニューデリー、そして砂漠地帯のリヤドです。今回の数値は理科年表2024を使用しました。まずは土地の力のグラフです。

東京

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クアラルンプール

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ニューデリー

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リヤド

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次に世界各地の土地の力を、降雨量、気温、相対湿度別に比較しました。

降雨量

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気温

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相対湿度

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私は温帯のヒートアイランド東京で、寒冷地で育ちやすいクリーピングベントグラスと、熱帯で育つサクララン(ホヤ:カルノーサ)の水分蒸発量を測定していますがクリーピングベントグラスは東京の平均気温(15.8℃)や降雨量(年間1598.2mm(4.4mm/㎡・日)に応じた水分蒸発をしています。しかしサクラランは室内で計測していることもありますが水分の蒸発量は極めて低いようです。

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植物や動物はその土地の力に順応した生命活動を続けているようです。写真は新宿御苑の芝生です。御苑の芝生は春を迎え休眠から目覚めて、再び青い葉を伸ばし始めました。芝生は御苑の土地の力に順応した生命活動を行っているようです。4月19日撮影

植物と湿度の関係 2024年04月17日

先のblogで「植物は常に水分を体内に取り込み体外に蒸発させることで自らが乾燥するのを防ぎ、生命をつなぎます。」というお話をしました。「サクラランも生きている13」それではサクラランを育てている東京の湿度はどのようになっているのでしょうか?下記の表をご覧ください。

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この数値は理科年表に基づくものですが、それによると東京の相対湿度は年平均で65%です。そして年平均気温は15.8℃です。この数値をもとにすると飽和水蒸気量は12.8g/㎥、そして空気中の平均水蒸気量は8.32g/㎥になります。その差は4.48g/㎥でこの数値が空気中の乾燥につながるのでしょうね。

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上の表は東京の数値を1にした時の、世界各地の湿度と水蒸気量の指数を示したものですが、熱帯のクアラルンプールは東京と比べて相対湿度が高く、空気中の水蒸気量は東京の約3倍であることがわかります。そして乾燥地帯のデリーでは東京と比べて相対湿度は低いのですが気温が高いので飽和水蒸気量が膨らみ、それに伴い空気中の水蒸気量も多いようです。なお砂漠の国サウジアラビアのリヤドでは、東京と比べて相対湿度と空気中の水蒸気量が低いことがわかりますが、これは植物の少ない砂漠の年間降雨量が少ないことが影響しているようです。

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年間の相対湿度が65%の東京では、植物たちは乾燥して枯れることを防ぐために根や茎から水分を取り込み,空気中に葉から水分を蒸発さ続けて生命を維持しています。写真は若葉が芽吹いてきた御苑のメタセコイアです。4月17日撮影

サクラランも生きている13 2024年04月16日

3月17日から4月16日までのサクラランからの水分蒸発量は2.6g、1日当たり0.099の蒸発量でした。前回の1日当たりの測定値より0.02g増えました。その理由は前回の測定日以降、ちょうど春分の時期を迎え事務所の室温も上昇し始めたようです。

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ペットボトルのサクラランの葉も大きくなり、また水中で育った葉の水面上の面積も広がり、サクラランの葉、全体からの水分の蒸発活動も活発になってきているようです。

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サクラランの葉からの水分の蒸発活動を見ると、植物は常に水分を体内に取り込み体外に蒸発させることで自らが乾燥するのを防ぎ、生命をつなぎます。4月16日撮影

4月のベランダガーデニング 2024年04月15日

4月に入り東京の気温も20℃を超え始めました。今年も手作りフラワーポットのイチゴが実を付けましたが、その後鳥に食べられたようです。4月8日撮影

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室外機の上のカスケードブロックでは、明るい光を浴びてビオラが気持ちよさそうに咲いています。

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ベランダのコーナーのドレーンにたまった雨水を吸い上げて給水する仕組みの、大判の緑化ブロックヒルダでは低木が芽吹き始めました。

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東京のマンションベランダもこれから初夏に向けて、植物たちの緑が深まって行きます。4月14日撮影

オアシスⅡへの給水量の推移11 2024年04月12日

4月2日から4月12日までのオアシスⅡへの給水量は2.4㍑/㎡・日で前回よりも若干減少しましたが、1月、2月の給水量よりも増えて昨年の11月の給水量の水準に近づきました。一方でオアシスⅡの周囲からの水分蒸発量は前回に引き続き減少しました。

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そしてオアシスⅡへの給水量から、オアシスⅡの周囲からの水分蒸発量を引いた数値は前回の測定に引き続き増えました。数値が増えた原因はオアシスⅡへの風の影響が周囲からの水分蒸発量と比べて少ないことと、芝生からの水分蒸発量が増えたからではないかと思います。

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新宿事務所の室内の気温も15℃を超えて、ベランダの芝生の成長も活発なので葉の剪定を行いました。

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これから初夏に向けて芝生の活動もますます活発になってゆく事と思います。芝生の成長がオアシスⅡへの給水にどのような影響を及ぼすか楽しみです。4月12日撮影

4月のフローラカスケード 2024年04月09日

4月8日は花まつり、お釈迦様の誕生日です。浅草寺様境内のフローラカスケードではビオラとツルニチニチソウがお釈迦様の誕生日をお祝いしています。

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東京の気温も20度を超えるようになり植物たちも元気です。冬の間、1日1回であった給水のインターバルを2回に切り替えました。

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境内では白い象に乗ったお釈迦さまが、天上天下唯我独尊のポーズをとられていました。天上天下唯我独尊とは、広い宇宙の中で我は唯一の存在であるとのことですね。

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遠い昔、地球に生命が生まれるとともに我が生まれました。そして我は他の生命を摂取することで生きながらえて今日に至っています。動植物の生命をありがたく感じなければいけませんね。関連ブログ:仏の教えと科学の眼2 4月8日撮影

4月の新宿事務所 2024年04月05日

4月に入り新宿事務所の室内の気温も15度を超え、湿度も40%を超え始めたようです。ベランダでは種から育てて7か月のエディブルフラワー・カレンジュラが満開です。

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カレンジュラと同じ時期に種から育てているキンギョソウもカスケードブロックの穴の土で茎と葉を大きく伸ばしてきました。

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緑化ブロックを基盤とした植栽装置オアシスⅡでは浅草寺様のフローラカスケードから移植したツルニチニチソウも大きくなりました。

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春から初夏に向けて新宿事務所のベランダの気温も高くなります。キンギョソウやジャーマンカモミール、そして今年も無事に冬を越したベゴニアの花が咲くのが楽しみです。4月5日撮影

オアシスⅡへの給水量の推移10 2024年04月02日

3月22日から4月1日までのオアシスⅡへの給水量は2.5㍑/㎡・日で前回の測定よりも若干少なくなりました。オアシスⅡの周囲からの水分蒸発量は1.8㍑/㎡・日で前回より0.4㍑/㎡・日と数値を減らしました。

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この数値の違いから考えられることは、芝生を育てるためのオアシスⅡへの給水量は、周囲からの水分蒸発量の変化よりも気象条件、特に風に影響されないということではないでしょうか?前回の測定期間中、新宿事務所の周囲では連日、風の強い日が続きました。

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またグラフを眺めると、オアシスⅡへの給水量は、周囲からの水分蒸発量とともに上昇し始め、寒い冬の気候は終了したようです。一月ほど前に剪定した芝生も春の気候を感じて成長を続けています。

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これから気温が上昇するにつれて芝生からの水分蒸発量も増えるので、給水のインターバルも気を付けながら調整しようと思います。4月1日撮影


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