10月の新宿御苑 | 2024年10月31日 |
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今日で10月も終わりですが、御苑の芝生の広場はまだ緑を保っています。例年と比べて気温が高いことを象徴していますね。今年の東京の気温が高いのは太平洋高気圧の勢力や偏西風の蛇行が大きな要因のようです。
それでも昨年からの新宿事務所の気温の推移を見ていると、11月になると室温は20℃を下回り徐々に下がります。気温が下がると芝生は休眠の準備を進めて色が変わり、楓などの葉も赤や黄色に色づきます。
そろそろ御苑のプラタナスの並木では落葉が始まり葉も色づいてきました。楓の木々はまだ緑色ですが、気温が下がるにつれて色も変わるでしよう。紅葉が楽しみです。
10月29日、31日撮影
オアシスⅡからの水分蒸発量の推移24 | 2024年10月26日 |
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10月19日から25日までのオアシスⅡから蒸発した水分量は3.1㍑/㎡・日、オアシスⅡ周囲からの水分蒸発量は1.42㍑/㎡・日、そして芝生からの水分蒸発量は1.7㍑/㎡・日でした。
今週は先週と比べて少し気温が下がった影響で、オアシスⅡや周囲からの水分蒸発量は若干少なくなりましたが、芝生からの水分蒸発量はほぼ横ばいでした。芝生からの水分蒸発量は周囲の気温や湿度の変化に影響されますが、土や水からの蒸発量ほど敏感ではないようですね。芝生は根から吸収する水分量を調整しながら体外に水分を蒸発させているようです。
例年と比べて気温や湿度の高い日が続く中で、芝生や、土、水からの水分蒸発量がどのように変化するのか観察を続けます。10月26日撮影
10月のフローラカスケード | 2024年10月25日 |
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浅草寺様の境内にフローラカスケードを設置されていただき10年以上が経過しました。元々フローラカスケードは気温が高く紫外線の強い、南北回帰線に挟まれたベルト地帯での使用を想定して開発した緑化システムです。その中で、温帯のヒートアイランド東京で10年以上屋外に晒されたフローラカスケードにはブロックの劣化や透水性、保水性の劣化はほとんど見られませんでした。
フローラカスケードには、これから秋から冬、そして春にかけて花を咲かせるビオラや、新しい仲間のミスキャンタスを植えました。写真はビオラとミスキャンタスです。
次は温帯のヒートアイランド東京の経験を生かして、気温が高く、紫外線の強い地域でのフローラカスケードシステムの利用を広めたいと思います。
10月25日撮影
サクラランも生きている 21 | 2024年10月23日 |
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昨年の7月からサクラランからの水分蒸発量を記録していますが1年3か月が経過して、サクラランの容器の水がほぼ半分になりました。この間にサクラランの質量は4gから10gに成長しました。サクラランの根や茎が水面から半分ほど露出したので、改めて水を満たして記録を続けようと思います。
これから室温が下がる中で水に満たされた根や茎から吸収された水が、葉を通してどのように蒸発してゆくのか観察を続けます。10月23日撮影
サクラランも生きている20 | 2024年10月21日 |
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9月21日から10月21日までのサクラランからの水分蒸発量は1.7グラム、1日当たり0.055グラムでした。秋分を過ぎて気温が下がりサクラランからの水分蒸発量も少なくなってきたようです。その傾向は水分蒸発量の累計のグラフを見て、角度がなだらかになってきたことからもわかります。緑色のグラフがサクラランからの水分蒸発量の累計です。
秋分を過ぎて東京の気温は下降を始めていますが、ペットボトルからの水分蒸発量と、サクラランからの水分蒸発量の差が少なくなってきました。
気温が下がる中、サクラランの葉は大きくなってきました。これからもサクラランからの水分蒸発量の推移を見守ってゆこうと思います。10月21日撮影
オアシスⅡからの水分蒸発量の推移23 | 2024年10月18日 |
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10月12日から18日までのオアシスⅡからの水分蒸発量は3.2㍑/㎡・日、オアシスⅡ周囲からの水分蒸発蒸発量は1.5㍑/㎡・日、芝生からの水分蒸発量は1.7㍑/㎡・日でした。
東京は10月の中旬を過ぎて日中の気温が高くなる日が続きましたが、そのせいかオアシスⅡ周囲からの水分蒸発量も若干増えたようです。そして芝生からの水分蒸発量も増えました。ただ芝生からの水分蒸発量は気温の変化のほかに、葉の密度が増えたことや葉が伸びたことも影響しているようですね。
これから気温が下がる中で芝生の密度が増えて葉が伸びることが、葉からの水分蒸発量にどのように影響を及ぼすのか楽しみです。10月18日撮影
室温の変化をグラフにすると | 2024年10月16日 |
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朝、事務所に入ったら机の上のデジタル温湿度計の室温と湿度を記録しています。昨年の7月からの記録をグラフにするといろいろなことがわかりますね。赤い線が室温のグラフです。
昨年も今年も8月のお盆を過ぎたころから少しづつ気温が下がり始め、9月のお彼岸を過ぎるとその傾向がはっきりします。今年の東京の夏は暑かったですが、昨年も同じような気温だったことがグラフからわかります。これから来年の春のお彼岸に向けて気温は下がり続け、お彼岸を過ぎると6月の夏至に向けて気温は上昇します。そして夏至から2か月ほど暑い日が続き、徐々に気温が下がるのが新宿事務所の室温の周期です。
新宿御苑では秋の桜ジュウガツザクラが咲き始めました。今年の東京はお彼岸を過ぎて涼しくなりましたが、まだ日中は暑い日がぶり返しているのがグラフからもわかります。それでも植物たちは周囲の自然の変化を敏感に察知して反応しているようです。 10月16日撮影
オアシスⅡからの水分蒸発量22 | 2024年10月11日 |
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10月5日から10月11日までのオアシスⅡからの水分蒸発量は3.0㍑/㎡・日で前回よりも少し増えました。オアシスⅡ周囲からの水分蒸発量は前回と同じ1.43㍑/㎡・日でした。オアシスⅡからの水分蒸発量が増えたのは芝生からの水分蒸発量が1.6㍑/㎡・日と前回よりも少し増えたからです。
芝生からの水分蒸発量が増えたのはお盆過ぎに蒔いた芝生の種が成長してきたからですね。1日当たりの芝生からの水分蒸発量は、芝生が刈れ始める前までの蒸発量まで回復してきました。
東京の気候もようやく落ち着いてきたので、そろそろ芝刈りをしようと思います。10月11日撮影
人工軽量骨材が不足している? | 2024年10月10日 |
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東京では高層ビルの建築に使用する人工軽量骨材が不足しているようです。日経ニュース 人工軽量骨材は膨張性頁岩を粉砕・造粒・焼成して作ります。一方で日本は火山国で火山の周辺には大量の軽石・スコリアが埋蔵されています。軽石・スコリアの物性は人工軽量骨材に似ています。例えば代表的な人工軽量骨材であるメサライトの絶乾密度は1300kg/㎥ そして富士山のスコリアの乾燥密度はおよそ800kg/㎥です。軽量骨材が不足しているのなら富士山のスコリアを使用すればいいのではないかと思いますが、そうはいきません。今不足している軽量骨材は建物の構造物用のコンクリートとして使用するために、様々な試験をクリアしなければなりません。古くはJIS規格に適合した軽量骨材でしか使用できません。それと日本の軽石・スコリアが構造物用のコンクリートとして大量に利用できないもう一つの理由は、日本の火山が国立公園法で守られているからですね。
話は変わりますが、アメリカ合衆国では天然の軽石を構造物用のコンクリートとして使用しているようです。その理由はおそらく軽石の埋蔵量がとても多いことと、軽石を使用したコンクリートの経験と実績があるからでしょうね。過去のイエローストーンの大爆発以来、火山の噴火で生成された軽石がイエローストーンの周辺の地下に大量に埋蔵されていて、それを採掘から製造までを行う企業があるようです。HESS PUMICE
当社で開発したガーデンクリートの乾燥比重は900kg/㎥、保水時の比重は1200kg/㎥で人工軽量骨材や富士山のスコリアに似ていますが、ガーデンクリートは構造物を被覆する断熱緑化コンクリートです。コンクリートジャングルやアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドをガーデンクリートで被覆することで、植物が育つオアシスを作ります。
10月の新宿事務所 | 2024年10月05日 |
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暑い日が続いた東京もようやく気温が25度を下回るようになりました。そこで新宿事務所のベランダのカスケードブロックに、今年もまたエディブルフラワー・カレンジュラとキンギョソウの種を蒔きました。今年は新たにアブラナ科のケールにも挑戦しようと思います。
エディブルフラワー・カレンジュラはい食べられる花です。黄色い花を咲かせるのですが、昨年は初めて咲いた花を食べることが出来ませんでしたが、今年は花が咲いたら食べてみようと思います。
暑い夏を無事に過ごしたベゴニアがカスケードブロックで相変わらず元気に成長を続けています。ベゴニアは新宿事務所のベランダにやってきて7年目になりますが、たくましい植物ですね。
ベランダでは、ほかにも植栽装置オアシスⅡではケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラスの混合種・年中無休が育ち始めました。そしてツルニチニチソウもしぶとく成長を続けています。
10月5日撮影
オアシスⅡからの水分蒸発量の推移21 | 2024年10月04日 |
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9月28日から10月4日までのオアシスⅡからの水分蒸発量は2.8㍑/㎡・日、周囲からの水分蒸発量は1.4㍑/㎡・日でした。今回は気温が低い割には湿度が高かったので周囲からの蒸発量が少なかったようです。オアシスⅡの芝生は成長する葉が増えたせいか蒸発量が増えました。
東京も気温がようやく25度を下回るようになり、西洋芝にとっては過ごしやすい気候になりました。オアシスⅡの西洋芝ケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラスもよく伸びてきました。そのせいか気温が下がり、周囲からの蒸発量が減っても芝生からの蒸発量は増えました。
気温が下がり過ごしやすいのは芝生だけではありません。ヒトや多くの動植物にとっても25度を下回ると過ごしやすいですね。東京の年間平均気温は15度前後ですがこの温度は生物が活動するのに最適な気温です。10月4日撮影
オアシスⅡからの水分蒸発量を基に世界各地の給水量を想定すると | 2024年10月03日 |
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露天の大田区産業プラザPIOのテラスや雨の当たらない新宿事務所のベランダで緑化ブロックを使用したオアシスやオアシスⅡで芝生を育てていますが、オアシスやオアシスⅡからの年平均水分蒸発量はおよそ3.6から3.8㍑/㎡・日前後です。そして東京の降水量はおよそ4.4㍑/㎡・日です。
この数値をもとにして、世界各地でオアシスやオアシスⅡを使用して芝生を育てる場合の、水分蒸発量や給水補正量を計算してみました。上の表をご覧ください。熱帯のクアラルンプールは東京よりも降雨量が多いので、給水量を補正する必要はありません。乾燥地帯のニューデリーや砂漠のリヤドは東京よりも降雨量が少ないので、給水量を補正する必要がありますね。
今回基準にした数値は東京でオアシスやオアシスⅡで西洋芝を育てる場合の、水分蒸発量と給水量です。そして比較する世界各地の指標は降雨量です。気温や相対湿度は比較対象には入れていませんが、降雨量は気温や相対湿度と連動しているので、関連した指標にはなると思います。
芝生を育てる緑化基盤であるオアシスやオアシスⅡが同じでも、場所が変わるとその土地の自然の力である、気温、湿度、降雨量が芝生の生育に影響を及ぼします。東京の土地の力を基準にして、世界各地の土地の力に対応した芝生の生育を想定するのは面白いですね。上の写真は秋分を迎えたころの新宿御苑の芝生です。9月20日撮影