三佐和ブログ


世界各国の芝生からの水分蒸発量予測 2025年01月27日

芝生からの水分蒸発量は気温だけでは決まりません。気温のほかにも湿度や風や光の当たり具合、降雨量などその土地の様々な自然の力が絡み合いながら水分の蒸発量に影響を与えています。しかし気温はその土地の自然の力の中でも大きな影響を与えている要因だと思います。そこで東京で測定をしているオアシス1、オアシスⅡの芝生からの水分蒸発量と東京の平均気温を基準として、世界各地でオアシス1、オアシスⅡを使用する場合の水分蒸発量を予測しました。下記の表をご覧ください。各国の数値は理科年表2024を参照しました。

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東京では、あえて寒冷地型の西洋芝を使用して芝生からの水分蒸発量を測定しています。西洋芝は夏になると生育ポテンシャルGrowth Potenntialが落ちますが一年を通して芝生からの水分を蒸発する活動を続けています。しかし今回予測した亜熱帯、熱帯、乾燥帯、砂漠では他の芝生を探さなければいけませんね。

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世界各地で芝生を探すには、その土地の自然の力に合った芝生、例えばゴルフ場やスポーツ施設で生育されている芝生が参考になりそうです。

水の移動が地球の自転軸の傾きに影響を与える? 2025年01月20日

ネットニュースを見ていたら地下水をくみ上げることで水の移動が起こり、それが地球の自転軸の傾きに影響を与えているというニュースを見かけました。「地球が20年で約80cm傾いた」地球上では1993年から2010年にかけて約2150ギガトンの地下水がくみ上げられて、それが最終的には海水に流れ込んだとのことです。くみ上げられた地下水の多くは農地で作物を育てたり生活用水として使用されたりしました。

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大陸の地下に貯留されていた水が吸い上げられて、地表の植物を通して大気中に蒸発して最終的に海に流れて、陸と海の重さのバランスが変わり地軸の傾きに影響を及ぼすというスケールの大きな話ですね。地軸がわずか20年の間に80cmも傾いたようです。地軸が傾くことで地球上の一部では海面の上昇が見られるようです。海面の上昇は温室効果ガスの影響だと単純には決めつけられないようですね。

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海に囲まれて雨の恩恵を受ける日本の自然の中で暮らしている私には、雨水の循環が地下水と海水に重さのバランスを崩しているということは気が付きませんでした。地下水も石油と同じように無限の資源ではありません。地球上の人口が増大する中で私たちを支える農作物の生産も、有限な水資源を有効に使用するシステムを作らなければいけませんね。写真は新宿御苑の温室のバナナとメタセコイアです。

芝生を包む自然の力 2025年01月14日

先のblogでオアシスⅡへの給水量がオーバーフローしてしまい、オアシスⅡの横でほぼ同じ条件で西洋芝を育てていおるオアシスⅢの給水量を代用したお話をしました。(オアシスⅡからの水分蒸発量34)芝生からの水分蒸発量の変化を記録するには観測記録の継続性が必要です。オアシスⅢへの給水量はオアシスⅡへの給水量と似た傾向を記録していました。

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私は1年を通してオアシスⅡからの芝生から蒸発してゆく水分量の変化の傾向を見ていますが、厳密な数値にはこだわりません。たまたま別の目的で水分蒸発量の変化を観測していたオアシスⅢがオアシスⅡの横にあったので助かりました。今回の測定のミスを通して芝生は周囲の温度、湿度、光や風の当たり具合という自然の力に包まれていることを改めて感じました。写真の手前がオアシスⅡ、奥がオアシスⅢです。1月14日撮影

1月の新宿御苑 2025年01月11日

今朝の新宿御苑の池は久しぶりに凍っていました。朝の東京の気温は0℃でした。池は気温が0℃になったら凍るというわけではありません。昨年末から日本列島は寒気に覆われて気温が下がり、それにつれて御苑の池の水温も下がったのでしょうね。

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芝生の広場では、暖かい日差しに包まれて芝生が休眠していました。御苑の芝生は事務所のベランダの西洋芝と違って、気温が下がると休眠する日本芝です。

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園内ではシロバナスイセンが咲き始めました。梅の花はまだつぼみでしたが、もう少しすると咲き始めると思います。

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明るい日差しの中、御苑の自然は春の予感を感じます。1月11日撮影

断熱・緑化コンクリート  2025年01月04日

昨年は日本周辺の海水温が高くなり、それに伴い東京の気温も高く推移しました。コンクリートやアスファルトに覆われたヒートアイランド東京に海水温の上昇という新たな気候変動要因が加わる中で、「ヒートアイランドにオアシスを!」をテーマに掲げる、断熱・緑化コンクリート ガーデンクリートの機能を改めて確認しようと思います。

まず芝生とコンクリートの表面温度の比較ですが、真夏の直射日光を浴びた状態で、ガーデンクリートの上の芝生の表面温度は32℃、コンクリートの表面温度は58℃でした。その違いは水分を含んだ芝生は、太陽光の熱エネルギーを利用して気化熱の働きで水分を蒸発させて表面温度を下げます。一方コンクリートは水分を含でおらず、気化熱が生まれないので表面温度を下げることが出来ず、太陽光の熱エネルギーをコンクリート内部に蓄熱させます。このように太陽光エネルギーを気化熱に利用できるか、出来ないかで芝生とコンクリートの表面温度に大きな差が生まれます。

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次に芝生とガーデンクリートを載せた建物の下の階の天井温度と、コンクリートむき出しの下の階の天井温度の違いですが、下のグラフをご覧ください。キーワードは夏は断熱効果、冬は保温効果です。

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芝生下とコンクリーと下の温度の推移をみると、夏の間は芝生下の温度がコンクリート下よりも低く、冬になると芝生下の温度がコンクリート下の温度よりも高く推移していることがわかります。その理由は夏の間は芝生とガーデンクリートを通して建物に伝わる太陽光エネルギーが気化熱の働きで少なくなったり、ガーデンクリートの熱伝導率が、コンクリートの熱伝導率よりも低いので、建物の天井下の表面温度を低く保ちます。(断熱効果)冬になるとコンクリートよりも熱伝導率の低い芝生やガーデンクリートが室内の暖気が外に逃げるのを抑えるので、芝生下の室内の温度が高く推移します。(保温効果

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ガーデンクリートが普通の断熱材と違うのは、材料を保水できることです。断熱材は材料を通して熱が伝わる時間を遅くすることはできますが、熱を減らすことはできません。材料に保水できるガーデンクリートは、保水された水が気化することで熱を減らすことが出来ます。そしてガーデンクリートの熱伝導率はコンクリートの1/10から1/5で、熱が伝わる時間も遅らせることが出来ます。コンクリートやアスファルトの上にガーデンクリートを載せることで、植物を育てて表面温度を低く保ち、建物を断熱することが出来ます。

一つの要因だけでは決められない自然の動き 2024年12月31日

新宿事務所のベランダで芝生からの水分蒸発量を調べていますが、芝生からの水分蒸発量は周囲の湿度、温度の変化、光や風の当たり具合などの影響を受けています。芝生が根から水を吸って葉から蒸発させてゆくシステムにも、微妙な変化があるようですね。例えば葉が成長して水分を蒸発させる面積が増える事などです。

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芝生からの水分蒸発量の変化という一つの現象を追いかけてみても、その変化には先に述べたような様々な要因が絡み合っています。我々は周囲を取り巻く自然現象の変化の要因を簡単に決めつけてはいけないと思います。最近では地球の気候変動要因を、人間が大気中に排出する温室効果ガスにあるという考え方がありますが、地球を取り巻くスケールの大きな自然現象の変化をわずかな要因だけに決めつけることはできません。我々日本人は縄文時代から、自然に宿る八百万の神々を感じながら生命をつないできました。これからも我々は自然に対して対立するのではなく、畏敬の念を持った姿勢で向き合いたいものです。写真は箱根大涌谷の水蒸気です。12月24日撮影 関連ブログ:都市の温暖化と地球の温暖化

想定以上に速い地球温暖化 2024年12月12日

先日、秋田料理のお店に行ったら、今年は秋田の海でハタハタが取れないと店員さんが嘆いていました。また伊勢湾ではイセエビの収穫量がとても少ないと漁師が困っていました。いずれも日本周辺の海水温度が高くなっているからのようですね。

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ネットニュースを見ていたら「想定以上に速い地球温暖化、科学者らが理由を解明」というCNN Newsを見かけました。詳しくは記事をご覧いただくとして、海上の低い位置に浮かぶ雲の量の不足が原因だとのことです。つまり下層雲が減少することで、下層雲から太陽に反射してい行く太陽光エネルギーが少なくなり、その分、海に入射する太陽光エネルギーが増えることで海水温度が上昇するという仕組みですね。雲や雪、砂漠、氷河などが太陽光エネルギーを反射する仕組みをアルベドといいます。

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私が住んでいる日本は周囲を海に囲まれています。このような仕組みで、雲が減り→アルベド(反射率)が減り→太陽光エネルギーの入謝率が増えると、海水温が上昇して、日本を取り巻く自然(土地の力)も大きく変わってゆくと思います。写真は伊勢湾 二見浦の海です。7月1日撮影 関連ブログ:アルベド

みどり率と水の循環 2024年11月20日

東京都にはみどり率という調査データがあります。みどり率とは「緑が地表を覆う部分に公園区域・水面を加えた面積が地域全体に占める割合」を表したもので令和5年の調査データを見ると、都全域で52.1%,区部で24%,多摩部で67.4%だそうです。また理科年表によると降水量は全国各地の気象台や観測所による測定値に基づいているようです。東京の観測点(露場)は千代田区大手町の気象庁から(平成20年以降は付近の北の丸公園)に移って測定されているようです。

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東京の降水量は年間1598.2mm、4.4mm/日です。(理科年表2024年版)つまり東京の降水量はみどり率が24%の場所で測定されているということです。それではみどり率が67.4%の多摩部での降水量はどうなるのでしょうか?緑が多いということは植物からの水分蒸発量も多くなるので、降水量も多い水の循環が見られると思います。

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私がガーデンクリートに芝生を載せて芝生の水分蒸発量を測定しているのは新宿区や大田区など区部なので、千代田区で測定されている降水量とは関連性がありそうですね。降水量は大気中の湿度の数値にも影響を及ぼすと思いますが、多摩部を始めとして東京23区よりもみどり率が多い場所で芝生からの水分蒸発量を測定するとどのようになるか楽しみです。関連ブログ:植物は土地の力

植物は土地の力 2024年11月13日

古代都市は水の枯渇で滅びました。それは地中に保水された水を吸い上げて循環させる、植物の消失が大きな原因です。私は東京都内でガーデンクリートの上に芝生を載せて水分の蒸発量を測定しています。この水分の蒸発に伴う水の循環をザックリ述べると下記のとおりです。

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東京の降水量の年間平均値が4.4mm/㎡・日、芝生からの水分蒸発量の年間平均値が約2mm/㎡・日、土や水からの水分蒸発量の年間平均値が約2mm/㎡・日です。つまり4.4mm/㎡・日の降雨量に対して芝生と土、水からの水分蒸発量の合計4mm/㎡・日、その差の0.4mm/㎡・日の水がガーデンクリートや土に保水される計算です。東京では降水量よりも植物を含めた地表からの水分蒸発量が少ないことで、都市の枯渇をま逃れているようですね。

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他にも東京が都市の枯渇化からま逃れているのは、東京周辺の土地や、山々に豊富な緑が残されていて雨水の循環が保たれているからです。地中に伸びた植物の根が保水された水を吸い上げて葉から蒸発させることで雨水の循環が保たれます。ヒトは生活空間を豊かにするために植物を利用していますが、植物を利用しすぎて地中の保水力が衰えることに気が付いてもらいたいものです。植物は地中の水を蒸発させて、循環する力を持つ土地の力です。

10月の新宿御苑 2024年10月31日

今日で10月も終わりですが、御苑の芝生の広場はまだ緑を保っています。例年と比べて気温が高いことを象徴していますね。今年の東京の気温が高いのは太平洋高気圧の勢力や偏西風の蛇行が大きな要因のようです。P1060388.JPG

それでも昨年からの新宿事務所の気温の推移を見ていると、11月になると室温は20℃を下回り徐々に下がります。気温が下がると芝生は休眠の準備を進めて色が変わり、楓などの葉も赤や黄色に色づきます。

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そろそろ御苑のプラタナスの並木では落葉が始まり葉も色づいてきました。楓の木々はまだ緑色ですが、気温が下がるにつれて色も変わるでしよう。紅葉が楽しみです。

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                     10月29日、31日撮影

10月のフローラカスケード 2024年10月25日

浅草寺様の境内にフローラカスケードを設置されていただき10年以上が経過しました。元々フローラカスケードは気温が高く紫外線の強い、南北回帰線に挟まれたベルト地帯での使用を想定して開発した緑化システムです。その中で、温帯のヒートアイランド東京で10年以上屋外に晒されたフローラカスケードにはブロックの劣化や透水性、保水性の劣化はほとんど見られませんでした。

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フローラカスケードには、これから秋から冬、そして春にかけて花を咲かせるビオラや、新しい仲間のミスキャンタスを植えました。写真はビオラとミスキャンタスです。

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次は温帯のヒートアイランド東京の経験を生かして、気温が高く、紫外線の強い地域でのフローラカスケードシステムの利用を広めたいと思います。

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                      10月25日撮影

室温の変化をグラフにすると 2024年10月16日

朝、事務所に入ったら机の上のデジタル温湿度計の室温と湿度を記録しています。昨年の7月からの記録をグラフにするといろいろなことがわかりますね。赤い線が室温のグラフです。

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昨年も今年も8月のお盆を過ぎたころから少しづつ気温が下がり始め、9月のお彼岸を過ぎるとその傾向がはっきりします。今年の東京の夏は暑かったですが、昨年も同じような気温だったことがグラフからわかります。これから来年の春のお彼岸に向けて気温は下がり続け、お彼岸を過ぎると6月の夏至に向けて気温は上昇します。そして夏至から2か月ほど暑い日が続き、徐々に気温が下がるのが新宿事務所の室温の周期です。

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新宿御苑では秋の桜ジュウガツザクラが咲き始めました。今年の東京はお彼岸を過ぎて涼しくなりましたが、まだ日中は暑い日がぶり返しているのがグラフからもわかります。それでも植物たちは周囲の自然の変化を敏感に察知して反応しているようです。 10月16日撮影

人工軽量骨材が不足している? 2024年10月10日

東京では高層ビルの建築に使用する人工軽量骨材が不足しているようです。日経ニュース 人工軽量骨材は膨張性頁岩を粉砕・造粒・焼成して作ります。一方で日本は火山国で火山の周辺には大量の軽石・スコリアが埋蔵されています。軽石・スコリアの物性は人工軽量骨材に似ています。例えば代表的な人工軽量骨材であるメサライトの絶乾密度は1300kg/㎥ そして富士山のスコリアの乾燥密度はおよそ800kg/㎥です。軽量骨材が不足しているのなら富士山のスコリアを使用すればいいのではないかと思いますが、そうはいきません。今不足している軽量骨材は建物の構造物用のコンクリートとして使用するために、様々な試験をクリアしなければなりません。古くはJIS規格に適合した軽量骨材でしか使用できません。それと日本の軽石・スコリアが構造物用のコンクリートとして大量に利用できないもう一つの理由は、日本の火山が国立公園法で守られているからですね。

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話は変わりますが、アメリカ合衆国では天然の軽石を構造物用のコンクリートとして使用しているようです。その理由はおそらく軽石の埋蔵量がとても多いことと、軽石を使用したコンクリートの経験と実績があるからでしょうね。過去のイエローストーンの大爆発以来、火山の噴火で生成された軽石がイエローストーンの周辺の地下に大量に埋蔵されていて、それを採掘から製造までを行う企業があるようです。HESS PUMICE

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当社で開発したガーデンクリートの乾燥比重は900kg/㎥、保水時の比重は1200kg/㎥で人工軽量骨材や富士山のスコリアに似ていますが、ガーデンクリートは構造物を被覆する断熱緑化コンクリートです。コンクリートジャングルやアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドをガーデンクリートで被覆することで、植物が育つオアシスを作ります。

オアシスⅡからの水分蒸発量を基に世界各地の給水量を想定すると 2024年10月03日

露天の大田区産業プラザPIOのテラスや雨の当たらない新宿事務所のベランダで緑化ブロックを使用したオアシスやオアシスⅡで芝生を育てていますが、オアシスやオアシスⅡからの年平均水分蒸発量はおよそ3.6から3.8㍑/㎡・日前後です。そして東京の降水量はおよそ4.4㍑/㎡・日です。241003表.png

この数値をもとにして、世界各地でオアシスやオアシスⅡを使用して芝生を育てる場合の、水分蒸発量や給水補正量を計算してみました。上の表をご覧ください。熱帯のクアラルンプールは東京よりも降雨量が多いので、給水量を補正する必要はありません。乾燥地帯のニューデリーや砂漠のリヤドは東京よりも降雨量が少ないので、給水量を補正する必要がありますね。

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今回基準にした数値は東京でオアシスやオアシスⅡで西洋芝を育てる場合の、水分蒸発量と給水量です。そして比較する世界各地の指標は降雨量です。気温や相対湿度は比較対象には入れていませんが、降雨量は気温や相対湿度と連動しているので、関連した指標にはなると思います。

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芝生を育てる緑化基盤であるオアシスやオアシスⅡが同じでも、場所が変わるとその土地の自然の力である、気温、湿度、降雨量が芝生の生育に影響を及ぼします。東京の土地の力を基準にして、世界各地の土地の力に対応した芝生の生育を想定するのは面白いですね。上の写真は秋分を迎えたころの新宿御苑の芝生です。9月20日撮影

室温と湿度の推移 2024年08月01日

2023年7月20日から2024年7月20日までの新宿事務所の室温と湿度の推移がグラフになりました。このグラフをザックリ見ると、昨年の7月20日と今年の7月20日の室温はほぼ同じです。昨年は7月20日から8月20日にかけて室温は横ばいに推移しました。そして8月20日を過ぎたころから室温は若干下がりました。

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「暑さ寒さも彼岸まで」という諺がありますが、グラフをよく見ると9月20日前後から気温が下がり始め3月20日前後から気温が上昇しているのがわかります。グラフで3月20日から数日間、室温と湿度が横ばいなのは、この時期に1週間ほど室温と湿度の測定が出来ず、その結果がグラフに現れたようです。

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今年の東京は猛暑が続いているので、これから先の室温と湿度の変化を注意深く見てゆこうと思います。写真は新宿御苑の芝生です。芝生は猛暑の中、地中から水を吸い上げて蒸発させることで暑さをしのいでいます。8月1日撮影

7月の新宿御苑 2024年07月31日

朝の御苑の木立の中を歩いていると涼しさを感じます。頭上を覆うモミジの葉が太陽光を遮り、日陰を作ります。P1020814.JPG

プラタナスの並木は、根を通して地中から水を吸い上げて幹や葉に送ります。プラタナスは葉にあたった太陽光のエネルギーを利用して、吸い上げられた水を気化させて葉の表面温度を低く保ちながら周囲の温度も少し低くななります。

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植物たちは周囲の気温が高くなっても、太陽光と地中の水を利用して自らの力で周囲の温度を調節しながら生命活動を続けます。

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東京は連日30℃を超える猛暑日が続いています。人々は水分の補給に気を付けたり、クーラーで室温を調節しながらなるべく屋外に出ることを避けて生活していますが、植物たちは自らの力で猛暑に立ち向かいます。人間は御苑の植物たちの生命力にはかないませんね。7月31日撮影

地表からの水の循環 2024年07月06日

先のblog「オアシスⅡからの水分蒸発量8」でお話ししたように、地表からの水の循環は、太陽光を浴びた水面や土の表面から水が気化して大気中を上昇して液化して雨となり地表に降る方法と、植物の葉を通して気化した水が水蒸気となり大気中を上昇して雨として地表に降る方法があります。

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地表や水面で太陽光を浴びた水は気化し大気中に放出されますが、地中に根が生えた植物は、地中の水を根から吸収して葉の表面で気化して大気中に放出します。根から葉に向けて水が上昇してゆくのは、葉の表面から気化した水の影響で吸引力が働くことは先のblogでもお話ししました。「芝生の吸引力」そして水を気化して吸引力を生み出すのは太陽光エネルギーであることもお話ししました。「芝生から水を蒸発させるエネルギー」オアシスⅡからの芝生の水分蒸発量を観察していると、土や水からの水分蒸発量と、芝生からの水分蒸発量の動きに違いが見られますが、これらのことが影響しているみたいですね。

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新宿御苑を歩いていると、木々が根から水を吸い上げて、大気中に水蒸気として放出している様子を実感することが出来ます。7月6日撮影

ヒートアイランドのビオトープ オアシスⅡ 2024年06月22日

人類学者ブライアン・フェイガンの著書「古代文明と気候大変動」河出文庫を読みました。南米にあるチチカカ湖周辺テイワナクで行われていた盛り土耕による農作物の生産は西暦600年以降に大規模な広がりを見せましたが、1300年ごろに気候変動による干ばつがピークに達した後、耕地は放棄されて行ったようです。テイワナクの盛り土耕地のレイアウトをご覧ください。


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私はテイワナクの盛り土耕地をヒントにしてオアシスⅡによるビオトープをイメージしてみました。オアシスⅡでは盛り土耕地の砂層、砂利層をガーデンクリートに置き換えています。下記のレイアウトをご覧ください。

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オアシスⅡを使用したビオトープはコンクリートやアスファルトの上に設置することを目的とした薄層緑化システムなので、自然の雨水の循環に加えて給水で水を補う方法をとっています。東京の年間降水量は1598.2mm(4.4mm/日)です。雨の当たらない新宿事務所のベランダに設置されたオアシスⅡからは、およそ3.5~3.8mm/日の水が蒸発しています。そして7日分の水を容器に給水する方法で芝生を育てています。

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上の写真は新宿御苑の芝生の広場です。オアシスⅡでの芝生と土からの水分蒸発量から推察すると御苑の芝生の広場からもおよそ3.5~3.8mm/日以上の水が蒸発(output)していると考えられます。東京の年間降雨量(input)が4.4mm/日です。新宿御苑の芝生の広場はinputの降水量がoutputの蒸発量を上回り、残りの水が土中に保水されるようなので、1年を通してスプリンクラーなどによる散水をあまり見かけたことがありません。テイワナクの盛り土による農業は、気候変動によりinputの降雨量がoutputの蒸発量より下回ったことが原因で衰退したのでしょうね。ヒートアイランドのビオトープオアシスⅡでは、給水することで水の循環であるinputとoutputのバランスを保ちます。6月22日撮影

芝生から水を蒸発させるエネルギー 2024年05月28日

オアシスⅡからは最近、約1㍑/㎡・日の水が蒸発しています。「オアシスⅡからの水分蒸発量2」1gの水を水蒸気にするのに2300ジュール(9614カロリー)のエネルギーが必要です。つまりオアシスⅡから芝生を通して水が蒸発するのに2300kジュール(9614kカロリー)/㎡・日のエネルギーが使用されています。白米の茶碗一杯のエネルギーが約234キロカロリーですからオアシスⅡから水分が1g蒸発するのに、茶碗41杯(9614÷234)/㎡・日のエネルギ-が消費されている計算です。

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蒸気機関は水が気体に膨張するエネルギーを利用しますが、芝生は水が蒸発するときの吸引力を利用して葉脈から水を蒸発します。そして芝生から水を蒸発させるエネルギーは太陽からいただきます。芝生は太陽からのエネルギーと、地球からの引力を利用して命を繋ぐplantです。関連ブ5月29日ログ:「芝生の吸引力」写真は土中から水分を吸引して蒸発させる芝生の広場です。5月29日撮影

芝生の吸引力 2024年05月27日

先のblogで「植物が生えている場合は、植物の根が降った雨を地中に引きこみ保水します。」とお話ししました。「土地の保水力」今回は土地の保水力を詳しくお話ししたいと思います。新宿事務所のベランダに設置したオアシスⅡからの最近の水分蒸発量は2.6リトル/㎡・日、そして芝生からの水分蒸発量は1.0㍑/㎡・日です。つまり芝生の葉に無数に張り巡らされている葉脈から1平方メートル当たり、1リットルの水が蒸発するということですね。そして水が蒸発した後の葉脈の空隙に根から水が上がってきます。

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芝生の水が蒸発することで吸引力が働き根から水が吸い上げられます。このほかに根には周囲の土や水から根圧がかかり、水がが入ってきます。植物が生えている土地の周囲には葉からの蒸発による吸引力と根圧が常に働いています。この力が植物の生えた土地に保水力を生む仕組みですね。写真は自然の力である引力をうまく使いながら水を吸収し蒸発させているオアシスⅡの芝生です。5月27日撮影

土地の保水力 2024年05月25日

先のblogで土地の降雨量から水分蒸発量を引いたものが土地の保水量であるお話をしました。「タンカーにオアシスⅡをのせて水を蒸発させると?」土地の降雨量をinput、水分蒸発量をoutputとするとinputがoutputを上回る土地は保水力があり、inputがoutputを下回ると、土地は乾燥するということですね。そして降雨量inputを地中に保水keepするのが植物です。

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土地に植物が生えていない場合は、降った雨は土の表面から蒸発します。植物が生えている場合は、植物の根が降った雨を地中に引きこみ保水します。そして保水された水は、根から葉を通して蒸発することで、雨水の循環が続くのです。私はコンクリートジャングルとアスファルト砂漠抜覆われたヒートアイランド東京で、保水性のある緑化コンクリート「ガーデンクリート」で植物を育て、土地の保水力を回復する緑化システムを開発しています。写真はヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑です。5月25日撮影

タンカーにオアシスⅡのせて水を蒸発させると? 2024年05月22日

VLCCタンカーにオアシスⅡを載せて水を蒸発させる計算をしてみました。VLCCタンカーの長さは300m,巾60mです。タンカーの甲板は長方形ではないので、オアシスⅡが載る甲板面積を長方形の80%の14,400㎡に設定しました。オアシスⅡからの水分蒸発量を新宿事務所で測定した3.6㍑/㎡・日で計算すると、タンカーからの1日当たりの水分蒸発量は51トン、1年あた18,615トンです。ちなみにVLCCとはVery Large Crude Carrierの略語だそうです。

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新宿事務所のそばに新宿御苑がありますが御苑の面積は583,000㎡です。これはVLCCタンカー40.5隻の面積に相当します。つまり新宿御苑でオアシスⅡで芝生を育てると1日当たりの水分蒸発量は2065.5トン、1年あたり753,907.5トンの水が蒸発することになります。また東京の降雨量は4.3㍑/㎡・日なので新宿御苑に降る雨は2506.9トン/日、1年あたり915,018.5トンになります。そして0.7㍑/㎡・日(4.3㍑/㎡・日 - 3.6㍑/㎡・日)の水が土に保水されます。つまり441トン/日、16096.5トン/年の水が御苑の土に保水される計算ですね。 上の写真は新宿御苑の芝生の広場てす。5月22日撮影

三佐和ブログ「自然は土地の力」がホームページにアップされました 2024年05月03日

三佐和ブログ「自然は土地の力」がホームページにアップされました。トップページの資料ダウンロードからご覧いただけます。「自然は土地の力土地の力を表す指標として気温、湿度、そして降水量があります。これらの指標が入り組みながら、その土地固有の力が生まれます。それは雨水の循環活動でもあるのです。

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雨水の循環が止まり土地が乾燥して、人間が生活する環境が失われた歴史は古代から繰り返されてきました。人間の力で雨水の循環を作り出すには膨大なエネルギーが必要です。しかし砂漠にオアシスがあるように、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドに緑のオアシスを作る事は可能です。ガーデンクリートと緑化システムを組み合わせることでヒートアイランドに無数のオアシスを作る事が当社の仕事です。

古代文明と気候大変動 2024年04月27日

以前のブログで「古代メソポタニア、エジプト、インダス、黄河などの文明が滅んだのは、その土地の力である自然の上に人間が生活する都市を作り、植物の棲息する自然を覆うことで雨水の循環という土地の力が失われたからです。」というお話をしました。「ヒートアイランドにオアシスを」しかし雨水の循環という土地の力を弱めるには、都市化の他にも大きな要因があるようです。

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古代文明と気候大変動 Bフェイガン著 河出文庫」を読んでいます。この本によると古代のシュメールやエジプトの文明が滅んだり衰えた原因は紀元前2200年から300年間続いた干ばつの影響だったようです。この干ばつはエルニーニョ・南方振動ENSO現象が立て続けに起きたからのようです。エルニーニョ現象の影響で気圧配置が変わり風の流れが変化した事で、気候は乾燥して古代の人間の生活空間(土地の力)に大きな影響を与えました。

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植物や人間が生活する自然を左右するのは水の循環です。気候が変わり乾燥して水の循環が失われた場所では、人間はもちろん植物も生育することが出来ません。水の循環が失われる大きな要因は、気圧配置が変わり気候が変動する事ですが、古代から人間による植物の生育域の消失や都市化などの積み重なりが、水の循環に影響を与え土地の力を弱める原因にもなったようですね。写真は新宿御苑のメタセコイアの木とラクウショウの気根です。4月28日撮影

グラフで見る土地の力 2024年04月19日

以前のblogで「自然とはその土地の力である」というお話をしました。「自然は土地の力」今回は世界各地の土地の力をグラフで見てみたいと思います。土地の力を表す指標は、降雨量、気温、相対湿度です。そして比較する土地は温帯の東京、熱帯のクアラルンプール、乾燥地帯のニューデリー、そして砂漠地帯のリヤドです。今回の数値は理科年表2024を使用しました。まずは土地の力のグラフです。

東京

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クアラルンプール

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ニューデリー

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リヤド

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次に世界各地の土地の力を、降雨量、気温、相対湿度別に比較しました。

降雨量

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気温

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相対湿度

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私は温帯のヒートアイランド東京で、寒冷地で育ちやすいクリーピングベントグラスと、熱帯で育つサクララン(ホヤ:カルノーサ)の水分蒸発量を測定していますがクリーピングベントグラスは東京の平均気温(15.8℃)や降雨量(年間1598.2mm(4.4mm/㎡・日)に応じた水分蒸発をしています。しかしサクラランは室内で計測していることもありますが水分の蒸発量は極めて低いようです。

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植物や動物はその土地の力に順応した生命活動を続けているようです。写真は新宿御苑の芝生です。御苑の芝生は春を迎え休眠から目覚めて、再び青い葉を伸ばし始めました。芝生は御苑の土地の力に順応した生命活動を行っているようです。4月19日撮影

植物と湿度の関係 2024年04月17日

先のblogで「植物は常に水分を体内に取り込み体外に蒸発させることで自らが乾燥するのを防ぎ、生命をつなぎます。」というお話をしました。「サクラランも生きている13」それではサクラランを育てている東京の湿度はどのようになっているのでしょうか?下記の表をご覧ください。

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この数値は理科年表に基づくものですが、それによると東京の相対湿度は年平均で65%です。そして年平均気温は15.8℃です。この数値をもとにすると飽和水蒸気量は12.8g/㎥、そして空気中の平均水蒸気量は8.32g/㎥になります。その差は4.48g/㎥でこの数値が空気中の乾燥につながるのでしょうね。

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上の表は東京の数値を1にした時の、世界各地の湿度と水蒸気量の指数を示したものですが、熱帯のクアラルンプールは東京と比べて相対湿度が高く、空気中の水蒸気量は東京の約3倍であることがわかります。そして乾燥地帯のデリーでは東京と比べて相対湿度は低いのですが気温が高いので飽和水蒸気量が膨らみ、それに伴い空気中の水蒸気量も多いようです。なお砂漠の国サウジアラビアのリヤドでは、東京と比べて相対湿度と空気中の水蒸気量が低いことがわかりますが、これは植物の少ない砂漠の年間降雨量が少ないことが影響しているようです。

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年間の相対湿度が65%の東京では、植物たちは乾燥して枯れることを防ぐために根や茎から水分を取り込み,空気中に葉から水分を蒸発さ続けて生命を維持しています。写真は若葉が芽吹いてきた御苑のメタセコイアです。4月17日撮影

土地の力を回復させる! 2024年03月26日

ガーデンクリートはコンクリートやアスファルトの表面を被覆して、植物が育つ環境を整えて土地の力を回復します。しかしコンクリートやアスファルトに覆われたヒートアイランドは、人間が快適に生活するための空間でもあります。

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人間が快適に過ごせる空間が広がると、それまで広がっていた植物が生活する空間が縮小します。コンクリートやアスファルトに覆われたヒートアイランドをガーデンクリートで被覆して給水する事で、保水された空間ができます。植物はここから水を吸収しながら成長を続けます。IMG_0754 (002).jpg

植物が成長する空間が広がることで雨水の循環が始まり、土地の力が回復します。

人間と植物の生活圏を作る剪定の重要性 2024年03月13日

私が尊敬する政治家Lee Lwan Yewのリーダーシップのもとシンガポールは1960年代から都市の緑化が始まりました。そして緑豊かなGarden Cityが実現したのですが、2020年に世界を覆ったCovid-19の影響でシンガポールの緑を支えてきた海外労働者がシンガポールに入国できなくなりました。その結果、一時、市街の樹木が伸び放題になりました。Garden cityの問題点

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人間が生活する都市空間の緑化を支えるには給水や、街路樹の剪定や下草の刈込などのメンテナンスの継続が必要です。人間はひげや髪の毛が伸びると髭剃りや散髪をしますね。髭剃りや散髪は人間が生活するのに不快感を感じないための行動だと思います。人間はそれと同じ感覚で植物の剪定をするのでしょうか?もちろん剪定することで植物の生長を促す事もありますが、自らの意思で成長を続ける植物にとってはいい迷惑かもしれません。

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都市空間で人間と植物たちがお互いに満足して過ごせる結界を作るために、植物への給水や剪定や刈込のメンテナンスの継続が必要です。上の写真は東京体育館の横の選定された街路樹です。  3月13日撮影

世界各地の気温と降雨量2024 2024年03月09日

理科年表2024年度版をもとにして世界各地の都市の気温と降雨量を調べました。理科年表2024年版では1991年から2020年までの各地の平均気温と降雨量がわかります。その中で私がガーデンクリートの施工をしたり、訪れたりした都市と世界平均の数値をまとめてみました。下の表をご覧ください。

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次に東京の気温と降雨量を1としたときの世界各地の気温と降雨量の指数を計算しました。

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この指数をみると温帯のヒートアイランド東京の気温は、亜熱帯の香港や熱帯のシンガポール、そして乾燥帯のニューデリーや世界平均よりも低いことがわかります。また降雨量は亜熱帯の香港や熱帯のシンガポールよりは少ないですが、乾燥帯のニューデリーや世界平均よりは多いこともわかります。

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この気温や降雨量の違いが各地の土地の力、つまり各地の気候(自然)を生みます。そしてその土地の気候に馴染んだ人々にとっては住めば都の感覚が生まれるのかもしれませんね?写真は早春の新宿御苑の芝生の広場です。3月9日撮影

世界の気温と降水量 2024年02月12日

2024年度版理科年表では1991年から2020年までの世界の気温と降水量がわかります。記録されている数値は米国の国立気候データセンターが配布しているGlobal Historical Climatorogy Networkや、世界各国の気象機関から通報された記録をまとめたもので、地球上の240ポイントの観測データがわかります。

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理科年表に記載されている240ポイントの1991年~2020年までの年間平均気温は17.6℃(東京15.8℃)、年間降水量は1038.3mm(東京1598.2mm)でした。そして世界最高の年間平均気温を記録したのはアフリカ大陸スーダンのハルツームの30.5℃、最低年間平均気温は南極大陸のヴォストーク一基地の-54.7℃でした。また世界最高の年間降水量を記録したのはインドCherrapunjiの10166.1mm、最低の年間降水量は南米大陸ペルーのリマ2.1mmでした。

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理科年表には記録した240ポイントの所在地の地図が載っています。これを見ると気温や降水量を測定している場所は主に海沿い川沿いの都市が多いようです。また飛行場の観測ポイントも見かけます。そしてロシアの東にかけての広大な土地やアジア中央部、アフリカ中央部、南アメリカ中央部の測定記録はあまり見られません。つまりこれら240ポイントの記録は、人間が記録しやすい都市部の数値が多いということだと思います。

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人間が生活する環境は住宅やオフィスとしての建造物、道路、また電気、ガス、水道などのインフラの整備がすすみ、測定する気温や降雨量も過去と比べると変化が見られることと思います。それは過去60年の東京の観測記録を見てもわかります。これら環境の変化による気温や降雨量の変化は人間が生活している環境の記録の変化が主であり、まだ人間が生活していない自然環境の変化とは区別しなければいけないですね。

東京の月別気温平均気温の推移2 2024年02月05日

先のblogで1960年代の冬の平均気温はその後1991年から2020年までの冬の平均気温よりも低いことをお話ししました。1960年代は2020年の東京よりもコンクリート建造物が少なく、アスファルトの被覆面積も少なかったのが原因です。それは先のblogでもお話ししましたが芝生や土、コンクリートやアスファルトの熱伝導率の差が影響しているのではないかと思います。芝生の熱伝導率は0.7W/mK,土の熱伝導率は0.69W/mK,そしてコンクリートの熱伝導率は1.6W/mKです。「ガーデンクリートが建物の温度を下げる仕組み」コンクリートは芝生や土よりも熱伝導率が高いので、日中降りそそぐ太陽からの熱エネルギーを内部に蓄熱しやすいからです。そして熱伝導率がコンクリートよりも低い芝生や土は太陽からの熱エネルギーが内部に届く時間を遅らせることで蓄熱量をコンクリートやアスファルトと比べて少なくすることが出来ます。それと芝生や土に含まれている水分が蒸発するときに必要な熱エネルギーを地表から気化熱として奪うからでしょうね。(下の写真は渋谷区のビルの屋上から見た夕暮れの大山です。)

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それでは夏の平均気温が1960年代も1991年から2020年までもあまり変わらないのは何故でしょうか?その理由は日中に太陽から地表に降りそそぐ熱エネルギーが空気(気温)に与える影響がコンクリートやアスファルトの蓄熱量が気温に与える影響よりも圧倒的に強いからでしょうね。それと気温を測定する方法が1960年代も、1991年から2020年までも同じ条件、つまり「気温は風通しや日当たりの良い場所で、直射日光の当たらないように通風筒に格納された電気温度計を用いて、芝生の上1.5mの位置で測定することを標準とします」の下で測定されているからでしょうね。芝生の上と、コンクリートやアスファルトの上では測定温度に差が出ることも先のblogでお話ししました。「ヒートアイランドにオアシスを2

東京の月別気温平均値の推移 2024年02月02日

理科年表2024を購入しました。これで2020年までの東京の月別気温平均値の推移をみることが出来ます。私の所有している数冊の理科年表を遡ると1961年代からの東京の月別気温の平均値を知ることが出来ます。1961年というと日本が復興して経済成長が始まった時期ですね。以前のblog(都市の温暖化と地球の温暖化)でもお話ししましたが当時、私の生まれた新宿の自宅から周囲を見回すと、ビルも少なく富士山が見えました。またアスファルト舗装も今ほど普及していませんでした。コンクリート建造物やアスファルト舗装に覆われる面積が少なかった1961年代の東京の冬の気温は、その後の冬の東京の平均気温よりも低いことがわかります。

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ところが8月の平均気温の推移をみると1961年代の8月の平均気温は、その後60年経過した8月の気温と同じかやや高いことに驚かされます。(データのとり方が1961年代は10年の平均気温であるのに対し、その後のデータは30年の平均気温であるこも影響しているかもしれませんが。)1961年代以降と比べ東京の冬の気温が高くなったのは、経済成長期に入った東京がコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドに変貌したからではないかと思います。そして夏の気温にあまり変化が見られないということは、気温の測定方法にヒントがあるのではないでしょうか?気象庁のホームページを見ると「気温は風通しや日当たりの良い場所で、直射日光の当たらないように通風筒に格納された電気温度計を用いて、芝生の上1.5mの位置で測定することを標準とします」とあります。

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以前の夏、東京のマンションのベランダので午後2時ごろ日陰でコンクリートの表面と芝生の表面温度を測定したことがありました。その時の測定ではコンクリートの表面温度は58.8℃、そして芝生の表面温度は32℃でした。「ヒートアイランドにオアシスを2」コンクリートと芝生の表面温度の差は芝の水が水蒸気に変わるときに必要な熱エネルギーを芝生の表面から奪う気化熱の働きがある事と、コンクリートと芝生の熱伝導率の違いから生まれるのでしょうね。ちなみにコンクリートの熱伝導率は1.6W/MK,芝生の熱伝導率は0.7W/MKです。コンクリートの半分の熱伝導率の芝生は断熱効果がコンクリートの2倍ほどあるので、建物に蓄熱される熱量もコンクリートよりも少ないということです。

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これまで60年に及ぶ東京の気温の変化に、コンクリートと芝生がどのように影響を及ぼしたかにつきましてはつきましては次のblogでお話ししようと思います。写真はまだ休眠中の新宿御苑の芝生です。2月3日撮影

始まりの木 2024年01月06日

新宿事務所のベランダや室内で、芝生やサクラランからの水分蒸発量を測定していると植物が生きていることを感じます。正月休みに弟に勧められて「始まりの木」夏川草介著・小学館を読みました。

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物語の中で民俗学者の先生が「日本人にとって、森や海は恵みの宝庫であり、生活の場そのものであった。だからこそ、それらはそのまま神の姿になったのだ。木も岩も、滝も山もことごとく神になった。」と語っています。新宿事務所で植物への給水と蒸発という循環を見ていると、その現象の背後に自然の摂理を感じます。太古の人々も木々や、滝の流れなどの背後にある自然の法則(雨が降り植物を潤し、川や滝となり海にそそぐ雨水の循環)に神を感じたのかもしれませんね。

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また民俗学者先生は「日本の神は大陸の神に見られるような戒律や儀式もない。教会やモスクを持たない。それゆえ、都市化とともにその憑代(よりしろ)である巨岩や巨木を失えば、神々は、その名残りさえ残らず消滅していくことになる。ニーチェは「神は死んだ」と告げたが、その死に自覚さえ持たなかったという点で、欧米人より日本人にとっての方がはるかに深刻な死であったと言えるかもしれない。」と語ります。

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先生曰く、自然に囲まれた太古からの日本人にとって神(自然)は心を照らす灯台でした。私はささやかではありますが、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京で、神々である植物たちが生きるための雨水が循環する環境作りたいと思います。「始まりの木」素晴らしい本です。皆さんもお読みください。写真は御苑に生息しているメタセコイアとユリノキです。1月5日撮影

11月の新宿御苑 2023年11月21日

新宿御苑の芝生の広場の芝生もようやく黄色くなってきました。芝生は冬に向けて休眠の準備を進めているようですね。

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今年の東京は気候が暖かく苑内ではイチョウやラクウショウ、そしてケヤキやポプラなどの紅葉は進んでいますがモミジの紅葉や芝生の休眠が遅れているようですね。

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モミジは木々の葉がまだ緑色で、今年の見ごろは遅れるのではないかと思います。

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苑内では海外からの観光客が御苑の秋の自然を楽しんでいました。菊花展が終わり温室では洋ラン展が始まりました。11月21日撮影

11月のフローラカスケード 2023年11月08日

11月8日は立冬の始まりの日ですが、今年の東京は気候が温暖で浅草寺様境内のフローラカスケードではインパチェンスとツルニチニチソウがまだ元気に咲き続けています。

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インパチェンスやツルニチニチソウは周囲の気候の変化に敏感に反応しながら成長を続けていますが、今年の東京の気候は彼らにとってはまだ夏から秋にかけての気候に感じられているのでしょうね。

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従来であればこの時期にフローラカスケードに秋から冬にかけての花ビオラを植え替えるのですがもう少し様子を見ようと思います。

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        境内では秋の火災予防運動の準備が進められていました。 11月8日撮影

植物の成分 2023年09月19日

植物を構成する物質の90%は水だそうです。そして残り10%の内90%が炭素、酸素、水素の3元素で構成されています。植物はこの3元素から光合成で太陽エネルギーを利用して炭水化物であるセルロース(C₆H₁₀O₅)nを作ります。新宿事務所で水分蒸発量を調べているサクラランの葉も水とセルロースでできているのですね。下の写真は室内で育てているサクラランです。

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サクラランの水分蒸発量を調べているうちに水中で葉が成長しました。そこで葉の重さを調べました。葉がの成長が始まる前のサクラランを入れたペットボトルを満水にした時の重量が368gでした。(7月19日測定)そして葉が成長した9月18日に、ペットボトルの縁まで水を満たしたときの重さが366gでした。下の写真は成長した葉とペットボトルの縁まで水を満たした写真です。  9月19日撮影

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2か月の間に水中で葉が成長して、ペットボトルの水を満たした時の重さが減少したということは、葉を構成しているセルロースの質量が水より軽くなったからでしょうね。下の写真をご覧ください。サクラランの葉が水に浮くということは葉の質量が水よりも軽いということですね。

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以前のブログでアメリカの物理学者ファインマン先生が「木は主に空気からできています。」とおっしゃいましたが植物の本質を突いた言葉ですね。

福島第一原発の処理途上水 2023年09月04日

ネットを見ていたら「福島第一原発の処理途上水の実情とは」という東京新聞の記事を見かけました。詳しい内容は記事をお読みいただくこととして、この中で放射能汚染を処理しなければならない水が134万トンほどあるとのことでした。先のブログで芝生の広場オアシスⅡを1000㎡設置すると年間の水分蒸発量がおよそ1314トンになるというお話をしました。「芝生の広場オアシスからの年間水分蒸発量」134万トンの水を芝生の広場オアシスⅡで蒸発させるとすると、これを数値で表すと1000㎡のオアシスⅡをおよそ1000か所設置すると1年で処理途上水を蒸発できるということですね。つまり芝生の広場オアシスⅡが100万平方メートルで1年かけて処理水を蒸発できるという計算です。

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私は原子力発電に関する詳しい知識はありませんが1979年にアメリカ、ペンシルバニア州のスリーマイル島で発生した原子力発電所の事故で87000トンのトリチウムを含む水を大気中に蒸発させたという事例を詳しく調べて、蒸発したトリチウムを含む水がスリーマイル島の周囲の環境にどのような影響を及ぼしたか知りたいものです。「日本政府、福島の水の海洋放出と水蒸気放出を提案2019年12月23日AP電」そしてその結果が、処理水を海洋に放出すること以下の影響を生命に及ぼすのであれば、福島の原子力発電所も処理水の大気中への蒸発という方法も選択できないでしょうか?写真は新宿御苑の芝生の広場です。新宿御苑の面積はおよそ58万㎡だそうです。9月1日撮影

芝生の広場オアシスからの年間水分蒸発量 2023年09月03日

大田区産業プラザPIOや新宿事務所のベランダにおける芝生の広場オアシスからの水分蒸発量はおよそ3.8㍑/㎡(大田区産業プラザ)から3.6㍑/㎡(新宿事務所)でした。大田区産業プラザPIOでの芝生の広場オアシスの設置場所は1年を通して雨が当たり、春夏には直射日光が当たる環境でした。一方新宿事務所の芝生の広場オアシスⅡの設置場所は1年を通して雨や直射日光の当たらない環境でした。そして東京の年間降雨量は1528.8mm(4.2mm/㎡・日)です。

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芝生の広場オアシスからの水分蒸発量は芝生からの水分蒸発量が2.1㍑/㎡・日と、土からの水分蒸発量が1.5㍑/㎡・日を合わせて3.6㍑/㎡・日になります。以前神奈川県伊勢原市にあります山武asbil様の屋上でガーデンクリートを4cm施工してその上で芝生を育てたことがありました。施工面積は1000㎡でした。芝生の広場オアシスを1000㎡設置した場合、芝生と土からの水分蒸発量はおよそ3600㍑/日、1年を通しての水分蒸発量はおよそ1314000㍑、つまり1314トンになります。

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今、放射能汚染処理水の海洋放出が問題になっています。汚染処理水の処理方法につきましては以前のblogでもお話ししました。1979年3月にアメリカのペンシルヴァニア州スリーマイル島で発生した原子力発電所の事故では87000トンのトリチウム水を2年かけて蒸発させたようです。「芝生の水分蒸散力」1000m2の芝生の広場オアシスIIを100箇所施工するとおよそ年間131400トンの水を大気中に蒸発させる事が出来ます。

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芝生からの水分蒸発量の測定で分かったことは、芝生と土からの水分蒸発量を合わせると、地面からの水分蒸発量のおよそ2倍の水分が大気中に蒸発するということです。放射能汚染処理水の海洋放出はこれから30年ほど続くと言われています。芝生などの植物の力を借りて処理水を大気中に蒸発させる事で、海洋への放出時間を短縮する事をご提案いたします。関連サイト:芝生の広場オアシスⅡ

八月の新宿御苑 2023年08月25日

8月も下旬に入りましたが、ヒートアイランド東京はまだ気温が30度を超える日が続いています。空に浮かぶ雲も夏の雲です。

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それでも7月に続いた高温の日々と比べるとしのぎやすい気候で、秋の気配を感じます。台湾閣の池の周りも心地よい朝を迎えています。

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芝生の広場の芝生も夏の雲の下でたくましく成長を続けて葉の緑色も深まっています。御苑の芝は気温が下がると色も変わります。

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気候もやや落ち着いてきたようなので御苑のそばの新宿事務所では、西洋芝クリーピングベントグラス007の種を蒔いたのですが4日ほどで発芽して葉を伸ばし始めました。

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ヒートアイランド東京も夏の峠は越えたようです。これから秋に向けて御苑の自然も徐々に移り変わります。8月24日撮影

ヒートアイランドにオアシスを 2023年08月10日

先のブログで田中英道先生が「自然とは土地の力である。」とおっしゃっていたことをお話ししました。「自然は土地の力」また田中先生は「文明(都市文明)は自然に抵抗してできる。」というお話もしていました。ヒートアイランド東京で、コンクリートの上で植物を育てていると、田中先生のおっしゃることがよくわかります。植物が地中から根を通して吸い上げた水は葉や茎から蒸発して水蒸気となり、それが上空で冷却されて再び雨となり地上に降りしきる雨水の循環,この植物を通して行われる雨水の循環という自然現象が土地の力ですね。

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都市では人間の生活が快適に行われるように地面はアスファルトで舗装され、人間は鉄やガラス、コンクリートで作られた建物の中で仕事をしたり生活をします。こうしてコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われた都市、ヒートアイランドが誕生します。ヒートアイランドはその土地の土や植物を覆うことで成立します。そしてそれは土と植物によって作られる雨水の循環が損なわれるということです。古代メソポタニア、エジプト、インダス、黄河などの文明が滅んだのは、その土地の力である自然の上に人間の生活する都市を作り、植物が棲息する自然を覆うことで雨水の循環という土地の力が失われたからです。

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私の仕事はコンクリートジャングルとアスファルト砂漠の表面を地球からの贈り物である軽石と石灰で固め、雨水の自然循環を利用した灌水システムと組み合わせることで植物を育てることです。ヒートアイランドにオアシスを作る事がテーマです。写真はヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑の温室とプラタナスの並木です。8月9日10日撮影

サクラランも生きている4 2023年08月07日

7月19日から8月7日までのペットボトルからの水分蒸発量は13.8cc,サクラランの入ったペットボトルからの水分蒸発量は13.9ccでした。今回の測定値はまだ途中経過ですが、面白いことに気が付きました。それはサクラランの葉や茎が水分の蒸発量に影響を及ぼしているのではないかということです。水分蒸発量を測定しているペットボトルの口の部分は細く、上をサクラランの葉が覆い、茎が水分が蒸発する面積を小さくしているのではないでしょうか?下の写真をご覧ください。

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7月19日から8月7日までの水分蒸発量はペットボトルの細い口の部分からのものなので、茎のないペットボトルからの水分蒸発量が多く、サクラランからの水分蒸発量は7月22日にペットボトルからの水分蒸発量を大きく下回りました。下記のグラフをご覧ください。

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しかしその後、サクラランからの水分蒸発量は徐々に増えていき、8月7日の時点で水分蒸発量の累計がようやくペットボトルからの水分蒸発量を上回りました。ペットボトルの水面の位置の面積も広がり、これからサクラランからの水分蒸発量がどのように変化してゆくか楽しみです。またここにきてサクラランの葉が水中で伸びてきました。ミントの水分蒸発量を測定していた時に水中に葉が伸びることはありませんでした。水中に伸びたミントの葉の質量が、これからどのように影響を及ぼすのかも測定が楽しみです。

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                      8月7日撮影

7月の新宿御苑 2023年07月29日

東京は連日30度越えの暑い日が続きますが、ヒートアイランドのオアシス新宿御苑ではたくましい生命の息吹を感じます。玉藻池の横を歩いていたら木の根の周辺に大量のカブトムシが発生していました。御苑でこれほどの数のカブトムシを見かけたのは初めてです。下の写真をご覧ください。7月22日撮影 気温が高くなるにつれて生物の活動も活発になるようで、先月もこの近くで青大将を見かけました。「6月の新宿御苑IMG_4974 (002).jpg

東京も梅雨が明けたようですが、ここのところ雨がほとんど降っていません。それでも芝生の広場では芝生が元気です。芝生の根がしっかりと土に根づいて土中の水分を吸収しているのでしょうね。おそらく芝生の広場ではおよそ4㍑/㎡の水が毎日大気中に蒸発していることと思います。

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気温が30度を超えるなかでもヒートアイランドのオアシス新宿御苑では、池の周りや木立の下を歩いていると涼しい空気を感じます。

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7月も終わりですが、御苑に生息している生物にもそろそろ雨が降ってもらいたいですね。地上で暮らす生命にとり水の循環は命をつなぐ大切な自然現象です。7月28日撮影

バケツ一つで世界をめぐる 2023年07月24日

当社で開発してきた断熱緑化コンクリート「ガーデンクリート」と灌水・植栽システム「オアシス」に関するブログの中からいくつか選んでPDF「バケツ一つで世界をめぐる」にまとめました。ホームページの資料ダウンロードや緑化コンクリート・ヒートアイランド現象対策に興味のある方へからご覧いただけます。IMG_9927 (002).jpg

断熱緑化コンクリート「ガーデンクリート」は地球からの贈り物である軽石や石灰を利用して、世界中で資源を調達して容易に製造できる製法を目指しました。そして灌水・植栽システム「オアシス」は雨水の自然循環を利用して植物を育てたり建物を断熱するシステムの実現を目指しました。

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21世紀は赤道を中心に南北回帰線の間で人口増加が見込まれます。それに伴い都市化が進み新たなヒートアイランド現象の問題が発生することと思います。このように変化する都市環境の中で人々が快適に過ごすことが出来る環境をなるべく容易に作れる製法とシステムを開発することが当社の目的です。

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この情報をPDF「バケツ一つで世界をめぐる」にまとめました。皆様にご覧いただければ幸いです。

自然は土地の力 2023年07月09日

Youtubeを見ていたら東北大学名誉教授田中英道先生が「自然は土地の力」というお話をしていましたが、的を得た言葉ですね。自然を一つの言葉で表現することはできません。地球上の様々な土地には様々な自然があります。その自然の違いは温度、湿度、降雨量など数値で表現することができます。下記のグラフをご覧ください。アジア各地の気温と降雨量が視覚的に理解できますね。「地図で知る東南・南アジア 平凡社より引用」

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私が生活しているヒートアイランド東京の年間降雨量は1528.8mm(4.2mm/㎡・日),平均気温は15.8℃(2017年),平均相対湿度は65%です。「理科年表第92冊引用」私がヒートアイランド東京で測定した芝生と土からの水分蒸発量はおよそ3.6㍑/㎡・日です。東京での測定で感じたことは降雨量4.2mm/㎡・日と芝生と土から水分蒸発量3.6㍑/㎡・日の間には関連性があるようだということです。つまり水の循環がみられるということですね。

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世界各地の降雨量と土地からの水分蒸発量にも水の循環があるとすると、その土地での芝生や土からの水分蒸発量も降雨量と関連する数値が見込まれるのでしょうか?芝生を育成する植栽装置オアシスを使って世界各地で芝生と土からの水分蒸発量を測定してみたいものです。写真はヒートアイランド東京のオアシス神宮外苑のイチョウ並木です。7月8日撮影

熱帯の植物 2023年07月05日

先のblog「水の命」で温帯のヒートアイランド東京に比べて熱帯のヒートアイランドシンガポールに降り注ぐ太陽光エネルギーが強いとお話ししました。それは赤道直下に位置するシンガポールの方が、北回帰線よりも北に位置する東京よりも一年を通して当たる太陽光の密度が高く、それに伴い太陽光エネルギーの量も多いということですね。

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事務所で熱帯の植物であるサクラランからの水分蒸発量を計測しているのですが、これまで計測したミントや芝生と比べてその数値が著しく低いようです。その理由はいくつかありますが、まず熱帯に生息する植物は温帯に生息する植物と比べて1年を通して葉にあたる太陽光エネルギーが多いので、葉からの水分蒸発量を抑える働きがあるのではないでしょうか?サクラランの葉はミントと比べて厚みがあり表面につやがあります。

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ヒートアイランド東京での芝生と土からの水分蒸発量は何度もお話ししていますが、芝生からの水分蒸発量がおよそ2.1㍑/㎡・日、土からの水分蒸発量がおよそ1.5㍑/㎡・日、そして降雨量が4.2㍑/㎡・日です。降雨量が5.7mm/㎡・日のシンガポールでは芝生と土からの水分蒸発量がどのように変化するのでしょうか?

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東京での測定では芝生と土を合わせた水分蒸発量3.6㍑/㎡・日と降雨量4.2mm/㎡・日には、水分蒸発量と降雨量の間に関連性がありそうですが、水分蒸発量が少なそうな植物に囲まれた熱帯の、植物と土を合わせた水分蒸発量と降雨量の間にはどのような関連性があるのでしょうか?光と土と水、そして空気が作り出す自然が生命に与える影響を観察するのは楽しいですね。写真は新宿御苑の温室で生育されている熱帯の植物たちです。7月5日撮影

水の命 2023年07月04日

水(H²Oの塊)に命はありませんが、水は太陽光エネルギーの働きでH²Oの動きが活発化して分散し、気化して水蒸気となり上昇します。そして上空で冷却されて雲(氷の塊)となり再び地上に降り注ぎます。この命を感じる水の循環を詩人の高野喜久雄が詩にしています。「海よ」

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私は温帯のヒートアイランド東京のベランダやテラスで、緑化ブロックに芝生を載せて、芝生と土からの水分蒸発量を計測していますがその数値はおよそ3.6mm/㎡・日です。芝生からの水分蒸発量が2.1㍑/㎡・日、土からの水分蒸発量が1.5㍑/㎡・日です。そして東京の降雨量は4.2mm/㎡・日です。

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熱帯のヒートアイランドシンガポールの降雨量は5.7mm/㎡・日です。シンガポールの降雨量が東京よりも多いのは、シンガポールに降り注ぐ太陽光エネルギーが東京よりも強くそれに比例して地上からの水分蒸発量も多くなっているからだと思います。シンガポールに設置したガーデンクリートと芝生と土からの水分蒸発量はどのようになるのでしょうか?ヒートアイランド東京での経験を生かして測定してみたいものです。

サクラランも生きている2 2023年06月20日

5月18日から6月20日までのサクラランからの水分蒸発量のデータがまとまりました。ペットボトルからの水分蒸発量が16cc,そしてサクラランの入ったペットボトルからの水分蒸発量も16ccでした。つまりこの一月の間にサクラランから蒸発した水分蒸発量は0ccということですね。P6200036.jpg

その理由はいくつか考えられます。サクラランの葉がミントの葉と比べて厚みがある事と、葉の表面にワックスのようなコーテイングが施されていることです。サクラランは亜熱帯から熱帯で多く生息している植物です。熱帯の日光や気温の影響で、葉から水分が蒸発する量をコントロールしているのかもしれませんね。ちなみに5月18日から6月20日までの新宿事務所の平均気温は23.5℃、平均湿度は50%でした。

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そして5月の終わりからサクラランの茎から根が伸び始めました。今では茎から根が4本伸びているのが見られます。これから室温も高くなるにつれてサクラランの根からの水分の吸収も活発になるのではないでしょうか?これからのサクラランからの水分蒸発量に変化が見られるか楽しみです。6月20日撮影

6月の新宿御苑 2023年06月17日

梅雨に入りましたが、御苑の芝生の広場の緑も色が濃くなってきました。御苑では一年を通しておよそ4mm/㎡・日の雨が降り、芝生と土からもおよそ4mm/㎡・日の水が蒸発する水の循環が繰り返されています。

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玉藻池の横を歩いていたら青大将が前を素早く滑るように横切りました。御苑はヘビやカメ、カエルなどの爬虫類にとってもヒートアイランドの中のオアシスなんですね。

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梅雨はまだ続きますが梅雨の晴れ間の一日、御苑の自然を楽しみました。御苑ではあとひと月もするとセミが鳴き夏が訪れます。

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                      6月16日撮影

芝生の広場オアシスⅡ 2023年06月15日

「芝生の広場オアシスⅡ」のサイトがアップされました。ホームページの「緑化コンクリートに興味のある方へ」からご覧いただけます。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京で、軽石を原料とした緑化基盤「ガーデンクリート」を開発して、芝生や様々な植物を育てて15年ほどが経ちました。開発のポイントは、アスファルトやコンクリートに覆われたヒートアイランドの表面を、保水性のある緑化基盤ガーデンクリートで覆うことで様々な植物を育てる環境を作ることです。そして灌水システムを組み合わせてガーデンクリートの保水性を補います。

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東京の年間降水量はおよそ4.2mm/㎡・日、緑化されたガーデンクリートからはおよそ3.6mm/㎡・日の水が蒸発することがわかりました。つまり東京では緑化されたガーデンクリートからの水分蒸発量は降雨量とほぼ同じであるということですね。ガーデンクリートを4cm厚みで施工すると保水量は12㍑/㎡です。これはガーデンクリートから蒸発するおよそ3日分の水量です。植物からは毎日水分が蒸発しますが、雨は毎日降り続けることはありません。そこでガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて一年を通し継続して、植物から蒸発する水分を満たすシステムを開発してきました。

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もう一つの開発のポイントは地球からの贈り物である軽石の利用方法です。最近では日本近海の海底火山が噴火して発生した大量の軽石が沖縄に漂着しました。この大量の軽石を篩分け等の前処理をせずに緑化コンクリートとして利用するシステムを考え試験を行いました。それが「芝生の広場オアシスⅡ」です。「芝生の広場オアシスⅡ」の特徴は、軽石で緑化基盤ガーデンクリートを作り自然法則に従った灌水システムと組み合わせることで、様々な場所を緑化できることです。

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軽石も、大量に漂着すると人の生活にマイナスの影響を与えます。「芝生の広場オアシスⅡ」は、地球からの贈り物である軽石を利用して緑化基盤を作り、自然法則に従い植物に灌水しながら様々な場所を広く緑化するシステムです。

アジアの都市の降雨量2 2023年05月14日

先のブログでアジア各地の降雨量についてお話ししましたが、2021年4月から2022年3月にかけて、新宿事務所のベランダで植栽装置オアシスを利用して芝生からの水分蒸発量を測定しました。「芝生は生きている」その結果は芝生からの水分蒸発量が2.1mm/日、芝生を支える土からの水分蒸発量が1.5mm/日、そして芝生と土を合わせた水分蒸発量3.6m/日でした。

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東京の1日当たりの降雨量4.2mm/日と芝生と土を合わせたオアシスからの水分蒸発量3.6mm/日はほぼ同じですね。そしてオアシスの土からの水分蒸発量1.5mm/日乾は燥地帯デリーの降雨量2mm/日の数値が近いことがわかります。

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植栽装置オアシスからの水分蒸発量とデリーの降雨量から想定して、土からの水分蒸発量もおよそ2mm/日前後、熱帯や温帯の植物からの水分蒸発量がおよそ2mm~3mm/日前後ではないかと考えられます。つまり砂漠や乾燥地帯からの水分蒸発量が少ないのは植物が少ないからですね。そして植物の多い温帯や熱帯では、土からの水分と植物からの水分を加えた水分が大気中に蒸発して、それに見合っ雨水が降ることで雨水の循環が行われるということだと思います。

アジアの都市の降雨量 2023年05月13日

理科年表をもとにして、私が訪れたことがあるアジアの都市の降雨量についてお話ししましょう。まず私の住んでいる東京の1日当たりの降雨量は4.2mm/日です。亜熱帯香港の降雨量は6.5mm/日、熱帯のシンガポールの降雨量は5.7mm/日、そして乾燥帯のデリーの降雨量は2.1mm/㎡です。

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1月に香港を訪れたときに感じたのは気温が思いのほか低く、シャツにセーターを羽織りジャケットを着て丁度良いようでした。香港のホテルは暖房の設備がなく冷房の空調に戸惑いました。下の写真はガーデンクリートと緑化システムを組み合わせた香港の学校の屋上緑化の様子です。

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シンガポールの気温は8月ごろが高く、真夏の東京から訪れても温度差に困ることはありませんでした。12月のシンガポールは雨季で気温も低く、夜は冷房がなくても過ごすことができました。写真はセントーサ島にあるi fly Singaporeの建物でガーデンクリートと緑化システムで緑化した様子です。

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インドのデリーを訪れたのは3月で空気が乾燥していて気温もまだ穏やかでした。ただ緑が少なく土ぼこりが多い印象が残っています。写真はクトゥブ・ミナールのモスクです。ヒンズー教の寺院を破壊して石材をモスク建設に使用したようですね。

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地球は温帯の東京、亜熱帯の香港、熱帯のシンガポール、そして乾燥地帯のデリーと場所が変わると気候や植物の生息に違いがあることがわかります。

五月の新宿御苑 2023年05月02日

5月に入り新宿御苑では新緑の季節を迎えています。日差しが強い中、北風が吹き心地よい朝の散歩を楽しみました。

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今年の東京の春は例年よりも気温が高いようで、バラ園ではゴールデンウイーク明けに見ごろを迎えるバラがすでに元気よく咲いています。

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下ノ池では風がそよぎ水面にさざ波が立っています。池で冬を過ごしたカモたちも気候が暖かくなり北の空に旅立ったようですね。

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風薫る5月、新緑の美しい季節です。御苑の植物たちには強い生命の息吹を感じます。5月2日撮影

3月の新宿御苑 2023年03月28日

3月ももうすぐ終わりです。今年の桜は開花が早く、中旬に満開を向かえたソメイヨシノなども散り始めています。ただ今年の3月は下旬に入り雨模様の日が続いたせいか花も長持ちしているようです。P3280106.JPG

以前のブログで桜の開花日を計算する600度の法則というお話をしました。「御苑の桜」その年の2月1日以降の日々の最高温度を足して600度に達したころに開花するという法則ですね。今年の東京は1月の下旬に大きな寒波に見舞われて以降、温暖な冬の気候が続きました。その影響で桜の開花日も早くなったのでしょうね。

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芝生の広場の芝生もうっすらと芽吹いてきました。これから御苑は八重桜が咲き緑の季節を迎えます。

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                   3月28日撮影

日本の宝 地熱資源 2023年03月04日

3月1日の日本経済新聞の朝刊を見ていたら「政府国立公園に高級ホテル誘致」という記事がありました。地元の自治体や企業と協力して自然体験プログラムを設け、訪日外国人(インバウンド)消費の拡大につなげるといった内容です。この記事を見て国立公園と地熱資源についてお話ししたいと思います。日本は地熱資源に恵まれた国です。その規模は「1位のアメリカが3,000万kW、2位が多くの火山島からなるインドネシアで2,800万kW、日本はこれに次ぐ2,300万kWで、世界第3位の地熱資源国といわれている。」とのことです。Toshiba clip参照

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以前私はブログで地熱エネルギーを活用できる土地の80%が国立公園や温泉地にあるお話をしました。「国立公園」このブログを書いたのは2009年の8月です。その後、日本は福島の原発事故を始めとしてウクライナ戦争などに起因するエネルギー危機に直面しています。国立公園に高級ホテルを誘致することも結構ですが日本のホームグラウンド、国立公園の地下に存在している地熱資源をより一層活用してゆく事がことがこれからの日本の強みですね。もちろんそこには人間と自然とが共存できるための様々な妥協点を見出しながら、システムを作らなければなりませんね。参考ブログ:ホームアンドアウェイ

室温と湿度の推移 2023年03月01日

今日から3月です。10月の中旬から始めた新宿事務所の室内の気温と湿度の測定ですが3月1日までの数値がまとまりました。湿度は10月から12月の中旬に向けて徐々に落ちていきましたが、12月の中旬から3月1日までの数値はほぼ横ばいに推移しています。グラフでギザギザの山が見えるのは、雨や雪の影響です。湿度は外気の変化に敏感に反応するようです。

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室温は10月中旬から12月の初めにかけてほぼ横ばいだったのが、12月の初めに急に下がりその後は横ばいで推移しました。今年の東京は1月26日前後に大きな寒気に覆われて、室温も急に下がったのですがその後は徐々に上がってきました。

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測定機器は気温と湿度の測定ができるデジタル時計です。測定は朝事務所に入ってすぐに行いました。ちなみに室内では空調機による暖房は行わずに冬を越しました。精度の高い観測とは言えませんが秋から冬、そして春にかけての室温と湿度の推移の傾向は把握することが出来たと思います。この間にペットボトルのミントも葉と根を伸ばしながら成長を続けています。

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10月の中旬にベランダで、緑化ブロックに灌水クロスを敷いた上に種を蒔いた西洋芝007も無事に冬を越して春を迎えました。3月1日撮影

2月の新宿御苑 2023年02月25日

       二月も終わりを迎え新宿御苑は明るい朝の光に包まれていました。

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苑内では梅や桜の木々が花を咲かせ、春の訪れを告げています。日本庭園では今年も紅梅が赤い花を咲かせています。

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     休憩所の前では河津桜が咲いています。河津桜は桜の中でも早く咲く桜ですね。

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        管理事務所の前のジャノメエリカもよく咲いています。

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来週からは三月です。朝日がが昇る時間も早くなってきました。新宿御苑では土曜日、日曜日の開門時間が午前7時に変わります。

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                 2月25日撮影

塩は植物の栄養素 2023年02月16日

先日、ある本を読んでいたら面白い記述を見かけました。「イスラエルの砂漠は塩性のため、そこの水は塩分を含んでおり、塩辛い。これは一見農業には不向きに見える。ところがこの水を真水に10%ほど加えると、その水は植物を育てるのにかえって適しているのだ。」ユダや人に学ぶ日本の品格 E コーヘン著 PHP研究所

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海水を含んだ福徳岡ノ場の軽石で緑化ブロックを作り、灌水クロスで覆い芝生の種を蒔いてから4か月がたちました。芝生はご覧の通り元気に育ち続けています。当社で開発した緑化システムにはイスラエルの緑化の技術が活かされています。しかし塩分を利用して植物を育てるという発想には驚きました。

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当社で開発した緑化システムは植物の根に直接灌水するシステムですが、植物の根を支える緑化ブロックと植物の間に灌水クロスを挟み、真水を流すことで植物が吸収する水の塩分濃度が薄まり、塩分に含まれているマグネシウムなどのミネラルが、植物に適した量の栄養素となって吸収されるのでしょうね。

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芝生もヒートアイランド東京の新宿のベランダで寒い冬を過ごしていますが、あとひと月もすると気温も上がるので、時期を見計らって芝刈りをしようと思います。関連ブログ:福徳岡ノ場の軽石で断熱緑化コンクリートを作る 2月16日撮影

チューブも凍る! 2023年01月27日

昨日のブログで日本列島を覆った寒波で新宿御苑の池にも薄氷が張ったことをお話ししました。「1月の新宿御苑」同じく浅草寺様境内のフローラカスケードのドリップチューブも凍りました。東京の1月25日、26日の明け方の気温は氷点下まで下がりましたが27日の明け方の気温は3度程までに上がりドリップチューブからの灌水も回復しました。下の写真は灌水を回復したドリップチューブから滴る水の様子です。(10時20分撮影)

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浅草寺様境内にフローラカスケードを設置して様々な植物を育てて9年目になります。これまでにドリップチューブから流れた水がカスケードブロックの上で凍ったことはありますが、ドリップチューブの中で水が凍った記憶はありません。それほど今回の日本列島を覆った寒気は低かったのでしょうね。下の写真はカスケードブロックの上で凍った氷。2019年1月18日撮影

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冬の気温が高くなってきたヒートアイランド東京でドリップチューブが凍った現象を受け止めて、これからの冬の東京の気象の推移を注意深く見守りたいですね。そして氷点下の気温が続く環境でも植物に適時水を届けられるシステムを考えたいと思います。

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                  1月27日撮影

1月の新宿御苑 2023年01月26日

1月24日から26日にかけて日本列島は寒気に覆われました。東京の 気温も25日と26日の明け方にマイナス温度を記録しました。その中で新宿御苑の池の表面の様子は25日と26日では少し違いがありました。下ノ池では25日の朝は池の表面に氷は張らなかったのですが、26日の朝は池の表面にうっすらと氷が張っていました。

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皆さんご存じのように水は水温が0℃になると凍り始めます。下ノ池では25日の明け方に気温がマイナス温度に下がっても水温が高く池の表面温度が0度まで下がらなかったのでしょうね。1月25日朝撮影

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そして26日になると前日に比べるて水温が下がり、明け方に気温がマイナス温度になると表面は凍り始めたようです。1月26日朝撮影

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一方で台湾閣前の池は日の当たりがよくないので、25日の明け方に池の表面の一部が凍りました。ちなみに下ノ池では朝の光が当たります。1月25日朝撮影

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そして26日になると水温はさらに低くなり明け方に池の表面の凍った面積が広がりました。外気温度がマイナス温度を記録しても、水温の高低の差で池の凍り具合にも差が出てくるようです。そして水温の違いを生む大きな原因は太陽から届く光のエネルギー量の違いですね。26日朝撮影 参考ブログ「水は素直である?

三佐和ブログ 地球環境・都市環境編100選がアップされました 2023年01月18日

三佐和ブログを始めて15年が経ちました。今までにアップされたブログの中から地球環境・都市環境に関するブログ100編を選んだ「三佐和ブログ ヒートアイランドにオアシスを地球環境・都市環境編100選」がアップされました。ホームページトップの資料ダウンロードからもご覧いただけます。

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ヒートアイランド東京で生活する中で感じたり考えたりした、地球環境や都市環境に関するブログです。皆様にご一読いただければ幸いです。

バケツ一つで世界をめぐる 2023年01月12日

以前のブログで我が家に伝わる家紋は分銅紋であることをお話ししました。分銅紋 私の仕事は透水性コンクリートや断熱緑化コンクリートを製造し施工することです。使用する原料は天然砂利や軽石、そして石灰系の固化材です。これらの素材に水を加えてコンクリートを作るのですが、天然砂利、軽石、固化材、そして水の配合比と計量が大事です。

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昨年は東京の南、大平洋にある福徳岡ノ場の海底火山の噴火で生成した軽石を使用して断熱緑化コンクリートを作りました。製造のポイントは軽石と固化材、そして水の配合比と計量でした。当社で開発した配合比に基づいて計量することで十和田湖やインドネシアの軽石と同じように保水性と通気性、そして軽量性のある断熱緑化コンクリートを作る事が出来ました。

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世界には多くの火山があり噴火を繰り返しながら様々な軽石が生成されています。そして世界各地の河川の周辺では様々な天然砂利が堆積されています。また石灰系の固化材も世界各地で製造されています。これからはバケツ一つを携えて世界各地で透水性コンクリートや断熱緑化コンクリートを作りたいですね。計量の象徴である分銅紋は私の心のよりどころです。

12月の新宿御苑 2022年12月21日

12月も中旬を迎えて御苑の気温も下がってきました。朝の中の池ではカモたちがお互いに体を寄せ合って回りながら寒さをしのいでいました。

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10月から始まった御苑の紅葉も終盤を迎え、下ノ池の周辺では楓が赤や黄色の輝きを見せています。

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東京は大陸から張り出した冬の高気圧の影響で寒い朝を迎えています。しかし東京では過去およそ60年の間に冬の気温が高くなったようです。「何故冬の気温が高くなったのか?」これまで東京には様々なインフラストラクチャーが整備され、土と水と木々に覆われた自然がコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドに変貌したからでしょうね。

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新宿御苑は東京23区のほぼ中央にあり、その自然は水と木々に覆われていてコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京のオアシスです。 12月20日、21日撮影

観察と観測 2022年12月19日

観察とは「対象の実態を知るために注意深く見ること。その様子を見て変化を記録すること。」 観測とは「自然現象の推移や変化を観察したり測定したりすること。様子を見て成り行きを推し測る事。」Wikipedia

事務所の机にペットボトルの容器を並べて、茎から伸びる根の様子を見たり、容器から蒸発してゆく水分量とミントを入れた容器から蒸発してゆく水分量を記録しています。これは観察ですね。 この記録を2か月続けてわかったことは、容器から蒸発した水分量は18g,ミントを入れた容器からの水分蒸発量は108gでした。この数値からミントから蒸発していった水分量が90g(108g - 18g)であることが推し測れます。つまり観測ですね。

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以前のブログでアメリカの物理学者S.E.クーニンの言葉を紹介しました。気象と気候 「気候はこれから見込まれるもの。気象はそこで起こっているもの。」気候は長年の平均だから、ゆっくり変化する。気候を決めるには少なくとも10年間の観察が必要だし、その変化を明らかにするには20年以上を要する。中略 気候を決めるのはその何十年かの平均的な性質である。

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ここでクーニン先生が述べている気象とは観察ですね。そして気候は観測です。 気候を語るには日々の観察による膨大な量の観察記録の積み上げが必要であることがよくわかる言葉です。  関連ブログ: ミントも生きている3

福徳岡ノ場の軽石で断熱緑化コンクリートを作る 2022年12月13日

福徳岡ノ場の軽石で断熱緑化コンクリートを作るのサイトがホームページにアップしました。トップページの「ヒートアイランド現象対策に興味のある方へ」の見出しからご覧いただけます。                                福徳岡ノ場の軽石P1200029.JPG

2021年8月に東京からおよそ1300㎞南の太平洋の海底火山、福徳岡ノ場で大噴火が起こり、それにより発生した軽石がその後、琉球諸島に漂着しました。沖縄に漂着した軽石の仮比重を調べたところ秋田県十和田湖産の軽石の仮比重に近く、当社で開発してきた軽石の配合技術や緑化システムが応用できるとできると思いました。十和田湖の軽石PB300089.JPG

十和田湖産の軽石は丁寧に水洗、乾燥、ふるい分けなどの前処理がされているので製品として安心して利用できます。沖縄に漂着した軽石は今のところ、これらの前処理をする設備が整っていないようです。そこで野積されている軽石を前処理することなく断熱緑化コンクリートにできないかと考えました。幸いなことに福徳岡ノ場の軽石は沖縄に漂着するまでに2か月ほどかかり、その間に比重の重い石は海に沈んだようで、福徳岡ノ場の軽石も十和田湖の軽石も仮比重がほぼ同じでした。                                  福徳岡ノ場の軽石で作った断熱緑化コンクリート

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軽石の仮比重の問題は解決しましたが一つ大きな問題がありました。それは沖縄に漂着した軽石は海水を含んでいたことです。海水に含まれる塩分は、マグネシウムなどのミネラルの量が植物の生長を促す以上に大量に含まれていて植物の成長を阻害するようです。そこで当社で開発した緑化システムの技術を応用して、断熱緑化コンクリートを灌水クロスで包み薄く土を蒔いて芝生の種を蒔いたとこと芝生は成長を続けています。12月13日撮影

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これまで当社で培ってきた軽石の配合技術や緑化システムを応用することで、福徳岡ノ場に限らず火山の噴火で大量に発生する軽石を断熱緑化コンクリートとして利用することが可能です。

11月の新宿御苑 2022年11月29日

11月に入り新宿御苑の木々も紅葉しています。まずプラタナスの紅葉がはじまりました。

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           次に黄色くなり始めたのが森のラクウショウの木々です。

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            そしてメタセコイアの高木の葉が茶色くなりました。

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       そしてこれから紅葉の盛りを迎えようとしているのはカエデの木々です。

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今年の御苑の紅葉は例年よりもやや遅れているようで、まだまだ美しい自然を楽しむことができます。上の写真は下の池のカエデの紅葉11月29日撮影

天王星食 2022年11月10日

11月8日は東京の空でも皆既月食が見られました。私も渋谷区のマンションのベランダからミラーレスカメラを使って手持ちで月を撮影しました。撮影した時間は午後7時22分です。この時、月の下にいくつか星が映っているなと思いました。東京の夜空ではあまり星が見られないのですが、さすがカメラの感度は人間の目よりも優れていますね。ちなみにこの時のカメラのISO感度は2000です。下の写真をご覧ください。

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翌朝、日本経済新聞を見て驚いたのですが、プロのカメラマンが撮影された写真でしょうか月の左下に天王星食が始まる前の天王星が映っていました。天王星食が始まったのは午後8時40分ごろからです。もしかして私が午後7時22分に撮影した写真に写っているいくつかの星の一つが天王星だったかもしれません?私は生まれてからこれまで東京の空で天王星に気付いた事はありませんでした。しかもこの天王星食は安土桃山時代の1580年以来442年ぶりだそうです。地球で生活している私たちは、天体の運行をはじめ、スケールの大きな自然法則に包まれて存在していることを感じた夜でした。

福徳岡ノ場の軽石で芝生を育てる 2022年11月07日

福徳岡ノ場の軽石で緑化ブロックを作り西洋芝の種を蒔いて3週間が経過しました。以前、緑化ブロックに直接芝生の種を蒔いたところ、発芽はしたのですが葉が成長するまでは育ちませんでした。    福徳岡ノ場軽石で作った緑化ブロック

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そこで今回は緑化ブロックを灌水クロスで覆い薄く土を敷いた上にクリーピングベントグラス007の種を蒔きました。10月15日撮影

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発芽した種はおよそ3週間で葉を伸ばしてきました。芝生を育てている場所は新宿事務所の西向きのベランダですが、午後になり光が届く時間が少しあります。11月7日撮影

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軽石で緑化ブロックを作り芝生を育てる経験は過去に何度もあるのですが、今回使用する福徳岡ノ場の軽石は、本州の南で噴火して海流や風に流されて沖縄にたどり着いいた軽石なので海水に含まれている塩分を結構吸っています。今回はこの軽石を洗うことなく利用していますが、塩分を含んだ緑化ブロックで天然芝がどこまで育つか楽しみです。

ミントも生きている2 2022年11月04日

10月13日から新宿事務所の室内でミントの水分蒸発量を測定して3週間が経過しました。その間の数字はミントの入った容器からの水分蒸発量は48g.水だけの蒸発量は10gでした。つまりミントだけの水分蒸発量は38g,1日当たり1.8gの水分蒸発量です。この間の室内の気温はおよそ19度、湿度は45%でした。

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ミントの茎から根が生えてきました。葉もしっかりと張っています。このままミントがどこまで生き続けられるのか、不安と期待が混じった観察が続きます。

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私は屋上やベランダで軽石を利用した緑化コンクリートで、植物をコンクリートやタイルの上で育てたり、ブロックを積み上げて植物を立面で垂直方向に育てたりしています。自然に育つ植物たちにとっては迷惑な環境ですが、多くの植物は私の求めに応じてたくましく育ち続けています。

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何度もお話ししていますが、軽石を使用した緑化基盤ガーデンクリートで様々な植物を育てて感じることは、水と光と風、そして土(緑化基盤)のバランスがうまく取れていると、過酷なヒートアイランド東京の環境でも植物たちはたくましく育つということですね。11月4日撮影

10月の新宿御苑 2022年10月26日

ラクウショウの気根を守るための歩道の整備がようやく終了しました。ラクウショウは北米原産のスギ科の落葉針葉樹で湿地や沼地に生息するのでヌマスギとも呼ばれています。ラクウショウの根は気根と呼ばれ地上や水面上に出て酸素を取り入れるようです。

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今年も管理事務所の前の十月桜が花を咲かせ始めました。植物の体内時計の正確さには、いつもながら驚かされます。

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10月も後半を迎え気温が下がり、御苑の落葉樹たちもも少しづつ紅葉を始めたようです。外気温の変化を感じながら冬に向けて休眠の準備を進めているのでしょうね。

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                   10月25日 26日撮影

            

Co2以外の気候変動要因 2022年10月21日

先のblogでCo2削減の技術革新の費用はお手頃価格でよいのではないかと述べた理由は、地球の温暖化は大気中のCo2の増加だけが原因なのかという疑問があるからです。温暖化で取り上げられている地球を取り巻く気温は的確に把握されているのでしょうか? 私はヒートアイランド東京で生活をしていますが、過去60年ほどの気温の変化を見ると、冬の気温が高くなり夏の気温はあまり変化していないようです。東京は都市化が進むにつれてコンクリートジャングルとアスファルト砂漠が広がり都市の保水性が低下したことが冬の気温を高めた原因の一つだと思います。温暖化議論で取り上げられている気温は年間平均の気温のようで、夏の気温に変化が見られなくとも、冬の気温が上昇すると年間の平均気温は高くなりますね。これは日本に限らずアメリカでも似たような現象が把握されているようです。 高温日と低温日

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つまり人間が生活している環境で、過去と比べて気温が高くなったのはCo2の排出量だけではなく、人間が快適に生活できるようにインフラストラクチャーや交通手段が整備された都市に人口が流入する傾向が世界規模で広がっていることも大きな要因です。以前私は2030年には世界で生活している50億人が都市生活を送りそうだというお話をしました。熱帯の人口増加と都市化  理科年表でみられる世界の気温や湿度の観測点は人間の目の届く都市が多いようですか、都市の平均気温の変化を見て地球の気候を語ることはできません。目くじら立ててCo2濃度の上昇が地球の気候変動に影響を及ぼすと考えて、Co2削減に巨額な投資をするのではなく、これからさらに世界規模で増える都市化の問題や、その他様々な気候変動要因に目を配りながら次の世代に地球環境を引き継いでゆかなければ。人間の思惑によるCo2削減だけで地球環境が変わるとは思いません。「天網恢恢疎にして漏らさず」人間は畏敬の念を持ちながら自然に接したいですね。

Affordable 2022年10月20日

Affordableとはお手頃(な)[良心的な・手の届く・無理なく買える]価格[値段・料金]という意味だそうです。 日本政府は2050年Co2実質ゼロを「目指す」と宣言しました。実質ゼロを目指すことは構いませんが、2050年までにCo2実質ゼロを達成させることはとても難しいでしょうね。 人間の社会活動を支えるエネルギーの消費から排出されるCo2を、これから様々な技術革新によって実質ゼロを目指す社会の流れを作る事は悪いことではありません。

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しかしその新しく作り出されたCo2削減の新技術を利用するのに、人間が支払う対価が高くなると費用対効果が伴わず、利用しずらくなりますね。 そこでこれから開発されるCo2削減の新技術はaffordable(お手頃価格)で作り出したいですね。もちろんその新技術が人間社会にリスクを与える危険なものであってはならないことは言うまでもありませんが。

ミントも生きている 2022年10月14日

7月から始めたベゴニアの水分蒸発量の変化の観察も、ベゴニアの葉が枯れたので10月の初めに終了しました。3か月に及ぶベゴニアからの水分量と水から蒸発した水分量の変化は下記の写真の通りです。

3か月に及ぶベゴニアからの水分蒸発量と水の蒸発量の比較 写真の右がベゴニアからの水分蒸発量 10月3日撮影

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10月からはミントの水分蒸発量を観察してみようと思います。ミントをペットボトルに入れて1日目の写真ですが、ペットボトルの裏の表面に無数の気泡が付着していました。ミントは空気中の二酸化炭素と水を取り込み光合成をおこない、炭水化物と水と酸素を作ります。そしてミントがその作り出された炭水化物を消費する過程で二酸化炭素と水が体外に放出されます。ペットボトルの表面に付着した気泡は、ミントが光合成で炭水化物を作り、それを消費する過程で発生した酸素や二酸化炭素でしょうか?6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6H2O + 6O2→6CO2+12H2O

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ミントは土やガーデンクリートの上ではたくましく育つ植物です。これからミントが水の中でどのように成長を続けるのか、ミントには申し訳ありませんが観察してゆこうと思います。10月14日撮影

けあらし 2022年10月08日

けあらし(気象用語では蒸気霧)とは暖かい水面に冷たい空気が流れ込むと水面から蒸発した水蒸気が冷やされて霧になる現象だそうです。10月6日に神奈川県箱根町の芦ノ湖を訪れましたが偶然、この現象を見ることができました。

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空気中の飽和水蒸気量(g/㎥)は気温が高いほど多く、気温が低いと少ない。つまり 水温の高い湖面の飽和水蒸気量は多いが、気温の低い空気中の飽和水蒸気量は小さくなるの で、その差が霧(水滴)となり水面を覆うという仕組みですね。

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当日、箱根町では気温が下がり、観光遊覧船の船着き場の人も、なかなか見られない珍しい現象だといっていました。

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偶然ですが芦ノ湖で、幽玄な自然現象を体験することができて感動しました。10月6日撮影

9月の新宿御苑 2022年09月30日

今日は9月も最後の日です。御苑ではススキが風にそよぎ秋の気配が感じられます。今年の9月の東京は雨曇りの日が多く、下旬になってようやく晴れの日が続きました。

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「「気候はこれから見込まれるもの。気象はそこで起こっているもの。」気候は長年の平均だから、ゆっくり変化する。気候を決めるには少なくとも10年間の観察が必要だし、その変化を明らかにするには20年以上を要する。中略 気候を決めるのはその何十年かの平均的な性質である。」S Eクーニン著「気候変動の真実47p」私たちが体感している気象は、今(2022年9月30日)そこで起こっているものです。そしてこれから10年、20年先の9月30日に起こる気象(気温、湿度、雨量など)の数値の積み重ねから、今と比べての9月30日の気候の変化が読み取れるということですね。

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人間は常に動き回っているので、過去はもちろんのこと、これから10年、20年先の同じ場所の気象、気候の変化を体感することは難しいですね。ところが木は同じ場所で生き続けているので、体内に蓄積された様々な情報(例えば年輪)で、その場の過去の気候の変化を読み取ることができます。

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人間はその場の気象をもとにして気候の変化を語ろうとする傾向がありますが、これから先に起こる地球の気象、気候の変化に長い年月をかけて対応し、そして記録し続けることができる唯一の生命は木なのかもしれませんね。

天網恢恢疎にして漏らさず 2022年09月23日

天網恢恢疎にして漏らさずとは、「天の神が地に張り巡らした網は、ゆったりして粗いようであるが、決して漏らすことはなく、それに搦め捕られる。  すなわち、悪事を行えば、一時的には逃げおおせるなどうまくいったように見えるが、結局は、捕らえられる乃至その報いを受けるということ。」老子 「科学がまだ未確定で、そこに重大な不足点があるとしたら、「科学」の方の物言いはなぜこんなに違うのか?科学者、科学機関、活動家とNGO,マスコミ、政治家など、多様な気候関係者がみな説得のためにウソに加担しているのか?」「気候変動の真実」p245

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21世紀に入り「人間の産業活動の広がりが地球の温暖化や世界各地で異常気象を引き起こしている。そしてその大きな要因はCo2の増加である。」という論調が世界を風靡しています。しかし地球の温暖化や身の回りの気象現象を大気中のCo2の増加だけで決めることはできません。宇宙を動かす自然現象の様々な変化の重なりが、今の地球の気象現象に結び付いていると思います。以前ブログでクーニン先生の気候と気象の違いについてお話ししました。「気候はこれから見込まれるもの。気象はそこで起こっているもの。」気候は長年の平均だから、ゆっくり変化する。気候を決めるには少なくとも10年間の観察が必要だし、その変化を明らかにするには20年以上を要する。「気象と気候

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今日は秋分の日。地球から見て太陽が赤道上空を通過する日ですね。地球の自転、公転、地軸の傾きと歳差運動、そして太陽も銀河系の周囲を回っているというとてつもない自然のスケールの大きさの中で、人間は地球を取り巻く気候を自分たちの都合の良いように説明することはできません。「天網恢恢疎にして漏らさず」趣旨は少し違うかもしれませんが、畏敬の念をもって自然に接するための良い言葉です。

関連ブログ:二酸化炭素は魔女じゃない

若者を利用するな!

Co2と穀物収穫量の関係 2022年09月20日

S・E・クーニン著「気候変動の真実」を読んでいたらCo2と食物収穫量の関係について面白い記述がありました。「二酸化炭素濃度の増加が収穫高増大の大きな要因だったと知ったら、皆さんは驚くかもしれない。それは光合成のスピードを高め、水をもっと効率的に利用できるよう植物の生理を変化させる。P230」

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以前私はブログで植物の光合成の仕組みについてお話したことがありました。「光合成 太陽の光エネルギーを化学エネルギーに変換する化学反応のことで、この化学エネルギーを使って、水と空気中の二酸化炭素から炭水化物を合成します。6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6H2O + 6O2 」光合成と芝生の呼吸

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C6H12O6は炭水化物。つまり植物は大気中の水と二酸化炭素を合成して穀物に変換して生物が生命を維持するのに必要なエネルギーを作り出すということですね。クーニン先生によると1960年から2015年の間に、世界の小麦、コメ、トウモロコシの生産高はそれぞれ2倍以上になり、米国のトウモロコシ生産高は3倍以上に増加したそうです。p230 世界の穀物の生産高が増加した要因は農業技術の改良や耕作面積の増加など様々な要因があると思いますが大気中のCo2の増加も影響を与えているようですね。

地球を覆う水の循環 2022年09月13日

クーニン先生の著書「気候変動の真実」を読んでいたら地球を覆う水についてのわかりやすい説明がありましたのでご紹介いたします。

・地球上の水量は基本的に一定だ。そのほとんど(97%)は海にあり、残りのほとんどは氷や雪、湖や川、地下水として陸にある。P176

・気候に関しては、地球の水の十万分の一でしかない大気中の水が中心的な役割を果たす。水蒸気は最も重要な温室効果ガスで、雲は地球のアルベドの大半を占める。P176

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・太陽のエネルギーはこの様々な貯留層の間で水を移動させ、いわゆる「水循環」を形成する。このサイクルの中で、最大かつ最もダイナミックな部分は、地球の表面から大気への水の流れだ。(この流れの85%が海水の蒸発、15%は植物の発散をはじめとする陸由来)。 その水は大気中に平均10日間とどまった後、凝結し、降雨や積雪として地球の表面に戻る。 (77%は海に、23%は陸に降る。)p176

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以前私は水の循環について、水の気化と液化という物理現象でお話ししました。「水の循環」クーニン先生の水の循環を気化と液化という言葉で表現すると、地表の水のうち気化して大気にとどまる85%の水は海から、そして15%は植物をはじめとする陸由来。そしてその水は大気中に平均10日とどまった後に、液化して雨や雪として地球の表面に降る。液化した水の77%は海に、23%は植物を含む陸に戻る。そしてこの地表を循環する水の量は地球が保有する水の十万分の一だということですね。地球を取り巻く自然の動きのスケールの大きさを実感します。

ベゴニアも生きている3 2022年09月09日

新宿事務所の机の上で同じ形をした容器に、水を入れたものと茎から根を出したベゴニアを並べて、容器から蒸発してゆく水分量を観察して2か月が経ちました。2か月が経過してベゴニアを入れたペットボトルから蒸発していった水分量はおよそ95cc,ペットボトルだけの蒸発水分量はおよそ25ccでした。

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水を入れただけの容器からの水分蒸発量は、ほとんど容器の筒の部分からだけの蒸発量だったので計測しやすくおよそ1.28㍑/㎡・日でした。ベゴニアを入れた容器からの水は蒸発するに従い容器の表面積が広がるので、蒸発する水分量も比例して増えます。今回は蒸発してゆく水分量を毎日計測しなかったのでベゴニアを入れたペットボトルから広がった面積を時間軸を加味して計測できませんでしたが、時間経過も合わせてベゴニアを入れたペットボトル面積の広がりを、筒の面積の30%増と仮定すると、ベゴニアを入れたペットボトルから蒸発していった水分量はおよそ3.75㍑/㎡・日となります。帳尻合わせのようで恐縮です。

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昨年の4月から今年の4月まで1年かけて観察した、植栽装置オアシスから蒸発してゆく水分蒸発量は3.7㍑/㎡・日、計量容器から蒸発してゆく水分量は1.5㍑/㎡・日でした。「芝生は生きている」この二つの植物からの水分蒸発量を比較してみると、観察した場所が室内と室外、植物を育てる環境がペットボトルと植栽装置と違いますが数値に似ているところがあるようです。

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                  9月9日撮影

高温日と低温日 2022年09月05日

気候変動の真実」S.E.クーニン著にアメリカの過去120年の記録的高温日と記録的低温日の日数の推移についての記述がありました。アメリカ全土で725の観測所の過去120年のデータをもとにしているようです。それによると「記録的高温のグラフを見ると1930年代が明らかに暖かいが、観測期間中の120年を通してこれといった傾向はみられない。中略 対照的に記録的低温日の数は100年以上にわたって減少しており、1985年以降はその傾向に拍車がかかっている。147P」

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以前私は理科年表を利用して東京の1961年と2017年の年間温度の変化を比べたことがありました。それと同時に1961年から2017年にかけての8月の温度の変化も比べてみました。「何故冬の気温が高くなったのか?」下記のグラフをご覧ください。

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私はクーニン先生の説明を見て、過去から現在にかけてのアメリカと東京の気温の変化に似ている傾向があると思いました。アメリカ全土に及ぶ725の観測地点の名前はわかりませんが、おそらく東京の観測地点のように都市部の観測が含まれていると思います。そしてアメリカも東京と同じように都市化が進んだところでは冬の気温が上昇傾向にあるのに対して、夏の気温は過去100年以上にわたりあまり大きな変化が見られないということではないでしょうか?

気象と気候 2022年09月02日

アメリカの物理学者ステイブーン E クーニンの書いた「気候変動の真実」日経BPを読んでいます。筆者が語る論調はヒートアイランド東京で周囲の温度や湿度の変化、そして芝生や地面から蒸発してゆく水分量を観察している者として、とても読み応えのある内容です。

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「気候はこれから見込まれるもの。気象はそこで起こっているもの。」気候は長年の平均だから、ゆっくり変化する。気候を決めるには少なくとも10年間の観察が必要だし、その変化を明らかにするには20年以上を要する。中略 気候を決めるのはその何十年かの平均的な性質である。私たちが間違えを犯すのは、時間の経過に伴う気候の「全体像」を把握しない時だけではない。中略 気候は場所によって変化する。47P

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地球を覆う大気による気候変動を人類がこれまで蓄積した知識や経験だけで簡単に語ることは難しい。そして気候変動に与える人間の活動の影響がいかに小さいかを見極めたうえで壮大な自然と向き合いたいですね。これから時間をかけてクーニン先生が語る気候変動に対する見解を学んでゆこうと思います。

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新宿御苑の芝生の広場は昨年の夏と同じように、今年もヒートアイランド東京で元気に緑を保ち続けています。9月2日撮影

世界各地の芝生が育つ水の循環予想 2022年08月18日

先のブログで世界各地で植物が育つ水の循環を調べたいというお話をしました。水の循環  今回は新宿事務所で測定した芝生からの水分蒸発量・気温・湿度の実測値をもとにして、台北、シンガポール、バンコック、エルサレムの水の循環の予想をしてみました。新宿の降水量と各地の気温、湿度、降水量などのデータは理科年表2019年度版から引用しています。下の表をご覧ください。

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こうして各地の都市の測定値を見ると各都市の特徴がよくわかります。降水量が最も多いのは台北、バンコックは気温が最も高いのですが降水量はシンガポールや台北よりも少なく東京に近い数値です。そして砂漠に覆われたエルサレムはやはり降水量が少ないようですね。下のグラフをご覧ください。

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新宿事務所のベランダで植栽装置オアシスを使って芝生からの水分蒸発量を測定したところ、芝生からの水分蒸発量は気温に比例し、湿度に反比例する傾向が見られました。これらの現象を参考にして計算したのが世界各地の芝生からの水分蒸発量予測です。台北、シンガポール、バンコックは東京よりも平均気温が高いので芝生からの水分蒸発量も多くなることが予想されます。

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今回の都市の比較で難しかったのは東京よりも平均気温や降水量の少ないエルサレムの予想です。エルサレムの平均降水量は東京の半分以下の1.7mm/日です。ここで一つある予測をしてみました。新宿事務所のオアシスから蒸発していった水分蒸発量は芝生から直接蒸発した水分量と、オアシスの表面の土や緑化ブロックから蒸発した水分量を合わせて3.7㍑/㎡・日で、芝生からの水分蒸発量はその半分のおよそ2.1㍑/㎡・日ほどでした。エルサレムの平均気温は新宿事務所よりも低いこともあり、オアシス全体から蒸発する水分量を2.09㍑/㎡・日としました。その根拠は芝生から蒸発してゆく水分量だけを毎日灌水し続けることで芝生は命をつなぐことができるのではないかと考えました。

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エルサレムは砂漠を緑化した灌水システムの発祥の地であるイスラエルの首都ですね。植栽装置オアシスも、灌水システムお水番も必要最小限の水を供給し続ける底面灌水システムで、そのヒントと技術は砂漠を緑化し続けているイスラエルの灌水システムにあります。

水の循環 2022年08月15日

今年の夏、日本や韓国では大雨に見舞われて、多くの雨水が川から海に流れ出しています。一昨年の中国でも大雨で、長江から大量の雨水が海に流れました。しかし大量の雨水が海に流れても海の水があふれたという話は聞いたことがありませんね。地球の表面を覆う水は、気化(水蒸気)と液化(水)の循環を繰り返しています。そして世界中の川から海に向けて大量の水が流れ込んでも気化して水蒸気や雲となるので海があふれることは無いのです。

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ヒートアイランド東京のテラスやベランダに緑化ブロックを敷いた上に芝生を載せて芝生から蒸発している水分量を測定しました。大田区産業プラザPIOのテラスに設置した灌水装置「お水番」を組み合わせたシステムから大気に蒸発した年間平均水分量は3.8㍑/㎡・日でした。一方で新宿事務所のベランダに設置した植栽装置オアシスから蒸発した年間平均水分量は3.7㍑/㎡・日でした。そして理科年表によると東京の年間平均降水量は4.2mm/日です。

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つまりヒートアイランド東京でも緑化ブロックに芝生を載せてお水番やオアシスで灌水しながら芝生を育てると、だいたい年間平均4mm/日の水が芝生から大気に向けて蒸発し、それと同時に大気中の水蒸気がだいたい年間平均4mm/日の雨に液化する水の循環が生まれるということですね。気化と液化の水の循環が生まれることでコンクリートジャングルやアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京に植物が命をつなぐ環境が生まれるということです。

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ただこの水の循環の話は温帯のヒートアイランド東京の観測データなので、熱帯や、乾燥地帯ではその地域の環境が作る雨水の循環があると思います。植栽装置オアシスやお水番を利用して世界各地で植物が育つ水の循環を調べたいですね。関連ブログ:芝生は生きている 大田区産業プラザ6Fテラス

The Grass is alive 2022年08月10日

新宿事務所のベランダで観測した芝生からの水分蒸発量の観察記録「芝生は生きている」の英文パワーポイントデータ「The Grass is alive」がアップされました。ホームページの英文資料ダウンロードからご覧いただけます。

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今回の観察記録はヒートアイランド東京のマンションベランダにおける、緑化ブロックを組み合わせた植栽装置オアシスからの芝生からの水分蒸発量の記録ですが、海外の都市でもその地域の年間降水量、気温、湿度をもとにして芝生からの水分蒸発量を予測したり、植栽装置オアシスを利用して記録することができると思います。

8月の新宿御苑 2022年08月06日

東京は7月の後半から続いていた30度を超える猛暑日はひとまず落ち着きました。今朝の新宿御苑は猛暑日と比べて涼しく高原を歩いているような気がしました。猛暑日が続いていたころ、御苑の木立の下を歩いているとつくづく涼しさを実感しました。これは木々の緑が太陽からの日差しを遮るとともに、葉から蒸発してゆく水分の働きで気化熱が発生して木々の周囲の気温を調整しているからですね。

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今、東北や北陸地方など各地では大雨に見舞われています。昨年の8月の東京は雨曇りの日が多かったです。一昨年前の夏も日本をはじめ中国、韓国など東アジアの地域で大雨に見舞われた記憶があります。地球全体を見回すと降雨量が増えているのでしょうか?または降雨量が増えた地域があるとともに降雨量が減った地域もあるのでしょうか?

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昨年の春から今年の春にかけて新宿事務所で芝生からの水分蒸発量と計量カップから蒸発してゆく水分量を、周囲の温度や湿度の変化と合わせて観測しました。そして地球(計量カップ)から蒸発してゆく水分量の変化は植物(芝生)から蒸発してゆく水分量と比べると変化が少ないようでした。芝生から蒸発してゆく水分量15

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地球規模で行われている降雨と地面や水面から蒸発してゆく水の循環のスケールはとてつもなく大きく、どこかの地域で雨量が増えてもどこかの地域では雨量が減って地球全体のバランスが取れているかもしれませんね。新宿事務所のベランダで芝生や計量カップからの水分の蒸発量を観察したり、新宿御苑を歩きながら微妙な自然の変化を感じると都市と地球の環境について様々なことが考えられます。 8月5日撮影

7月の新宿御苑 2022年07月28日

7月もまもなく終わります。今年は梅雨が明けた後に雨模様の天気が続きましたが、中の池に入道雲が映っていました。本格的な夏の到来ですね。

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芝生の広場の芝生も緑が濃くなってきました。芝生の上を歩くと芝が柔らかいクッションになり気持ちが良かったです。

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来週からは8月です。昨年の東京の8月は雨曇りの日が多かったようですが今年はどうなるのでしょうか?このまま夏空が続いてもらいたいですね。

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                    7月28日撮影

「芝生は生きている」パワーポイントデータがアップされました 2022年07月12日

芝生の水分蒸発量と温度、湿度の関係を観察したブログ「芝生は生きている」がパワーポイントデータとしてホームページにアップされました。芝生は生きているフロントページの資料ダウンロードからもご覧いただけます。フロントページ

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芝生は周囲の温度、湿度、風など環境の変化に合わせて根から水分を体内に吸収し、茎や葉から蒸発させて体内の水分を調整します。その様子を1年を通して記録にまとめて、傾向をグラフで表現できたことはうれしい限りです。ご興味のある方はご覧ください。

環境の変化に順応する芝生からの水分蒸発量 2022年07月01日

昨年の4月から今年の3月まで新宿事務所のベランダで芝生からの水分蒸発量と、周囲の気温と湿度の変化について観察しました。芝生も温湿度計もベランダの直射日光や雨が当たらない場所に設置しました。1年を通して芝生からの水分蒸発量と気温・湿度の変化をグラフにしましたのでご覧ください。グラフでの変化を見やすくするために芝生からの水分蒸発量は、測定の数値を10倍して表記しています。

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芝生からの水分蒸発量と気温の変化を表したのが下記のグラフです。気温は春から夏に向けて上がり冬に向けて下がります。そして芝生からの水分蒸発量は基本的に気温の変化に比例するようにして変化しますが、湿度の変化にも影響されているようです。例えば春から梅雨にかけて湿度が上昇すると芝生からの水分蒸発量は湿度の変化に反比例するように下がるのですが、気温の上昇が進む6月の下旬から突然上昇します。これは太陽からのエネルギーの強さが芝生と湿度の間のバランス以上に影響しているからではないかと思います。

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芝生からの水分蒸発量と湿度の変化を表したのが下記のグラフです。芝生からの水分蒸発量と湿度とは基本的に反比例する傾向ですが、夏になり太陽光のエネルギーが強くなるとこのバランスが崩れて芝生からの水分蒸発量は上昇します。そして冬になり気温が下がると湿度はほぼ横ばいに推移するのに対して、芝生からの水分蒸発量は下がります。この傾向にも太陽光のエネルギーの減少が影響しているのではないでしょうか?芝生が光合成で利用する水分量はごくわずかで、多くの水分が葉から蒸発して芝生の水分量を調整します。太陽光のエネルギーが強いときは蒸発してゆく水分も多く、太陽光のエネルギーが芝生にあたる量が少なくなると蒸発してゆく水分量も少なくなります。芝生は周囲の環境の変化を敏感に感じながら根から水分を吸収し、葉から水分を蒸発さて、枯れるのを防ぎながら生命をつないでいます。

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芝生からの水分蒸発量は気温や湿度の変化、風に影響されて変化します。そして気温や湿度の変化は太陽から地球に降り注がれる太陽光のエネルギー量の変化によって決まります。

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              新宿御苑の芝生の広場 6月28日撮影

夏至 2022年06月21日

今日6月21日は夏至です。太陽の南中高度が最高点78度まで達し、再び冬至の南中高度31度まで下がってゆきます。南中高度が高いということは日照時間が長いということで、太陽のエネルギーが地球にそそがれる時間が長いということにつながります。これから徐々に太陽高度が下がり日照時間が短くなるにつれて太陽エネルギーが地球にそそがれる時間も短くなるということです。それではこれからは地球の温度も下がるのでしょうか?下記のグラフをご覧ください。これは昨年の4月から今年の4月まで新宿事務所のベランダで測定した平均外気温の推移の様子です。測定時間は午前11時前後です。

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このグラフを見ると夏至を過ぎても気温は上昇し8月の中旬ごろにピークを迎えた後、気温は下降し9月の秋分を迎える頃、夏至とほぼ同じ温度になる様子が見られます。日中、太陽からそそがれるエネルギーは地中に蓄熱され、夜になり気温が低くなると蓄熱されたエネルギーは外気に向けて放熱されます。これから8月の半ばまではこのエネルギーのバランスが、昼間に地中に蓄熱されたエネルギーの量が、夜になり外気に向けて放熱されるエネルギー量よりも大きいので、それに伴い気温も上昇してゆくのですね。そして秋分の日あたりから、蓄熱と放熱のエネルギーバランスが逆転して冬に向けて気温が下がる仕組みです。

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東京の北西の方角に沈む夕日。これから太陽の沈む位置も、徐々に西から南西の方角に移動してゆきます。6月20日撮影

軽石いかだ 2022年06月15日

ネットのニュースを見ていたら 海底火山 福徳岡ノ場、その驚きの噴火のシナリオ という記事を見かけました。ご興味のある方は記事をご覧ください。私はこの中で軽石が生き物を運ぶ話に興味を持ちました。海に浮遊する軽石いかだには無数の生物が付着して移動するようです。私がいただいた福徳岡ノ場の軽石のサンプルの中にも貝殻が混じっていました。これは沖縄の浜辺に流れ着いた軽石に浜辺にあった貝殻が混ざったのかもしれませんが、土嚢袋に入った軽石の中からこの貝殻を見つけた時にはロマンを感じました。写真をご覧ください。

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植物は自らの意思で移動することができません。地面に根を張り、体を支えてもらっています。つまり土や砂などの個体は植物を支える機能があるということですね。軽石も個体です。しかも水面を浮遊するということは内部に空気を閉じ込めているので、軽石には植物が成長するのに必要な水や空気、そしてミネラルを根から取り込むことができる機能を備えているということです。

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福徳岡ノ場の軽石でガーデンクリートを作り芝生の種をまいて発芽の様子を観察しています。福徳岡ノ場の軽石は海を漂っていたので、内部には土中よりも濃度が高い塩化ナトリウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれています。このような環境では海藻や海草(うみくさ)など海中や海辺で育つ生物が成長に適していますが、地上で成長する芝生がこの環境にどこまで耐えられるのか、芝生には申し訳ないのですが様子を見ようと思います。

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移動手段を持たない生物が軽石いかだに付着しながら浮遊して、やがて島や陸にたどり着き、そこで再び活動を始めるのは夢のある話ですね。

デング熱と水たまり 2022年06月09日

ネットのニュースを見ていたらシンガポールでデング熱が広がる兆しが見られ始めたようです。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われた都市では、雨水が地面に浸透できずに水たまりになったり、降雨量に下水の処理能力が追いつかずオーバーフローする現象がよく見かけられます。特に1年を通して気温が20度以上、そして雨が多く降る赤道から南北回帰線の間の熱帯地方の都市部では、この問題が身近で発生しています。

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当社ではコンクリートジャングルやアスファルト砂漠に覆われた都市の雨水の循環をなるべく自然の形に近づける事を目的として、透水性コンクリート「ブミコン」や緑化コンクリート「ガーデンクリート」を開発して現在に至っています。

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最近の我々を取り巻く環境を見ると降雨量が増えているような気がします。雨が降ることは生物が生存するのに重要なことですが、人間が快適に過ごすために作り出した都市環境で、雨水の自然循環が変わりデング熱の広がりなど新たな問題が生まれています。このような中、ささやかではありますがブミコンやガーデンクリートを通してコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドで、人々が快適に過ごしながらも雨水の自然循環を目指す環境整備のお手伝いをしたいと思います。関連サイト:地球と人の環境保護

保水性のある断熱素材 2022年06月07日

ガーデンクリートの空隙(セル)はコンクリートの1/10の熱伝導率(0.16W/mK)を生み出すとともに、その空隙に水を保水することが可能です。そして空隙に保水された水が蒸発するときに約580cal/g(水温25度)の気化熱をガーデンクリートの表面から奪います。 このガーデンクリートの断熱性と保水性が夏は涼しく冬は暖かい室内の空間を創ります。

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夏の直射日光が降り注ぐ屋上にガーデンクリートを敷いてスプリンクラーで散水すると ガーデンクリートに保水された水が気体に相変化するときにガーデンクリートに蓄熱されたエネルギーが使用されるのです。そのエネルギーが水1グラム当たり約580calなのですね。 一方冬になり、室内の温度が室外よりも高いときは、熱は室内から室外に向かって流れるので、ガーデンクリートの空隙(セル)に閉じ込められた空気が熱が伝わる流れを遅くします。もちろんグラスウールなど熱伝導率の低い断熱素材(0.038W/mK)を室内に設置した方が室内の熱が室外に流出させる時間を遅くすることは可能です。

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しかし夏の直射日光からの熱が室内に入り込むのを防ぐには、熱が伝わる時間を遅くするだけでは足りません。しかも断熱材の内部に太陽光のエネルギーが蓄熱されることも考えられます。ガーデンクリートを屋上に設置して、夏の間はスプリンクラーで水をまき気化熱の働きを利用して建物を冷やすことで、室外から室内に流れ込む太陽光のエネルギーを軽減する効果が生まれます。そしてスプリンクラーで散水する期間は、夏至から秋分にかけての間で室内の体感温度が高いときだけで十分です。もちろんクーラーで室内の体感温度を調整できますが、ガーデンクリートにスプリンクラーで散水して室内に流れ込む熱量を減らすことで、クーラーを稼働させるエネルギーを省力化することが可能ですね。関連ブログ:島津山ハイツ  建物を冷やし芝生を育てます   屋上の断熱と緑化基盤の作成

断熱コンクリート  夏は涼しく冬は温かく 

夏は涼しく冬は暖かく 2022年05月27日

先のブログで工場の屋上に施工した断熱コンクリート(緑化コンクリート)の夏の温度変化のお話をしました。今回は同じ条件で記録した冬の温度変化についてお話しいたします。

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下のグラフをご覧ください。このグラフは9月8日から10月5日までのむき出しのコンクリート下の温度変化とガーデンクリートに芝生をのせたのコンクリート下の温度変化、そして同じ設定で1月26日から3月1日まで行われた温度変化が表されています。このグラフを見て読み取れることは、外気温が室内の温度よりも高い9月は熱が外から室内に向かって流れるので、熱伝導率の大きいコンクリートは熱が伝わりやすく、室内に設置したセンサーの温度は、熱伝導率の小さいガーデンクリート+芝生の温度よりも高く推移します。

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一方室内の温度が外気温よりも高い1月26日から3月1日までのグラフの推移を見ると、熱伝導率の小さなガーデンクリート+芝生の天井下のセンサーの温度がコンクリートむき出しの下のセンサーの温度変化よりも若干ながら高く変化していることが読み取れますね。屋上の下階の天井に設置されたセンサーのレイアウトをご覧ください。

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室外の温度の高い間はガーデンクリートに芝生を載せた場所では太陽からの輻射熱が断熱されます。そして冬になり室内の温度が外気温よりも高くなるとガーデンクリートに芝生を載せた下の階では、室内から外に向かう熱の流れを遅らせる保温効果が得られます。つまりガーデンクリートに芝生を載せると夏は涼しく冬は暖かい環境が得られるということですね。

断熱コンクリート 2022年05月21日

沖縄に流れ着いた福徳岡ノ場の軽石の比重や保水性を調べたところ、当社でこれまで使用してきた十和田やインドネシアの軽石の性質に似ていました。つまり福徳岡ノ場の軽石を使用して断熱コンクリートを作ると、十和田やインドネシアの軽石を使用した断熱コンクリートと似た保水性や断熱性能が得られそうですね。(下の写真は十和田の軽石を使用したガーデンクリートに芝生をのせてスプリンクラーで灌水した屋上緑化の様子です。)

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そこで今回はインドネシアの軽石を使用した断熱コンクリートの熱伝導率と十和田の軽石を使用した断熱コンクリートの遮熱効果についてお話ししたいと思います。まずインドネシアの軽石を使用した断熱コンクリートについてですが下記の表をご覧ください。

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インドネシアの軽石で作ったガーデンクリート(断熱コンクリート)の乾燥時の熱伝導率が0.16W/mKであるのに対してコンクリートの熱伝導率は1.6W/mKであることが示されています。熱伝導率とは厚み1mの素材の両端に1度の温度差があるときに、その素材1㎡を通して1秒間に流れる熱量を表す数値です。つまり断熱コンクリートの熱伝導率はコンクリートの1/10と小さいので熱が伝わりにくいという事です。

次にコンクリートと、芝生を載せてスプリンクラーで散水したガーデンクリートの温度変化についてご説明いたます。まずはガーデンクリートに芝生の載せた時ととコンクリートむき出しの時の、温度センサーの配置のレイアウトをご覧ください。

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このセンサーの配置で温度の変化を測定したのが下のグラフです。


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赤い線のグラフはコンクリートの屋上下の天井に温度センサーを付けて温度の変化を測定したグラフです。朝日が昇るとともに温度が上昇して太陽が沈むにつれて温度が下がる様子が波として示されています。青いグラフは芝生とガーデンクリート(断熱コンクリート)で被覆されたコンクリートの屋上下の天井に取り付けた温度センサーで測定した温度の変化のグラフです。室内のクーラーが稼働しているときは気温が少し下がりますが、クーラーを止めると、気温は横ばいで、スプリンクラーで保水された断熱コンクリートが直射日光を遮熱していることがわかります。

5月の新宿御苑 2022年05月14日

今年の連休明けの東京は雨曇りの日が多いようです。今朝も自宅を出てから新宿御苑を抜けて事務所まで歩きましたが雨が降っていました。そしてその道中の雨の降り方に違いがあることに気が付きました。これは以前のblogでもお話ししたのですが、御苑に近づき緑の量が増えてゆくほど雨が強くなり、御苑を抜けて緑の量が減りコンクリートの建物とアスファルト舗装が増えるにつれて雨が弱くなる現象です。写真は緑に覆われた台湾閣5月13日撮影

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昨年の春から今年の3月まで1年かけて新宿事務所で芝生から大気中に蒸発してゆく水分量を観測しました。その結果、芝生とその周辺の土からは平均しておよそ3.7㍑/㎡・日の水分が蒸発しているのがわかりました。ちなみに同じ環境で計量容器から蒸発してゆく水分量は1.5㍑/㎡・日でした。芝生は生きている つまり緑に覆われた新宿御苑では、大気中に蒸発してゆく水分量が周囲のコンクリートやアスファルトに覆われた環境より多いので、大気中の水蒸気が飽和して露点を迎えるまでの時間が周囲の環境よりも早く雨が降りやすいということですね。

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御苑の芝生の広場は今年も新緑に覆われてきました。5月14日撮影 関連ブログ:気温と湿度とヒートアイランド東京 植物からの蒸散作用を肌で感じる?

新宿事務所のベランダと東京の温度比較2 2022年05月06日

先のblogでは2021年から2022年にかけての新宿事務所のベランダの気温の変化と2017年の東京の気温の変化についてお話ししました。今回は同じく2021年から2022年にかけての新宿事務所の気温の変化と1978年の東京の気温の変化についてお話ししようと思います。下記の表とグラフをご覧ください。

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この表やグラフを見てもやはり真夏の温度は新宿事務所も理科年表の温度もほぼ同じであり、冬から春、そして秋から冬にかけての新宿事務所のベランダの温度は理科年表の温度よりも高いことがわかります。つまり今から44年前の東京の気温と比べても真夏の気温は新宿事務所のベランダも緑に覆われた測定場所でも、大きな変化がないこと。そしてそれ以外の季節ではヒートアイランド現象の影響でコンクリートジャングルに囲まれた新宿事務所のベランダの温度が高いことがわかりました。

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ただ一つ気が付いたことがあります。それは理科年表に記載されている1978年の気温の変化が,都市化(ヒートアイランド化)が進んだ2017年の気温の変化よりも高いことです。平均気温で0.3度の開きがありました。下記の表をご覧ください。

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2017年の平均気温が1978年の平均気温よりも低いのは2014年以降、気温の観測場所をそれまでの大手町から少し離れた北の丸公園に移したことが一つの要因のようです。ヒートアイランド東京の気温参照 国際基準に従った気温の測定方法でも、測定場所が少し変わっただけで気温の微妙な変化が見られるようですね。その中で緑に囲まれた中で測定された気温も、コンクリートジャングルに覆われたベランダで測定された気温も、真夏の気温に大きな差がないということは、夏の太陽から届くエネルギーがいかに大きいかということですね。

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そして地球を覆う水蒸気をはじめとする大気が、生物がすみやすい環境を整える大事な役割を果たしています。わたしたちを取り巻く自然環境は常に様々な要因で変化を続けながら、生命を守ってくれているようです。東京の夕暮れの空 5月5日撮影

新宿事務所のベランダと東京の温度比較 2022年05月05日

2021年から2022年にかけて新宿事務所のベランダに設置した植栽装置オアシスで芝生からの水分蒸発量を測定しましたが、それと同時に新宿事務所のベランダの年間温度も観測しました。今回はベランダの年間温度と東京の年間温度の比較についてお話しいたします。東京の温度につきましては理科年表2019年度版「各都市の平均気温(℃)東京」から2017年のデータを利用しました。ベランダで観測した平均気温から東京の平均気温を差し引いた数値が下記の表とグラフで表されています。

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理科年表で採用されている東京の気温の測定方法は、世界(WMO)基準に準じた方法で芝生の上、地上1.5mの測定地点に百葉箱やファン付きの通風筒の中に入れた温度計で測定されているようです。東京の気温の測定場所は皇居の隣の北の丸公園で測定されているようです。ヒートアイランド東京の気温新宿事務所のベランダでは、セラミックタイルの上に時計と温度・湿度がデジタルで表示される時計を置いて測定しました。測定時間は午前11時前後です。

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この表とグラフから7月から8月にかけての夏の気温は新宿事務所も北の丸公園もほぼ同じであることがわかりました。緑に囲まれた北の丸公園で芝生の上で測定した気温も、ビルに囲まれたマンションのベランダでセラミックタイルの上で測定した気温も、直射日光が当たらない真夏ではほぼ同じ気温であるようですね。そして冬から春にかけてと秋から冬にかけての気温は新宿事務所の方が高いことがわかりました。つまりコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドは緑のオアシスと比べて真夏の気温はあまり変わらず、冬の気温に大きな差があるということですね。

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          新宿事務所のベランダに置いた温度・湿度が計測できるデジタル時計

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              千鳥ヶ淵から北の丸公園を望む 5月4日撮影

三佐和ブログ地球環境・都市環境編Ⅶがアップされました 2022年04月23日

三佐和ブログ「ヒートアイランドにオアシスを 地球環境・都市環境編Ⅶ」がアップされました。2021年5月から2022年4月までの地球環境・都市環境にかかわるブログをまとめたものでホームページの資料ダウンロードからもご覧いただけます。2021年の地球環境・都市環境に関する大きなテーマは芝生から大気に蒸発してゆく水分の観察と、福徳岡ノ場から噴出した軽石の質量や成分が断熱コンクリート、緑化コンクリートとして利用できるか調べることでした。

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1年を通して新宿事務所のベランダに設置した植栽装置オアシスに芝生を載せてオアシスから蒸発してゆく水分量を測定したところ、その平均値は3.7㍑/㎡・日でした。これは2018年から2019年にかけて大田区産業プラザのテラスで、灌水装置お水番の上に芝生を載せてお水番から蒸発していった水分量の平均値3.8㍑/㎡・日とほぼ同じでした。そして計量容器から蒸発していった水分量の平均値が1.5㍑/㎡・日であったことも観察されました。つまり新宿事務所のベランダの環境では、水や水分を含む土からは毎日およそ1.5㍑/㎡・日の水が大気中に蒸発しているということです。そしてこれとは別に芝生からはおよそ2.2㍑/㎡・日の水が大気中に蒸発することがわかりました。これでコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドを緑化することで、潤いのあるオアシスに変わることが数字からも実証されました。

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徳富岡ノ場の軽石は、その嵩比重が十和田湖のケイ石やインドネシアの軽石とほぼ同じであることがわかり断熱コンクリートとしては利用できそうです。緑化コンクリートとして利用する場合、軽石に含まれている塩分などが植物にどのような影響を及ぼすか見極める必要があるので、福徳岡ノ場の軽石で作った緑化ブロックに芝生を載せて成長の様子を観察しています。

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福徳岡ノ場の軽石で作った緑化ブロックに芝生を載せて2週間ほど経過した様子。4月23日撮影

福徳岡ノ場の軽石で作った緑化ブロックで芝生を育てる 2022年04月19日

沖縄に流れ着いた福徳岡ノ場の軽石を使い緑化ブロックを作り、新宿事務所のベランダで芝生を育ててみようと思います。

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芝生は2年前の3月から植栽装置オアシスで育てている西洋芝を移動して緑化ブロックにのせてみました。芝生をのせて2週間ほどたちましたが新しい葉が伸び始めました。

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緑化ブロックに使用する軽石は、ふるい分けや水洗いをしない、沖縄の浜辺に流れ着いたままの軽石を使用していますが、これから芝生がどのように成長してゆくか楽しみです。

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                         4月19日撮影

4月の新宿御苑2 2022年04月16日

桜の季節も終盤にはいり新宿御苑は新緑の季節を迎えています。いつのまにか中の池の周りも若葉に覆われはじめました。

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芝生の広場も、芝生が日を追うごとに緑色の葉を伸ばしています。御苑の芝生は丈夫で多くの人に踏まれても元気に育ち続けます。

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ようやくウコン桜が咲き始めました。昨年と比べて今年は咲く時期が少し遅れているようです。

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玉藻池の周囲も若葉が出始めて潤いを与えています。御苑は土曜日の静かな朝を迎えています。

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                        4月16日撮影

芝生は生きている 2022年04月09日

昨年の4月から今月の初めまで、1年を通して新宿事務所のベランダで測定した、芝生から蒸発してゆく水分の変化をまとめたブログ「芝生は生きている」が、ホームページ「ヒートアイランド現象対策に興味のある方へ」からもご覧いただけるようになりました。「ヒートアイランド現象対策に興味のある方へ」一番下のフッターをクリックしてご覧ください。

今回の測定でわかったことの一つは計量容器から蒸発していった水量の年間平均値が1.5㍑/㎡・日であったことです。計量容器を置いた場所は1年を通して雨が当たりません。つまり地上の水や水分を含んだ土からは平均して毎日およそ1.5㍑/㎡・日の水が蒸発してゆくようです。そして植栽装置オアシスからの水分の蒸発量の年間平均値が3.7㍑/㎡・日であったことは、植栽装置オアシスを構成している、水や土、そして緑化ブロックから蒸発してゆく水分蒸発量に、芝生を通して大気中に蒸発していった水分が加わったということだと思います。

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今回の測定を通して地上の水や水分を含む土、そして芝生からは1日当たりおよそ1.5~2㍑/㎡・日の水分が大気中に蒸発する現象が続いていることがわかりました。水分が大気中に蒸発することで地表に発生する気化熱の働きで太陽からの輻射熱を軽減できます。コンクリートやアスファルトは水を含むことができないので気化熱が発生せず、太陽からの輻射熱を軽減できないので熱は内部に蓄熱します。それでコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われた都市ではヒートアイランド現象が発生するということですね。

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        新宿御苑の芝生の広場では大地から芝生の葉が芽吹いてきました。4月9日撮影

芝生から蒸発してゆく水分量20 2022年04月06日

2021年4月6日から2022年4月5日までの新宿事務所のベランダに設置した植栽装置オアシスから蒸発してゆく芝生の水分蒸発量のデータがまとまりました。年平均値に置き換えると植栽装置オアシスから蒸発していった水分量は3.7㍑/㎡・日、計量容器から蒸発していった水分量が1.5㍑/㎡・日でした。そして植栽装置オアシスから蒸発していった水分量から計量容器から蒸発していった水分量を差し引くと2.1㍑/㎡・日でした。

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以前2018年10月から2019年10月まで、大田区産業プラザPIOのテラスに設置したテストフィールドで灌水装置お水番で芝生を育てて、お水番から蒸発してゆく水分量を測定したところ年間の平均値はおよそ3.8㍑/㎡・日でした。PIOのテラスは1年を通して雨が降り直射日光も当たる環境でした。

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今回、植栽装置オアシスで芝生から蒸発した水分量を測定した新宿事務所のベランダは、建物の上の階のベランダが庇の働きをしていて1年を通してオアシスや計量容器に雨が当たることはありません。このような環境で測定された数値の平均が3.7㍑/㎡・日と、PIOのテラスのお水番で測定した平均値3.8㍑/㎡・日とほぼ同じであったことに驚いています。

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今回の新宿事務所のベランダでの測定では1年を通して計量容器から蒸発してゆく水分量も測定しました。その数値は冒頭に述べたように1.5㍑/㎡・日でした。これは芝生を載せた植栽装置オアシスから蒸発した水分量から計量容器から蒸発した水分量を差し引いた残りが芝生から蒸発していった水分量と考えられないでしょうか?

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今回測定した場所は雨が当たらないとともに、直射日光が当たらない日陰で西洋芝の成長にとっては厳しい環境でした。その中で1年を通して芝生は水分を緑化ブロックを通して根から吸収し、葉から蒸発させて生命をつないできました。その様子を数字で表すことができたのは大きな喜びです。

3月の新宿御苑 2022年03月19日

3月も中旬から下旬に移り東京の気候も暖かくなってきました。新宿御苑では様々な桜が咲き始めています。以前のblogでもお話ししましたが2月1日以降の一日の最高気温を積算して600度を超えると桜が開花するという考え方があるようです。御苑の桜今年の東京の気温は昨年よりも低いようですが積算気温は600度を超えたようですね。(ちなみに昨年の積算気温が600度を超えたのは3月14日だったそうです。)

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玉藻池ではカメが冬眠から覚めて甲羅干しをしていました。カメも気温の変化を感知して動き始めるようですね。(3月16日撮影)

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芝生の広場では休眠していた芝生も目覚めたようで、うっすらと緑の葉を伸ばし始めています。

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新宿御苑では今日から入園するのに予約制を設けて人の出を制限しています。春の陽気に誘われて人の動きも活発になってきました。3月19日撮影

蒸発と沸騰 2022年02月20日

蒸発は水面の水が気体に気化すること。気化する時の蒸気圧は大気圧よりも小さい。 新宿事務所のベランダで植栽装置オアシスの上で芝生からの水分蒸発量を観察しています。芝生は生きている

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沸騰は水中の水が気体に気化すること。気化する時の蒸気圧は大気圧よりも大きい。 水を温めると沸騰して気泡が出てきまね。 水が気化する時、容量(体積)は1700倍に膨らみます。

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火山の噴火は地下のマグマ(700℃から1200℃位)の上の水が暖められて沸騰し気体となり体積が膨張して爆発する水蒸気爆発と 地殻の沈み込みで、地殻に含まれた海水がマントルに流れ込みマグマとなり、海水がマグマの熱で沸騰して無数の気泡となり マグマと混ざり合いながら上昇して爆発する現象があります。最近発生した福徳岡ノ場やトンガの火山の噴火がこの爆発ですね。富士山も日本を代表する火山です。

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この時軽石が生まれます。軽石は自然の仕組みから作り出され天然の骨材です。ガーデンクリートは軽石を使って緑化コンクリートや断熱コンクリートを作ります。

正しく計る 2022年02月14日

以前ブログで「使用する素材を正しく計量することで透水性、保水性、軽量性のある良質のコンクリートが得られます。」分銅紋というお話をしましたが今回、福徳岡ノ場の軽石を使用してガーデンクリートを作ってみて改めて計量の重要性を確認しました。

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ユーチューブを見ながらプロのシェフのレシピでスパゲッティカルボナーラを作りました。まず水4㍑に塩を40グラム入れる割合(つまり1%配合)でお湯を沸かしてスパゲッティをゆでました。また生卵にパルメザンチーズを大匙で指定量を計量し投入して撹拌しました。このようにシェフに言われた配合で食材を計量しながら調理することで美味しいスパゲッティカルボナーラが完成しました。

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透水性コンクリートや緑化コンクリートを作る事と、スパゲッティカルボナーラを作る事に共通点があるようです。それはブミコンやガーデンクリートを作るための天然砂利、軽石、そして石灰系固化材も、カルボナーラを作るための食材も正しく計量することで、良質の透水性コンクリート、緑化コンクリート、そして美味しいスパゲッティカルボナーラを作る事が出来るということですね。

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これまで積み重ねてきた経験と技術を活かして、世界の様々な場所で透水性コンクリートや緑化コンクリートを作り都市のヒートアイランド現象対策の一助となればと思います。

福徳岡ノ場の軽石でブロックを作りました 2022年02月02日

       福徳岡ノ場の軽石を使用してガーデンクリートの配合でブロックを作りました。

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            今回使用した軽石は30mmから20mmぐらいの大きさです。

P2010069.JPG       気候が暖かくなったら植栽装置オアシスに載せて芝生を種から育ててみようと思います。

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                     2月2日撮影

福徳岡ノ場の軽石でガーデンクリートを作りました 2022年01月11日

先のblogでもお話ししましたが当社で開発した配合技術で福徳岡ノ場の軽石を使ってガーデンクリートを作りました。写真の左が福徳岡ノ場の軽石で作ったガーデンクリート、右が十和田湖の軽石を使用したガーデンクリートです。共に乾燥した状態で撮影しました。

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福徳岡ノ場の軽石は前処理(乾燥、ふるい分け等)がされていないので水の配合を決めるのに手間がかかりましたが、出来上がったガーデンクリートはいつも使用している十和田湖の軽石を使用したガーデンクリートと品質が似ていました。軽石の色は十和田湖の軽石より黒みを帯びていて、その色合いはインドネシア産の軽石に似ているようです。写真の左端が福徳岡ノ場の軽石、その右の二つが十和田湖の軽石です。

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福徳岡ノ場のガーデンクリートが十和田湖やインドネシア産の軽石で作ったガーデンクリートと似ているということは、当社で開発してきた構造物を被覆する断熱コンクリートや、保水性に優れた透水性コンクリートとして利用できそうです。緑化コンクリートとして利用するには、福徳岡ノ場の軽石に含まれている海水の成分が植物にどのような影響をもたらすか見極める必要がありますが、当社で開発したガーデンクリートと灌水システムを組み合わせた底面灌水を利用すれば、芝生や様々な植物を育てることができそうです。

ガーデンクリートと軽石 2021年12月30日

ガーデンクリートは石灰系固化材と軽石と水を調合してして作ります。これまで国内では秋田県十和田湖産のケイ石、海外ではインドネシア産の軽石を配合して軽量で保水性に優れたコンクリートを作り、緑化、断熱、そして透水性コンクリートとして使用してきました。(下の写真はインドネシア産の軽石を使用したガーデンクリート)

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今回、南の島、福徳岡ノ場の噴火で生まれた軽石でガーデンクリートを作ったところ、その性質は十和田湖やインドネシアの軽石と似ていました。下の写真の左は福徳岡ノ場の軽石を使用したガーデンクリートです。色が濃いのはまだ試験体を作り日が浅いので水を保水しているからです。そして右は十和田湖の軽石で作ったガーデンクリートで、自然乾燥させて水分は含まれていません。

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北はカムチャッカから南は南洋諸島まで、太平洋を取り囲む大陸や島々には無数の火山があり噴火を繰り返しています。そしてその噴火から生まれた軽石は、人々の生活に様々な影響を及ぼしますが地球からの贈り物とも考えられますね。

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これからも地球からの贈り物である軽石を利用させていただき、ヒートアイランドにオアシスを作ってゆこうと思います。関連ブログ:熱帯のガーデンクリート施工

福徳岡ノ場火山噴火の軽石

福徳岡ノ場火山噴火の軽石 2021年11月06日

2021年8月13日から15日にかけて小笠原諸島硫黄島の南方60㎞に位置する福徳岡ノ場火山の噴火で噴出された軽石が2か月後に琉球諸島に到着しました。福徳岡ノ場火山2121年(地質調査総合センター)この軽石が11月ごろから黒潮に乗り北上して本州に漂着するかもしれないという記事を見かけました。ウエザーニュース軽石が日本の周辺に漂着することで漁業をはじめ様々な分野で負の効果が現れる見方はニュースで紹介されているので、ここで取り上げることはしませんが、軽石を素材として商品を開発している者としての意見を述べさせていただこうと思います。

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まず海底火山からの噴出物が海面に浮くというということは、噴出物の内部に空気が含まれていて比重が1(1000kg/㎥)以下の物質であることですね。緑化コンクリートガーデンクリートで使用している十和田湖の軽石は仮比重が380kg/㎥です。ちなみに透水性コンクリートブミコンで使用する天然砂利の仮比重はおよそ1700~1800kg/㎥です。福徳岡ノ場から噴出した軽石は緑化コンクリートや透水性コンクリートとして使用できそうですね。

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海水の塩分を含んだ軽石は鉄筋を使用する構造物用のコンクリート骨材として使用することはできませんが、構造物を被覆する緑化コンクリートや断熱コンクリート、そして透水性コンクリートとしては利用できそうです。ただし緑化コンクリートとして使用する場合,海水に含まれているマグネシウムなどが植物の成長にどのような影響を及ぼすか見極める必要はあります。(マグネシウムは植物の生育に大事なミネラルの一つではありまが?)

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報道によると福徳岡ノ場火山から噴出した軽石の粒度は3mm~30mmのものが多いとのことですが、このサイズであれば当社で開発した配合技術に基づいて緑化コンクリート、断熱コンクリート、透水性コンクリートとして利用することが可能です。流れ着いた軽石を製品化して使用するには、水洗、ふるい分け、乾燥などの工程が必要ですが、地球からの贈り物の使用方法を前向きに考える事は悪いことではありませんね。関連ブログ: 火山と軽石

10月の新宿御苑 2021年10月22日

東京も10月下旬を迎え気温が下がってきました。新宿御苑の芝生もやや黄色くなり始めてきたようです。御苑の芝生は冬の間は休眠して春に備えます。

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春から夏にかけて緑を保ってきた木々も落葉し始めました。植物たちは季節の移り変わりを感知して周囲の環境に対応しているようですね。

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1年を通して周囲をコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京の真ん中にある新宿御苑の自然を観察していると、御苑の植物たちも地球の公転が作り出す四季の変化に合わせて身を処してゆくのがよくわかります。そして太陽から届く光の量が植物たちの生育に大きな影響を与えていることを実感しますね。

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                    10月22日撮影

灌水装置オアシスから大気に蒸発してゆく水分量 2021年4月から9月 2021年09月27日

2021年4月から9月までの新宿事務所のベランダに設置した植栽装置オアシスからの水分蒸発量の平均値は4㍑/㎡・日ででした。この数値は2018年10月から2019年10月までの大田区産業プラザのテラスに設置された自然灌水システムお水番から蒸発した平均蒸発量3.8㍑/㎡・日に近い数値でした。

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新宿事務所のベランダに設置された植栽装置オアシスの取り巻く環境は、外部から雨が降ることはなく直射日光が当たることもありません。そして4月から9月までという春から夏にかけての半年間の観測です。一方、大田区産業プラザのテラスに設置された自然灌水システムお水番は、雨が当たり、直射日光も当たる環境でした。そして期間も2018年10月から2019年10月までと1年に及ぶ観測でした。芝生をめぐる水の循環

              自然灌水システムお水番

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                 植栽装置オアシス

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上の図を見ていただければわかると思いますが、自然灌水装置お水番も植栽装置オアシスも緑化ブロックヒルダの上に灌水クロスを載せて、毛細管現象を利用して底面から灌水クロスを通して水を吸い上げて、その上に土を薄く敷いて芝生を育てる植物栽培システムです。それぞれ設置された場所が、雨や日光が当たったり当たらなかったりと違いますが、芝生に灌水される水分量はお水番が3.8㍑/㎡・日、そしてオアシスが4㍑/㎡・日とほぼ同じであったのは驚きです。新宿事務所では4月から9月までとまだ1年の半分、しかも春から夏にかけての観測でした。

P9270037.JPGこれから秋から冬にかけて、植栽装置オアシスからの水分蒸発量がどのように変化してゆくか興味深く観察しようと思います。写真は新宿事務所に向かう途中で見かけたフヨウの花です。9月27日撮影

タクシーの屋根が菜園に 2021年09月21日

インターネットニュースを見ていたら驚くニュースが載っていました。タイのバンコクにあるタクシーの協同組合で、新型コロナウイルスの感染拡大による客の激減に伴い、大量に放置されたタクシーの屋根で野菜を栽培する取り組みが始まったそうです。タクシーの屋根が菜園に

これまで屋上や屋根の緑化を仕事としてきた私にとって、車の屋根を緑化しようとする発想はありませんでした。それを実現させた経営者に対し何を考えているのかと言いたいと共に、やるならもっと良い方法があると提言したいですね。

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記事にあった動画を見るとタクシーの緑化は、屋根にシートを敷いてその上に土を載せて野菜の根鉢を置くという方法をとっていましたが、これでは土が飛散したり流れたりして車の劣化を進めることは間違いありません。車のボディをあまり傷めずに緑化するには、車の屋根にシートを敷いてその上に穴の開いたプランターブロックマーガレットを載せて、植物の根鉢を灌水クロスでくるみ、マーガレットの穴に挿入して植物を育てるのが良いと思います。ガーデンクリート三姉妹

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P5140072.jpgプランターブロックマーガレットは土の性質をしながらも固まっているので、風で飛散したり雨に流されることがありません。この性質は車の屋根に土を載せて植物を育てるよりも車のボディーの劣化を防ぎます。

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これまではコンクリートやアスファルトの上で植物を育てることを検討してきましたが、次は鉄を素材とした乗り物を緑化する方法についても考えてみましょうか?今回のタイの経営者の行動は、私にも大きな刺激を与えてくれたようです。(笑)

9月の新宿御苑 2021年09月17日

9月も中旬に入りましたが新宿御苑もようやく良い天気になりました。中の池では大きなスッポンが泳いでいました。御苑ではスッポンやカメなどのほかに時々蛇も見かけます。

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草むらでアオサギを見かけました。気温も下がりアオサギも日中歩き始めるようになりました。草むらで餌になるトカゲやヘビを探しているようですね。

IMG_5943.jpg芝生の広場の芝生はまだ緑を保っていますが、これから季節が秋に移り少しずつ色が変わり休眠の準備を始めます。

P9150080.JPG中の池では池に伸びた木々が水面に映っていました。東京も気温が25度を下回るようになり御苑の動物や植物たちにとっても住み心地の良い季節を迎えています。

P9150088.JPG                          9月15日撮影

今年の夏の世界の気候 2021年09月03日

今年の夏はドイツやベルギーで大洪水が発生したようですが、その原因は大西洋を南北に循環するか海流(大西洋南北熱塩循環)の影響だそうです。大西洋南北熱塩循環とは赤道付近で暖められた海水が北上してヨーロッパ周辺の気温の低い地域に入り水が冷えて沈み込み再び南に向かって循環する現象です。(半日経ったお風呂の水が表面は暖かく底は冷たいことからイメージできますね。)そして海水の塩分濃度が海水の沈み込みに大きな影響を与えます。最近、グリーンランドの氷河が融けて真水が海に流れ込み海水の塩分濃度を薄め、北上してきた海水の沈み込みが浅くなることで、南北に循環する海流の力を弱めているという考え方です。「地球温暖化で欧州は逆に寒冷化する?

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一方アメリカのニューヨークでもハリケーンの影響で洪水に見舞われているようです。そして今年も中国では都市が洪水による災害に見舞われているようですね。このように今年の夏は世界各地で大雨、洪水の影響に見舞われたようです。東京の8月も雨曇りの日が多かったようです。情報のグローバル化が進み、世界各地で起きている気候の変動がリアルタイムで把握できます。そして気候変動の原因として、人類が消費する化石燃料から発生するCo2などの物質が増えること、太陽の黒点の数値の減少により地球を覆う太陽からの磁力線バリアが弱まり、その結果地球に降り注ぐ宇宙線量が増えることで地球を覆う大気と反応して雲の量が増えること、そして先にお話しした海流の力が弱まることなどが考えられます。

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人類が発生させるCo2の量や太陽の黒点の数値、そして海水の塩分濃度の変化など様々な要因に影響されながら地球規模で気候は変化を続けています。以前私は自然現象の変化を「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざに例えながらお話ししました。「ある事象の発生により、一見すると全く関係がないと思われる場所、物事に影響が及ぶことの喩えである」が吹けば桶屋が儲かる?

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地球は温暖化に向かわせる要因、そして寒冷化に向かわせる要因が複雑に絡み合いながら大きなスケールで変化を続けています。関連ブログ:今年の梅雨

地球規模の人口減少 2021年08月26日

「世界人口は2064年の97億人をピークに減少に転じる。」という米ワシントン大学の予測が8月23日付の日本経済新聞にのっていました。(ワシントン大学は以前も日本のコロナ患者数で大きな予測をして外したことがあり、どこまで信用できるかわかりませんが?)ちなみに国連の試算では2100年まで109億人の世界人口が増え続けるようです。世界人口がピークを迎え下降期に向かう大きな要因は、世界規模で起こっている出生率の低下です。いずれにせよ世界人口はこれから100年ぐらいの間にピークアウトを迎えるでしょう。以前2030年には50億人の世界人口が都市生活を送るというお話をしました。21世紀を迎え世界人口のおよそ半分が都市に集まるという予測です。さらに言うとその中のおよそ26億人の人口が熱帯地方の都市に集まるだろうという事です。内訳は熱帯アジアが14億人、熱帯アメリカが6億人、熱帯アフリカが6億人です。「熱帯の人口増加と都市化

P1540189.JPGいま世界はコロナの影響で人々の行動には大きな制約があり今後、世界規模での都市への人流がどのようになるかはっきりしませんが、情報や人流、物流がさらにグローバル化することは間違えありません。世界規模で情報、人流、物流が広がる中で少子化と高齢化が進むということは、グローバル社会を支える労働力にも様々な影響が出てくるでしょうね。物つくりの拠点には、減少する労働力を補うために周辺地域から人が集まって来ることでしょう。そしてこれからも物つくりの拠点は世界規模で分散されてゆくと思います。しかしこれからの物つくりには、IT(information technology情報技術)の活用で人口減少による生産性の低下を多少なりともを補うことができるかもしれません。

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人が集まる拠点にはインフラストラクチャーの整備された生活空間が生まれます。その意味で世界規模での都市化はさらに進んでゆく事でしょうね。これからは赤道を中心にして北回帰線と南回帰線の間に広がる中南米、アジア、アフリカの熱帯地方の都市人口はまだ増え続ける事でしょう。そしてガーデンクリートと灌水システムを組み合わせた植物栽培システムは世界規模でヒートアイランド化の進む都市に潤いを与えるオアシスを創ります。

ガーデンクリートの断熱性 2021年08月10日

ガーデンクリートの特性は保水性と断熱性です。ガーデンクリートの保水時の比重は1200kg/㎥、乾燥時の比重は900kg/㎥です。つまり1㎥当たりのガーデンクリートの空隙に水を300リットル保水でき100リットルの空気を取り込むことができるということですね。

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素材の中に空気を取り込む空隙は素材の断熱性能(熱伝導率)で表すことができます。ガーデンクリートの乾燥時の熱伝導率は0.16W/mkです。この数値はコンクリートの熱伝導率1.6W/mkの1/10,土壁の熱伝導率0.7W/mkの約1/5のです。「ガーデンクリートが建物の温度を下げる仕組み」コンクリートや土と比較して、ガーデンクリートの熱伝導率の低さが建物をガーデンクリート+芝生で被覆することで建物の内部が夏は涼しく冬は暖かい環境を作ります。ガーデンクリート屋上芝生緑化の温度測定

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ガーデンクリートの熱伝導率の低さは植物にどのような効果をもたらすようでしょうか?例えばガーデンクリートに穴をあけたカスケードブロックやプランターブロック、手作りフラワーポッドで周囲をくるまれた植物は、コンクリートを素材としたプランターや素焼きの植木鉢と比べて夏は涼しく冬は暖かい環境が得られます。もちろんガーデンクリートの空隙が通気性と保水性を発揮して植物に好都合な環境を作ります。ガーデンクリート三姉妹

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また屋上のコンクリートの上にガーデンクリートを敷いて植物を育てると、コンクリートよりも熱伝導率の低いガーデンクリートが直射日光の照り返しの温度を軽減するので、ガーデンクリートの上で育つ植物たちにコンクリートと比べて育ちやすい環境を作ります。

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今回はガーデンクリートの特性である保水性と通気性に加えて断熱性のお話をしました。

8月の新宿御苑 2021年08月08日

8月7日は二十四節気の立秋。この日は太陽の位置が黄径135度にあり夏至と秋分のちょうど中間です。大陸性気候の中国では、このころから気温が下がり始めることを感じられるようですが海に囲まれた日本では湿度が勝り、気温の変化が感じられるのはまだ先ですね。昔の人はこの現象を残暑という言葉で現しました。

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人間は1年を通して移り変わる自然現象を気温や湿度で体感します。植物たちも体内の敏感なセンサーが働いて、気温と湿度に反応しているようですね。新宿事務所のベランダで芝生から蒸発してゆく水分量を観測しているのですが、芝生は周囲の気温や湿度の変化に反応しながら水分の蒸発量を調整しているようです。

210808グラフ.png上のグラフは4月初めから8月初めまでの春、梅雨、そして夏の芝生からの水分蒸発量と温度、湿度の変化をまとめたものですが梅雨が明けて夏に入り気温が上がり、湿度が下がると芝生からの水分蒸発量が増加に転じたことがわかります。

IMG-7326.jpgこれから秋分に向けて新宿御苑の植物たちが周囲の気温や湿度の変化にどのように反応してゆくのか眺めてゆこうと思います。新宿御苑8月7日撮影

芝生は生きている 2021年08月06日

新宿事務所のベランダで、植栽装置オアシスの上に西洋芝ベントグラス07の種を蒔いて芝生から蒸発してゆく水分蒸発量の変化の様子をまとめたサイト芝生は生きているがアップされました。

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新宿事務所のベランダでカスケードブロックや手作りフラワーポッドなどで様々な植物を育てていますが、その中で植栽装置オアシスで育てている西洋芝の灌水量が、冬に入ってほかの植物に比べて多いようだと気が付きました。「2月の新宿事務所」そこでオアシスから蒸発している芝生からの水分蒸発量を測定してみようと思い、オアシスを直射日光や雨の当たらない空調機の室外機の上に置いて4月上旬から本格的な測定を始めました。まだ春、梅雨、夏のデータしか測定されていませんがそれぞれの季節の気温や湿度の変化に応じて芝生からのからの水分蒸発量も変化しているようです。

P8060294.JPGネットのニュースを見ていたらアメリカのスリーマイル島の原子力発電所で起こった事故で発生した汚染水を蒸発して大気中に戻したという記事を見かけました。「日本政府、福島の水の海洋放出と水蒸気放出を提案」私は以前、福島の原子力発電所事故で発生した放射能汚染水から芝生のファイトレメデイエーションの力で放射性物質を芝生に吸着させるシステムを考えましたが、その当時は芝生の水分蒸発量については、あまり考えてはいませんでした。

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福島の原子力発電所の事故から10年が経過して、事故現場では汚染水を貯留したタンクがほぼ満杯になり、汚染水の海洋放出が検討されています。海洋放出される汚染水の量を少しでも減らすために芝生からの水分蒸発の機能が活かされないかと思いつつ、植栽装置オアシスからの芝生の水分蒸発量の変化を測定しています。これから夏を乗り越え秋、冬を迎えるにあたり、生きている芝生が自然環境(湿度と気温)にどのように対応してゆくのか楽しみです。

イスラエルの灌水技術 2021年07月28日

ネットを見ていましたら「東南アジア各国イスラエルの技術で農業増産を目指す」という記事がありました。イスラエルには砂漠を緑化して国土の緑化を進めてきた素晴らしい灌水システムの技術が蓄積されています。この技術を活用して東南アジアの各国が農産品の増産を進めようとする話です。

P1530574.JPG当社で開発しましたガーデンクリート植物栽培システムにもイスラエルの灌水システムの技術が利用されています。ガーデンクリート植物栽培システムはガーデンクリートを緑化基盤として、灌水システムお水番を組み合わせた緑化システムでコンクリートやアスファルトの上で様々な植物を育てることができます。特許第5692970号

P1530576.JPG灌水システムお水番の原理は水を点滴化して灌水することで、イスラエルで開発された点滴灌水システムと当社で開発した点滴灌水システムの2種類のシステムがあり、植物を育てる環境に応じてこれらのシステムを使い分けています。水道水が利用できる場所ではイスラエルの灌水システムを、そして水道水が利用できない場所では当社で開発した灌水システムが利用できます。

P1530500.JPG21世紀は気候変動と人口増加の時代です。世界規模での人口増加に伴い人々がインフラストラクチャーの整備された都市に集まってきています。世界規模で大都市化が進み、それに伴い都市のヒートアイランド化が様々な場所で発生しています。ガーデンクリート植物栽培システムはコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドを緑化して、都市に無数のオアシスを作るのが目的です。私は第二次大戦後イスラエルに移住して砂漠を緑化していったイスラエル人の英知と忍耐力から様々なことを学ばせていただきました。関連ブログ:「砂漠の緑化から都市の緑化へ

自然の方から教えてもらうんだ 2021年07月17日

「ファインマン先生最後の授業」レナード・ムロディナウ著(ちくま文庫)を読みました。この中で著者がファインマン先生と交わした面白い会話があります。

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著者が先生に「統一場理論ですよ。僕たち誰もが望んでいる理論ですよね。」と問うたところファインマン先生は「僕は何も望んじゃいないよ。自然は、僕の望みなんかとは関係ないからな。統一理論があるかなんて、どうしてわかるんだ?理論は四つだよ!それぞれの力に一つだ!僕にはわからんよ。自然に向かってどうしろこうしろなんて、とても言えんね。自然の方から教えてもらうんだ!」130ページ

P7150006.JPGファインマン先生らしい考え方ですね。自然現象に対して好奇心(興味)を持つことがファインマン先生の行動の第一歩です。自然現象の変化に対して興味を持ち、それを数字やグラフに置き換えてゆく事は楽しいことです。

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私も事務所のベランダの芝生が毎日吸い上げる水量の変化を数値とグラフに置き換えていますが、毎日芝生が吸い上げる水分が周囲の気温や湿度の影響を受けながら変化してゆくのを見ると、芝生は生きているということが実感できて、大変興味深く感じます。

7月の新宿御苑 2021年07月14日

新型コロナウイルス感染症対策のために東京都に緊急事態宣言が発令している中で新宿御苑は、多少の制約はありますが人々に癒しを与える都会のオアシスの役割を果たしてくれています。

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今朝は温室を訪れましたが、スイレンやランが美しく咲いていました。人間は自分たちの都合に合わせて自然を整えてゆきますが、自然のとてつもなく強い力に立ち向かうことはできません。いま世界を席巻しているコロナが人間に与えている影響を見ればよくわかります。

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植物と比べても、人間は植物たちの生命力にはかないませんね。植物たちにとってコロナの影響は他人事です。

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人間は地球を取り巻く自然の中の微力な一員であることを忘れてはいけませんね。人間は自然をコントロール(制覇)出来るといった奢りを持つことは愚かなことです。コロナの影響で社会が混沌としている中で、自然に囲まれた御苑を歩いていると人間の微力な存在をつくづくと感じます。

芝生が生きている証 2021年07月01日

先のブログで灌水装置全体からの水分蒸発量の変化と芝生からの水分蒸発量の変化の比較を、温度と湿度の変化を交えてお話ししました。

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今回は灌水装置全体から蒸発する水分蒸発量から芝生からの水分蒸発量を除いたデータと芝生からの水分蒸発量の変化を、温度と湿度の変化を交えてグラフにしてみました。

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このグラフでグレーの線で表示されているのが灌水装置全体から蒸発する水分蒸発量から芝生からの水分蒸発量を除いたデータの変化です。そして緑色で表示されているのが芝生からの水分蒸発量の変化です。グレーのグラフは湿度の青のグラフが4月下旬に下がった時にピークを迎えその後、下降して推移しています。一方で緑色の芝生の水分蒸発量のグラフもグレーのグラフと同じ時期にピークを迎え下降し始めますが、グレーのグラフを上回るポジションを保ちながら推移しています。

P7010001 (2).JPG4月の下旬から大気中の湿度や気温が上昇してゆく中で、芝生からの水分蒸発量が灌水装置、つまりガーデンクリートと表面の土よりも高いポジションを保つということは、無機質の土や緑化コンクリートと比べて芝生が生命を保つために水分の蒸散作用を続けている証ではないかと思います。これから夏にかけて気温や湿度が上昇してゆく中で、芝生からの水分蒸発量と、土やガーデンクリートからの水分蒸発量がどのように変化してゆくのか興味深く観察してゆこうと思います。写真は灌水装置オアシスで成長を続けるクリーピングベントグラス007 7月1日撮影

6月のPIOのテラス 2021年06月25日

6月にはいり梅雨入りしたPIOのテラスの野菜フィールドではイチゴの成長がますます旺盛になってきました。その様子はイチゴへの灌水量の増加からもよくわかります。この2週間の間に野菜フィールドには約48㍑(3.8㍑/㎡・日)の水が灌水されました。梅雨に入り降雨量が増えているにもかかわらず灌水量が増えるのは、イチゴが成長して大きくなっているのも原因の一つでしょうね。似たような現象は2年前に野菜フィールドでキュウリ、ナス、ピーマンを育てた時にも見られました。「植物が必要とする鵜灌水量

P6250123.jpg成長を続けるイチゴはライナーを隣の芝生フィールドにも伸ばして周りの芝生を制圧して存在感を見せています。P6250109.JPG

イチゴの花もまた咲いて実が付き始めました。そのうちPIOのテラスの野菜フィールドと芝生フィールドは統合されてイチゴ畑になりそうです。

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一方植栽装置オアシスでは、強い直射日光の影響で枯れたミントに変わり、ミントの下に隠れていた西洋芝007の種が発芽してあっという間に葉を伸ばしてきました。

P6250118.JPGPIOのテラスでは,植物たちの激しい生存競争が日々繰り広げられているようです。  6月25日撮影

芝生は正直である? 2021年06月15日

新宿事務所のベランダで植栽装置オアシスを使って芝生から大気に蒸発してゆく水分量の観察をしていますが4月6日から6月14日までの数値がまとまりました。下記の表をご覧ください。210615表.png今回は芝生から大気に蒸発してゆく水分量と温度と湿度の関係ついてお話ししたいと思います。芝生からの水分蒸発量と温度、湿度の関係がよくわかるようにグラフをにまとめてみました。測定期間は4月6日から6月14日の間です。芝生の蒸発量と温度、湿度の推移がわかりやすくなるように芝生からの水分蒸発量の単位を10倍しました。下記のグラフをご覧ください。

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このグラフで、4月6日から4月29日までの芝生からの水分蒸発量と大気中の湿度を比較すると、大気中の湿度が下がるにつれて芝生からの水分蒸発量が増えて行くのがわかります。そして4月29日から6月2日までのグラフの推移を見ると大気中の湿度が増えるにつれて芝生からの水分蒸発量が減るのがわかります。また6月2日からは大気中の湿度が増えるに従い芝生からの水分蒸発量も増加に転じました。

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その理由を見極めるにはまだデータが少ないですが、大気中の気温が上昇していることが要因として考えられます。大気中の気温は4月の初めから6月の中旬まで一貫して上昇する傾向がグラフから読み取れます。ちなみに温度と湿度を測定する時間は、大体午前11時から12時の間です。測定に使用しているのは、市販されている湿度と温度が計測できるデジタル時計なので、気象台や研究機関のように厳密な数字が得られるとは思いませんが、芝生の成長と気温や湿度の関係をザックリ捉えることはできます。芝生は自然の変化に正直に反応するようですね。東京もようやく梅雨入りしました。これから気温や湿度も上昇する中で芝生がどのように反応するのか楽しみです。

土壌を潤す植物の力 2021年06月09日

先のブログで植物から蒸発してゆく水分量が、地表や水面から蒸発してゆく水分量とザックリ同じではないかとお話ししました。「芝生から大気に蒸発してゆく水分量2」今回はこの現象を掘り下げて考えたいと思います。

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私は以前のブログで「芝生が育っている周囲は土が濡れているのですが、芝生がない場所の表面の土がか乾くことがあるのです。」ということをお話ししました。「毛細管現象と蒸散作用」植物には浸透圧、根圧、凝集力の働きで土中の水分を吸収して体内に送る機能があるようです。「関西造園株式会社サイト引用」自らの命を保とうという目的意識のある植物は、自分の力で土壌の水分を吸収するので植物の周囲はいつも濡れた状態を保つことができるのですが、目的意識がなく物理法則に支配される土壌は雨が降れば土壌内に水分を保ちますが、それが蒸発すると水分がなくなり表面が乾くのです。

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つまり植物から大気中に蒸発してゆく水分は、植物から蒸発してゆく水分に加えて、植物の周囲の土壌に毛細管現象の働きで伝わり蒸発してゆく水分が含まれるということですね。植物が生息する環境は植物の生命力で土壌から水分を吸い上げて大気中に蒸発させます。そして大気中の水分が飽和状態を迎えると雨となって大地を潤し再び植物が水を吸収して蒸発させるというサイクルが生まれますが、植物が生息していない場所では土壌は、雨となって降ってきた水を保水はできますが、土壌の水分が乾燥してしまうと再び水分が大気中に蒸発することはありません。

P6090185.JPG以前私はブログで、エジプトのスフインクスが作られたころは、周囲は雨に恵まれた緑豊かな環境であった話をしました。その後、スフインクスの周囲の環境は緑がなくなるにつれて砂漠に覆われるように変化していったようです。「香港上海銀行のライオン像

P6100199.JPG 写真:新宿御苑の植物たち6月9日,10日撮影

6月の新宿御苑 2021年06月05日

桜の季節が終わりその後一月以上閉園された新宿御苑ですが、ようやく開園しました。その間も植物たちは元気に成長を続けていました。ポプラ並木も緑の葉が茂っていました。

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御苑が閉園中、新宿事務所のベランダでは植栽装置オアシスで西洋芝から蒸発してゆく水分量を測定しましたが、その結果はザックリ言うと芝生から蒸発してゆく水分量は地面や水面から蒸発してゆく水分量とほぼ同じでした。「芝生から蒸発してゆく水分量2」写真はラクウショウの森の様子ですが、ここでは地面から蒸発する水分に加えてラクウショウの下を覆う植物の葉から蒸発してゆく水分量が見込まれるということですね。

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そして、木々とその下に生息する植物に覆われた空間は、地面の土や植物から蒸発してゆく水分量に加えて木々の葉から蒸発する水分が加わり潤いのある場となります。

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新宿御苑が閉園中の間は外苑西通りを通り事務所に通っていましたが、久しぶりに新宿御苑を歩いて心地よさを感じるのは、この空間に漂う潤いではないでしょうか。6月5日撮影

三佐和ブログ都市環境・地球環境編Ⅵがアップされました 2021年05月14日

三佐和ブログ「ヒートアイランドにオアシスを都市環境・地球環境編Ⅵ」がアップされました。2020年6月から2021年5月までの三佐和ブログの中から都市環境や地球環境について述べたブログをまとめたものでホームページの資料ダウンロードからもご覧いただけます。

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2020年の東京は梅雨明けが8月にずれ込む雨が多い気候でした。これは日本に限らずお隣の中国や韓国でも似た気候に覆われました。今年はどのような梅雨を迎えることでしょうか?世界の気候は地球規模で変動していることは間違えありません。東京は過去56年の間に冬の気温が上昇してその結果、年間の平均気温が上昇しました。「ヒートアイランドにオアシスを2021」私は都市の温暖化と、地球の温暖化の違いを見極める必要があると思います。人工物に囲まれた都市の気候と植物に覆われた自然の気候は分けて考えなければならないと思います。そのヒントとなるのが世界各地で測定されている気温の測定ポイントです。「世界に散在する240の気象観測施設

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私は芝生からの水分の蒸発量を測定していますが、土や水に覆われた地表から大気へ水分が蒸発してゆく量に近い水分が芝生から蒸発しているようです。そしてコンクリートやアスファルトに覆われた都市では、地表は土や水、植物から蒸発してゆく水分量が見込めないので大気中の水分量に影響して都市のヒートアイランド化、ドライアイランド化が進んでいるようですね。「気温と湿度とヒートアイランド東京IMG_3948 (002).jpg

2020年は人類が作り出した人工物の重量が地球を覆う植物を中心とした生物の重量と並んだという研究報告が発表された年でもあります。「地球上の人工物と生物の総重量が並ぶ?」人工物と植物を質量比で比べた場合、まだ地球上の植物の質量が人工物よりも4倍以上はあると考えられますが、人工物が増え続けると質量比でも人工物と植物が並び、やがて人工物の質量が植物の質量を上回る時代が来るでしょうね。人工物の増加のカギを握るのは建築材料にあるようです。「これからの建築資材の開発」私が開発した軽量緑化コンクリート「ガーデンクリート」は植物と人工物の間の緩衝材としての働きをします。灌水システムと組み合わせることで人工物の表面で植物を育てることが可能です。これからも地球上で人工物と植物を中心とした生命が共存できるように日々活動を続けてゆこうと思います。

気温と湿度とヒートアイランド東京 2021年04月14日

自宅から新宿御苑を抜けて事務所に通っています。今日4月14日の渋谷区、新宿区は朝から雨模様でしたが道を歩きながら面白いことに気が付きました。それは場所により雨の降る様子が違うということです。自宅から千駄ヶ谷駅にかけての道のりでは雨はそれほど強く降っていませんでした。                写真は千駄ヶ谷駅前の東京体育館

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千駄ヶ谷駅の前を通り新宿御苑に向かう途中から雨は強くなってきました。千駄ヶ谷門から御苑に入り大木戸門にかけての道のりは雨が本降りでした。そして大木戸門を出て事務所に向かう道のりで雨は再び御苑の中を歩いたときよりも弱くなってきました。写真は雨の日の新宿御苑

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なぜこのような現象がみられるのでしょうか。以前もこの現象についてお話したことがあります。植物からの蒸散作用を肌で感じる?雨の強度は雲の動きはもちろんですが、その環境を取り巻く気温や湿度からも影響を受けると思います。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京の環境と芝生と木々の緑に覆われた新宿御苑の環境では、気温と湿度が微妙に異なり、それが雨の強度にも影響を及ぼすのではないでしょうか?

P4140192.JPG写真は事務所のそばの花園公園に咲いていた雨に濡れたモッコウバラです。 4月14日撮影

生物は目的意識をもって行動する 2021年04月12日

イギリスの生物学者ポール・ナース著の「生命とは何かWhat is Life 竹内薫訳ダイヤモンド社を読んでいます。本の中で生物学と物理学の違いについて上手く説明された文章がありました。「生物学では、目的について論じても、あまりおかしいとは思われない。一方、物理学では、川や彗星や重力波の目的について問うことはできない。でも、酵母のcdc2遺伝子の目的や、蝶が飛ぶ目的を問うことには意味がある。あらゆる生体は、自らを維持し、組織化し、成長し、そして増殖する。これらは、生物が自分と子孫を永続させたいという、基本的な目的を達成するために発達させてきた、目的を持った行動なんだ。」152ページ

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新宿事務所のベランダに設置した植栽装置オアシスで西洋芝を育てていますが、オアシスの水位の変化と、横に置いた計量器の水位の変化を比べてみると芝生を育てているオアシスの水位の変化が、計量器の水位の変化よりも大きいことがわかりました。オアシスの水位は4日でおよそ35mmほど下がりましたが計量器の水位の変化はおよそ2mmほどでした。

P4120162.JPG芝生を育てている緑化ブロックの容積の影響もあるので、オアシスの水位の変化をすべて芝生による水分吸収とは言い切れませんが、芝生による水分吸収量と、計量器の水が蒸発して大気に戻る水分量ではかなりの開きがあるようですね。

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西洋芝ベントグラス007は、発芽した後に葉を伸ばし葉緑体を作り、そこで太陽エネルギーを利用する光合成をおこない、水と二酸化炭素を使って糖と酸素を作る化学反応を起こします。この時に必要な水分が根から吸収されてゆきます。芝生は光合成のほかにも葉の細胞に水分を浸透させたり体温を調節するために葉の表面から水分を蒸散させたりします。つまり芝生は自らの生命を維持する目的を持ち水を利用するのです。それに対して計量器の水は、大気中の温度や湿度の変化に応じて水を蒸発させます。まさに物理的変化ですね。

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これからも植栽装置オアシスの水量の変化を観察しながら目的を持った生命の行動による水位の変化と、物理的な水位の変化について考えてゆきたいと思います。上の写真は新緑の生える新宿御苑4月12日撮影 関連ブログ:植栽装置オアシスに芝生の種を蒔いて1年が経ちました

植栽装置オアシスに芝生の種を蒔いて1年が経ちました 2021年03月19日

新宿事務所のベランダに植栽装置オアシスを設置して、西洋芝の種クリーピングベントグラス007をまいて、今日で365日丸一年が経過しました。事務所のベランダは西向きにあり、一日を通してごくわずかな時間だけしか太陽の光が届きません。(クリーピングベントグラスの種007の種を蒔く2020年3月20日)

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このような環境で芝生を育てて一年が過ぎ過ぎましたが、ここにきて意外なことに気が付きました。それは芝生の葉の蒸散量の多さです。昨年の暮れから芝生の葉を刈るのをやめて伸ばし放題にしたのですが、陽射しがあまり当たらず、冬の寒さの中で灌水量は増えることはないと予想したオアシスへの灌水量が増えたようです。(ベランダに植栽装置オアシスを設置た様子。)

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芝生が伸びて葉の表面積が増えるにつれて灌水量も増えてきたようです。(ベントグラスの種007をまいて20日で発芽してきた様子。4月8日撮影)

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先のブログ(芝生の水分蒸散力)でもお話ししましたが福島の原子力発電所に貯留されたタンクの水を海に放出するか、大気に蒸散させるか迫られた今、放射性物質についてあまり詳しくない私が言うのもなんですが、植物の持つ水分蒸散能力を利用するのも一つの方法ではないでしょうか?例えば貯留タンクの上で芝生を育てるとか?(植栽装置オアシスで芝生を育てる仕組み)

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芝生は刈るのが当たり前と考えていましたが、これからは植栽装置オアシスの西洋芝がどれだけ伸びるか、伸びきった後どのように変化してゆくのかさらに観察を続けてゆこうと思います。

P3190108.JPG                        3月19日撮影

芝生の水分蒸散力 2021年02月23日

新宿事務所では植栽装置オアシスの上で西洋芝クリーピングベントグラス007を種から育てていますが種を蒔いてからそろそろ1年を迎えます。植栽装置オアシスが置かれたベランダは1年、1日を通してあまり日光が差し込まない場所なのですが、冬になっても芝生への灌水量が減りません。1日当たりおよそ3㍑/㎡から5㍑/㎡の灌水量です。ベランダでは他にプランターブロックでビオラやベゴニアなどを育てていますが、そのなかでも芝生の灌水量は群を抜いています。

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インターネットを見ていたらAP通信が2019年の12月に報道した面白い記事を見かけました。タイトルは「日本政府、福島の水の海洋放出と水蒸気放出を提案」です。詳しい内容は記事をご覧いただくとして、今回は私の仕事のテーマと関連して水蒸気放出について考えてみたいと思います。記事によると1979年3月にアメリカペンシルバニア州スリーマイル島で発生した原子力発電所事故では、2年にわたり87,000トンのトリチウム水を水蒸気放出で取り除いたそうです。簡単に言うとトリチウム水を蒸発させて水分を無くしていったのでしょうね。そして残ったのがトリチウムなどの放射性物質だったようです。以前、福島の原子力発電所の事故により発生した放射性物質を含んだ汚染水から、自然灌水システムお水番と組み合わせて植物のもつファイトレメデイエイションという力を借りて放射性物質を植物の内部に取り込むシステムを考えたことがありました。

福島.png今見直ししてみると、芝生や植物には土壌の汚染物質を吸着する機能のほかに、土壌の水分を吸い上げて蒸散させるという素晴らしい機能があることに気が付きました。新宿事務所で西洋芝を育てている植栽装置オアシスのレイアウトは下記のとおりです。

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スプリンクラーなどで植物の表面に散水することと比べると自然灌水システムお水番にしても植栽装置オアシスにしても、底面から植物を支える土壌や植物の根に毛細管現象の働きを利用して水を補給することができます。そして芝生の無数の葉は表面積を増やすので、土壌表面よりも立体的に水分の蒸散量を増やすことが可能です。

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汚染水をためたタンクの数が飽和状態を迎え、海に放出するか大気中に蒸散させるかの選択肢しかない現在、毛細管現象の働きで土壌を湿らせ、芝生の葉による蒸散作用のアップが見込まれる自然灌水システムお水番や植栽装置オアシスが福島の原子力発電所が抱えている問題に少しでも役立つことができればと思います。上の写真はベントグラスの種をまいて一月して芝生が発芽してきた2020年4月18日の写真です。

これからの建築資材の開発 2021年01月26日
何度もブログで人間が生み出した人工物の総量が、地球上の生物の量を上回ろうとしていることをお話ししました。このペースで行くと20年後には人工物の量が生物量の3倍近くに達するようです。何故このようになったか?その鍵を握るのは建築資材だそうです。これからの時代はとてつもないスピードで人工物の量が増えてゆくようですね。「人間が作った「人工物」の総重量は、こうして地球上の生物量を上回った」
人工物が重量比で生物の3倍になるということは、質量比でも植物を中心とする生物のおよそ75%に近づくということですね。「生物と人工物の縄張り争い
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このような未来の姿に対して、建築資材の開発を仕事にする者として何かしなければと思います。私が開発しているガーデンクリートは天然の軽石を石灰系個化材で固めた保水性と通気性のある緑化コンクリートです。通常の建築資材は天然素材を加熱したり粉砕したりして作りますが、ガーデンクリートに使用する軽石は、火山の噴火により作り出されます。まさに地球によって作られた建築資材ですね。しかし軽石を固める固化材を作るには天然の石灰岩を粉砕したり加熱したりする必要があります。「火山と軽石
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いま使用している固化材はビルやダムを作るための強度がありますが、ガーデンクリートで使用する固化材は植物の根を支え、水分をが保水出来る機能があれば良いので、この点はまだまだ改良する余地があります。極端なことを言うと、遠い昔に原始人が石灰石(Caco3)の上で焚き火をした時に石が割れて生石灰(Cao)になり、そこに雨が降り、消石灰石(Ca((OH)2)になり固まっているのを発見したレベルまで遡ることも可能です。(ローマンセメント)これからの課題は天然素材をあまり加工することなく使用できる建築資材を作る技術の開発です。
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私が暮らしている東京23区のみどり率は約24%,つまりコンクリートやアスファルトに覆われた面積が76%あることを先のブログでお話ししました。「ヒートアイランドにオアシスを2020」東京23区のみどり率をこれ以上減少させないためにもコンクリートジャングルとアスファルト砂漠の表面をガーデンクリートで被覆して保水性を高めて、植物が育つ環境をご提供したいと思います。
一隅を照らす 2021年01月23日

一隅を照らすとは、平安時代に天台宗を開いた最澄の言葉です。 一隅とはみんなが気づいていないほんの片隅、一角のことを指します。転じて、本当は直視しないといけないにもかかわらず、目をそむけているものという意味もあるようです。「一隅を照らすもの、これ国の宝なり

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人類が作り出した人工物と植物や生物の総重量が並び、化石エネルギーの埋蔵量がピークアウトを迎え世界人口の半数が都市に集まるという、今地球が直面している大きな環境の変動に対して、これから人類はどのように対応すれば良いのでしょうか。
それはこれまで莫大な量の人工物を作り出した人類がこれから植物や生物とどのようにして共生するのか、どのようにして化石エネルギーに代わる新しいエネルギーを作りだすか、そして増え続ける都市人口に対応する都市の環境をどのように整備するかという事です。

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これらスケール大きな問題に対応するには人類がそれぞれの問題に対する課題を持ち、各自が一隅を照らす気持ちで活動を続ける事だと思います。私の課題はコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京の透水性と保水性を改善して人が過ごしやすく植物と共生出来る環境を整えて行く事です。関連ブログ:ヒートアイランドにオアシスを2020」「ヒートアイランドにオアシスを2021
転換期を迎えている地球環境 2021年01月14日

人類が作り出した人工物の総重量と生物の総重量が並び、人類が消費してきた石油の累積生産量が近い将来、埋蔵量(これから開発される見込みの石油埋蔵量と、すでに開発された石油埋蔵量の合計)の半分を超えるpeak out の時期を迎えようとしています。「石油Peak Out」そして世界規模で増え続ける人口は、電気、ガス、水道などのライフラインが整備された都市にさらに集まり、世界の人口の半分に達しようとしています。「熱帯の人口増加と都市化

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このように地球は今、人類が作り出した様々な要因が作用して大きな変動期を迎えています。地球に蓄積された化石エネルギーの埋蔵量が半分になりつつある今、人類は化石エネルギーに変わるエネルギーを開発しなければならない事は間違いありません。そして新しいエネルギーの研究開発は、次の世代を担う若者たちに引き継がれてゆかれることでしょう。それには若者たちが今、世界で起こっている気候変動の要因をCo2の排出量を規制することだけで解決しようとする視野の狭い視点に立つのではなく、彼らには自然法則に基づく科学的な知識と広い視野を育むことが必要です。「若者を利用するな!

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繰り返しになりますがこれからの地球で人を含む生命が共存してゆく道を模索するには、我々が今置かれている地球環境を把握すること、つまり人工物と生物の総重量が並び、人類が使用する化石燃料の埋蔵量がほぼ半分になり、さらに世界人口の半分が都市に集まりつつある現状を見極めながら、科学的な視野と思考に立ち問題の解決法を見出してゆくことです。それは途方もなく大きなテーマです。その中で私に課せられたテーマは都市の保水性と透水性を改善することですが、この活動を次の世代を担う若者たちと共にコツコツと積み重ねてゆこうと思います。企業理念

世界に散在する240の気象観測施設 2021年01月12日

20世紀以降,世界の平均温度は高くなっているといわれていますが、その根拠となる世界の気温はどのようにして観測されているのでしょうか?その一つが理科年表の気温年表に掲載されている世界各地240地点で観測された気象観測平年値です。理科年表ではWMO(世界気象機関)の資料に記載された世界240の観測地点で計測された気象データや、アメリカの国立気候データセンターが配布しているデータに基づき気象庁がまとめた数値が掲載されているようですね。一方で私が活動をしている東京の気温は、日本全国の気象台、測候所など156地点の一つとして観測されています。観測場所は2013年までは東京都千代田区大手町にある気象庁に設置された観測施設で観測されました。そしてその後は、気象庁の測定場所から900メートルほど離れた北の丸公園に観測施設が移されたようです。世界の気象観測施設の位置を示した地図をご覧ください。

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この地図を見て気が付くことは世界に分散された気象観測施設の多くが都市に置かれていること、そしてロシア、中国、インド、南北アメリカなどでは空白の地帯が多く見受けられることなどです。もっとも地球規模の視点に立つと、ここに見られる気象観測施設の設置された場所は限られた点にすぎませんね。地球上の人工物と植物の重量が同じになったい現在でも、植物が生息する面積は人工物が集積する都市の面積よりも圧倒的に広いようですね。

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それでは都市で計測された気象観測データと自然の中で観測された自然観測のデータではどのような違いがあるのでしょうか?私の生活している東京23区の温度測定は千代田区大手町にある気象庁で計測されてきたことは先のブログでもお話ししました。「ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化2」東京の過去56年の気温の変化を見ると、都市の人工物が増えるに従い冬の気温が高くなる一方芝生(植物)の上で測定された夏の気温には大きな変化がみられず、それにより年間の平均気温が高くなっているようです。

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この傾向は東京に限らず、世界中の人工物が増えつつある都市でも見られるのではないでしょうか?そして地球規模で圧倒的に広い植物が生息する場所では,地中の水分を吸収して体外に蒸散させて体温を調節する植物による水の循環が行われ、この機能を持たない人工物に覆われた場所よりも気温の上昇を防いでいるのではないでしょうか?人工物に覆われた都市の気温の変化を見ただけで,地球規模で気温が上昇していると結論づけることは難しいと思います。関連ブログ:「都市の温暖化と地球の温暖化

気候変動の要因 2021年01月08日

人類がエネルギーとして利用してきた石炭や石油は動植物が大気中のCo2などを取り込み化石化された資源です。「化石燃料」また構造物を作るのに利用されるセメントは、海水中に含まれていた二酸化炭素Co2を有孔虫やフズリナなどの生物が吸収し化石化されたものが原料ですね。「ヒトは西からホネは東から」人類はこの100年の間に生物が太古の昔から蓄積してきた資源を利用して、地球上に人工物を作り続けてその重量は地球上に存在する生物と同じになり、質量比でも生物のおよそ25%まで増大しました。「地球上の人工物と生物の総重量が並ぶ」46億年に及ぶ地球の歴史のなかで、人類の作り出した人工物の重量が地球上の生物の重量に並び質量が生物の25%に達した今、人工物の重量や質量が地球の環境に影響を及ぼしていることは間違いありません。

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人類がこの100年の間に人工物を作り出すために太古の昔から石炭、石油、石灰などに固着されていたCo2を大気に排出してきました。「ローマンセメント」人類がここ100年ほどの間に大気中に排出したCo2の影響で地球が温暖化しているという風潮が見られますが、果たして今地球上で起こっている気候変動の要因を大気中のCo2の増加だけに絞り込めるでしょうか?「二酸化炭素は魔女じゃない」地球の気候変動は人類がおよそ100年かけて地球上に建造、製造して人工物を作り出してきた時代以前にもありました。「江戸東京湾の海進と海退」人類が化石に固化したCo2を大気中に排出していない時代にも、地球上では大きな気候変動が行われていたのです。太陽の黒点活動の盛衰「宇宙万物の根源」や、地球の地軸のブレによる歳差運動「地球の歳差運動」も気候変動の要因です。

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この100年で建造、製造されてきた人工物やそれを作り出すために地球から採掘されたエネルギーや資源の増加が、最近の気候変動の要因の一つになっていることは間違いありませんが、それとともに太陽の黒点活動の盛衰、地軸の歳差運動など様々な要因が重なり合いながら今の地球の環境、気候が形成されていることを忘れてはいけないと思います。「風が吹けば桶屋が儲かる

生物と人工物の縄張り争い 2021年01月05日

先のブログで地球上の人工物と生物の総重量が並ぶというお話をしました。「地球上の人工物と生物の総重量が並ぶ」地球上の生物の総重量は約1兆1000億トンで、そのうち植物の重さが約90%を占めているようです。質量で比べてみると人工物の質量を2000kg/㎥、植物の質量を500kg/㎥と仮定すると、人工物と生物の重量が同じになっても、まだ生物の質量は人工物の4倍あるということですね。20世紀初頭には人工物の総重量は350億トンで、生物の総重量の約3%、質量は植物比の1%以下であったようです。人工物はこの100年の間に重量比で約31倍伸びて生物の重量に追いつきました。そして質量も植物比で約25%までになりました。

P7120074.JPG生物と人工物の違いは何でしょうか?その一つは生物は体内から水分を体外に蒸散させることで体温を調整する機能があることです。ブログで何回も取り上げていますが真夏の東京で外気温が30度の時にコンクリートの表面温度が約50度、芝生の表面温度が約32度と約18度ほどの開きがあるのは、芝生が体内の温度が高くなると体内から水分を蒸発させて、気化熱の働きを利用して表面温度を下げて生命を維持する機能があるからでしょうね。「7月の風のガーデン」人間も真夏の暑さの中で汗をかきながら体温を調整しますね。いま私が住んでいる東京23区は緑化面積はおよそ24%、人工物の面積の比率が76%です。「ヒートアイランドにオアシスを2020」これは水分を地中から吸収して大気中に蒸散させる植物の循環機能が24%まで減少したということですね。これが人工物に覆われたヒートアイランド東京の環境を作る大きな原因の一つになっています。

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ヒートアイランド現象というと夏の暑さが話題になりますが、先のブログでもお話ししたように、東京の気温を過去56年にさかのぼって測定したデータでは、夏よりも冬の気温の上昇が大きいようです。「ヒートアイランドにオアシスを2021」そして東京の夏の気温に変化が見られないのは今も56年前も測定する場所が植物(芝生の上)という条件が変わらないからでしょうね。

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それに対して冬の気温が上昇してきた理由は、人工物(コンクリート、アスファルト、車、室外機等)が56年前よりも増えてきたことで、太陽からの放射熱がコンクリートやアスファルトに蓄熱されたり、車や室外機からの廃熱が増えたりしている影響が原因ではないでしょうか?

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生物は自らに備わっている機能で体温を調整できますが、人工物には温度を調整する機能がありません。これからも当分の間、地球上では生物と人工物との間で縄張り争いがくり広げられると思いますが、最終的に地球上に生き残るのは生命力の強い植物や生物だと思います。

ヒートアイランドにオアシスを2021 2021年01月01日

先のブログで「私の仕事は人工物に覆われた76%の東京を透水性コンクリートブミコンと緑化コンクリートガーデンクリートで被覆してオアシスを作ることです。ただ76%の人工物をすべてブミコンとガーデンクリートで覆うことなどは全く考えていません。」と述べましたが、その理由は東京23区の人工物をすべてブミコンやガーデンクリートで覆う事が不可能であることがもちろんですが、ほかにも理由があります。

P1520442.JPG以前私はブログで過去56年にわたる東京の気温の変化についてお話したことがありました。「ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化2」理科年表のデータに基づいて過去56年の東京の気温の変化をグラフにしたものですが、それによると真夏8月の東京の気温は1961年も2017年もあまり変わらずにほぼ同じ数値になっていました。それに対して1月、2月の気温は2017年の方が高くなっていることがわかります。下記のグラフをご覧ください。

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2017年は1961年に比べて、東京は都市化が進み人工物の質量(重量)が確実に増えているのに、なぜ真夏の温度に変化がないのでしょうか?その答えは気温の測定方法にあるようです。東京の気温は大手町の気象庁で測定されてきましたが、その測定方法は世界(WMO)基準に準じた方法で芝生の上、地上1.5mの測定地点に百葉箱やファン付きの通風筒の中に入れた温度計で測定されているようです。

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都市化が進み人工物が増えても真夏の芝生の上の気温は、都市化が進む前と比べて温度にあまり変化がないということですね。もちろん、真夏のコンクリートやアスファルトなど人工物の上の気温は芝生よりも20度以上の開きがありますが。

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私はこの現象に注目しています。コンクリートやアスファルトなどの人工物が増えた東京でも、その上に芝生などの植物を載せて育てる空間が都内の各地に広がると、そこは日陰で56年以上前の東京の夏に似た環境に近づくのではないでしょうか。

P1520417.JPG上のグラフを見てわかることは都市化が進み人工物が増えると冬の気温が高くなり、それに伴い年間の平均気温が高くなるということです。人工物が増えることで都市の温暖化が進んでいるといえるでしょうね。でも冬の気温が高くなることは人間や植物にとり過ごしやすい環境になっているのではないでしょうか?

ヒートアイランドにオアシスを2020 2020年12月31日

先のブログで「地球上の人工物と生物の総重量が並ぶ」というお話をしました。東京都にはみどり率という調査データがあります。みどり率とは「緑が地表を覆う部分に公園区域・水面を加えた面積が地域全体に占める割合」を表したもので平成30年の調査データを見ると、都全域で53%,区部で24.2%,多摩部で67.8%だそうです。これは緑化されていない人工物に覆われた面積が東京都全域で47%,区部で75.8%,多摩部で32.2%ということになりますね。

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私が日常活動をしている場は区部に属し、人工物に覆われている面積が75.9%になります。私の仕事は人工物に覆われた76%の東京を透水性コンクリートブミコンと緑化コンクリートガーデンクリートで被覆してオアシスを作ることです。ただ76%の人工物をすべてブミコンとガーデンクリートで覆うことなどは全く考えていません。

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何回もブログでお話ししていますが真夏の東京でコンクリートの表面とガーデンクリートで芝生を育てている表面では表面温度におよそ20度以上の開きがみられます。ヒートアイランドにオアシスを コンクリートやアスファルトの表面をガーデンクリートで被覆して植物を育てることで、真夏の直射日光の照り返し温度を軽減することができるのです。

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私がオアシスを作ろうとする場所は、は、人々が生活をしている建物の周囲、テラス、ベランダ、屋上などです。これらの場所をブミコンやガーデンクリートで被覆し保水性を高めたり緑化することで、小さなオアシスを無数に作り皆さんに快適な環境を提供することです。

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ガーデンクリートで作った緑化ブロックやプランターブロックは、土の性質をしていて、さらに固まっているので、植物を平面や立面で育てることができます。テラスやベランダ、屋上に置くだけで手軽に様々な植物を育てることができます。室外機の上やベランダにプランターブロックを置いてビオラやCervezan Limeを育てています。12月31日撮影

地球上の人工物と生物の総重量が並ぶ? 2020年12月26日

NATIONAL GEOGRAPHICのニュースを見ていたら「地球上の人工物と生物の総重量が並ぶ、研究」という面白い記事がありました。記事の冒頭「コンクリート製の橋からガラス製の建物からコンピューターや衣服まで、人間が作ったあらゆるものの総重量が、地上の生物の総重量を超えようとしていることが新たな研究で明らかになった。」とあります。地球の生物の総重量は約1兆1000億トンで、人間が建造、製造したものの総重量がほぼ同じで、年内に人工物の方が上回る可能性があるそうです。現在の地球環境を面白い視点から研究している人がいるようですね。

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記事の途中で近年、人類が地球環境に重大な影響を及ぼすようになってからをその新しい地質時代を新人世と扱う提案があるようですが、人工物の重量が地球の生物の重量を上回ろうとしている今、地球環境が新人世に入った可能性があるようです。以前のブログで「人類が消費してきた石油の累積生産量が近い将来、石油埋蔵量の半分を超えるpeak outの時期を迎えるようです。」ということをお話ししました。石油 peak out 今我々が生活している地球環境は大きな転換期を迎えているようですね。

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私の仕事のテーマはコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京にオアシスを作る事です。コンクリートやアスファルトといった人工物で覆われた東京を、当社で開発した緑化コンクリート「ガーデンクリート」や透水性コンクリート「ブミコン」で都市の保水性を高め、生物が育つ環境を作る事です。その活動を通して「地球環境の保護と再生を目指し次の世代に引き渡すことです」というのが当社の理念です。それはとてつもなくスケールの大きな仕事ではありますが、ハチドリクリキンディ話のように、毎日少しでも前向きに都市環境の保水性を高めることで自然環境の保護と再生を目指してゆきたいと思います。ハチドリクリキンディとアフリカの言葉

12月の新宿御苑 2020年12月20日

12月も中旬を過ぎましたが、御苑の下ノ池のまわりの紅葉が美しく色づいていました。新宿御苑の紅葉は近所にある代々木公園よりも、紅葉の盛りを迎えるのがやや遅めです。同じ東京で立地も近いのに、植物の紅葉の時期に差があるのは面白いですね。

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下の写真は12月20日に撮影した代々木公園のイチョウですが、すっかり落葉して黄色の絨毯になっていました。

IMG_2711 (002).JPG新宿御苑も代々木公園もヒートアイランド東京の中でほぼ隣接しているのに、そこで育つ植物たちの生育に差がみられるのは、光や風、土壌など、植物が育つ環境に微妙な違いがあるからでしょうね。

PC190084.JPG           新宿御苑下ノ池 12月19日撮影

風が吹けば桶屋が儲かる? 2020年12月12日

今年は4月から11月にかけてブミコン舗装の立ち合いで東京都浅草にある浅草寺様の境内で過ごす時間がありました。その中で感じたのですが今年の東京は雨の日や曇りの日が多かったような気がします。梅雨が明けるのも8月にずれ込みました。中国地方や九州では梅雨の間に大雨による洪水も発生しました。今年の梅雨 それと同じ時期、日本のお隣の中国や韓国も大雨や洪水に見舞われていたようです。

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日本やアジアで雨が増えている現象は12月6日付の日本経済新聞でも1面で紹介されていました。「異常降雨 アジアに脅威」記事の冒頭で「地球温暖化による自然災害の増加がアジアの経済の脅威になってきた。」とあります。また記事の中で学者先生が「温暖化で大気中の水蒸気が増えると、雨量がかさ上げされる。」と語っていました。しかし今年の梅雨、日本や東アジアで雨が増えた原因を地球温暖化の一言でかたずけられるのでしょうか?

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私は今から12年前の2008年の2月から10月にかけても、同じく浅草寺様の境内でブミコン舗装の現場に立ち会う機会がありました。その年の7月の三佐和ブログを見ると「地球寒冷化?」というブログがありました。2008年7月5日 朝日新聞夕刊の記事を紹介したもので見出しには「黒点減少ミニ氷河期の前兆」となっていました。2008年というと世界中で盛んに温暖化が叫ばれていた時期でした。2008年の梅雨の記憶を思いだしてみると、確かに梅雨はあったかもしれませんが今年の梅雨のように、中国の長江をはじめ韓国や日本が大洪水にさらされていたとは思えません。

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先ほどの2008年の朝日新聞の記事の見出しに「黒点減少ミニ氷河期の前兆」というのがありましたが2018年1月の三佐和ブログ「宇宙万物の根源」中で「今年の東京は久しぶりに本格的な寒い冬を迎えています。理由は諸説あるようですがその一つに太陽の磁場活動の変化と黒点の数を関連付けた考え方があるようです。黒点の数が多い時期は太陽の磁場活動も活発で地球などの惑星も太陽の磁場に覆われる状態が続くようです。そして黒点の数の少ない時期は太陽の磁場活動も不活発になり地球を覆う磁場も小さくなるようですね。例えると黒点の多い時期は太陽が磁場の傘を開き、黒点が少ないときは磁場の傘が閉じられるとでも言うのでしょうか?」と語られていました。

IMG_1478.JPG2008年に語られた黒点減少による気温の低下が10年かけて実現しているような気がします。私は10年以上にわたりコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京でブミコン舗装の現場に立ち会ったり、ガーデンクリートで様々な植物を育ててきましたが、現場で周囲の自然を体感すると、東京の環境は長いスパンでとらえると常に変化していて、それを地球温暖化や寒冷化の一言で語ることは難しいと思います。

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「風が吹けば桶屋が儲かる」という日本のことわざがありますがその意味は「ある事象の発生により、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶことの喩えである。」そうです。Wikipedia 四季を通じて様々な自然現象に包まれた日本の風土が作り出した言葉ですね。地球環境の変化も地球の温暖化や寒冷化と単純に一直線でとらえてはいけないと思います。しかし私は「太陽の黒点が少ないときは磁場の傘が閉じられる。」という考え方に魅力を感じます。

ブミコン浅草寺日記2020 2020年12月02日

今年は4月の初めから11月の終わりまで浅草寺様境内でブミコン舗装の施工をさせていただきました。その様子をまとめたブミコン浅草寺日記2020がアップされました。ホームページの資料ダウンロードからご覧いただけます。

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2008年に浅草寺様ご本堂建築50周年の事業のひとつとして境内をブミコン舗装させていただき12年が経過しました。今回は二天門周辺から始まり宝蔵門周辺、おみくじ売場周辺、そして境内東と8か月におよぶ工事でした。春から梅雨、夏の日照りを経て秋の長雨と変化する気候に対応しながらが様々な経験を積むことができました。これからも浅草名物の雷オコシに似た透水性コンクリートブミコンが境内を訪れる方々の足元を支えます。

11月の新宿御苑 2020年11月23日

今日は11月23日、勤労感謝の日です。新宿御苑では様々な木が紅葉して一年で最も色鮮やかな季節を迎えています。台湾閣の前ではモミジが紅葉していました。

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湿地ではヌマスギ科の落葉針葉樹の高木ラクウショウが赤く変色していました。

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今年の東京の秋はやや気温が高めのようですが、ようやく温室の前の大イチョウも色づいてきました。

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ポプラやケヤキなどの紅葉は盛りを過ぎましたが、モミジやイチョウなどの紅葉は今が盛りです。ヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑の秋はまだまだ深まって行くようですね。11月23日

10月の新宿御苑 2020年10月24日

今朝の新宿御苑は久しぶりに気持ちの良い朝を迎えています。今年の東京は秋になっても雨曇りの日が多く秋晴れに恵まれた日が少ないような気がします。

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今年の東京の秋は気温もやや高いようで下ノ池の周りの紅葉も、まだ緑色をしています。あとひと月もすると美しく紅葉するのでしょうね。

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        バラ園では明るい光を浴びてバラが元気に咲いていました。

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        ポプラ並木では、葉がまだ緑を保ちながらも落ち始めたようです。

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玉藻池ではナンテンが赤く実っていました。ヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑も、これから秋が深まって行きます。

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                         10月24日撮影

境内東ブミコン舗装 2020年10月13日

おみくじ売場横のブミコン舗装が終わり、境内東のブミコン舗装も折り返しを迎えました。次の工区はマスの面積が少し大きくなりますが移動式プラントの導入で施工効率を上げてゆこうと思います。

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今年は夏から秋にかけて雨の多い日が続きましたがようやく気候も落ち着いてきたようです。ブミコンの施工に適した気温は植物の生育に適した気温と同じように25度から15度にかけてのようですね。

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ブミコンを作る材料の状態も今の季節がベストです。真夏は気温が高く直射日光によるブミコンからの水分蒸発を避けるために施工をしてすぐにシートで養生をしました。また気温が下がる冬は、通気性の良いブミコンの下の土からの温かい空気が通りやすく、空気に含まれた水蒸気がブミコンの表面で固化材BGパウダーや空気と反応して白華(炭酸カルシウム)を発生させたりします。10月から11月にかけてブミコンの施工に適した環境を生かして作業を進めてゆこうと思います。

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                        10月13日撮影

過ぎたるは及ばざるが如し 2020年09月17日

今回も中国関連のニュースですがネットを見ていたらすごい集合住宅の写真と記事を見つけました。中国四川省成都に建てられた集合住宅で全戸8棟286室のテラスがすべて緑化されていてその姿はジャングルに覆われた都市のようです。しかし現在のとこところ入居しているのはわずか10世帯ほどだそうで、その理由は蚊の来襲にあるようです。286室のテラスすべてを緑化したのですが、植物たちは伸び放題でそれをメンテナンスする人もいなく蚊が大発生しているようです。

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写真でしか緑化の様子を確認できないのですが、建物各戸のテラスには40cmから50cmの厚さで土が盛られたプランターに低木などの植物が植えられているようです。これだけの植物を育てるには灌水の継続が必要ですが、写真で見たところ枯れた植物はないようなので灌水の継続性は保たれているようですね。緑化システムの観点からみるとこの建物の緑化は成功しているようです。

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この集合住宅は植物たちにとっては住み心地の良い環境のようですね。また記事にあるように蚊が大量発生しているように植物と共生している虫などにとっても住み心地は良さそうです。その一方で莫大な資金をかけてこの環境を作り上げた人間にとっては、住み心地の良い環境とは言えないようです。この集合住宅の環境作りから得られた教訓は「過ぎたるは及ばざるが如し」。人、植物、そして虫などの生物が共生できるバランスの取れた環境を作ることが必要だということです。

写真は新宿御苑の樹木です。9月17日撮影

メンテナンスの継続性 2020年09月12日

ネットのニュースを見ていたら「中国の次なる治水事業スポンジ都市構想」という記事を見つけました。中国でスポンジ都市(海綿城市構想)が始動したのは2015年からのようです。屋上庭園、景色のいい湿地公園、浸透性の舗装、地下貯蔵タンクの活用などが事業化されたようですが、それから5年が経過した現在、事業化された屋上庭園などは荒廃しているようです。詳しくは記事をご覧いただくとして私なりの意見を述べさせていただきたいと思います。

P9070011.JPG透水性コンクリートと緑化コンクリートの開発と事業化を目指して会社を設立して以来、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京を舞台にして試行錯誤を続けながら現在に至っています。様々な経験を積み重ねた中で、ヒートアイランド東京の厳しい自然環境で製品システムの継続性を如何に維持するかが重要なポイントであることがわかりました。製品のメンテナンスの継続性が大事だということですね。

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東京都台東区にあります浅草寺様の境内をブミコン舗装させていただき12年が経過しました。これまで舗装させていただいた延べ面積は約10,000㎡に及びます。ブミコンで境内を舗装した後も浅草寺様では、境内を訪れた皆さんが快適に歩行できるように常に監理、散水、掃除、などのメンテナンスをしてくださり今日に至っています。今年は境内の排水システムの改修に伴いブミコンも再鋪装させていただいています。

P9080005.JPGまたコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京では、屋上や壁面で植物を育てるには灌水の継続性が必須条件です。東京で植物を育てるということは砂漠で植物を育てるようなものです。年間降水量の数値でみると東京は砂漠よりも多いですが、当社で開発した緑化基盤と灌水システムの組み合わせは、東京の年間降水量を有効に利用しながら必要最小限の灌水量で植物を育てます。下の写真は浅草寺様境内に設置されたフローラカスケードでインパチェンスやハーブなどを育てている様子です。9月11日撮影

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冒頭で紹介した中国の事例は構想が事業化された後にメンテナンスが滞ったことで、荒廃した現状をもたらしたということですね。いかに夢のある構想を描いても、それを実現させた後に地道なメンテナンスの継続性が保たれなければ夢は砂上の楼閣に終わってしまうという教訓です。

境内東ブミコン舗装3 2020年08月24日

お盆の休みも終わり浅草寺様境内のブミコン舗装が再開されました。今週は境内東、は工区のブミコン舗装です。

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浅草寺様境内では雨水の排水システムの改修に伴いブミコンによる透水性舗装が行われています。浅草寺様境内のブミコンの保水率は平均しては17.5%、1時間当たりおよそ20mmの雨水を透水、保水することができます。そして東京都の下水は1時間当たり50mmの雨水を排水できる設計です。

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先のブログでもお話ししましたが、今年の夏は日本や、朝鮮半島、そして中国など東アジアが大雨に見舞われています。今年の梅雨 これから太陽の黒点活動の停滞が続く間は、地球全体で発生する雲の量が増えて、それに伴い雨が降る割合が地球規模で広がるという考え方があります。詳しくはブログ宇宙万物の根源 をご覧ください。

P8240094.JPGコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京の雨水の透水・保水性は著しく低下しています。これから雨の増える気候の中で大自然の現象に立ち向かうのは、ハチドリクリキンディのたとえのような行動ではあるかもしれませんが、できる限り都市の透水性・保水性を高めてゆこうと思います。

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                 8月24日撮影

科学者はなぜ神を信じるのか 2020年08月07日

理論物理学者にしてカトリックの聖職者である三田一郎先生の著書「科学者はなぜ神を信じるのか」講談社ブルーバックスを再読しました。コペルニクスからホーキングまで自然法則と神との関係について様々なエピソードが語られています。

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その中でアインシュタインが神について語った話が面白かったのでご紹介します。「自分にとって神は謎だ。しかし、解けない謎ではない。自然法則を観測すれば、ただただ畏敬の念を抱くばかりだよ。法則にはその制定者がいるはずだが、どんな姿をしているのだろうか。」中略

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「新たな伝道者は、宇宙と同じほど深遠な考えを持った未来の科学者だ。彼らはいずれ詩やおとぎ話ではなく、数学的計算によって宇宙を支配する法則を発見することだろう。」中略

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「牧師さん、宇宙的宗教では、宇宙は自然法則に従って合理的であり、人はその法則を使ってともに創造すること以外に教義はない。私にとって神とは、ほかのすべての原因の根底にある、第一原因なんだ。何でも知るだけの力はあるがいまは何もわかっていないと悟ったとき、自分が無限の知恵の海岸の一粒の砂にすぎないと思ったとき、それが宗教者になったときだ。その意味で、私は熱心な修道士の一人だといえる。」

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三田先生ご自身は科学法則の創造者を「神」と定義されています。関連ブログ:西洋文化と伝統  科学と宗教の関係

今年の梅雨 2020年07月22日

昨年の関東地方の梅雨明けは7月24日でしたが今年の東京の梅雨明けは8月にずれ込む可能性もあるようです。今年は昨年と比べて雨の降る量が多いような気がします。浅草寺様の境内では、梅雨の合間を縫いながらのブミコン舗装が続いています。

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浅草寺様境内のブミコン舗装の延べ面積は約10,000㎡ですが、ブミコンが保水できる雨量はおよそ175㎥です。これは1時間当たり17.5mmの雨を保水する計算です。東京都の下水は1時間当たり50mmの雨水を排水できるので、ブミコンと合わせて約70mm/時の雨水を保水・排水できる仕組みですね。

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今年の梅雨は九州地方や中部地方で大雨による災害が発生しています。一方、海の向こうの中国では長江の河川流域で洪水による大規模な河川の氾濫が発生しているようです。中国の河川氾濫の映像を見ていると気象の異常性を感じます。

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中国を含め何故今年の梅雨は雨が多いのでしょうか?気温や雲の量など様々な要因が今年の東アジアの梅雨の気候配置を形成しているようです。地球を覆う雲の量が多くなってきた原因については以前ご紹介したブログ宇宙万物の根源をご参照ください。写真は隅田川の様子です。7月22日撮影

三佐和ブログ地球環境・都市環境編Ⅴがアップされました 2020年06月30日

2019年9月から2020年6月までの間で、地球環境・都市環境について語ったブログをまとめた「三佐和ブログ地球環境・都市環境編Ⅴ」がPDFにアップされました。ホームページの資料ダウンロードからもご覧いただけます。

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今回はブログの中で1961年と2017年の東京都の年間気温の変化を比較して、東京はこの56年の間に冬の気温が高くなったのに対して夏の気温は大きな変化がなかったことを説明しました。都市のヒートアイランド現象による気温の上昇の大きな要因は冬の気温の変化にあるようですね。

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また2018年から2019年にかけて大田区産業プラザPIOの芝生フィールドに設置された自然灌水システムお水番の年間灌水量が2508㍑であることが測定されました。平均して1㎡当たり3.8㍑/㎡日の水が1年を通して継続して灌水されました。これは土で芝生を育てるときの土壌の水分含有量の半分以下の水量です。

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そして1年を通してお水番からの灌水量を測定して、冬よりも夏の方が灌水量が多いことがわかりましたが、これには2つの大きな理由があるようです。一つは冬よりも夏の方が芝生からの水分蒸散量や、土・ガーデンクリートからの水分の蒸散量が増えるので、それに伴いお水番からの灌水量も増えたことです。それともう一つの大きな理由は水の粘度ではないかと思います。初夏にかけて気温が高くなるにつれて、お水番のタンクの水が急に減る事があります。これは気温の上昇に伴いタンクの水温も高くなるので、水の粘度が低くなり、バルブの止水弁から水が流れやすくなり灌水量が増えるからではないかということです。

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現場で自然を観察しながら不思議な現象を発見したり、それを数字に表す楽しみを教えてくれたのはアメリカの物理学者リチャード・ファインマン先生です。皆さんも街を歩きながら自然を観察する楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。

西洋文化と伝統 2020年06月12日

度々ブログで紹介するアメリカの物理学者リチャード ファインマンですが、今回は西洋文化と伝統について論じた一部をご紹介します。

「西洋文明は、二つの偉大な伝統を踏まえているように思われます。その一つは未知の世界に挑む冒険である科学的精神です。つまり未知の世界を探求するには、それが未知であるということを、まず認めてかからなくてはならないとする精神であり、どうしても答えが見つからない宇宙の秘密は、あくまでも謎として残すべきであるとし、すべてが不確かであると認める心の姿勢、つまり一言でいうなら知性の謙虚さです。」

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「偉大な伝統のもう一つは、キリスト教の倫理です。愛を実行し、人類をすべて兄弟として受け入れ、人間一人一人の価値を認める、その精神の基をなすこの倫理は、心の謙虚さといえるでしょう。(中略)西洋文化のこの二大伝統の柱が互いを恐れず、むしろ力を与え合って、ともにゆるぎなく立てるように支えてゆくための霊感を、僕らはどうすれば得ることができるのでしょう?これこそ僕たち人間が直面している、現代の中心課題ではないでしょうか」

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ファインマン先生は科学と宗教は対立するものではなく協力し合う関係にあることを望んでいるようですね。関連ブログ:「科学と宗教の関係

水の粘度の影響か? 2020年06月04日

PIOの野菜フィールドでは自然灌水システムお水番で灌水をしています。給水はタンクの水位が5cmを切ったらタンクを満水にする方法をとっています。

IMG_22614.jpgお水番は手動でバルブの止水弁の隙間の広さを加減して、水が水滴として流れるように調整しています。バルブを時計回りに回せば止水弁が締まり隙間が狭くなり、通り抜ける水滴は少なくなります。そして反時計回りに回せば止水弁の隙間は広がり通り抜ける水滴は増えます。

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冬から春、そして初夏にかけてお水番の灌水量は増えてゆきます。それは気温が高くなり植物からの水分蒸散水量が増えることが理由の一つです。また以前のブログで冬になるとお水番からの灌水量が減ることをお話ししましたが、その理由は気温が下がることで植物からの水分蒸散量が減るからだと説明しました。冬の灌水量

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しかしお水番からの灌水量が冬と夏で違うのには、もう一つ大きな理由があるのではないかと思います。それは水の粘度です。上の表をご覧ください。この表は今年2020年の2月の初めから6月初めまでのPIOの野菜フィールドのお水番のタンクの水の変化を記録したものです。この表で注目したいところは3月6日にタンクを満水にした水がなくなるのが4月25日までと30日かかり、そのあとも4月25日から5月15日まで20日かかったのに対して、5月15日に満水にしたタンクの水が5月18日に3日間でなくなりました。その後も満水にした水が5月23日までの5日でなくなりました。この間にバルブの止水弁を絞めたりする調整はしていません。

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上の表を見て2月の初めから5月の中旬まで、止水弁の隙間の調整はしていないにもかかわらず、5月の中旬に急に灌水量が激減した理由は水の粘度による影響ではないかと考えられます。今までタンクの水温は記録していなかったので、正確なことは言えませんが下の表を参考にすると、東京の2月の水温を10度と想定した時の水の粘度1.307、初夏5月の水温を20度と想定した時の水の粘度1.002とすると、2月と5月では水の粘度は0.305cP(mPa.s)の開きがみられます。この粘度の差が止水弁の隙間の広さを変えないにも関わらす、気温が上がることで隙間から流れる水量が増えた原因ではないかと思います。お風呂のお湯に水を足すと上の方が温かいのは、粘度や密度の高い水が下に沈み、粘度や密度の低いお湯が上の方に浮くからでしょうね。(水の粘度の表は 純水の粘度 アズワン・アカデミーコーナーを参考にしました。)

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5月23日からタンクを満水にしたときにバルブを少しずつ絞り始めました。5月30日にタンクを満水にしたときも、バルブを少し絞めて6月6日に水位を測定したところ9.5cmで、タンクからの減水量は以前よりも少なくなりました。

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6月6日からはもう少しバルブを閉めて水量を加減してみました。またタンクを満水にする前の水温も測定してみましたが24℃でした。これからはお水番のタンクに水を満水にするときには水温も記録してゆこうと思います。

Garden Cityの問題点 2020年05月29日

今回のCovid-19の蔓延を通して、私が都市緑化の手本としているGarden City Singaporeにも問題点があることがわかりました。それは植物のメンテナンスの継続方法です。そしてGarden City Singaporeを支えているのが、外人労働者による街路樹の剪定や雑草の刈込などのメンテナンスであることが改めてわかりました。コロナウイルスに感染したり隔離されたりして外人労働者による植物のメンテナンスが滞ることで、シンガポールの街では草が伸び放題になりつつある記事を見かけました。

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一年を通して20度以上の気温と降雨量に恵まれたシンガポールは植物たちが成長するのに都合の良い環境です。このような好環境にもかかわらずシンガポール建国の父Lee Kwan Yewが緑化運動を進める前の都市としてのシンガポールは、今のように緑豊かではありませんでした。1960年代に始まった都市化に伴いコンクリートジャングルとアスファルト砂漠が広がり始めたシンガポールに緑のオアシスを作ろうというMr.Leeの緑化運動は成功をおさめ今のGarden City そしてCity in the Gardenのシンガポールの街が形成されてきたのです。

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しかし都市で人間と植物が共生してゆくには、自然に任せて成長を続ける植物と人間の生活圏の接点のメンテナンスの継続が重要です。Lee Kwan Yew世代が築いてきたGarden City Singaporeを、次の世代がCiry in the Gardenとして引き継ぐためにも、都市の緑化を継続させてゆくためのメンテナンスに光を当てたシステムを構築したいと思います。写真 神宮の杜5月26日撮影 関連ブログ:Garden City からCity in the Gardenへ

根を養えば樹は自ら育つ 2020年05月05日

「根を養えば樹は自ら育つ」朝、散歩をしていたら家のそばのお寺の山門で見つけました。私の仕事のテーマを一言で現す素晴らしい言葉です。IMG_2122 (002).jpgコンクリートやアスファルトに覆われたヒートアイランド東京で軽石を石灰系固化材で固めた土壌代替基材ガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて様々な植物を育てて10年以上が経過しました。

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これまでの経験からヒートアイランド東京で植物を元気に育てるには、植物の根に水や空気を供給し続ける環境を作る事が必要であることがわかりました。

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ガーデンクリート植物栽培システムは、「根を養えば樹は自ら育つ」環境を作ります。

関連ブログ:植物植栽装置OASIS カスケードブロック お水番

科学と宗教の関係 2020年04月21日

アメリカの物理学者R.Pファインマンのエッセイを読んでいますが、心に響く文章を見つけました。「たとえばこの宇宙の大きさを考えてみますと、この僕らが乗っかっているケシ粒みたいにちっぽけな地球は、太陽のまわりをグルグル回っているわけですが、その太陽はこの銀河系の中にある何千億もの太陽のうちの一つにすぎず、おまけにこのような銀河系が、まだまだ何十億も散らばっているというのですから、まったく気の遠くなりそうなスケールです。(中略) さらに不変の法則に従って万物を構成している原子はどうでしょう。この世に原子なしに出来上がっているものなどはいっさいありません。つまり星も動物も全く同じ材料からできているわけですが、その同じ材料の非常に複雑な組み合わせによって、例えば人間のように不思議に生きているものが出来上がるのです。」

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「宇宙の歴史を通して見ますと、むしろ人類のいなかった時期の方が遥かに長く、現在ですら宇宙のほとんどが無人地帯です。そのような人間抜きの宇宙がどんなものか、人智を超えた宇宙を考えてみるのは何とも言えぬ壮大な冒険です。こうして客観的なものの見方が身につき、物質の神秘と壮大さを十分に悟ることが出来たら、その客観的な眼を今度はただの物質である人間に戻すのです。そしてこの深遠な宇宙の神秘の一部として生命を見直すのは、今まで描かれたためしのない、たぐい稀な経験となるでしょう。(中略)こうした科学的な世界観の行き着くところは、不確実さの深い淵に臨む畏怖と神秘です。」 科学と宗教の関係 聞かせてよ、ファインマンさん岩波現代文庫

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         関連ブログ:秘められた自然法則に対する畏怖 宇宙の広がり

3月の新宿御苑 2020年03月12日

3月に入り暖かい日が続き御苑の桜も咲き始めました。先日新聞を読んでいるとダイポールモード現象という言葉を目にしました。(日本経済新聞3月6日朝刊)今年の冬の日本の気候が暖かかった原因は、ダイポールモード現象で偏西風が蛇行して、本来であれば日本列島の北を通る偏西風が日本列島の南を通っているのが原因ではないかということです。今朝の御苑では桜が綺麗に咲いていました。桜の開花の標準木のソメイヨシノもあと数日で咲くみたいですね。

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私は昨年のブログで新宿御苑の桜の開花が早くなったのは、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドの出現が原因であると述べました。地表がアスファルトやコンクリートに覆われて都市の保水性が低下して冬の気温が高くなったことは確かだと思います。それに加えて大気の動きと海水温の変化が引き起こすダイポールモード現象という、スケールの大きな自然現象が新宿御苑の桜の開花を早めたのでしょうね。御苑の桜

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ヒートアイランド現象、ダイポールモード現象をはじめとして様々な自然現象が作用しながら我々が生活する地球環境を作り出しているのでしょうね。そして先のブログでもお話ししましたが、日本列島とそれを取り巻く海が作り出す地学的な要因が各地の気候風土を作り出しているようです。

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今年はコロナウイルスの影響で閉塞的な状況が続いていますが、少しでもみじかな自然と接する時間を作られてみてはいかがでしょうか。 新宿御苑3月12日撮影

東京の年間降水量 2020年03月10日

1981年から2010年までの東京の年間降水量の変化をグラフにしてみました。気象庁 過去のデータ検索参照

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1981年から2010年までに全国80の観測地点で観測された年間降水量の平均値を表にしてみました。(理科年表92冊参照)そしてこの数値をもとにして全国の年間降水量の平均値を計算したところ1943.7mmでした。全国80の観測地点のうちこの平均降水量を上回った観測地点は21か所ありました。また東京の年間降水量1528.8mmを上回った観測地点は41か所ありました。

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東京の年間降水量よりも低かった地域は北海道と太平洋沿岸の東北地方、熊谷、宇都宮、、長野、甲府などの内陸地方、京都、大阪、神戸、奈良、和歌山などの関西地方、そして岡山、徳島、高松、松山などの瀬戸内地方でした。

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一方で秋田、酒田、富山、金沢、鳥取、松江など日本海に面した地方の降水量は東京の年間降水量を超えていました。そして静岡、浜松、名古屋、津、尾鷲などの東京よりも南の太平洋沿岸地方も東京より降水量が多いようです。九州地方も東京よりも年間降水量が多いですね。また東京でも大島や八丈島、そして沖縄の那覇など周囲を海に囲まれた島嶼部も年間降水量が多いようです。

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今回は30年という時間軸と、日本全国という平面の中から東京の年間降水量を眺めて見ました。ちなみに日本全国の平均年間降水量1943.7mmは5.3mm/㎡・日、東京の年間降水量1528.8mmは4.2mm/㎡・日に換算されます。関連ブログ:毛細管現象と蒸散作用

毛細管現象と蒸散作用 2020年03月08日

先のブログでご説明した芝生からの水分の蒸散作用についてもう少しお話ししようと思います。ガーデンクリートと灌水クロスの上に土を2cmほど載せて芝生を育ていると、芝生が育っている周囲は土が濡れているのですが、芝生がない場所の表面の土がか乾くことがあるのです。

これは芝生の根が蒸散作用の働きで灌水クロスから水を吸い上げて葉に送るときに、濡れた根の周辺の土が毛細管現象の働きで湿るのに対して、芝生のない場所では芝生の蒸散作用が働かないので、土が乾くからだと思います。冬の間は芝生の表面に光があまり当たらないので芝生から蒸散する水量は少なく灌水タンクの水はあまり減りませんが、西洋芝は緑を保つために光合成をおこなうので少量の水分は必要とします。PIOのテラスの西洋芝3月6日撮影

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先のブログで紹介した水の循環に説明を加えると、芝生の葉から蒸散作用で空気中に蒸発した水分を補給するために、灌水タンクから毛細管現象の働きで灌水クロスを通して芝生の下の土とガーデンクリートに3.8㍑/㎡・日の水が伝わります。そして芝生の根がら蒸散作用の働きで4㍑/㎡・日の水が葉から蒸散するとともに根の周囲の土も毛細管現象の働きで濡れるという仕組みですね。

6100e5ae5dc271988b445be7ccb13a011e5fe582.png1気圧の大気中で植物が毛細管現象の働きで導管から水を吸い上げられる高さは10メートルほどだそうです。10m以上の高さの植物が水を吸い上げられる仕組みは植物の葉にある気孔から、蒸散作用を通して水分が蒸散することで、導管内の圧力が下がるので水分を上まで引っ張り上げることができるからだそうです。毛細管現象と蒸散の関係参照

自由な探求と発見の魂を教えること 2020年03月04日

自由な探求と発見の魂の価値を教えること。アメリカを築いてきた魂、そしてそのアメリカが建国の目的としてきた魂の価値を教えることだ。「アメリカにおける科学」講演用覚書ファインマン語録 アメリカの物理学者リチャード ファインマンの語録です。プラグマティズムの国アメリカらしい言葉ですね。

ガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて植物を育ていると自然と植物の間で交わされる様々な現象がわかってきます。それは一年を通して光、空気、水、そして土(ガーデンクリート)が植物にどのような影響を及ぼし、それに対して植物がどのように反応するかということですね。そして植物と自然現象との関係は数値で表すことができます。

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2018年の10月から2019年の10月にかけて大田区産業プラザPIOに設置された芝生フィールドで1年かけて自然灌水システムお水番で芝生に灌水した水量を計測しました。年間灌水量が2508㍑、一日当たりの灌水量が6.9㍑、1㎡当たり3.8㍑/㎡・日の灌水量でした。この数値に基づき東京の年間降水量と芝生からの水の蒸散量を組み合わせて水の循環を表したのが下の図です。芝生をめぐる水の循環参照

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           最近の芝生フィールドの西洋芝の様子 2020年2月28日撮影

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また真夏にコンクリートの表面と芝生の表面の温度を調べると日陰にもかかわらず20度以上の温度差が観察されます。その理由は保水されたガーデンクリートと芝生が光のエネルギーに反応して水を気体に相転移するために光のエネルギーを利用するからです。それに対して保水性のないコンクリートは水を気体に相転移できないので、光のエネルギーがコンクリート内部に蓄熱したり表面から反射させたりするのでしょうね。ヒートアイランドにオアシスを2

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芝生フィールドでお水番からガーデンクリートと土に供給される水分量は1㎡当たり一日3.8 ㍑でという数値が得られましたが、それは芝生が必要とする水量をお水番が毛細管現象の働きを利用しながら継続して供給しているということです。その結果、土中水分量が8%前後に保たれているのは芝生が作りだした現象です。ちなみに土中水分量が8%という数値は、土壌で西洋芝を育てるときの理想的な土中水分量15%から25%の半分以下の数値です。また芝生が水分の蒸散作用を利用して表面温度を30度前後に保つというのは、これが植物が地球環境に適応してゆくための限界温度なのではないでしょうか。

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現場で観察された現象を数値で現しながら自然を知ることはとても興味深く楽しいことです。写真は新宿御苑で見かけた雲の流れ。自然が作り出すアートは美しいですね。3月3日撮影

ヒートアイランドにオアシスを2 2020年02月04日

先のブログで「コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドに無数の緑のオアシスを作り人々が癒されるか空間をご提供することが当社の目的です。」と述べました。真夏、日陰でガーデンクリートと芝生を組み合わせて緑化した表面温度を測定すると日陰のコンクリートの表面温度より20度ほど低かったです。この表面の温度差が体感温度を下げることにつながります。風のガーデンの温度測定

2015年8月6日午後1時57分 外気温(日陰33度)、湿度56%の時、コンクリートの表面温度(日陰)は58.8度、芝生の表面温度(日陰)は32度でした。東京都文京区建物9Fテラスにて測定

IMG_1574.jpgコンクリートやアスファルトと芝生の表面温度に大きな差がみられるのは保水性の違いですね。コンクリートやアスファルトは太陽光のエネルギーを内部に蓄熱するのに対し、保水性のあるガーデンクリートの上に育つ芝生は太陽光のエネルギーを利用して、内部に保たれた水分を液相から気相に相転移(気化・蒸発)するので、芝生表面からの放射される熱はコンクリートやアスファルトよりも低くなる仕組みです。

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理科年表にみられる東京の気温は東京都千代田区大手町の気象庁(2014年からは近くの北の丸公園に移転)で計測されています。理科年表で採用されている東京の気温の測定方法は、世界(WMO)基準に準じた方法で芝生の上、地上1.5mの測定地点に百葉箱やファン付きの通風筒の中に入れた温度計で測定されているようです。以前のブログでもお話ししましたが1961年から2017年にかけての東京の8月の気温は25度から30度の間でほぼ横ばいに変化しています。何故冬の気温が高くなったのか?これは芝生の表面温度が液相から気相に変わるときに太陽からの光がエネルギーとして使われるので、年が変わっても気温に大きな差がみられないのではないでしょうか。それに対してコンクリートやアスファルトは保水性がないので、液相から気相へ変わることがなく、太陽光エネルギーはコンクリートやアスファルト内部に蓄熱されるので放射される熱も芝生よりも大きくなり、気温の上昇をもたらしてヒートアイランド現象を引き起こすと考えられます。

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ガーデンクリートとお水番を利用して緑化することでヒートアイランド全体の気温を下げることはできませんが、ヒートアイランドで生活する人々の身の回りの体感温度を下げることは可能です。ガーデンクリートはコンクリートやアスファルトの上にのせたり、施工するだけで保水性のある緑化基盤が作れます。自然灌水システムお水番と組み合わせることで無数の緑のオアシスを容易に人々の生活空間に作ることができるのです。

ヒートアイランドにオアシスを  2020年02月03日

地球温暖化を緩和するためにCo2をはじめとする温室効果ガスの排出を規制する運動が世界規模で行われています。その中で当社の製品開発のテーマはコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われた地表や壁面で植物を育てて保水率を高めヒートアイランド現象を緩和して体感温度を下げたり、植物と共生することで人々が癒される環境を身近に作ることです。そのためにヒートアイランド東京で、当社で開発した土壌代替機材ガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて、一年を通して様々な植物を育てる経験を積み重ねてきました。写真は浅草寺様の境内に設置されたフローラカスケードです。穴の開いたカスケードブロックと灌水システムの組み合わせで、ビオラやニチニチソウ、インパチェンスなどの花や、イチゴ、野菜、ハーブなどを丸5年かけて育ててきました。2020年2月3日撮影 関連ブログ:フローラカスケード

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これまでの活動を一言で表現すると「コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドにオアシスを」ということになります。私が想定しているオアシスとはヒートアイランド都市の中で生活をしている人々の身近に植物が育つ空間です。そのためにコンクリートやアスファルトの上で植物を育てるガーデンクリートを開発しました。ガーデンクリートは保水性と通気性に優れ性質が土に似ています。しかも固化しているので土のように飛散することなくコンクリートやアスファルトの上に植物が育つ空間ができます。IMG_0990 (002).jpgまたコンクリートやアスファルトの上で植物を育てるためには水の供給の継続性が求められます。そこで開発されたのが自然灌水システム「お水番」です。お水番の原理は毛細現象の働きを利用して植物の根に直接水を供給することです。ガーデンクリートと自然灌水システムお水番を組み合わせて、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドに無数の緑のオアシスを作り人々が癒されるか空間をご提供することが当社の目的です。関連ブログ:大田区産業プラザ6Fテラス

P2030022.JPGPIOのテラスに設置されたガーデンクリートとお水番の組み合わせで、試行錯誤を繰り返しながら西洋芝を10年以上にわたって育てています。2020年2月3日撮影

今年の冬は暖かい❕ 2020年01月15日

今年の東京は暖かい冬を迎えています。昨年の1月、新宿御苑の台湾閣の前では池の水が凍っていました。2019年1月8日撮影

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同じ場所から撮影した今年の写真を見るとご覧の通り池は凍っていません。2020年1月15日撮影

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ウエザーニュースに初氷の観測日を記録したグラフが載っていました。このグラフを見て驚いたのは東京では1920年代には11月の初旬に初氷がみられたようですね。1970年や80年にも11月の初めに初氷が観測されたようですが。その後、初氷の観測日が12月から1月に向かうようになったのは東京のヒートアイランド化が進んだからではないでしょうか?東京の都市空間のコンクリートの構造物やアスファルト舗装面が増えることで保水率が下がり、自動車や空調機からの排熱の増加などと複合してもたらすヒートアイランド現象の影響で東京の冬の平均気温が高くなり初氷の観測日が遅れるようになったと思います。202001140055_top_img_A.jpg以前のブログでもお話ししましたが、今日までの東京のの気温の変化は冬に大きくみられるようです。何故冬の気温が高くなったのか?もちろん1970年や80年の11月初めに初氷が見られたように地球規模による気候の変化に基づく影響も忘れてはいけませんが。今から7年前2013年1月14日の朝、東京は大雪に見舞われていました。JR山手線原宿駅の雪景色

thumbnail_IMG_0894.jpg冬の東京の気候に大きな影響を与えるのは冬のシベリア高気圧(冬将軍)の配置ですね。これから将軍様がどのような行動に出るのか気を付けて見てゆこうと思います。

若者を利用するな! 2019年12月17日

12月17日付の日本経済新聞にThe Economistを訳した記事が載っていました。見出しは「若者による創造的破壊に備えよ」です。内容の一部を紹介すると「エネルギー効率の良い鉄道を使わずCo2を大量に排出する飛行機を利用するのは恥ずべき行為だとする「飛び恥」運動やファストファッション(使い捨ての衣類)ボイコット、肉をまったく口にしない食生活など、一部の消費者が大企業と企業を規制する立場にある政治家に強い影響力を及ぼすようになっている。こうした若者の多くは欧米人で、裕福な家庭で育ち、十分に教育を受けており社会正義への意識が強い。」そうです。

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昔から欧米人にはこのような傾向がみられミンクのコートを着た女優が動物愛護を訴えたりしていました。肉を食べずに菜食をすることで若者は満足するのでしょうか?動物も植物も命を持っています。人間は自らの力でエネルギーを作り出すことができないので命ある植物たちが作り出したエネルギーを分けてもらいます。そしてコメ、麦、野菜を作るのにもCo2を含む大きなエネルギーが使われます。鉄道はエネルギー効率のよい移動手段かもしれませんが、鉄道を支えるために裾野では保線作業をはじめ多くのエネルギーが必要なのです。飛行機が移動するために線路は必要ありません。

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若者たちが懸念を表現する手段は今のところ「恥」の段階にとどまっているようです。しかし問題を掘り下げると、これらの若者たちは国や政治家、学者、企業、投資家たち大人に利用されていると思います。Co2の影響で地球温暖化が進み海面が上昇して南太平洋の島国が沈むのでしょうか?地球、そして宇宙を取り巻く自然の動きを人間の都合(エゴ)で解釈することは、その場はつくろえるかもしれませんが長くは続かないでしょう。

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大人が仕掛けたエゴの対立に純粋な若者たちが取り込まれることなく、自然法則に基づく科学的な知識を学ぶことで広い視野をはぐくみ、これからの地球で人を含む生命が共存してゆく道を模索してもらいたいですね。関連ブログ:仏の教えと科学の眼2 企業理念

12月のフローラカスケード 2019年12月12日

今日の東京は暖かい陽気です。浅草寺様境内のフローラカスケードも植物の植え替えのタイミングをつかむことができません。夏に植えたインパチェンスはネットで調べると熱帯アフリカ原産の常緑多年草(春蒔き一年草扱い)と紹介されていました。おそらく熱帯では多年草だが日本の気候では1年で命を終えるという説明なんでしょうね?フローラカスケードで育てているインパチェンスは花は盛りを過ぎ葉の色は褪せてきましたがましたが、葉や茎、根はまだ生きています。この状態で植え替えるのは忍び難く、もう少し様子を見ようと思います。

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夏に植えたミックスベジタブルの種はしっかり成長してフローラカスケードは野菜畑の様相を呈してきました。

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同じくミントやゼラニウム、ローズマリーなどのハーブも元気でこちらは立面で育つハーブガーデンです。

PC120125.JPGフローラカスケードは横90cm高さ30cm厚み6㎝のカスケードブロックを3段に重ね、最上部からドリップチューブで灌水する仕組みです。立面で育てるので植物たちへの日当たりはよく、カスケードブロックの穴に適時灌水される水と空気が植物の根にバランスよく供給され、花や野菜、ハーブなど様々な植物が一年を通し咲き続けます。

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それにしても今年の東京、そして日本の気候は一年を通して劇的に変動してきました。これから本格的な冬を迎えどのような気候になってゆくのか見守ってゆこうと思います。

PC120138.JPG                           12月12日撮影

一粒の麦 2019年12月04日

「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが死ねば、多くの実を結ぶ。」新約聖書に出てくる有名な言葉ですね。(ヨハネによる福音書)心に響く素晴らしい言葉です。しかし言葉尻を取らえて上げ足を取るつもりはありませんが、麦の種は生きて実を結ぶのです。西洋芝ベントグラスの種

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私は自分の力不足で自然の力に対処できずに芝生を枯らすことがあるのですが、そのようなときに種をまきしばらくして発芽する芝生の姿を見ると大きな喜びを感じます。種をまいて2週間ほどして発芽してきた芝生の様子。季節は6月上旬

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地球に生命が生まれてから35億年以上が経過しました。種の中にはこの長い歳月をかけて作られ、引き継がれてきた命の灯が宿っているのです。

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種は次の世代に命をつなぐ灯であるとともに、麦やコメのように我々にエネルギーを与えてくれる糧でもあります。我々は自らの力でエネルギー(炭水化物)を作り出せませんが、植物が光合成を通して作り出し、種に蓄えたエネルギーを分けてもらうことで命をつなぎます。写真はカスケードブロックで育てた稲です。関連ブログ:仏の教えと科学の眼 2

東京と札幌の8月の気候 2019年10月19日

東京オリンピック2020のマラソンなどの開催地が東京から札幌に代わりました。そこで東京と札幌の8月の気候について気温と湿度の数値を理科年表92冊から確認してみました。測定方法は先のブログでもお話ししましたが世界(WMO)基準に準じた方法で芝生の上、地上1.5mの測定地点に百葉箱やファン付きの通風筒の中に入れた温度計で測定されているようです。湿度計も同じ場所で計測されていると思います。ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化2

8月の東京札幌の気温と湿度.pngまた参考までに日本周辺のアジアの国々の8月の気温と相対湿度も調べてみました。アスリートが走る道はアスファルト等で舗装されているので、これらの数値以上の体感気候になると思います。

IMG_0477.jpg今から来年の8月の日本の気候を予測することはできませんが日本を始め日本に近い気候条件で暮らすアジアの国々のアスリートたちが活躍することを期待します。

芝生をめぐる水の循環 2019年10月11日

大田区産業プラザPIOに設置された芝生フィールドの10月11日までの灌水量がまとまりました。昨年の10月12日から今年の10月11日までの芝生フィールドの年間灌水量は2508㍑でした。1㎡当たりの灌水量は1393㍑です。一日当たり3.8リットル/㎡の灌水量です。ちなみに東京の年間降雨量は1528.8mmです。(理科年表第92冊)灌水量と降雨量を合計すると2921.8㍑です。1日当たりに換算すると8㍑/㎡になりますね。

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芝生からは1日当たりおよそ4㍑の水分が蒸散されるといわれています。年間合計は1460㍑。灌水量と降雨量の合計から蒸散量を引くと1461.8㍑で1日当たりに換算すると4㍑/㎡になります。これらの変化をまとめますと、下記のレイアウトのようになります。

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上のレイアウトを見て分かることは、芝生は雨水と灌水された水を吸収して,光合成で作られたエネルギーを利用して根や葉を作ります。また水分を体外に蒸散させることで体温を調整します。降雨量と灌水量を加え蒸散量を引いた芝生とガーデンクリートに保水される水分はおよそ4㍑/㎡になります。ガーデンクリートと土の厚みが約5cmなので1㎥あたりに換算するとおよそ80㍑です。これは1㎥当たり8%の水分量です。アメリカの芝草学者マイカ ウッズ博士によるとグリーンは自然排水した後、土壌に残る水分が1㎥当たり15%~25%となるのが望ましいそうです。お水番から灌水される水分量が芝生を育てるのに理想的な水分量の半分以下の8%であるということはお水番が、芝生が必要とするだけの水分量を継続して補給しているということですね。(USGA全米ゴルフ協会スペックより)(芝草科学とグリーンキーピング ゴルフダイジェスト社自然灌水システムお水番とガーデンクリートを組み合わせた芝生フィールドはベントグラスをはじめ植物を育てるのに理想的な環境を作ります。

夏の野菜フィールドの灌水量の変化について 2019年09月24日

先のブログで今年の夏の野菜フィールドの灌水量は梅雨の間約210リットルあったものが65リットルに減少したことをお話ししました。夏の灌水量の変化と今後の課題再び夏の灌水量の変化をまとめた表をご覧ください。

灌水量の変化 2019夏.png

夏の間に野菜フィールドの灌水量が減った大きな理由は二つあります。一つは梅雨の間、成長期を迎えたナス、ピーマン、キュウリ等の夏野菜が8月に入り成長のピークを越えて、それに伴い葉からの水分蒸散量や、実を作るために使う水分量が減ってきたことでしょうね。下の写真をご覧ください。上の写真が成長旺盛な梅雨の時期に撮影した野菜フィールドの写真です。(7月15日撮影)そして下の写真が夏野菜の成長がピーク越えた野菜フィールドの撮影です。9月16日撮影

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もう一つの理由は夏の間,野菜フィールドでは手まき散水が行われていて、それに伴いお水番からの灌水量が減ったのではないかと思います。なぜ手まき散水を行ったのでしょうか?それは継続してキュウリ、ナス、ピーマンなどの夏野菜の実を成らせながら育てるためです。今年の野菜フィールドは選んだ苗も良かったせいかと思いますが、梅雨の成長期からキュウリやナスが大きな実をつけました。8月に入っても手まき灌水を加えることで、ナスやキュウリの実が成り続けました。8月26日撮影

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お水番は植物が光合成や蒸散作用を通して植物が生きてゆくのに必要最小限の水を植物に灌水しますが、実を成らせ続けるためには人による野菜の観察と、それに応じて手まき散水を続けることでより安定した効果が生み出せるようですね。お彼岸も過ぎて野菜フィールドではこれから秋から冬にかけて何を育てるか検討を始めようと思います。

夏の灌水量の変化と今後の課題 2019年09月23日

先のブログで大田区産業プラザPIOの芝生フィールドと野菜フィールドの灌水量の変化について夏が終わったころご報告しますとお伝えしました。お水番の灌水量の変化と環境の変化の関係について

そこで秋分の日の今日までの灌水量の変化を表にまとめましたのでご覧ください。

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梅雨の32日の間わずか12リットルであった芝生フィールドは夏の灌水量が87リットルになりました。しかし梅雨の間約210リットルもあった野菜フィールドの灌水量は64.5リットルと大幅に減少しました。その理由についてご説明いたします。まず芝生フィールドの芝ですが、今年の東京は太陽が雲に隠れ雨の続いた梅雨が終わったとたんに30度以上の気温の真夏日が続きました。さすがの芝も気温の急な変化についてゆくことが出来ず、弱って枯れました。その後種をまきようやく面積の70~80パーセントほどが復活してきました。現在の芝生フィールド9月23日撮影

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芝生フィールドでは西洋芝ベントグラスを育てています。先のブログでもご説明しましたがベントグラスの生育に最適な気温は15度から25度ぐらいといわれています。ヒートアイランド東京の夏2今年の東京の夏の気温は夜でも25度を超える日が続きました。気温が25度を超えるということは芝生の根を支えている地温も25度を超えるということですね。ベントグラスの根にとり25度を超える環境は生存するのに危険です。日中の気温が40度を超えるアリゾナ砂漠でもベント芝が育つのは、夜間の気温が25度を下回るからと言われています。PIOの外気温28.1度 9月23日午前9時30分

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ここにきてPIOの芝生フィールドの外気温は30度を下回り水温も25度を下回るようになってきました。それにつれて芝生の根も元気になってきたようです。お水番の灌水量も急に増えてきました。お水番のタンクの水温23.2度 9月23日午前9時30分

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今後の課題として気温が25度を上回る夏の間は、芝生の根を包むお水番の緑化基盤の温度が25度を下回りる技術を確立したいと思います。幸いPIOのある大田区の町工場には、好奇心と技術力に優れた匠がいらっしゃるので相談してみようと思います。野菜フィールドの灌水量の変化につきましては次回のブログでご説明いたします。

ヒートアイランドにオアシスを フロントページのデザインが更新されました 2019年09月19日

ヒートアイランドにオアシスを」をテーマにして活動を続けていますが、今年の東京は梅雨が明けたらすぐ真夏日の連続という厳しい夏を迎えました。そこで国立天文台が編集している理科年表を使って東京の過去の気温の変化を調べてみたところ意外な結果に驚きました。1961年から2017年までの東京の気温の変化をグラフにしてみたところ、冬の気温は高くなりましたが夏の気温はあまり大きな変化が見られませんでした。

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私なりにその理由を考えてみたのですが、一つは人間が作り出すエネルギーと太陽が作り出すエネルギーに大きな差があるという事ではないでしょうか。太陽から離れて気温が低い冬の間は、ヒートアイランド東京が作りだすエネルギーが年とともに増えてゆくことで、気温が高くなりましたが、太陽が近づく夏の間は、そのエネルギーが人間が作り出すヒートアイランドのエネルギーよりも、とてつもなく強い事で気温に大きな変化が見られないのではないかと思います。

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もう一つは、東京の気温が皇居のそばの気象庁や北の丸公園といった、都内では木々の多い自然に恵まれた中の、芝生の地表から1.5m離れた百葉箱や通風筒の中で測定されていることも過去56年の間に気温の大きな変化をもたらさなかった一因ではないかと思います。芝生の表面とコンクリートの表面では真夏の暑さの中では20度以上の温度差がみられます。

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コンクリートジャングルとスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京で、強烈な真夏の太陽エネルギーに対処するには、都市の様々な場所を緑化したり、透水性舗装面を増やして保水性を高めることで、人が体感する温度を下げる事ではないでしょうか。「ブミコンとガーデンクリートで保水性を高めて都市に潤いを与えます」。これが当社の目標です。

関連ブログ:何故冬の気温が高くなったのか?

ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化 ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化2

何故冬の気温が高くなったのか? 2019年09月14日

先のブログで1961年から2017年の気温の変化についてご説明してきましたが、その中で気になったことは1961年の1月、2月の気温が2017年と比べて低く、9月から11月にかけての気温が1961年よりも2017年の方が低いことです。7月、8月の気温は1961年も2017年もあまり変わらないようですね。

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2017年の9月から11月にかけての気温が低いのは、2014年から気温の測定地が気象庁から北の丸公園に移ったことによることが原因であることが新聞報道で説明されていました。それでは1961年の1月、2月の気温が最近の気温と比べて低いのはなぜでしょうか?確かに子供のころ、私が住んでいた新宿区大久保でも冬になると空き地に霜柱が立つのを良く見かけました。その後、東京の都市化がより進むことで冬の気温が高くなったのではないでしょうか?人間が作りだす都市化によるヒートアイランド現象の影響は気温の低い冬に見られるようですね。

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それに対して1961年から2017までの8月の気温の変化にあまり大きな差がみられないのはなぜでしょう?先のブログでもお話ししましたが、太陽を中心とした自然が都市環境に与える影響が、人間が作りだすヒートアイランド現象よりも圧倒的に大きいことが下のグラフから見られるような気がします。

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ヒートアイランド現象を56年にわたる東京の気温の変化を見ながら考えたことは、東京はすでに1961年当時から、人、車、建物、舗装などが原因のヒートアイランド現象がみられ、その後、その影響がさらに大きなったことで冬の気温は高くなる一方、夏の気温にあまり大きな変化が見られないのは、太陽エネルギーの影響が都市のヒートアイランド現象を作りだすエネルギーをはるかに超えて大きいということではないでしょうか?

ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化 2 2019年09月11日

今回は1961年から2017年までの東京の気温の月別の変化についてご説明いたします。まず1961年から2017年までの月別の気温の変化の平均値のグラフ、1961年の月別気温の変化、そして2017年の月別気温の変化のグラフをご覧ください。

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次に1961年と2017年の月別気温変化のグラフをご覧ください。1961年と1月、2月の気温が低いことがわかります。

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次に1961年と961年から2017年までの月別の気温の変化の平均値のグラフをご覧ください。

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次に2017年と961年から2017年までの月別の気温の変化の平均値のグラフをご覧ください。2017年の秋以降の気温が低いようですが、2014年以降、気温の観測場所を大手町から北の丸公園に移したことが一つの要因のようです。日本経済新聞2014年10月3日参照

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1961年というと私が小学二年生のころです。私が生まれ育った新宿区大久保では、職安通りや明治通り周辺にまだ空き地(原っぱ)がありそこで野球などして遊んでいました。当時の東京は1964年の東京オリンピックに向けて都市の大改造が行われているさなかで、その後、高度成長と共に東京は都市化が進んでいきました。写真は2020年東京オリンピック会場の新国立競技場

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都市化の途中の東京の気温と都市化が進んだ東京の気温を比べてみて、大きな気温差がないという原因はどこにあるのでしょうか?一つは気温の測定方法にある気がします。理科年表で採用されている東京の気温の測定方法は、世界(WMO)基準に準じた方法で芝生の上、地上1.5mの測定地点に百葉箱やファン付きの通風筒の中に入れた温度計で測定されているようです。測定場所は1964年から2014年までが大手町の気象庁の敷地内、それ以降が900メートルほど離れた北の丸公園内の観測地点のようですね。写真はヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑のポプラ並木。夏でも木陰の体感温度は低いです。

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自然により近い環境で測定された気温は、アスファルトやコンクリートの上で測定された気温とは大きな差が出ます。私は以前、8月の始めの午後2時に日陰の状態でコンクリート表面と芝生の表面で温度を測定したことがありますが、コンクリートと芝生の表面温度差は20度以上ありました。風のガーデンの温度測定

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1961年から2017年までの気温の変化を見て、自然に近い環境設定をした東京の測定地点での気温は、冬の気温は上がりましたが夏の気温は大きな変化が見られないようです。そして測定地点が変わり秋の測定気温が低くなったようですね。56年にわたる東京の都市化の影響で、コンクリートやアスファルトに覆われた場所での気温測定値は高くなりましたが、自然に近い環境設定の基では東京の夏の気温に大きな変化が見られません。それは人間が作りだす都市環境への影響に比べて、太陽を中心とした自然が都市環境に与える影響力がとても大きいということかもしれませんね。しかしながら風のガーデンの温度測定でも見られるように、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京に緑のオアシスを作ることで、そこで人が体感できる温度を下げることは可能です。

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コンクリートのベランダの上に3㎝厚みのガーデンクリートと灌水システムを組み合わせた緑化基盤の上では真夏でも様々な植物が元気に育ちます。関連ブログ:都市の温暖化と地球の温暖化

ヒートアイランド東京の気温 過去56年の気温の変化 2019年09月10日

先のブログで過去40年間の東京の気温の変化についてお話ししましたが、今回はさらに観測年次をさかのぼり過去56年にわたる東京の気温の変化につきましてグラフをご覧いただきたいと思います。まず1961年から2017年までの平均気温の変化のグラフです。(1961年から2017年まで)理科年表第76冊、第92冊参照)

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次に各月別の気温の変化のグラフをご覧ください。冬と夏では気温の変化に違いがあることがわかりますね。

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皆さんはこのグラフを見てどのような印象を受けられたでしょうか?私は冬(12月、1月、2月)の温度が56年間で上昇したのに対して夏(6月、7月、8月、9月)の温度変化が56年前とあまり変わっていないような気がしました。詳しいことは次のブログでお話させていただきます。

ヒートアイランド東京の気温 過去40年の気温の変化 2019年08月30日

理科年表第92冊を見ると東京の1978年から2017年までの40年にわたる気温の変化がわかります。理科年表では数値で記録されていますが、グラフにするととても面白いことに気がつきます。今日はこの変化をグラフにまとめてお話ししたいと思います。

          1978年から2017年までの年平均気温の変化

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        1978年から2017年までの冬(12月、1月、2月)の気温の変化

東京気温12月.png

東京気温1月.png

東京気温2月.png      1978年から2017年までの夏(6月、7月、8月、9月)の気温の変化

東京気温6月.png

東京気温7月.png

東京気温8月.png

東京気温9月.png

このグラフを見て思ったことは、冬の気温変化の差が夏の気温変化に比べて大きいということです。そして過去40年の間に冬の気温は少しづつ上昇しているようですね。それに比べて夏の気温は過去40年の間にそれほど大きな上昇は見られません。

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この数値は東京に住む私にとり意外な感じがします。東京という1000万人の人口が生活する世界でも有数のヒートアイランドの夏の気温の変化が40年前とそれほど大きくないということは、コンクリートジャングルやアスファルト砂漠に覆われ、クーラーの室外機からの廃熱や多くの車が行き交うヒートランド東京の夏の素地はすでに40年前には出来上がっていたのでしょうか?

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1978年から2017年までの東京の気温の変化の大きな要因は、夏の気温の変化よりも冬の気温の変化が関連しているような気がします。特に2月の気温は年が経つにつれて高くなっているようですね。私個人としては、冬でもやや暖かいヒートアイランド東京の気候のほうがありがたいですが?

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それと少し気になるのは2014年以降、東京の年間を通しての平均気温が下降始めていることです。皆さんも、この過去40年にわたる東京の気温の変化を見てお気づきになったことをいろいろ考えると面白いと思います。関連ブログ:都市の温暖化と地球の温暖化

ヒートアイランド体感指数 2019年08月27日

先のブログで東京、シンガポールの月ごとの降水量を月ごとの気温合計で割り100をかけた数値について表とグラフでご説明しました。今回はこの数値をヒートアイランド体感指数という言葉に置きかえてご説明しようと思います。東京でヒートアイランドの暑さを感じるのは6月中旬から9月の中旬にかけてですが、グラフで見るとこの季節はヒートアイランド体感指数が気温よりも下回る期間でもあります。

東京HI体感グラフ.png

次にシンガポール、ニューデリーのヒートアイランド体感指数についてご説明いたします。まずシンガポールですが、ここは一年を通して滞在した経験があるので私が体感した気候についてお話することが出来ると思います。シンガポールのグラフを見ると2月から11月までの間がヒートアイランド体感指数が気温よりも下回る期間になります。シンガポールは11月か2月にかけて雨季を迎え気温もやや涼しく過ごしやすくなりますが、それ以外の季節は東京の夏とあまり変わらないような気がしました。

シンガポールHI体感グラフ.png

シンガポールは街中が緑に覆われているので8月ごろ東京からシンガポールに行くと東京の方が体感的に暑いような気がしました。また東京は夏とそれ以外の季節の温度差がシンガポールよりも大きいので、夏のヒートアイランドの体感が高いのかもしれませんね。熱帯に位置するシンガポールの空気は湿度が高くポッテリとした感じです。 アラブストリートの街並み

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次にニューデリーのヒートアイランド体感指数についてお話ししますと、こちらは一年を通してヒートアイランド体感指数が気温よりも下回っています。私は3月の初旬に訪れたのでそれほど気温が高いとは感じませんでしたが、空気が乾燥していることを体感しました。ニューデリーはグラフで見ると4月、5月ごろが特に乾燥していることがわかります。

ニューデリーHI体感グラフ.png

私が訪れた3月のニューデリーは気候もまだ穏やかで、日本のどこかの高原にでも来たような感じでしたが5月から8月にかけての暑さは強烈ですね。インドに行かれた方から飛んでいる鳥が落ちてくるような暑さだというお話しを伺いなるほどと思いました。中央アジア高原の入り口に位置するデリーの空気は、埃っぽいですが乾燥していてサラッとした感じがしました。ニューデリーの街並み

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今年の東京は梅雨が明けていきなり30度を超える日が続きました。このような厳しい環境で木立の下や、地表に植えられた芝生などの植物がある場所とコンクリートやアスファルトだけの場所では体感温度がかなり違うことを感じたました。ヒートアイランド東京の様々な場所に手軽に緑のオアシスを作り、涼しさを体感できる環境を作ることがことが私の仕事です。関連ブログ:風のガーデンの温度測定

ヒートアイランド東京の夏3 2019年08月21日

今回は東京とシンガポールの気候を比べてみようと思います。先のブログでもご紹介した、東京の月ごとの降水量を月ごとの気温の合計で割り100をかけた表とグラフと、同じ方法で計算したシンガポールの表とグラフをご覧ください。

                    東京

東京の降水量月合計÷気温月合計.png

東京ヒートアイランドグラフ.png

                   シンガポール

シンガポール 降雨量÷月合計温度.png

シンガポール ヒートアイランドグラフ.png

上の二つの表とグラフを比較して気がついたことは、降水量を気温の月ごとの計で割った数値が気温よりも下回った期間を体感的ヒートアイランドという言葉で現すと、東京の体感的ヒートアイランドの季節は6月中旬から9月中旬までの3か月間、シンガポールの体感的ヒートアイランドの季節は2月から11月までの10か月間ということになりますね。

P1450443.jpgそしてこの体感的ヒートアイランドの季節は、東京における寒地型芝草のGrowth Potentialが低下する季節でもあります。芝生とヒトでは大きな違いがありますが、東京に暮らすものとして6月中旬から9月中旬までの東京の夏は気温と湿度が高く体力も消耗することを体感します。

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「ヒートアイランドにオアシスを」をテーマとしている私にとり、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドで手軽に植物が良く育つ環境を作ること。植物を育てることでヒートアイランドの保水率を高める事。そして植物の蒸散活動を通してヒートアイランドの体感的な温度を下げて、人々により快適な環境を提供することが活動の目的です。

P1450423.jpg私が生活している東京は冬と夏の温度差が大きく、寒地型芝草と暖地型芝草の比較でご説明したように、夏と冬では育てる植物を選ぶ工夫が必要です。また一年を通して温度差のあまりないシンガポールのような熱帯地方では、一年を通して同じ植物を育てることで緑が保てると思います。温度差の大きな東京の環境も、気温の高いシンガポールの環境も、その環境に適した植物を選び、その環境に適した灌水量を計画することで、ヒートアイランドをオアシスに変えることができるのです。

ヒートアイランド東京の夏2 2019年08月19日

先のブログで東京の気温の変化と降水量の変化に関連した数値(降水量/気温)についてご説明しましたが、今日はこれと関連して東京における芝生の成長と気温の関係についてお話ししたいと思います。

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私は以前アメリカの芝草学博士マイカ ウッズ先生が講演されたターフ・サイエンス・セミナーに参加して芝生の成長能力と気温の関係について関連付けたGrowth Potential(成長能)を学んだことがありました。この考え方に基づいて東京における寒冷地型芝草のGP(Growth Potential)を計算しました。下記の表とグラフをご参照ください。

GP東京寒冷地型芝草.png

          寒冷地型芝草のGrowth Potentialのグラフ

東京のGPグラフ.png

この東京の寒冷地型芝草のGrowth Potentialのグラフを見て、東京の降水量を気温で割ったグラフに似ていることに気が付きました。どちらのグラフも春と秋の数値が高く夏の数値が低いのです。

            東京の降水量を気温で割ったグラフ

東京の降水量÷気温.グラフ.png

寒冷地型芝草は、一年を通して光合成を続けエネルギーを作ります。寒冷地型芝草の生育最適気温は20℃(15度から24℃の間)といわれています。気温が20度前後で、降水量を気温で割った数値が高い春と秋は、寒冷地型芝草にとって成長に適した環境なので、Growth Potentialの数値も高くなるのでしょうね。そして気温の高い夏を迎えると、暑さから体温を整えるために芝生の蒸散作用等に使用するエネルギーが増えることで、芝生の成長に回すエネルギーが減るのではないでしょうか?

          暖地型芝草のGrowth Potentialのグラフ

東京暖地型芝草GPグラフ.png

一方で暖地型芝草の生育最適気温は30℃(27℃から35度の間)といわれています。平均気温が27度を上回る東京の夏は暖地型芝草が大きく伸びる季節です。暖地型芝草はGrowth Potentialの高い夏の間にエネルギーを蓄えて、冬になると休眠を迎え夏の間に蓄えたエネルギーを消費しながら生命を保ちます。休眠の間は光合成も行わないので、太陽光を取り込むための葉緑素が不要になり葉が枯れるのでしょうね。

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寒冷地型芝草は暖地型芝草のようにエネルギーを蓄えることができないので、冬の間も光合成を続け生命を保つエネルギーを作ります。そのために太陽光を取り込む葉緑素が必要なので冬の間も葉は緑色をしているのですね。

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新宿御苑の暖地型芝草は夏の暑さの中でも元気に育ち、美しい緑色を保っています。8月6日撮影

ヒートアイランド東京の夏 2019年08月17日

先のブログで「東京の月ごとの降水量を月ごとの気温の合計で割ると、夏の数値が一番低くなります。」と述べました。お水番の灌水量の変化と環境の変化の関係について このことについてもう少し詳しくお話しようと思います。まず下記の表とグラフをご覧ください。

東京の降水量月合計÷気温月合計.png

東京の降水量と温度変化グラフ.png東京の月ごとの降水量を月ごとの気温の合計で割った数値の傾向は緑色のグラフで現わされています。このグラフを見ると3月と10月の数値が高く7月から8月にかけての数値が低いことがわかります。緑色のグラフと水色の気温のグラフを比べてみると、7月から8月にかけての間は、緑色のグラフの数値が気温を下回っていることがわかります。

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少し荒っぽい考え方かもしれませんが、降水量を気温で割った数値は水が空気中に蒸散してゆく数値に関係しているのではないでしょうか?気温が夏より低く降水量が冬よりも多い春や秋の数値が高く、降水量は多いが気温も高い夏の数値が低いことが表やグラフから読み取れます。降水量が多くても、数値が低いということは太陽エネルギーのスケールの大きさが降水量を遥かにしのいでいるということですね。

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上のグラフを見ると7月から8月にかけての間は、水の蒸散量に関連する数値が気温よりも下回っています。水が大気中に蒸散するとき、気化熱の働きで地表の温度が下がるのですが、気温が蒸散効果よりも上回るということは降水量だけでは地表を冷却できないことにつながりそうです。

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特にコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われて地表の保水力が落ち込んでいるヒートアイランド東京の夏は、厳しい暑さに見舞われますね。そこで、保水力が低下したヒートアイランド東京の暑さを補うために植物による蒸散作用の効果が見込まれるのです。植物とヒートアイランド東京の関係につきましては次回のブログでご説明させていただきます。

お水番の灌水量の変化と環境の変化との関係について 2019年08月14日

梅雨の間,灌水量がほぼストップしたPIOの芝生フィールドも梅雨が明けるとともに再び灌水量の変化がみられるようになりました。夏の気候の中で芝生フィールドの灌水量がどのように変化してゆくのか観察中です。結果につきましては夏が終わったころご報告します。そこで今日は、芝生フィールドの灌水量の変化と周囲の環境の変化との関係についてお話しようと思います。下の表は昨年の10月から今年の7月までの灌水量の変化をまとめたものです。

灌水量の変化.png

まず芝生フィールドの灌水量の変化と、東京の降水量の変化の関係についてご説明します。下記の表は昨年の10月から今年の6月までの1日当たりの芝生フィールドの灌水量と東京の降水量を比較したものです。表をよく見ると季節ごとに変化するお水番からの灌水量の変化と、東京の降水量の変化に相関関係があるような気がします。灌水量とは植物が水分を吸収して体外に蒸散させたり光合成で使用するための水量です。光合成で使用される水分は、植物が吸収する水分の2から3パーセント前後と低い数値です。植物が根から吸収した水分の多くは、植物の体内に保たれたり、葉から蒸散されてゆきます。また植物の根を覆う土にも、お水番からの水が毛細管現象の働きで伝わり、土から空気中に蒸散してゆきます。気温が低い時はお水番からの灌水量も、降水量も少なく、気温が高くなるにつれて灌水量も降水量も多くなります。芝生や土に灌水された水が大気中に蒸散され再び降水する水の循環が、灌水量と降雨量に関連性をもたらせているようですね。

芝生の灌水量と東京の降水量の比較.png次に芝生フィールドの灌水量の変化と、東京の気温の変化について面白いことに気がついたのでご説明します。それは季節の灌水量をその季節の気温で割った数値と灌水量との関係です。例えば2018年の10月から12月までの灌水量の合計を、その期間の平均温度の合計で割ると1㎡当たりの数値は0.35になります。そしてその期間の平均灌水量は4.5ℓ/㎡・日です。また2019年6月の灌水量の合計を平均温度の合計で割った数値が0.34で、その期間の平均灌水量は6.6ℓ/㎡・日でした。

気温の変化に対する芝生への灌水量について.png

灌水量を気温で割るということは、芝生からの水分蒸散量の変化につながります。芝生への灌水量と芝生からの水分蒸散量は、季節の気温の変化に応じながら変化する関係にあるのではないかと考えられます。気温が高くなるにつれて芝生の蒸散作用も活発になり、それにつれて灌水量も増える。そして気温が下がると芝生の蒸散作用も下がり、灌水量も減る。付け加えると、東京の月ごとの降水量を同じく月ごとの気温で割ると、夏の数値が一番低くなります。この現象も芝生への灌水量が増える要因ですね。そして自然灌水システム「お水番」は、常に一定の水量を灌水パイプに貯留することで、芝生からの蒸散作用が活発な時は根からの水分吸収量が増えるので灌水量が増え、蒸散作用が活発でないときは、根からの水分吸収量も減るので、パイプ内の水の貯留量にあまり変化が見られなくなる仕組みです。東京の気温と降水量は理科年表第85冊の数値を参考にしました。 関連ブログ:植物の都合に合わせた自然灌水システム「お水番」

木は主として空気からできています! 2019年08月06日

太陽が見えず雨の日が続いた梅雨が明けた東京は、いきなり猛暑日の連続という激しい気候の変化に見舞われました。その中で風のガーデンの植物たちはしっかりと夏の気候に対応しているようです。

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アメリカの物理学者リチャード ファインマンの語録を読んでいるのですが、その中で植物に関する大変面白い記述がありましたのでご紹介いたします。ファインマン語録 ミシェルファインマン編   大貫昌子訳 岩波書店

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木は主として空気からできています。そして燃やすとまた空気へ戻っていきますが、燃え上がる炎から出る熱の中には、空気を木に変えるとき結合された太陽の炎の熱が発散される。そして残った灰は、空気に由来しないごくわずかの部分、つまり個体地球から来た部分の残りかすだというわけです。1966年4月「科学とは何か」

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植物は葉の気孔を通して空気中から二酸化炭素Co2を取り入れ、根から水分を吸い上げ、太陽エネルギーを利用して光合成をおこない炭水化物(エネルギー)を作り出し酸素O2を空気中に放出します。そして炭水化物のエネルギーを利用して木の主要成分であるセルロースなどを形成します。

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ファインマン先生は、植物が燃えて熱を発するときに、光合成で植物の体を作るのに利用された太陽エネルギーが空気中に発散されるということをおっしゃりたいようです。エネルギー保存の法則ですね。

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「木は主として空気からできている。」植物の構造を一言で表現する名言です。風のガーデンでは野イチゴが可愛らしい実をつけていました。8月6日撮影

植物が必要とする灌水量 2019年07月03日

東京都大田区南蒲田にあります大田区産業プラザPIOのテラス6Fに設置された、お水番方式の灌水システムによる芝生フィールド、野菜フィールドの灌水量はここに来て大きな差が出始めました。

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システムの説明ですが、芝生フィールドでは1.8㎡のフィールドに3cm厚みのガーデンクリート緑化ブロックを敷き約2cm厚みの土の上にベント芝の種を蒔いて芝生を育てています。灌水方式は約240㍑の灌水タンクに貯留された水をタイマーでコントロールしながら、灌水パイプと灌水クロスを組み合わせながら灌水します。

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野菜フィールドでは0.9㎡のフィールドを、芝生フィールドと同じく3cm厚みの緑化ブロックを敷き3cmから9cm前後の厚みの土の上で、ナス、ピーマン、キュウリ、枝豆などの野菜を育てています。灌水方式は約63㍑の灌水タンクからバルブで水量を調整した水を灌水パイプと灌水クロスを組み合わせて灌水しています。

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先月6月24日に芝生フィールドと野菜フィールドのタンクを満水にして10日が経過した今朝の芝生フィールドの灌水タンクは減水していませんでした。その間、野菜フィールドでは63㍑の水が減水しました。芝生フィールドでは冬の間、月に一度タンクの水を満水にしました。同じ時期、野菜フィールドでは満水にしたタンクの水を4か月半にわたり利用しました。そして5月の連休ごろから芝生フィールドでは3週間に一度、野菜フィールドでは2週間に一度の割合で灌水タンクを満水にしました。 (下の写真は今朝の芝生フィールドの灌水タンク。)

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しかし6月24日以降、芝生フィールドのタンクの水は減水しない一方で、野菜フィールドでは1週間に一度タンクの水を満水にしています。なぜ芝生フィールドの灌水タンクの水は減らないのでしょうか?理由はいくつか考えられます。その一つは季節が梅雨で雨量が多く湿度が高かいからではないかと思います。気象庁の観測データによりますと大田区羽田の降水量はこの10日間で47mm,1日当たり4.7mm)の降水量です。(気象庁データ)

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もう一つの理由は、ここに来て野菜フィールドのナスやキュウリが大きくなってきたことです。キュウリは2メートル以上の高さまで成長して大きな実を付けました。2メートルの高さまで伸びるということは水もその高さまで吸い上げなければならないということですね。そのためにもキュウリはエネルギーを使います。光合成でエネルギーを作る活動も活発になってきているのでしょうね。そして光合成でも水分を必要とします。

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ナスも葉が大きくなるとともに大きな実を付けました。植物は生命を維持するために水分を体内に保ち、体温を調整するために水分を体外に蒸散したりします。直射日光が強く湿度の低い初夏の気候では葉の面積が全体的に広いベントグラスからの水分蒸散量が多く芝生フィールドの灌水量も多くなるのですが、湿度が高くなると芝生からの蒸散量も、乾燥時よりも減り、梅雨で降雨量も増えるので灌水タンクの水も減らないのでしょうね。

P1440935.JPG一方、このひと月の間にツルが伸びて葉が大きくなったキュウリやナスは、光合成と併せて成長に必要な水分を大量に消費としたために灌水タンクの減水量も大きくなったのだと思います。以上の結果をまとめると、お水番方式の灌水システムは、自然法則に従いながら変化する環境の中で、気候や植物の成長に合わせて植物が必要とする水量を供給できるシステムであると言うことです。7月3日撮影

秘められた自然法則に対する畏怖 2019年06月29日

アメリカの物理学者R.Pファインマンの回顧録「御冗談でしょう、ファインマンさん」(大貫昌子訳 岩波現代文庫)を読みました。その中でファインマン先生が自然法則について語った素晴らしい文章があったのでご紹介します。

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言うなればこの世界の美しさに対する感動を、なんとか表現したいと思っていたのだ。感動だからなかなかうまく説明できないが、全宇宙を司どる神に対する宗教感情に似たものといえるかもしれない。この世界で外観も性質もぜんぜん異なったものが、実はその「背後」では同じ組織、同じ物理的法則に支えられているのだということを考えるとき、人間が感じるあの気持ちも宗教感情に一脈通じるものがある。

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それは自然の数学的美というもの、言いかえれば内側で自然がどのように働いているかを味わうことであり、僕らが目のあたりにしている自然現象というものは、実は原子同士の複雑な内的活動の結果なのだということを悟ることでもある。そしてそれがどんなに劇的で、どんなに素晴らしいことかを感じ取ることだ。それはほとんど畏怖(言ってみれば秘められた自然法則に対する畏怖)に近い感情なのだ。「それでも芸術か?」より

P6180055.jpg先日神宮球場で野球を観戦していたら美しい夕日をみかけました。夕日は長い波長の赤い太陽光が空気中の窒素や酸素分子、火山灰などのチリに当たって見える自然現象ですね。6月18日撮影 関連ブログ:光は生命の源 自然法則に従い中道を行く

真夏日のPIOの西洋芝 2019年05月27日

東京の今日の気温は30度を超えて真夏日を記録しました。5月としては4日連続の真夏日で新記録のようです。先のブログで、来月の中旬まで初夏の灌水計画で乗り切りたいとお話ししましたが、初夏の灌水量では真夏の暑さを乗り切ることができません。5月の中旬に入り気温が高くなり芝生の一部が少し枯れたので、真夏の灌水計画に切り替えました。5月のPIOのテラス

P1430870.jpg大田区産業プラザPIO6Fのテラスでは西洋芝ベントグラスを育てています。ヒートアイランド東京で西洋芝を育てて10年以上がたちましたが、初めのころは芝生にどれぐらいの灌水をしてよいものかわからずに暗中模索の状況でした。

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PIOの芝生フィールドではタイマーと灌水クロスを組み合わせて、3cm厚みのガーデンクリートの上で様々な西洋芝を育ててきました。灌水量をタイマーでコントロールできるので、季節に適した灌水量を調整することができます。

P1430872.jpg季節ごとに芝生の状態を見ながら灌水量を調整してきた経験値を参考にすることで、ようやくヒートアイランド東京に見合った灌水計画を立てることができるようになりました。

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ここ数日続いている東京の真夏日の暑さの中でも、ベントグラスTyeeは、強い太陽光を浴びながらも、暑さに適した水分を吸収しながら大きく伸びてきました。関連ブログ:ガーデンクリート緑化システムの灌水計画について5月27日撮影

温暖化より怖い寒冷化? 2019年05月22日

温暖化より怖い寒冷化というニュースをネットで見かけました。(5月22日産経ニュース)詳しい内容はニュースをご覧いただくこととして、概要をまとめますと、ここ数年太陽の黒点の数が少なくなってきて、それに伴い太陽の活動も低下してきているというものです。太陽から地球に届くエネルギーの量は減少していないのですが、太陽の磁場の活動が低下しているようで、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線(微粒子)の量が増加して、それに伴い雲の量が増えて気温が下がったり豪雨をもたらしたりするという考え方です。太陽の黒点活動と気候

P6190039.jpg以前のブログでもお話ししましたが、太陽の磁場は地球を覆うバリア、雨傘のようなものです。太陽の磁場活動が活発でバリアの傘が開いているときは宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線を跳ね返しますが、磁場活動が弱くバリアの傘が閉じていると宇宙線が土砂降りの雨のように地球に降り注ぎ、それに伴い地球を覆う雲の量も増えるという考え方ですね。宇宙万物の根源

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地球規模での人口の増加に伴い人間の生活で使用される二酸化炭素の量が増加することは間違えありません。しかしそれが地球規模の温暖化に結び付けることには疑問を感じます。人口の増加に伴い都市に人間が集まる都市化は世界規模で進んでいます。そしてコンクリート構築物やアスファルト舗装に覆われた都市の温度が上昇することも間違えありません。しかしそれが果たして地球規模での温暖化に直接つながるのでしょうか?都市の温暖化と地球の温暖化

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地球規模で都市の温度測定地点が広がり、世界規模で、気温が上昇する都市のデータが集まることは考えられますが、それは地球という広大な面のなかで点での広がりにすぎません。地球の気温を面で測定することができて初めて地球は温暖化しているのか寒冷化しているのかがわかると思います。

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地球が温暖化に向かうのか寒冷化に向かうのか定かではありませんが温暖化の要因を二酸化炭素の増加と決めつけることはできないと思います。二酸化炭素は魔女じゃない記事の中にも「平安時代は温暖化だったがそのころ二酸化炭素を排出する活動が活発だったのか」という記述がありました。気候変動の文明史

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私は物理原理に基づく自然法則を人間の都合で政治利用してはならないと思います。以前のブログでもお話ししましたが、緑豊かな自然に囲まれながら生きてきた我々日本人は太古の昔から、自然の中に八百万の神がいる気配を感じていました。自然に対して奢ることなく畏敬の念を抱きながら活動してゆくことが人生の妙みではないでしょうか。自然法則にしたがい中道を行く

植物は正直である? 2019年04月22日

下の写真は昨日4月21日の朝、外苑イチョウ並木を撮影したものですが、今年のイチョウの発芽は例年よりも遅いようです。たまたま私が2013年の4月21日にSNS投稿したイチョウ並木の写真がアップされていたのですが、イチョウの若葉は今年より大きいようです。2019年4月21日撮影

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この年のイチョウの発芽は今年と比べて早かったようですね。2013年4月21日撮影

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同じく今年の新宿御苑のポプラ並木の写真と2015年4月に撮影されたポプラの写真と比べても今年の若葉の発芽が遅いことがわかります。2019年4月24日撮影

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植物は周囲の気温に反応しながら発芽のタイミングを決めているようです。2015年4月25日撮影

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私は主に新宿御苑、代々木公園、神宮外苑の季節の移り変わりを体感しながら写真を撮影しています。これらの場所はコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に囲まれた中にあるのですが、気温の低い年は植物の成長が始まるタイミングも遅れるようですね。植物は環境の変化に正直に反応するようです。そして太陽や地球が作りだす自然は人間が作りだすヒートアイランド現象も飲み込む大きな力と勢いがあるようです。

関連ブログ:都市の温暖化と地球の温暖化   二酸化炭素は魔女じゃない

天上天下唯我独尊 2019年04月08日

4月8日は花祭り、お釈迦様の誕生日です。浅草寺様境内でもお釈迦様の立像が置かれ皆さんが頭に甘茶をかけていました。右手で天を、左手で地を指すお釈迦さまの姿は、「天上天下唯我独尊」のポーズとして知られています。その意味は色々あるようで、以前のブログでも紹介しました。花まつり

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私たち生命体は広い宇宙の中で唯一無二の存在です。今、私たちが地球という場(field)に存在しているのも、35億年以上に及ぶ生命体の活動の継続があるからですね。天上天下唯我独尊という言葉は、地球に生存する生命体すべてにあてはまる言葉です。

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フローラカスケードでは今年も花祭りに合わせてビオラが美しい花を咲かせています。ビオラも毎日、太陽からの光を浴び水分を吸収しながら命をつなぐ活動を続ける生命体の一つです。そしてフローラカスケードはビオラの活動を根から支えています。4月8日撮影

御苑の桜 2019年03月30日

肌寒い日が続いていますが新宿御苑では今年も桜の季節を迎えています。桜が開花する日を計算した「600度の法則」というものがあるそうです。その年の2月1日以降の日々の最高温度を足して600度に達したころに開花するという法則ですね。Stastical Discovery参照

P3280340.JPG私が生活をしている東京はこの100年の間に気温がおよそ3度上昇したようです。都市の人口の増加に伴い、建物や道路など人間の生活に必要な構造物や舗装が整備された結果、都市の保水性が低下したことが大きな要因です。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドの出現ですね。東京で育つ植物たちも平均気温の上昇につれてに体内に備えられた体内時計を前に進めているのではないでしょうか?ヒートアイランド東京では6月中旬から9月下旬の間は暑く、人間にとって住みにくい環境ですが、暑さに強い植物たちにとっては継続して水分の穂補給が出来れば決して住みにくい環境ではないと思います。

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そして冬になるとヒートアイランド東京は自然に囲まれた環境と比べて気温が暖かく、植物や人間にとっても悪い事ではありません。一年を通して新宿御苑の自然と触れあっていると人間の都合でヒートアイランド化が進んだ東京も、植物にとって過ごしやすい場所ではないかと思います? 3月29日撮影   関連ブログ:ドライアイランド現象

宇宙の広がり 2019年02月05日
今からおよそ138億年前、ビッグバンから生まれた宇宙空間は今もなお広がり続けているようです。この空間にはおよそ1千億から2千億の星が寄り集まった銀河が2兆個も存在するというのです。

FullSizeRender (3).jpg地球は質量を持つ素粒子・原子から出来ています。そして地球に生存する生命体も同じく原子からできています。宇宙に生命が存在する場は地球だけなのでしょうか?もし1千億から2千億の星が寄り集まった銀河が2兆個存在するという宇宙で地球だけに生命体が存在すると考えると寂寥感を覚えます。
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銀河を構成する恒星や惑星は太陽を取り巻く地球のような惑星と同じ質量(原子)を持ち、太陽と同じように核融合を起こしながら光り輝きエネルギーを発散しています。
宇宙には映画スターウォーズに描かれているような生命体が存在するとは言いませんが、広い宇宙に散らばるどこかの星に無機質から有機質に化学変化して自らの力で命を繋ぎ続ける生命体が存在すると信じたいですね。
FullSizeRender5.jpgさらに驚くべきことに質量を持つ星や銀河の成分は宇宙空間のわずか5%ほどで、残り95%の成分はまだ解明されていない質量やエネルギー(ダークマター・ダークエネルギー)で形成されているようです。私たちが存在する宇宙は気の遠くなるようなスケールで広がり続けているようですね!
関連ブログ:光は生命の源
光は生命の源 2019年01月04日
物理学者山田克哉先生が書かれた「からくり」シリーズを読んでいます。講談社BLUE BACKS.「E = mc2のからくり」、「真空のからくり」、「光と電気のからくり」、「原子爆弾」、そして今「宇宙のからくり」を読んでいるところです。
素粒子、量子力学、そして相対性理論の世界を、一般の読者向けにわかりやすく説明して下さり、私のようなものでも読んでいて素粒子から宇宙空間の広がりまで想像しながら楽しめます。
この中で光に関する説明にとても興味を持ちました。光は波(電磁波)であると同時に光子(素粒子)でもあるのです。光には質量がなく秒速30万kmの速度で宇宙空間を飛び交っています。
PC040120.JPG電磁波である光にはエネルギーがあります。そしてこの光エネルギーが地球に生存する生命に命を与えます。例えば植物は光エネルギーを体内に取り込み、このエネルギーを活用して光合成を行いながら炭水化物を作ります。
そして我々人間は植物が作りだした炭水化物を摂取することで、活動するエネルギーを得ることが出来るのです。
PC240112.JPG私の母校の建学のモットーはPro Deo et Patria via Media(神と国のために中道を行く)です。
山田先生の物理のお話を読みながら、神とは宇宙を形成している運動法則(物理法則)であり、国とは例えば地球のように生命が活動している場であり、中道を行くとは物理法則に沿って道を歩むことではないかと勝手に解釈しています。
宇宙とは素粒子などが物理法則に沿いながら運動を行い光エネルギーを作り、我々人間をはじめ様々な生命を生み出す空間ではないでしょうか。
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          関連ブログ:宇宙万物の根源  自然法則に従い中道を行く
虫の声 2018年10月15日
今年の秋、ヒートアイランド東京では虫の声があまり聴こえないようです。私は事務所への行き帰りに新宿御苑を抜けるのですが、虫の声があまり聴こえません。夏の間セミはよく鳴いていましたが?今年の夏の東京は暑い日が続きました。先のブログでもお話しましたが大田区産業プラザPIOでもいつのの夏よりも昆虫の活動が鈍くなっているような気がしました。8月のPIOのテラス
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それと今年の東京は台風による強風の影響のせいでしょうか木の葉が紅葉する前に落葉する風景が多いようです。新宿御苑のポプラも紅葉する前に落ちる葉が多いようです。
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ヒートアイランド東京を歩くだけでも、変化する気候の影響による自然の移り変わりを見たり聴いたり感じたりすることができますね。今年もまた御苑の秋薔薇が美しく咲き始めました。
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                 10月13日撮影

ヒートアイランド東京に適した灌水量 2018年09月22日
先のブログで「これから秋にかけて風のガーデンの灌水量をヒートアイランド東京に適した灌水量に設定しました。」と述べましたが、ヒートアイランド東京に適した灌水量とはどのような灌水量なのでしょうか?それはドリップチューブから灌水クロスを通して植物に灌水される水量が緑化基盤のガーデンクリートの保水量を上回り周囲にオーバーフローしないぎりぎりの灌水量です。
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東京都文京区にあります建物の9階に設置した風のガーデンで、ガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて植物を育てて7年目を迎えています。7年にわたる植物栽培の経験を通して作りだされたのがヒートアイランド東京に適した灌水計画です。目安として冬は東京の年間降水量、夏は香港シンガポールの年間降水量、そして春と秋はその間の数値を参考にして灌水計画を立てています。

P1350857.JPG風のガーデンでは3cm厚みのガーデンクリートと布を粉砕した代替土壌の上で様々な植物を育てています。そこでの灌水計画は地植えの植物への灌水よりも気を配らなくてはいけません。
7年に及ぶ風のガーデンでの植物栽培の経験から、植物が必要とする水分量を一年を通して把握することが出来ました。
P13509341.JPG植物が根から吸い上げる水分の内、光合成で利用される水量はおよそ3%前後のようです。残りは植物の体内にとどまる水分と体外に蒸発してゆく水分です。気温が高くなるにつれて植物から体外に蒸発する水分は増えます。そして気温が低くなるにつれて蒸発する水分が減る仕組みです。
P13509441.JPGつまり植物からの水分の蒸発量は、植物を生育しているその土地からの水分蒸発量に近い数値ではないかと思います。地植えの植物は土に保水量があるので必要な水分を地面から吸い上げることができますが、保水性のないアスファルトやコンクリートの上で植物を育てるには、太陽熱により植物の体内から蒸発するのに見合う水分量をどこかに確保しなければいけません。3cm厚みのガーデンクリートとドリップチューブと灌水クロスを組み合わせて灌水される水分量を調整することで、植物から蒸発する水分量を確保するのがガーデンクリート植物栽培システムのしくみです。


9月の風のガーデン 2018年09月19日
9月に入り東京の気温も下がり始めました。風のガーデンの灌水量も気温に合わせて変更しました。風のガーデンでは3か月ごとに灌水量を調整して植物に灌水しています。冬の3か月間(12月中旬から3月中旬まで)は東京の年間降水量を参考にしています。春の3か月間(3月中旬から6月中旬まで)と秋の3か月間(9月中旬から12月中旬まで)はヒートアイランド東京に適した灌水量、そして夏の3か月間(6月中旬から9月中旬まで)は香港・シンガポールの年間降水量を参考にして灌水計画を立てています。
P9180062.JPGヒートアイランド東京にある風のガーデンで夏至冬至、春分秋分を目安にした灌水方法ですが、古代中国では暦をを24まで分割して季節の動きを見ていたようですね。中国中原の人々が季節の移り変わりを感じながら見出してきた素晴らしい暦です。二十四節気
P9180068.JPG自然に囲まれていたであろう中原の人々は季節の移り変わりを敏感にとらえて二十四節気まで分けることが出来たのでしょうね。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京では季節の移り変わりを二十四節気まで微細にとらえることが出来なくなったようです。
弁解がましいですがIT・ライフラインの整備された都市環境で暮らす私自身が、自然に囲まれた古代中原の人々のように自然環境の変化を敏感にとらえる感覚を失っていることも大きな要因です。
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9月も半ばを迎え風のガーデンの灌水量をヒートアイランド東京の環境に適した灌水量に調整しました。来週は秋分です。 関連ブログ:啓蟄に虫を見る 9月18日撮影
ヒートアイランドにオアシスを! 都市環境編Ⅲ 2018年09月14日
今年の夏、東京は35度を超える猛暑日が続き例年にない暑さを経験しました。そして埼玉県熊谷市では8月23日に日本歴代最高気温41.1度を記録しました。ヒートアイランドの規模が東京と比べて小さい熊谷が最高気温を記録した原因はいくつかあると思われます。
その一つは熊谷が内陸部に位置しているからではないでしょうか?東京は熊谷に比べてヒートアイランドの規模は面積、人口などを比較しても大きいのですが海に面しており海水表面のアルベドが土よりも小さいことが影響していると思います。また、コンクリート構造物やアスファルト舗装にこもった輻射熱による暑い空気が上昇しながら南風に運ばれて内陸の熊谷を覆ったことも最高気温更新に影響を与えたような気がします。熊谷にお住いの方も昔は今ほど暑さを感じなかったとおっしゃっていました。
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ヒートアイランド東京を作りだす原因は、コンクリート構造物、アスファルト舗装、人口、クーラーや自動車からの廃熱など様々な要因がありヒートアイランド現象を解消することは一筋縄ではいきません。しかしヒートアイランドの中で暮らす人々が身近な空間を緑化して保水率を高めることで対処することが可能です。
ブミコンとガーデンクリートは保水率を高めたり植物を育てることで都市に潤いを与え広大なヒートアイランド砂漠に無数のオアシスを作るお手伝いをいたします。
P1410829.jpg最近の三佐和ブログ中からいくつかのブログをまとめてPDFにアップしました。ホームページトップの資料ダウンロードのコーナーからもダウンロードできます。ご利用ください。
ヒートアイランドのオアシス新宿御苑 2018年09月08日
私は新宿御苑を抜けて事務所に通っています。猛暑日が続いた今年の夏は、御苑の木陰を歩く度に涼しさをつくづく体感しました。新宿御苑はまさにヒートアイランドの中のオアシスです。
以前、ブログでもお話しましたが真夏の午後、コンクリートの表面と芝生の表面では20度以上の温度差があります。ヒートアイランド現象を緩和する植物の蒸散作用とガーデンクリートの保水性
御苑の芝刈り 芝を刈る車と刈り芝を集める車が対になって芝生のメンテナンスをしていました。
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新宿御苑は江戸時代、信州高遠藩、内藤家の江戸中屋敷でした。そして江戸の町で流行していたソバの薬味としてトウガラシが人気になったのが内藤トウガラシの始まりだそうです。内藤トウガラシ
今年も5月の始めから新宿事務所や大田区産業プラザPIOで内藤トウガラシを苗から育てていますが白い花が咲き赤い実をつけ始めました。
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明治8年に内藤家の中屋敷は日本初の農業試験場「内務省内藤新宿試験場」に変わりイチゴやメロンなどの果物や街路樹用の樹木の開発が行われました。以前のブログでもお話しましたが新宿駅東口の高野フルーツパーラーは当時、農業試験場で作られた果物を販売していたそうです。百年の巨木
   モモのフルーツパフェ お値段は張りますが品質の良いモモで美味しかったです。
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農業試験場はその後、皇室の御苑になり昭和天皇が皇太子であられたころ、ここでゴルフを楽しまれたそうです。確かに今の御苑にもゴルフ場の面影がありますね。冬の新宿御苑ゴルフコース?
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東京でヒートアイランドの不快感を味わうのは6月中旬から9月の中旬にかけての3か月間です。ヒートアイランド東京は冬を迎えると、自然に恵まれた周囲の環境と比べるとやや暖かい気候になるのですが、これはヒートアイランドで育つ植物にとっては悪い気候ではないような気がします。

         美しい御苑の芝生もこれから秋から冬に向けて休眠の準備を進めます。
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                 9月8日撮影
ヒートアイランドにオアシスを! 2018年08月24日
ヒートアイランドにオアシスを!ブミコンとガーデンクリートで保水性を高めて都市に潤いを与えます。
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これから地球が温暖化に向かうのか寒冷化に向かうのか良く分かりませんが、世界規模で人口の増加が進み、多くの人々がIT環境やライフライン(電気ガス水道)の整備された都市に集まることは間違いありません。それに伴い世界規模でヒートアイランド化した都市が増えることでしょうね。
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都市のヒートアイランド化には様々な要因があるようですが、その一つに都市の保水性の低下があります。東京も過去100年の間に保水性が低下したことで相対湿度が78%前後から62%前後に低下したようです。ドライアイランド現象 人口が都市に集まることで都市化が進みコンクリート構造物やアスファルト舗装が増えました。
P1400986.jpgコンクリート構造物やアスファルト舗装は私たちに快適な生活空間を与えることは間違いありません。しかしそれと引き換えに私たちは緑豊かな自然を失ってきました。透水性コンクリートブミコンと透水性と保水性のある緑化コンクリートガーデンクリートはコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドの保水性を高めることで都市の様々な場所に緑豊かなオアシスを作ります。当社のホームページのフロントレイアウトが変わりました。
宇宙万物の根源 2018年01月27日
中国戦国時代の思想家,老子は宇宙万物の根源を「道」と名づけ、人為を用いず、人知を働かせず、自然のままに従ってゆく「無為自然」の道を説きました。
先のブログで、太陽は約220km/秒の速度で銀河系を公転し、その時地球は時速10万kmの速度で太陽の周りを公転しているお話をしました。太陽の公転運動その様子をグラフィック映像で表したサイトをご紹介しましたが、この映像に見られる太陽や地球の公転の軌道と老子が説く道とは相通ずるところがあるのではないかと思います。太陽や地球の公転、そして自転の活動エネルギーと軌道が宇宙万物の根源である道であり、生命が生存する地球環境の形成にも影響を与えているのではないでしょうか?
P1012718.JPG今年の東京は久しぶりに本格的な寒い冬を迎えています。理由は諸説あるようですがその一つに太陽の磁場活動の変化と黒点の数を関連付けた考え方があるようです。黒点の数が多い時期は太陽の磁場活動も活発で地球などの惑星も太陽の磁場に覆われる状態が続くようです。そして黒点の数の少ない時期は太陽の磁場活動も不活発になり地球を覆う磁場も小さくなるようですね。例えると黒点の多い時期は太陽が磁場の傘を開き、黒点が少ないときは磁場の傘が閉じられるとでも言うのでしょうか?
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磁場の傘が開いている時期は、宇宙に漂う微粒子が磁場の傘にシールドされて地球に降り注ぐ量も少なくて済みますが、磁場の傘が閉じている時期は宇宙から降り注ぐ微粒子が地球に届く量も増えますね。もちろん地球にも磁力があるので磁場のシールドもあると思いますが太陽の磁場に比べると見劣りするのでしょうか。そして地球の大気に届いた宇宙からの微粒子が大気の電離度を変化させて酸素と水素が結合して水滴となり雲となり地球を覆うという考え方です。宇宙からの微粒子が多いと地球を覆う雲の量も増えて、それに伴い雲が太陽光を反射する量も増えるので地球に届く太陽エネルギーが減少して地球が寒くなるという説明ですが、なかなか説得力がある話ですね。
P1240004.JPG地球は太陽と共に秒速220kmという速度で宇宙空間を移動しているので、太陽の磁場の傘が開いているときは宇宙の微粒子をシールドしてくれますが、磁場の傘が閉ざされた状態が続くと地球には宇宙からの微粒子が土砂降りの雨のように降り注ぐのでしょうね。日本人は太陽の事をお天道様と呼んできました。天の道を進む太陽は地球生命を支える源でもあるのです。

太陽の公転運動 2018年01月03日

以前ブログで地球の自転速度は1700km/時、公転速度は10万km/時というお話をしました。地球を動かすエネルギー地球は1700km/時というスピードで1日かけて自転し、10万km/時というスピードでおよそ365日かけて太陽を公転します。とてつもない速さですね。ところがさらに驚くべきことに太陽は約220km/秒というスピードで銀河系を公転しているようです。太陽が銀河系を公転しているときに、地球をはじめとする太陽系惑星が太陽の回りを公転する姿を描いたグラフィック映像を見かけたのでご覧ください。この映像を見ると公転運動をする太陽の周りをしがみつくように公転運動する地球をはじめとする太陽系惑星の軌道は、渦巻き、らせん状に見えます。地球生活

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時速1700kmの自転速度や時速10万kmの公転速度の中で、生命が地球にとどまることが出来るのは重力(万有引力と自転による遠心力の合力)があるからですね。そして地球は220km/秒という速さで公転する太陽とともに銀河を回っているのです。

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植物は成長するにつれて花弁は渦巻き状に開き、葉や枝は茎や幹の周りをらせん状に伸びてゆきますが、この形にも地球と太陽、そして太陽と銀河の間の自転公転の間で作用する力の影響があるのでしょうか?。宇宙を動かす様々な力が及ぶ中で、35億年以上かけて地球生命が作り出してきた生命構造には芸術的な美しさが見られますが、そのかたちや構造が作られてきた経過についてはまだまだ未知な部分がたくさんあるようです。フィナボッチ数列で並ぶ植物の葉

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今まで地球の公転軌道を太陽を回る平面でとらえていましたが、秒速220kmという速さで銀河系を回る太陽の公転運動の中でとらえたらせん軌道の映像は目からうろこが落ちるような体験でした。我々も太陽とともに銀河系宇宙を秒速220kmで旅しているのですね。


12月の新宿事務所 2017年12月04日

新宿事務所のベランダではガーデンクリートを素材とした緑化ブロックと灌水システムを組み合わせて様々な植物を育てています。12月に入り気温も下がって来ましたが、マンネングサ属のセダムは寒くなるほど元気になって来たようです。セダムを緑化ブロックの上で育てて5年以上になりますがタフな植物です。

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ガーデンクリートに穴をあけたカスケードブロックでは浅草寺様のフローラカスケードと同じようにビオラを立面で育てています。
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室内ではガーデンクリートを素材としたフラワーポッドでアレカヤシ、コーヒー、バキラ等の観葉植物を育てています。夏の間はベランダで育てていたのですが気温が下がったので室内にいれました。
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建物の断熱コンクリートとして開発したガーデンクリートですが、素材の特徴である保水性と通気性が植物との相性が良いようで、様々な場所で植物の生育が行われ軽量緑化コンクリートとしての用途が広がってきました。
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植物は言葉を発しませんが、時々植物たちが水がほしい、光がほしいと言っているような気配を感じます。新宿事務所で植物と接していると植物たちが生きていることを実感しますね。12月4日撮影
箱根 2017年10月10日
先週、箱根に行ってきました。昨年も同じ日に箱根を訪れたのですが昨年と今年では箱根の自然に少し変化を感じました。大涌谷から昇る噴気は昨年と比べて多いようで大涌谷を通るロープウェイも止まることがありました。
箱根神社の鳥居から見た芦ノ湖も水位が昨年と比べて下がっていました。芦ノ湖は今から3100年前に箱根カルデラの外輪山である神山の岩屑なだれが山麓の仙石原一帯に流れ下り、湖尻付近でカルデラ内を流れていた早川を堰き止めたことで出来たそうです。(箱根ジオパーク ガイド4参照)
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仙石原は今から約4万年前、神山からの火砕流堆積物がカルデラ内を流れる早川をせき止めて出来た湖がその後、神山起源の火砕流堆積物などの影響で湖が縮小して約5000年前を過ぎるころに湿原になりました。(古仙石原湿原)そして3100年前の神山の岩屑なだれで早川がせき止められて一時的に陸化しましたが、再び湿原となったのが現在の仙石原だそうです。(箱根ジオパーク ガイド4参照)
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伊豆半島の本州への衝突が始まったのが今から100万年から200万年前と言われています。それ以来箱根火山は活動を続け今日の自然を形成してきました。わずか1年周期の間にも噴気や水位の変化が見られますが、これからも続く箱根の自然の変化を楽しく見守ってゆきたいと思います。10月5日撮影
輻射熱 2017年08月16日
台風5号の去った8月8日の夜、神宮球場でプロ野球を観戦しました。当日の東京は台風が運んできた熱風の影響で気温が30度を超える暑い日でした。
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野球を見た場所はネット裏の最上段、おそらく建物の4階ほどの高さに位置する場所でした。野球が始まるころにはセンター方向から風も吹いて暑さはそれほど感じられず、集中して野球を見ることが出来ました。
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神宮球場は土の上に人工芝を張ったグランドです。天然芝に比べて樹脂製の人工芝の表面温度は高いのですが、高い場所にいたせいでしょうかグランドからの熱気は感じられませんでした。野球が終了したのは9時過ぎでしたが暑さを忘れて野球を観戦した後、球場を出たとたんに地面のアスファルトからの輻射熱を体感しました。
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保水性の少ないアスファルトは気化熱の働きで表面温度を下げることが出来ないので、太陽光エネルギーがより多くが内部に蓄積され、輻射熱として空気中に放出されます。この日の東京の最高気温は33.9度でした。夜になっても気温があまり下がらず気温も高かったことからアスファルトからの輻射熱を体感することが出来たのでしょうね。 関連ブログ:アルベド 8月8日撮影
アルベド 2017年07月18日
アルベドとは地球に入射する太陽光エネルギーのうち反射する光のエネルギーの割合を言います。
地球に入射する太陽光エネルギーは地球全表面の平均で342w/㎡といわれています。その3割は反射され、2割は水の蒸散に使用されるそうです。地球を覆う海のアルベドは0.06,森林のアルベドは0.09から0.15、そして砂漠のアルベドは0.4だそうです。
    地表に届く太陽エネルギーとアルベド江頭教授東京工科大学工学部応用化学科blog参照
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以前ブログで外気温度が39度の時にコンクリート、アスファルトの表面温度が約60度、保水されたガーデンクリートの表面温度が43度であることをお話ししました。また外気温度が33度の時にコンクリートの表面温度が58.8度、芝生の表面温度が32.7度の測定記録についてもお話ししました。
コンクリートやアスファルトは砂漠と同じように水分の保水率が低く太陽光を反射するアルべドが大きいので表面温度も高いのでしょうね。そして芝生の表面は森林と同じように保水力があり水分を蒸散出来るのでアルベドが低いのだと思います。
P1360334.JPGそれでは保水されたガーデンクリートのアルベドはどのぐらいになるのでしょうか?アスファルトやコンクリートの表面温度が60度前後の時に保水されたガーデンクリートの表面温度は43度、そしてガーデンクリートの上の芝生の表面温度が33度前後でした。コンクリートやアスファルトのアルベドが砂漠のアルベドと同じとすると0.4,芝生のアルベドが森林と同じとすると0.09から0.15とすると、保水されたガーデンクリートのアルベドは0.25から0.3前後になるのかもしれません?ちなみに土のアルベドは0.2から0.3前後のようです。各種の裸地土壌 におけるアルベ ドと分光反射率の土壌水分依存性参照
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アルベドの数値を見てもガーデンクリートが土の性質に似ていることがわかりますね。
水は蒸散するときに地表の太陽光エネルギーを使用します(気化熱)。それにより地表の温度を低く保てるのです。植物の優れているところは、太陽光エネルギーを利用して光合成を行うだけでなく、水を利用して必要以上の太陽光エネルギーを蒸散させることで生命を維持する体温の調整機能を備えていることです。
このような機能を得るために生命は地球上で35億年以上の歳月を重ねてきました。
P1360497.JPG写真は今の季節の新宿御苑の様子です。木々の下を歩くと涼しく、芝生の上の照り返し温度がアスファルトよりも低く、まさにコンクリートジャングルとアスファルト砂漠の中の緑のオアシスですね。
6月の風のガーデン 2017年06月28日
6月に入り雨の日が多くなってきました。風のガーデンでは毎日継続されている灌水システムからの灌水量に加えて自然の雨の恵みも増えて植物たちの成長が旺盛になってきました。(風のガーデンの灌水システムは雨の日は灌水が自動的に停止される仕組みになっています。)
                            2か月ぶりに剪定作業を行いました。 剪定前の様子
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                  剪定後の様子
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                                                        剪定前の様子
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                  剪定後の様子

P1350935.JPG東京都内のビルの9Fに設置された風のガーデンで植物の成長が旺盛な理由は、ガーデンが建物の東に設置されていて、毎日朝日を浴びながら植物たちが活発に光合成を行える環境であること(光)  、ガーデンの北と南が吹き抜けになっていで一年を通して風の通りが良いこと(風)、自動灌水システムと自然の雨の組み合わせで、常に適量の雨水を植物が吸収できる環境であること(水)、そして通気性と保水性に優れた緑化基盤ガーデンクリート が常に植物の根に、適度の水と空気を供給すること(土)の要素がそろっているからだと思います。風のガーデンで育つ直物たちを見ていて、光、風、水、土のバランスがいかに大事であるかを感じます。 
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5月の風のガーデンのブログでお話しした柏葉アジサイが白い美しい花を咲かせました。6月27日撮影
  


             

4月のPIOのテラス 2017年04月25日
4月も下旬を迎えPIOのテラスの植物たちの生育も旺盛になってきました。今年の東京の4月は雨の日が多くテラスのお水番のタンクの水量もあまり減りません。3月6日にタンクの水位を測定してから50日経過した4月25日のタンクの水位が約11cmで約2cmの水位の変化でした。前回は14日で5cmの水位が下がったのに対して、今回は50日で2cmの水位の変化です。この違いは何が原因でしょうか? 3月のPIOのテラス参照
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2つの理由が考えられます。一つは降雨量の違いです。気象庁の数字を参考にするとPIOの近くの大田区羽田で観測された2月の降雨量は18mm(0.64mm/日)、3月が79mm(2.5mm/日)、4月が25日までに104mm(4.2mm/日)です。もう一つの理由は日本法蓮草の葉が大きくなった時期が2月の下旬であったことですね。(3月6日に撮影した日本法蓮草の葉)
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自然灌水システム「お水番」の優れているところは、植物の都合に合わせて水を供給出来ることです。植物が成長するためのエネルギーが必要な時期や、植物が大きくなり水分の蒸散量が増える時期にお水番の水の供給量も増えます。そして自然の恵みの雨が多い時は緑化基盤のガーデンクリートや土が雨を保水するので、植物は保水された水を利用して、お水番のタンクからの灌水量は減る仕組みです。 
                            日本法蓮草は美味しくいただき、イチゴが成長してきました。
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東京では5月のゴールデンウイークにかけて初夏の気候に変わります。この時期、陽ざしが強くなり気温も急に上昇しますので、お水番からの灌水量にも注意しながら植物たちの成長を見守ってゆこうと思います。
               4月に入り西洋芝ベントグラスが成長してきました。
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                    4月25日撮影
熱帯地方の都市人口の増加とガーデンクリート 2017年04月20日
以前のブログで、熱帯(地球の北回帰線から南回帰線に挟まれた地域)で人口が増えているという話をしました。熱帯の人口の増加と都市化
1950年の熱帯アジア(南アジア、東南アジア)の都市人口が1億人であったのが2010年には9億人に、熱帯アメリカ(中央アメリカ、南アメリカ)の都市人口が1950年に8千万人であったのが、2010年には5億人に、熱帯アフリカ(中央アフリカ、東アフリカ)の都市人口が5千万人であったのが2010年には3億人になりました。合計すると1950年に2億3千万人であった熱帯地方の都市人口が2010年には17億人に増えたと言う事です。
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さらに予測では2030年には熱帯アジアの都市人口が14億人、熱帯アメリカの都市人口が6億人、熱帯アフリカの都市人口が6億人で合計26億人の都市人口が熱帯地方で見込まれます。
地球規模で見て、2030年の都市人口が50億人と予想されている中で、熱帯地方の都市人口が26億人と言う事は、世界の都市人口の半分以上が熱帯地方に集中すると言う事ですね。
出典Tropical Urban Heat Island (Nyuk Hien Wlng Yu Chen共著)
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熱帯地方は暑いわりには一年を通して雨が多く緑にも恵まれているので、人々が生活できる環境を保っていますが、熱帯地方で都市化が進むと言う事は、緑豊かな熱帯のジャングルがコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われた保水力を失ったヒートアイランドに変貌すると言う事です。熱帯地方のヒートアイランド化は温帯地方のヒートアイランド化よりもより深刻な問題が生まれることが予測されます。
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幸い、熱帯地方には多くの火山があり軽石の入手が可能です。そして石灰石も豊富です。これから2030年に向けて、熱帯地方で都市化が進むとともに軽石と石灰石を原料としたガーデンクリートで熱帯地方の都市のヒートアイランド現象の緩和に貢献できればと思います。
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             関連サイト: 環境改善にガーデンクリート

ガーデンクリートによる建物と周囲の環境改善のご提案 2017年04月05日
ガーデンクリートにのプレゼン資料がPDFでアップされました。ホームページの資料ダウンロードからもダウンロードできます。ガーデンクリートによる建物と周囲の環境改善のご提案
これから地球が温暖化に向かうのか、寒冷化に向かうのか定かではありませんが、多くの人々が生活する都市環境はヒートアイランド現象の影響で温暖化に向かうことは間違いありません。そして地球規模で進む人口増加の影響で人々が都市に集まる傾向が続き、大都市の数は世界規模で広がってゆこうとしています。
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都市のヒートアイランド現象の大きな要因は人口の集中と都市の保水力の低下です。私が生活している東京も1000万人を超える人々が生活をしています。そして人々が快適に過ごせるように建物が建てられ道路の舗装が進んでいます。ビルや道路を作る素材であるコンクリートやアスファルトは土や木と比べて保水力が劣ります。それで都市はコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドになってゆくのです。
ガーデンクリートはコンクリートやアスファルトの弱点である保水力を補うと同時に植物を容易に育てることが出来るので、コンクリートジャングルやアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドを緑のオアシスに変えてゆきます。。 
            ユリカモメは東京都民の愛鳥です
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21世紀は都市化の時代と言われています。世界規模で進む人口増加により多くの人々が都市に集まり、それに伴い都市周辺のヒートアイランド現象も世界規模で広がってゆくことは間違いありません。
ガーデンクリートの原料は火山が作り出す天然軽石と石灰系固化材で構成されているので、世界規模で入手することが容易です。これからもガーデンクリートの普及を続け、都市の保水量を高めて緑化を進めることでヒートアイランド現象の緩和に貢献して行こうと思います。
植物はなぜ動かないのか 2017年02月09日
「植物はなぜ動かないのか」稲垣栄洋著ちくまプリマー新書という面白い本を読みました。テーマは「弱くて強い植物の話」です。植物たちの豊かな生き方が語られている本でとても興味深く読むことが出来ました。植物は発芽した環境から移動することはできません。自分が身を置いた環境の中で、根、茎、葉、花を駆使しながら光合成を行い種を残す生命活動を行いますね。

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私は事務所でガーデンクリートのフラワーポットでサトイモ科の熱帯植物デイフェンバキアを育てています。昨年の6月には育てて8年以上が経過して初めて白い花が咲きました。
          デイフェンバキアの花が咲く
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最初はデイフェンバキアを自宅の南側の窓辺やベランダで育てていました。そこは朝から夕方まで光が差し込み、葉も光合成をするのに光を容易に受け止めることが出来るところでした。         ガーデンクリートの鉢で植物を育てる   ハイビスカスの花が咲く
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                                                                  2014年5月撮影
デイフェンバキアを事務所に移して3年ほどが経つのですが、その間に葉は大きくなり葉の色も濃い緑色に変化しました。事務所の窓辺とベランダは西に面していて、自宅の窓辺やベランダのように太陽の光を多く取り込むことが出来ません。このような環境の変化の中で、デイフェンバキアはより多くの光が取り込めるように葉を大きくし葉緑素クロロフィルの量を増やして、環境の変化に適応したのではないかと思います。
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本来は動くことが出来ないデイフェンバキアですが、私の都合で育つ場所を変えられて、環境の変化に対応するために葉の大きさや色を変化させて生き続けているような気がします。
         2月9日撮影
1月のPIOのテラス 2017年01月13日
新春のPIOのテラスでは12月まで咲き続けていたマダガスカル原産の夏の花,ニチニチソウに代わりスミレがやってきました。スミレは寒さに強く、山間部から都会の道ばたでも顔を出す元気な花です。浅草寺様のフローラカスケードで咲いているビオラやパンジーはスミレから分化していった花のようですね。スミレ(Wikipedia参照) 
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スミレの隣で生育中の日本法蓮草は育つにつれて葉が繁り密集してきたので、チョッと可哀想ですが間引きました。
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間引かれた日本法蓮草はサラダにしてありがたくいただきました。取り立てのほうれん草の葉は甘みがあり、美味しかったです。
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1月に入り東京の気温も下がってきましたが、PIOで生育中の芝生やスミレ、日本法蓮草、そして浅草寺様のビオラも、周囲と比べてやや暖かいヒートアイランド東京の環境で元気に冬を過ごしています。
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                                                                   1月10日撮影
コンクリートジャングルとアスファルト砂漠 2 2017年01月05日
先週のブログで温帯に属する東京は、夏はヒートアイランド現象の影響で都市全体の気温が高くなり人が不快な思いをしますが、その他の季節は気温が暖かく推移する都市環境は植物や人にとって不快な環境ではなく、さらに植物にとっては成長に良い影響を及ぼすようなことを述べました。極論すると四季のある日本の都市では、ヒートアイランド現象の影響で人が不快な思いをするのは夏の3か月ほどで、春、秋冬の9か月ほどの間は生物が暮らすのには決して悪い環境ではないと思います。
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それでは熱帯や亜熱帯地方の都市環境はどうでしょうか?熱帯地方の気候は雨季と乾季に分かれている地域が多いようです。そして植物に覆われたジャングルは保水力も高く、雨水の循環も自然に行われるので、地表の温度が異常に高くなることはありません。ところが熱帯地方の都市は、東京と同じようにコンクリートジャングル、アスファルト砂漠に覆われて、雨季にはせっかく降ってきたスコールも地表に保水されることなく流失して蒸散効果も少なく、地表の温度は周囲の自然環境と比べて高く推移します。そしてこのような季節が6か月ほど続きます。さらに乾季は降雨量も雨季と比べて少なく、都市の気温は周囲の自然と比べてさらに高く推移するようです。

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保水性と通気性があるとともに、直射日光、紫外線に強い無機系の保水性素材として開発されたのがガーデンクリートです。ガーデンクリートでコンクリートジャングルやアスファルト砂漠を覆うことで一年を通してヒートアイランド現象に苦しむ熱帯、亜熱帯の都市環境を改善します。
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フローラカスケードは緑化基盤ガーデンクリートが表面に現れた緑化壁で、強い太陽光、紫外線が一年中降り注ぐ熱帯、亜熱帯の都市環境を緑で覆います。 浅草寺様の境内に設置されたフローラカスケード12月26日撮影
コンクリートジャングルとアスファルト砂漠 1 2016年12月27日
東京都内で緑化基盤ガーデンクリートの上に芝生をはじめ様々な植物を育てて10年以上が経過しました。コンクリートやアスファルトに囲まれた、都市環境の中でガーデンクリートで育つ植物を通して様々なことを学びました。そしてヒートアイランド東京は人にとってはネガティブな環境かもしれませんが植物にとってはポジティブな環境ではないかと思うようになりました。
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ヒートアイランド東京の大きな問題点の一つが保水力の著しい低下です。東京は年間およそ1600mmの降水量が見込まれます。一日当たり平均しておよそ4mmの降水量です。また東京に雨が降る日数は年間115日前後と言われています。3日に一度は雨が降る計算です。つまり3日に一度12mm前後の雨が降る計算ですね。
コンクリートジャングル、アスファルト砂漠に覆われた都内ではこの雨の多くが地面に浸透することなく排水溝を通して河川や海に流れてゆくのが現状です。
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コンクリートやアスファルトの上にガーデンクリートを4cm施工するとおよそ12mmの水を保水することができます。つまり東京のコンクリートジャングルとアスファルト砂漠の上をガーデンクリートで覆うことで、都内に降る雨水を保水して蒸散作用の働きで大気に戻し、雨水を河川や海に流す量を減らすとともに、ヒートアイランド東京の保水力も回復しますね。
真夏の昼間、コンクリートやアスファルトの表面温度が60度から50度の時に保水されたガーデンクリートの表面温度は40度前後です。さらにこの時のガーデンクリートの上で育つ芝生の表面温度は30度前後まで下がります。人が汗をかいて体温を調整するのと同じように植物も、自らの力で根から水を吸い上げて葉から蒸散させることで体温を調整するようですね。
         関連サイト:ヒートアイランド対策 関連ブログ:風のガーデンの温度測定
 
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ところで東京の気温が高く推移して人々が不快な思いをするのは6月中旬から9月中旬ぐらいまでの3か月の間です。そして自らの力で体温を30度前後に保つことができる植物にとって、この夏の季節は照り続ける太陽光を浴びながら光合成をおこないエネルギーを蓄える実り多い季節です。
                       今年の夏PIOのテラスのお水番で収穫されたピーマン
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そして11月下旬から3月中旬にかけて気温の下がる冬、東京都内の気温は周辺の地域と比べてやや高く推移するので人も植物もヒートアイランド現象で作り出された、やや暖かい冬を過ごすことができます。
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                                               冬の新宿御苑 12月27日撮影
動植物が快適にすごせる気温? 2016年09月22日
浅草寺様の境内や大田区産業プラザのテラスで、ガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて花を育てていますが、四季の変化が見られる東京では、平均気温20度前後の気候が花の植え替えには適しているようです。浅草寺様の境内では6月の始めにニチニチソウを植えて今日まで咲き続けています。 東京の平均気温.pdf                         浅草寺様のニチニチソウ 9月20日撮影
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浅草寺様のヴィオラは東京の平均気温が20度を下回る10月から11月にかけて植えて来年の5月ごろまで咲かせ続ける予定です。   浅草寺様のヴィオラ 4月20日撮影
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マダガスカル原産のニチニチソウは、熱帯の気候では咲き続けて野生化するようですがこれから気温の下がる東京ではどこまで咲き続けることが出来るのか観察してみようと思います。以前のブログでもお話ししましたが西洋芝の最適生育温度は15度から24度の間だそうです。芝生の科学 
                              PIOのテラスのニチニチソウ 9月16日撮影
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つまり植物の生育に適した気温は20度を中心にして±5度の間にあるようですが、これは植物のみならず、我々動物にとっても快適な気温ですね。
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今日9月22日は秋分の日です。これから東京の平均気温も来年の2月ごろまで下がり続け、来年の春分の日には気温の上昇期を迎えます。 浅草寺様境内で見かけたヒガンバナ 9月20日撮影


東京の夏の暑さを決める太平洋高気圧 2016年08月25日
先のブログでもお話ししましたが、東京都荒川区西日暮里にある住宅展示場の屋根にガーデンクリートを施工させていただき温度をした2004年の夏は7月6日から8月14日にかけて、40日連続して最高気温が30℃を超えて、記録的な猛暑日が続きました。特に7月20日には最高気温が39.5℃、21日が38.1℃を記録しました。(気象庁のデータ)同じ日に私が測定した気温とガーデンクリートの表面や屋根の表面温度のデータは左記のとおりです。2004年7月温度測定.pdf 今振り返ってみると、私が温度を測定した2004年の夏は東京で最も気温が高い年でした。偶然とはいえその時期に気温やガーデンクリートの温度を測定できたことは、とても貴重な体験だと思います。

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2004年の夏の東京の気温が高かったのは6月から太平洋高気圧が日本に張り出していたことが大きな原因のようです。この年の台風の上陸地点はほとんどが西日本で、東京は太平洋高気圧に覆われ続けていたようですね。今年の夏の太平洋高気圧は日本の東の位置にあるようで、高気圧の西を巡ってやって来た台風が11年ぶりに関東地方を直撃しました。(8月22日 台風9号)
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ガーデンクリートを使用して都市のヒートアイランド現象を緩和する開発を本格的に始めたのが2004年でした。それ以来、東京の気候にはとても関心を持って今日まで来ましたが、これまでの経験を振り返ると、コンクリートジャングルやアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京の夏の暑さを決めるのは太平洋高気圧であることがよくわかります。
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太平洋高気圧に覆われたヒートアイランド東京の夏を植物の蒸散作用の力を借りて、温度を下げて緑のオアシスにするために、これからもコンクリートやアスファルトの上に直接施工できる緑化基盤ガーデンクリートの普及を進めてゆこうと思います。
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ヒートアイランド現象を緩和する植物の蒸散作用とガーデンクリートの保水性 2016年08月12日
大田区南鎌田にあります大田区産業プラザPIOのテラスと、台東区浅草の浅草寺様境内でガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて芝生や野菜、花など様々な植物を育てています。ガーデンクリートには30%ほどの空隙があります。厚みが3㎝から6cm(フローラカスケード)のガーデンクリートの上で植物を育てるには、この30%の空隙内の保水性の継続が求められます。
               PIOのテラスのトマト
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芝生から蒸散される水量は、真夏で4mmから5mmと言われています。3cm厚みのガーデンクリートに保水される水量は9mmです。つまり2日に一度、雨が」継続して降る気候であれば3cm厚みのガーデンクリートの上でも植物は生命を繋いでゆくことが出来る計算ですね。(ガーデンクリートの保水性を補うために灌水システムが植物への灌水量を調整します。)    PIOのテラスの西洋芝
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一方、コンクリートやアスファルトは水分を内部に保水することが出来ません。降った雨も表面にとどまることがありません。以前、荒川区西日暮里にありますデベロッパーさんの住宅展示場の屋根にガーデンクリートを施工させていただき温度の測定をしたことがありました。測定した年は2004年の7月20日から8月14日にかけてでした。この時の測定データに基づき作成されたのが下記のグラフです。この年は東京で真夏日が7月6日から8月14日にかけて40日連続した年で記録的な暑さが続いた夏でした。グラフで示されているように外気温度が39℃のときに保水されたガーデンクリートの表面温度は43℃、そしてアスファルトやコンクリートの表面温度は60℃前後です。ガーデンクリートとアスファルトやコンクリートの表面温度に大きな差があるのはガーデンクリートに保水された水の蒸散作用の働きで表面温度が下がるからですね。
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そしてガーデンクリートの上で芝生を育てると、表面温度はさらに低くなります。文京区の建物のテラスでガーデンクリートと灌水システムを組み合わせて芝生や様々な植物を育てています。昨年の8月6日にここで、ガーデンクリートの上の芝生とコンクリートの表面温度を測定したのが下記の写真です。外気温が33度の時、芝生の表面温度は32.7℃、コンクリートの表面温度は58.8℃でした。
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植物は根から吸い上げた水の90%以上が葉などから蒸散されるといわれています。植物たちが生きてゆくために炭水化物を光合成で作り出すのに必要な水分量は3%前後のようです。植物たちは太陽の光から受ける熱量を下げるために葉などを通して体内に取り込んだ90%以上の水分を蒸散させるようですね。人間が暑い中で、汗をかいて皮膚の表面温度を下げて体温を調整するのと同じです。蒸散
P8120022.JPG夏の太陽光の下でも、芝生の表面温度が30度前後に保たれるのはこのような仕組みがあるからですね。
関連サイト:ヒートアイランド対策 関連ブログ:風のガーデンの温度測定 PIOのテラスの日日草 8月12日撮影
軽量緑化コンクリート ガーデンクリート 2016年07月22日
ガーデンクリートは土よりも軽く(900kg/m3),土よりも固く(圧縮強度3.22N/mm2),保水性は土と同等以上(300㍑/m3)の緑化基盤です。ガーデンクリートを利用した10年以上にわたる緑化の経験から厚み3cm~4cmのガーデンクリートの上で様々な植物が育っています。
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ガーデンクリートの上に2cmから3cmの土や砂をのせることで、種から芝生やパセリ、コマツナなどの野菜が育ちます。
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ガーデンクリートに穴をあけて植物を挿入することで立面でもニチニチソウやヴィオラなどの花が育っています。フローラカスケード
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がーデンクリートはコンクリートやアスファルトの上に直接施工が出来るので、灌水システムと組み合わせて、コンクリートジャングルやアスファルト砂漠が原因でヒートアイランド現象に苦しむ、東京、香港、シンガポールなどの都市の一部を緑に囲まれたオアシスに変えてきました。
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ガーデンクリートは天然の軽石を無機系の固化材で固めた緑化基盤なので、ウレタンや植物を使用した有機系の緑化基盤よりも耐候性、耐火性に優れ、屋外で長期にわたって使用しても紫外線や雨水による劣化が見られません。
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軽量緑化コンクリートガーデンクリートのサイト資料ダウンロードが掲載されましたのでご参照ください。


4月の風のガーデン 2016年04月28日
東京都文京区にあります建物9Fのテラスで、様々な植物を育てて今月でまる五年が経ちました。3cm厚みのガーデンクリートと灌水システムを組み合わせた上で、芝生、ハーブ、低木、季節の花々が育っています。
P4270046.JPG5年にわたる風のガーデンでの経験で様々なことがわかりました。まずは植物の生命力の逞しさですね。植物の生命を支えるのは、光、水、風(空気)です。そして光と水と空気の供給のバランスと継続性が重要です。
P4270048.JPGガーデンクリート都市緑化システムは底面から適度の水分と空気を継続して供給することで植物を根から支えてきました。そしてこれからも支え続けてゆくことでしょう。
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                     今、風のガーデンではミントブッシュが見頃を迎えています。 4月27日撮影
水の力 2016年04月07日
PIOのテラスにベランダガーデニングキットお水番を置いて白妙菊やパンジーを育てています。冬の間は天然の雨水による灌水でこれらの植物を育ててきましたが、春を迎え先週から久しぶりにお水番のバルブを開いて灌水を始めました。 写真はお水番による灌水を始める前の植物の様子 3月30日撮影
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一週間ぶりにテラスを訪れて植物の様子を見たところ、植物たちは驚くほど大きくなっていました。 4月7日撮影

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冬の間、天然の雨水だけで命を繋いできた白妙菊やパンジーにとって、お水番からの灌水は成長を促進させる大きな力になっているようですね。
以前もブログでお話ししましたが、植物は生命を維持するためのエネルギーを、に光合成を行いながらCo2を空気中から取り込み水(H2O)と結合して炭水化物エネルギー(C6H12O6 )を自らの力で作ります。       6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6H2O + 6O2
水はCo2とともに植物の成長を支えるとても大切な要素です。関連サイト:ベランダガーデニングキットお水番
笹竹の命の源 2016年03月23日
先週から、台東区谷中の大泉寺様の墓所に生えている笹竹の処理のお仕事をさせていただいています。竹の生命力は逞しく、以前、世田谷区の知行院様の墓所のブミコン舗装をさせていただいたとき、筍がブミコンを持ち上げたことがありました。雑草という名の植物はない・植物の逞しさ
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地下茎から横に伸びた笹竹の根が広がってきたので、根のもとの部分を断ち切ろうとする作業です。作業をする皆さんの様子を見て、笹竹の凄まじい生命力を感じました。
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上の写真は地下茎からびっしりと伸びた笹竹の根の塊です。笹竹は、葉の光合成で作ったネルギーを地下茎に蓄えるとともに、地下茎から伸びた根を通して大地から水や栄養分を吸収しながら生命を繋ぎます。この写真にある地下茎と根はまさに笹竹の命の源ですね。
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                                                                 大泉寺 3月18日撮影
三佐和ブログ地球環編Ⅱ、都市環境編のPDFがアップされました 2016年03月16日
三佐和ブログ地球環境編のうち2013年10月4日以降のブログと、ヒートアイランド現象、ドライアイランド現象などをまとめた都市環境編のブログがPDFにまとめられました。読みやすく整理されていますので皆さんもご覧ください。フロントページ資料ダウンロードからダウンロードできます。


                                      隅田川のユリカモメ地球環境編Ⅱ
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                                           早朝の神宮外苑銀杏並木都市環境編

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                           関連PDF 地球環境の保護と再生を目指して   
             

啓蟄 2016年03月12日
3月5日は二十四節気の啓蟄でした。冬ごもりをしていた虫たちがはい出るという意味だそうですが、先日テレビを見ていたら虫の漢字のつく蛇や蛙など、冬眠していた爬虫類たちも動き出す時期のようです。                                           
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                                               PIOのテラスの芝生 3月3日撮影   
                                  
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                                                    PIOのテラス 3月7日撮影
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                                                   PIOのテラス 3月12日撮影
PIOのテラスと新宿事務所で西洋芝の種を蒔いて育てています。先週の3月3日にPIOのテラスで見たときは芝生が伸びているとは気がつきませんでしたが、3月7日に再びPIOのテラスの芝生を見たときは、芝生が伸びたことが目でも確認できました。
                                        
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                                        新宿事務所の芝生の発芽 3月7日撮影

新宿事務所では2月17日に芝生の種を蒔いたのですが、3月7日に発芽が確認できました。啓蟄を境にして虫の字のつく爬虫類も木の字のつく植物たちも冬眠や休眠から覚めて種も発芽を始めるのでしょうね。東京も来週の中ごろから気温が上昇するようです。本格的な春到来ですね。
                                           
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                                        新宿事務所の芝生の発芽3月8日撮影 関連ブログ 啓蟄に虫を見る


都市環境の保護と再生を目指して 2016年03月04日
"I always believed that a blighted urban landscape, a concrete jungle destroys the human spirit.We need the greenery of nature to lift our spirits."「都市の荒廃、コンクリートジャングルは人々の心を壊す。人々の心を高める(満たす)ためには自然の緑を必要とする。」私の尊敬するシンガポールの政治家Lee Kwan Yewが1995年に残したスピーチの一部です。
         ガーデンクリート緑化システムを使用した建物の周辺緑化(シンガポール セントーサ島)
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私はこれまでガーデンクリートと灌水装置を組み合わせた緑化システムでシンガポール、香港、そして東京の都市緑化を経験してきました。熱帯のシンガポール、亜熱帯の香港、温帯の東京と、それぞれの都市の環境には違いがありますが、これらの都市では、ヒートアイランド現象、ドライアイランド現象など共通した問題を抱えています。その原因の一つが冒頭にあげたLee Kwan Yewのスピーチにもあるコンクリートジャングルです。 
              ガーデンクリート緑化システムが採用された香港の中学校の屋上緑化です。
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先週のブログでもお話ししましたが、我々のご先祖様であるアウストラロピテクスがアフリカに誕生してからおよそ400万年の間、人類は植物に囲まれた自然の中で生存してきました。そして電気、ガス、水道などのライフラインの恩恵を受けながら人類が本格的な都市生活を始めて200年もたっていないでしょうね。
東京都文京区の建物のテラスでガーデンクリート緑化システムの上で様々な植物を育てて5回目の春を迎えました。
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人類がMr.Leeの言う自然の緑から離れて本格的な都市生活を始めてわずかな時間しかたっていません。400万年の生存の歴史を経過してきた人類には自然との深い結びつきを持ったDNAが流れているのです。ガーデンクリートの上で芝生を始め様々な植物を育てて10年ほどになりますが、コンクリートと植物の間にガーデンクリートを緑化基盤として薄く敷くことで、都市を覆うコンクリートジャングルを容易に緑のジャングルに変える経験を積んできました。
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今までの経験を活かしながら、ガーデンクリートを地面に直立させて植物を育てるフローラカスケードも実用化の目処がたちました。アウストロピテクスが直立歩行を実現させて大きな進化を遂げたように、これからもガーデンクリートを進化させて都市環境の保護と再生を目指します。  関連ブログ:Garden CityからCity in the Gardenへ
ガーデンクリートの保水性と通気性、そしてアルカリ性 2016年02月20日
大地の五億年(せめぎあう土と生き物たち) 藤井一至 ヤマケイ新書 山と渓谷社を読んでいます。「変化」と「酸化」をキーワードにして、地球を覆う土壌の5億年の歴史を語った興味深い本です。石灰石系固化材で軽石を固めたガーデンクリートで植物を育てる製品を開発している私にとり参考になる記述がいくつかありました。
「酸性とは水の中の水素イオンH⁺が多い状態を表す。日本のように降水量の多い地域では、生物の活動が盛んで、樹木や微生物による酸性物質の放出も盛んになるため、カルシウムなど中和に働く土の成分が溶かされ、雨とともに洗い流される。」
「植物はカリウムイオンK⁺やカルシウムイオンCa⁺などの陽イオンを吸収するために、代わりに水素イオンを根から放出する。」
微生物は落ち葉を分解すると、その一部を酸性物質(有機酸、炭酸、硝酸)として放出する。生き物が放出する酸性物質により土が徐々に酸性に変わってゆく。」
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上の写真はガーデンクリートでフラワーポットを作り、サトイモ科の熱帯植物ディフェンバキアを育てている様子です。フラワーポットの上のほうに白い粉のようなものが付着していますが、これは水酸化カルシウムのようです。ガーデンクリートの固化材に含まれているカルシウムが溶け出して、フラワーポットの表面に出てきたようですね。
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ディフェンバキアはこのフラワーポットで8年以上生育しています。その間、根と茎は残り、葉が何世代も交代してきました。ディフェンバキアの根は直径わずか9cmぐらいの穴の土から伸びてガーデンクリートの空隙に活着します。8年以上もの間ディフェンバキアが元気に育ってきたのはガーデンクリートの保水性と通気性が根に良い影響を与えたことが主たる要因ですが、ガーデンクリートから溶け出したカルシウムのアルカリ性が酸性の土を中性に変化させるとともに、根から吸収されてディフェンバキアの生育を支えているのかもしれませんね。
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フラワーポットの穴を並べて壁にしたのがフローラカスケードです。フローラカスケードにはガーデンクリートで作ったブロックに穴が開いていて、その中で様々な植物を育てることができます。写真はフローラカスケードでヴィオラを育てている様子ですがヴィオラたちも、ガーデンクリートの保水性、通気性、そしてアルカリ性に支えられながら元気に育っています。 2月19日撮影 関連ブログ:フローラカスケード

首を垂れる? 2016年01月22日
東京は1月18日の早朝、雪に見舞われました。浅草寺様境内のフローラカスケードも一時、雪に覆われヴィオラも花や葉が下に垂れて、まさに小滝のような姿でした。1月18日撮影
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その後天気も回復してフローラカスケードに太陽光が降り注ぐようになると、ヴィオラの花と葉は再び太陽に向かい成長を始めました。 1月21日撮影
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カスケードとは日本語で小滝を現わす言葉です。水は重力の影響で上から下に流れます。今回,ヴィオラたちの様子を見て植物は命がある限り、自力で光を求めて上に伸びてゆくことを改めて確認しました。光合成で蓄えたエネルギーは植物たちが重力に立ち向かうために使われるようですね。植物の生命力には頭が下がります。
関連サイト:フローラカスケードFlora Cascade 関連ブログ:フローラカスケード 関連SNS:lora Cascade
共生or淘汰? 2016年01月10日
今、PIOのテラスでは西洋芝とバジルがガーデンクリート緑化システムの1.5mx1.2mのスペースで、生存競争を繰り広げています。
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昨年の10月の中旬から西洋芝の種(ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスク)の混合種(年中無休)を蒔いているのですが、同じ時期に緑化システムの周りのプランターで育てているバジルの種が混ざり込んだようで発芽してきました。
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芝生の種もバジルの種も発芽してまだ2ヶ月ほどですが、これから先、ガーデンクリート緑化システムの上で生存競争を続けながら共生できるのか、それともどちらかが淘汰されるのか見守ってゆこうと思います。 
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                           1月4日撮影




夏はベント、冬はライグラスを育てる東京の環境 2015年11月28日
PIOのテラスにあるガーデンクリート緑化システムでは今年は春から夏にかけてはベントグラスを育てました。そして秋から冬にかけては西洋芝混合種年中無休を蒔いて育てることにしました。
                          ベントグラスの種を蒔いて一月経った頃の様子。2015年6月6日撮影
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           西洋芝混合種年中無休の種を蒔いてほぼ一月経った様子。2015年11月27日撮影
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ベントグラスは英語ではcreeping bent grassと言ってホフク系(creeping)の芝でイネ科に属します。西洋芝混合種年中無休はペレニアルライグラス、トールフェスク、ケンタッキーブルーグラスがブレンドされた芝生の種です。米も麦も、トウモロコシ、大麦、ライムギなど狭義の穀物はイネ科に属するそうです。イネ科
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PIOのテラスでは1年を通してガーデンクリート緑化システムの上で様々な植物を育てています。コンクリートやアスファルトに覆われた東京でもイネ科の芝生、夏はベントグラス、冬はライグラスが育つと言う環境は、夏は米、冬は麦が育つ日本の風土につながるような気がします。これから来年の春に向けて、ライグラス、トールフェスク、ブルーグラスを混合した年中無休を大切に育ててゆこうと思います。 11月27日撮影
11月の風のガーデン 2015年11月20日
今年の東京はエルニーニョ現象の影響で暖かい日が続いています。それでなくとも都市のヒートアイランド現象の影響で気温がやや高めの東京では、今年は落葉樹の落葉の時期の幅が広がっているような気がします。事務所のそばにある新宿御苑では、ポプラやケヤキはすでに多くの葉を落としていますがイチョウやモミジはまだ紅葉の途中です。
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先日、文京区にあります風のガーデンを訪れました。ここではハギが落葉を始め高麗芝も休眠に入りつつあるようです。それでも風のガーデン全体の冬支度のタイミングは昨年の同じ時期とあまり変わらないような印象です。
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大地に育つ植物の環境と空中で育つ植物の環境には何か違いがあるのでしょうか?風のガーデンで様々な植物を育ててみて気がついたのですが、地面から30メートルほど上にある風のガーデンでは秋の七草であるハギや桔梗が6月ごろから咲いていていました。その原因は東京の気温がヒートアイランド現象の影響で周囲の自然環境よりもやや高からではないかと考えました。6月の風のガーデン
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この考え方にさらに進めると、コンクリートヤアスファルトに覆われた都市の地表と同じ場所の空中30メートルとでは温度差があるのではないかということです。コンクリートやアスファルトに覆われた地表の暖かい空気が上昇して、地上30メートルぐらいでは地表よりもやや暖かい環境になるのではないでしょうか?コンクリートやアスファルトに比べて熱伝導率の低い空気の影響で、空中にある風のガーデンでは、コンクリートやアスファルトの地表と比べて、一年を通しての寒暖の差が少なく、気温もやや高めに推移するのではないかということです。 そしてこの環境の違いを新宿御苑や風のガーデンの植物たちが、目に見える姿で教えてくれているような気がします。風のガーデン:11月17日撮影



若者を育てる神宮球場の風 2015年11月14日
明治神宮野球場は野球を志す若者を育てる球場ではないかと思います。私は神宮球場のそばに住んでいますが、このあたりでは夏は南風、冬は北風が吹く日が多いようです。神宮球場では本塁からセンターへの方角は南から北に向いているようですがアメリカのOfficial Baseball Rulesによると本塁は南西南から南の方角に位置するとあり、神宮球場の本塁はまさにセンターから向って南西南の方角に位置する設計です。野球場(Wikipedia)引用
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先月行われた日本シリーズ第3戦で、東京ヤクルトスワローズの山田哲人選手が3打席連続ホームランという快挙をなしとげました。私はテレビで実況を見ていて感動しましたが、当日の夕方は10月の下旬にしては暖かい南風が吹いていて、今日の試合はホームランが出そうだなと思いました。もちろん3打席連続ホームランは山田選手のプロ選手としての素晴らしい実力です。
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神宮球場はプロ野球のほかにも大学野球、高校野球と若者が野球をする機会が多い球場です。若者にとり神宮球場でヒットやホームランを打つことは大きな自信になることでしょう。東京の野球シーズンは風が本塁からセンターに向かって吹く南風が多い春から夏にかけての季節です。体も技もまだ成長過程にある若者にとり神宮球場に吹く南風は彼らの味方です。
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2020年の東京オリンピックの後、明治神宮球場は建て替えられる予定です。これから野球を志す若者を育てるためにも、新しい野球場は今と同じ位置、方向に建てられることを希望します。そしてグラウンドの芝生は天然芝にしたいですね。

朝倉彫塑館2 2015年11月06日
久しぶりに朝倉彫塑館に行ってきました。2008年の11月に訪れて以来、7年ぶりの再訪です。朝倉彫塑館当時私はガーデンクリートを素材とした屋上緑化システムの開発を始めていましたが、70年以上も前に自ら現場打ちコンクリートを打設してビルを立ち上げ、その屋上に菜園を作っていた朝倉先生の開拓精神は、軽石を使用した緑化コンクリートで建物の屋上を緑化する課題に取り組んていた私に勇気を与えてくれました。
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朝倉先生が屋上に菜園を作った当時、ドリップチューブやタイマーなどの灌水装置は日本にはなく、雨水と手まきによる散水で植物を育てなければなりませんでした。そこで先生は土の厚みを20cm位に設定したようです。
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土中の保水量を20%とすると20cm厚みの屋上菜園の保水量は40r㍑/m2です。現在の東京の年間降水量が約1500mmなので土中保水量を40㍑/m2を保つには年間約38日(1500÷40)の降水が必要です。つまり一年を通して10日に一度は雨が降るこを想定ですね/(365÷38)芝生などの植物からの水分蒸散量もおよそ4mm/m2日ですから、東京の年間降水量からすると雨水をあてにした自然灌水では 20cmの土厚は妥当な想定だと思います。
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私が開発してきたガーデンクリートと灌水システムを組み合わせた緑化では、ガーデンクリートと土の厚み合わせて5cm位の厚みで様々な植物が育てられます。灌水システムには灌水タイマーと雨センサーが組み合わされているので季節ごとに灌水時間を調整し、雨の日は灌水を中止します。これにより一年を通して必要最小限の水量で植物を育てられることが可能になりました。さらに緑化基盤のガーデンクリートはコンクリートやアスファルトの上に直接施工できるので、屋上はもちろんの事、建物の周囲、道路に面した接道の緑化も容易になりました。
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ガーデンクリートを素材とした緑化システムも開発が終了し各地で実用化が進んでいますが、7年前に出会った朝倉彫塑館の屋上菜園が、コンクリートやアスファルトに覆われた都市の砂漠で植物を育てる私の挑戦の心の支えになりました。関連サイト:ガーデンクリート都市緑化システム  土と比較したガーデンクリート緑化システムの特徴  関連ブログ:風のガーデン

毛細管現象を利用した植物の育て方 2015年10月10日
ベランダの隅に出来た水たまりを利用して、緑化ブロックの上で植物を育てながら水たまりを解消する方法をご紹介します。
IMG_2012.JPG緑化ブロックを灌水クロスで覆いその上に土をのせて植物を育てます。毛細管現象を利用した緑化ブロックと灌水クロスの保水性能、そして植物の根の吸水性能と葉の蒸散性能で水たまりもの水も有効に利用できます。
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  灌水クロスを通して緑化ブロックと土に伝わった水分を植物の根が吸い上げて葉から蒸散させる仕組みです。
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事務所のベランダでも緑化ブロックの上で植物を育てていますが、植物は天然砂利の方には向かわずに、保水性のある緑化ブロック目指して根を張り成長します。
PA100466.JPG土をあまり使用しない緑化ブロックの保水性能と植物の吸水性能、蒸散性能を利用してベランダを汚さずに効果的な水の循環を図る事が出来ますね。
自然法則に従い中道を行く 2015年09月20日
私が学んだ学校のモットーはPro Deo et Patria via Media 「神と国のために中道を行く」でした。「神と国のために」とは「神の知恵(自然法則)を謙遜なる心をもって探求し人類の幸福と福祉に貢献する。」。そして中道とは「道の真ん中を、真理を求めて歩く旅人。(あらゆる絶対主義をとらない。)」という意味だそうです。また法華経の「妙法蓮華」とは蓮の花が咲き実を結ぶように、自然法則に従って生きることが人生の妙(うまみ)だということだそうです。キリスト教も仏教もそれぞれの教えが言わんとすることは自然法則に従いながら生きることが、より多くの人々の幸福につながるという事ですね。
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現代の人間社会は喩えると龍虎、赤白源平の対峙の中にあるのではないかと思います。龍は国民主権、虎は国家権力、赤は左翼思想、白は右翼思想がそれぞれ対峙する形態です。幸い私が住んでいる日本という国は、龍が絶対支配しているわけではなく、虎が絶対支配しているのでもなく、また右も左も思想が極端に対峙している社会ではありません。
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我々は縦軸の龍虎と横軸の赤白が交わるど真ん中を、周囲の自然を感じながら自然が示す方向に向かい歩んでゆく事が人類の幸福と福祉に貢献する人生の妙ではないかと思います。 
  関連ブログ:自然法則を利用した技術思想の創造 写真:神宮の森と御苑の睡蓮 9月19日撮影

自然法則を利用した技術思想の創造 2015年09月07日
発明とは自然法則を利用した技術思想の創造です。その高度なものが特許で保護されます。発明者には一定期間、一定の条件のもとに特許権という独占的な権利を与えて発明を保護する一方、その発明を公開して利用を図ることにより新しい技術を人類共通の財産として行くことを定めて、これにより技術の進歩を促進し、産業の発展に寄与しようというものです。崇高な理念を持った制度ですね。特許庁ホームページより
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私もいくつか特許権をいただいていますが、確かにその製品開発の発想は自然法則の原理を利用したものでした。たとえば「ブミコン」は天然に存在する石灰石の凝固能力を利用して天然砂利を固める透水性コンクリートです。ブミコンは砂を使わないコンクリートなので砂利と砂利との間に空隙が出来て、そこを水が流れることで雨水を地面に浸透させます。そしてコンクリートやアスファルトに覆われた都市の保水能力を高めます。
            ブミコンの形は浅草名物の雷オコシに似ています。
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ガーデンクリートはブミコンの原理を応用した緑化コンクリートです。使用する骨材を天然砂利から軽石に変えることで、軽石の無数の空隙を利用してそこに水が保水される仕組みです。そして軽石に保水された水が蒸発するときに発生する気化熱の働きで、地表の温度を下げ都市のヒートアイランド現象の緩和に役立ちます。
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ガーデンクリートの空隙には植物の根が活着して植物を育てます。そしてガーデンクリートの保水性と通気性が根の成長を促進させます。ガーデンクリートはコンクリートやアスファルトの上に直接施工出来るので、様々な場所で都市の緑化を容易にします。さらに毛細管現象の働きを利用したドリップチューブと灌水クロスとガーデンクリートを組み合わせた緑化システムが、必要最小量の灌水量で植物を育てるとともに、緑化基盤の厚みを薄くすることが出来るので、屋上に施工しても建物への荷重を軽減します。また石貼りやコンクリート、アスファルトに覆われた歩道でも、土を使用したプランターの厚みの1/3から1/4の厚みで様々な植物を育てることが可能です。
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ガーデンクリート緑化システムの上で芝生や植物を育てている香港の中学校の屋上の写真です。土地が少なく高層の建物の多い香港では、建物の屋上を緑化することで,周囲の建物から緑が楽しめます。     関連サイト:ブミコン・ガーデンクリートについて ガーデンクリート都市緑化システム

乱層雲 2015年09月02日
乱層雲は降雨をもたらす雲の代表格で雨雲または雪雲と呼ばれます。地表付近から10,000mの間で発生するようです。(Wikipedia乱層雲)
先週末、神奈川県の箱根に行ってきました。東京の自宅を出発する時は空は雲に覆われていて雨の旅を覚悟しましたが、ロマンスカーで西に向かうにつれて天候は少しずつ回復してきました。途中、伊勢原付近で見かけた標高1252mの大山も半分ぐらいは雲に覆われていましたが青空も少し見えました。
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       そして標高723mの芦ノ湖では雨雲は抜けたようで青空が広がっていました。
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さらにロープウエイで昇った標高1483mの駒ケ岳の上では、山の下から昇ってくる雲を見ることが出来ましたが、まさに雲がわいて来るような感じでした。
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この日の夕方ホテルのテレビで見たニュースによると東京は雨模様だったようです。山の天気は駒ケ岳で見た雲の動きのように常に変化を続けますが、雨雲(乱層雲)の上と下では大きな違いが見られました。 8月28日撮影
洪積層と沖積層 2015年08月13日
事務所のある新宿は武蔵野台地の東端、淀橋台と呼ばれれる高台にあります。武蔵野台地は今から10000年前まで続いた更新世に形成された洪積層の地層で山の手とも呼ばれています。洪積層は沖積層に比べて地盤が強く、古くから日本の重要建築物は洪積層が露出した土地に建てられたようです。
  武蔵野台地の東に位置する新宿御苑は、江戸時代は信州高遠藩内藤家の下屋敷の敷地でした。

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武蔵野台地には最終氷河期に発達した河川や氷河により洪積層が削り取られて形成された河谷がありました。そして最終氷河期後期には海面が上昇し土砂が河谷に堆積して沖積層が形成されました。沖積層の地盤は洪積層の地盤と比べると地盤沈下、洪水、地震災害時の液状化などの被害にあいやすい場所です。私が事務所に行くときによく歩く外苑西通りは洪積層の河谷に土砂が堆積した沖積層で江戸時代、古川(恩田川ー渋谷川)が流れていました。恩田川は今でもの外苑西通りの下を暗渠として流れています。(千駄ヶ谷線)
      新宿御苑の東にある玉藻池から恩田川は流れ始めました。カメが甲羅干しをしています。
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その恩田川の地形上の源頭は、新宿事務所の南の新宿御苑の中にある玉藻池と下ノ池、中ノ池、上の池にあったようです。玉藻池は四谷大木戸門で分岐した玉川上水により出来た池だったようです。分岐された片方の水は暗渠を通り江戸市中に給水されたました。下ノ池、中ノ池、上の池の水は新宿御苑の西横にある天龍寺の境内の湧水から出来た池です。そしてそして玉藻池から流れた水と、下ノ池から流れた水が合流した場所が千駄ヶ谷駅の東にある外苑橋あたりだったようです。
この外苑橋のすぐそばには、今話題になっている国立競技場がありました。皆さん、国立競技場のある場所の住所をご存知ですか?新宿区霞ヶ丘町といいます。おそらく新宿御苑の2つの池から流れ出た水が合流したこの辺りはその昔、霞がたなびく沖積層の湿地帯だったのでしょう?

新宿御苑の南にある下ノ池から流れた水は千駄ヶ谷を通り外苑橋のあたりで玉藻池を水源とする恩田川に合流しました。
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そのような場所にキールアーチをかけるには沖積層の土をかなり掻き出さなければならないでしょうね。試算によると10トントラックで1日当たり100台搬出しても10年、1年でかたずけるとなると1日当たり10トントラックで1000台の搬出量になる話がTVで報道されていました。都心でこのような通交量があると道は傷むし一般の通行にも支障をきたすでしょうね。しかも国立競技場の横には地下鉄都営大江戸線、JR総武線が走っています。
  外苑西通りに隣接する国立競技場の跡地では整備作業が行われています。(8月5日撮影)
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建築物を作るには確かにデザインも大事ですが、実際に建物が建つことが前提です。今回の新国立競技場建設騒動のなかで、キールアーチ案が却下されたのは建築資材などの高騰が大きな要因とされていますが果たして本当なのでしょうか?建築物の提案をする場合、上っ面のデザインにこだわる前に、建築物を立てる場所の地層や、周辺の情報をしっかりつかんだうえで意匠(デザイン)考えるのが建築家の基本ではないかと思います!
ゲリラ豪雨対策 2015年07月19日
週刊ビル経営7月6日の特集「万全なゲリラ豪雨対策を 製品・サービス」で当社の活動が紹介されました。150717IMG.pdf
私が透水性コンクリートに出会った20年以上前、ヒートアイランド現象やゲリラ豪雨といった言葉はあまり馴染みのある言葉ではありませんでした。その後、東京では臨海地区に高層ビルの建築がはじまり海からの風の道が変わり、上昇気流で急に積乱雲が発生してゲリラ豪雨につながる環境が生まれました。またコンクリートやアスファルトに覆われた都市環境では、地面の保水能力の低下等が原因で発生するヒートランド現象が確認されて今日に至っています。

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当初は雨水を浸透させて快適な歩行環境を作る目的で開発された透水性コンクリートですが、その後の都市環境の変化によりゲリラ豪雨等による雨水を浸透貯留させることで、都市の排水能力を補完する役割が生まれました。台東区浅草にある浅草寺様ではブミコンで境内の環境整備のお手伝いをさせていただいています。
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次に当社が目を向けたのは、透水性コンクリートの骨材として軽石を使用することでさらに保水能力を高めて、植物の育成基盤となる緑化コンクリートの開発でした。当時、東京都は石原都政の下、都市環境の緑化が進められていました。当社の緑化コンクリート・ガーデンクリートの開発が東京都より中小企業創造法の認定を受け、東京都中小企業振興公社のビジネスナビゲーターの皆さんと一緒に、都内の町工場をを廻り、素晴らしい発想力、技術力のある中小企業の協力を得て商品開発を進めました。その間にシンガポールでの特許を取得したほか、今年の2月にはガーデンクリートを使用した緑化ブロックと灌水システムを組み合わせた緑化システムの特許が査定されました。
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緑化コンクリート・ガーデンクリートを使用した緑化システムは、工場やビルの屋上、テラス、ベランダはもちろんのこと、コンクリートやアスファルトに覆われた地面の上を容易に緑化します。そして熱や紫外線に強いガーデンクリートの耐候性は、熱帯のシンガポール、亜熱帯の香港等、一年を通し厳しい太陽光にさらされ、雨量の多い東南アジアで評価されています。
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新国立競技場の建設もようやく目処が立ち、2020年の東京オリンピックに向けて東京の環境整備が始まりました。オリンピックが開催される7月の東京はかなり暑いでしょうね。熱帯・亜熱帯の都市緑化に使われているガーデンクリート都市緑化システムで東京の環境整備のお手伝いをしたいと思います。
植物が育ちやすい都市環境を作ります! 2015年07月11日
6月27日のブログで東京都内にある風のガーデンでは秋の七草であるハギや桔梗が満開を迎えていることをお話しました。その理由としてヒートアイランド現象の影響で都内の気温が緑に囲まれた自然環境の気温よりも多少高めにあるからではないかと述べましたが、今回はその原因についてもう少し詳しく考えてみたいと思います。
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東京都内の屋上、テラス、接道にガーデンクリート緑化システムを施工して様々な植物を育てて10年を迎えました。もともと植物とはそれほど縁のなかった私ですが、都市環境の中で植物に接することで、植物の逞しさを感じると同時に都市環境は植物の生育に適しているのではないかと考えるようになりました。
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東京都内はコンクリート、アスファルトに覆われた面積が多く、ここ10年の間に臨海地域では高層ビルが立ちはだかり、海からの風の道にも影響が出てゲリラ豪雨といった現象も頻繁に発生するようになりました。都内では毎日、動く発熱機?自動車が走り回り1000万人の人間がうごめき、人体から発生する熱量(体温)やCo2の量もかなりの数値になっていることでしょうね。
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コンクリートやアスファルト、そして自動車から放射される熱量や人間が発生する熱量やCo2は植物の生育にとり決して悪い条件ではないと思います?それでは植物の生育に不都合な都市環境とは何でしょうか?それは圧倒的に地面を占有しているコンクリートやアスファルトの保水量が少ないからではないでしょうか。ゲリラ豪雨も保水することで植物の生育にはプラス要因にまります。ガーデンクリート緑化システムはアスファルトやコンクリートに不足している通気性と保水性を補い最適な灌水を継続することで植物が育ちやすい環境を作ります。
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人間にとって不都合なヒートアイランド現象も、一工夫することにより植物が生育するのに都合のよい環境に変わります。
気候カジノ 2015年05月31日
アメリカ人の経済学者W・ノードハウスが書いた気候カジノ「経済学から見た地球温暖化の最適解」日経BP社を読んでいます。著者は学生時代に読んだ「サムエルソン経済学」の共著者で経済学者の視点から地球温暖化をとらえていて興味を感じます。その内容をいくつか列挙してみます。
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人為システムとは資源の効率的かつ持続的な活用を確実にするため社会が策を講じているもの。
人為的エコシステム 農業。たとえば水耕栽培のように土を使わずに、制御された環境で水と栄養剤を使い植物を育てる農法。
・非人為システムとは人間の介入をほぼ受けずに機能しているシステム。
非人為的エコシステム 狩猟文化 気候パターンに大きく影響された。 
気候とは、何十年あるいはそれ以上の期間における、気温や降水量といった変数の統計的平均や変動性の事。
気象とは特定の日や年など短期間における実際の気候プロセス。
・世界全体では地域の平均気温が1度から3度上昇すると、食糧生産能力が増加すると予測される。
・気候変動に対応する緩和策。気温上昇と乾燥がもたらす負の影響の多くは二酸化炭素施肥によって補うことが出来ると考えられる。
・気候変動がもたらす主な影響 それぞれのシステムには、独自の動態や気候変動との関係がある。農業にとっては土壌水分量の問題であり、、ハリケーンにとっては海面温度が問題であり、海洋酸性化にとっては大気中の二酸化炭素濃度が問題となる。
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                                       写真は落羽松ラクウショウの気根 新宿御苑

暑い日が続くと二酸化炭素排出量の増加による地球温暖化の影響だと言ったり、寒い日が続くと太陽黒点の減少による地球寒冷化の影響だなどと身近な気象現象だけを見て短絡的に気候変動と結びつけたくありませんね。ある程度の温暖化や二酸化炭素の排出量の増加は農業にとっては好都合な環境を生み出します。また植物を育てるには土壌水分含有量が問題だという指摘には、緑化コンクリートと灌水システムを組み合わせて植物を育てる手法を開発している私にとってはとても心強い言葉です。しかし平均気温が3度以上上昇したとき、地球の環境は突然、正比例では予想できないカタストロフィックな変化を遂げるかもしれません。しかしその予想は難しいようです。

・あらゆるものは証明している。神が実は相当のギャンブラーだったということを。宇宙は壮大なカジノであり、そこでは常にサイコロが振られ、ルーレットが回されていることを。 スティーヴン・ホーキング

・リスクは知識に反比例する アーヴィング フィッシャー



大地が動く? 2015年05月18日
先日、長野県のパートナー企業である株式会社キクイチさんが施工されたブミコン舗装の現場をいくつか拝見してきました。キクイチさんがブミコン舗装を行っている長野県松本市近辺の自然環境は東京などの都市環境と比べて寒暖の差が大きい地域です。理科年表によると年間を通しての最高気温と最低気温の気温差の平均は東京が7℃であるのに対して松本は11.2℃と4.2℃もの開きがあります。              松本城
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物質は温度の変化に合わせて膨張収縮を繰り返します。温度の上昇によって物体の長さ・体積が膨張する割合を温度あたりで示した数値を熱膨張率と呼びます。透水性コンクリートブミコンに近い素材であるコンクリートの熱膨張率は12で鉄の熱膨張率12.1に近いですね。東京でも浅草寺様境内でブミコン舗装を行っていて気がついたことがあります。それは冬に施工したブミコンが気温が上昇するにつれて、ブミコン周囲の目地の一部が収縮しているのです。気温の上昇につれてブミコンが膨張したのでしょうね。まさにブミ・大地は動いているようです。             浅草寺様境内のブミコン3月撮影
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一年を通して寒暖差の激しい信州でブミコン舗装を行うキクイチさんは、自然環境の変化に対応した施工を目指して様々な工夫をされています。キクイチさんがブミコン舗装の様子や透水性試験の様子を動画サイトYouTubeにまとめてくださいました。当社のホームページでご覧ください。              ブミコン・ガーデンクリートについて
植物からの蒸散作用を肌で感じる? 2015年04月09日

2015年4月5日渋谷区の午前7時から9時にかけての天候は曇り時々雨でした。

7時半過ぎに神宮前の自宅を出た時は、雨をかすかに肌に感じましたが、傘をさすほどではありませんでした。自宅の周囲はコンクリートの建物とアスファルト舗装に覆われています。歩いて10分ほどのところに明治神宮がありますが、神宮にに入り20分ほど森を歩いている間雨がけっこう降ってきました。それから神宮の外に出てコンクリートとアスファルトに覆われた市街地に入ると雨足が弱まりました。  明治神宮 南参道

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次に緑の多い神宮外苑に入ると再び雨が体感できるほど降ってきました。10ほど雨の中を歩き外苑の外に出ると、また雨足は弱まりました。 緑の多い森の中では雨が強く、コンクリートやアスファルトに覆われた市街地では雨が弱かったようです私の住んでいる場所は緑地面積よりもコンクリートやアスファルトの被覆面積が多い環境です。そこから徒歩で10分ぐらいのところにある明治神宮や神宮外苑の森の緑地面積は80%以上ではないかと思います。         明治神宮 北参道

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YAHOO気象情報によると渋谷区の45日午前7時から9時までの天候は 気温9度、湿度95パーセント、降雨量1mmでした。当日は気温が低く空気中の水蒸気量もほぼ飽和状態で、降雨量1mmという数字を見ると雨が降り始める微妙なタイミングにあったようです。気温10度の時、空気の飽和水蒸気量は9.39g/m3です。このような気象条件の中で当日の朝、明治神宮や神宮外苑の降雨量が増えたのは植物の蒸散作用働きで、空気中の水蒸気が飽和水蒸気量(9.39g/m3)を超えて凝縮して雨となって降ったからではないかと思います。4月5日の散歩では、植物の蒸散作用を肌で感じる事が出来ました。そしてコンクリートやアスファルトに覆われた都市の環境がドライアイランド現象やヒートアイランド現象を生み出すことを実感することも出来ました。

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ふつう6月ごろに咲く花菖蒲が神宮外苑の横を走る外苑東通りの街路樹の脇に咲いていました。4月5日撮影
Garden CityからCity in the Gardenへ 2015年03月26日
私の尊敬するシンガポール建国の父Mr.Lee KuanYewが先日、91歳の生涯を終えました。Mr.Leeは緑の中にGarden Cityを作るという明確なヴィジョンを掲げ強力なリーダーシップを発揮して今日の緑豊かな都市国家を実現させました。植樹するリー首相 Trees of our Garden City  National Parks Publication引用 
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豊かな緑の中に都市を作ろうというMr.Leeの情熱とリーダーシップは若きSingaporean達を動かし、効率の良い官僚組織を作り、安定した国情と緑豊かな環境は海外から多くの投資を呼び込み今日のシンガポールの繁栄をもたらしました。

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        そしてMr.Leeに続く世代はシンガポールをCity in the Gardenにすることを目指しています。 

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             Gardens by the Bay  関連ブログ:シンガポール植物園2

新加波・香港・台北・東京の気候 2015年01月24日
寒い日が続いていますが理科年表を見ながらシンガポール・香港・台北・東京の気候を比較してみましょう。熱帯気候に属するシンガポールの1月の平均気温は26.6度です。亜熱帯気候にある香港、台北の1月の平均気温は香港が16.1度、台北は16.3度。そして温帯気候に属する東京の1月の平均気温は6.1度です。また年間平均気温はシンガポールが27.6度、香港が23.0度、台北が23.1度、そして東京は16.3度です。 シンガポールの街並み
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1月の降水量はシンガポールが246.3mm、香港が21.3mm、台北が103.5mm、東京が52.3mm。年間の降雨量はシンガポールが2199.0mm、香港が2246.1mm、台北が2534.0mm、そして東京は1528.8mmです。                   ヴィクトリア・ピークからみた夕日(香港)
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温帯気候の東京と亜熱帯気候に属する香港、台北、そして熱帯地方のシンガポールでは気温、降水量などに違いが見えますが、これらの都市に共通する点は、それぞれコンクリートやアスファルトに覆われた環境に置かれていることです。そして都市環境の大きな問題点は、集中豪雨時の洪水、都市を覆うヒートアイランド現象です。                 空からみた台湾の山々
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ブミコン・ガーデンクリートは、熱帯、亜熱帯、温帯にかかわらず、コンクリートやアスファルトトに覆われた都市の雨水の貯留・浸透性を高め、コンクリートやアスファルトの上を簡単に緑化する緑化基盤として都市の環境を改善を図ります。
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                 朝の新宿御苑 1月24日撮影



二酸化炭素Co2はとても大事な物質です 2015年01月03日
インターネットを見ていたら興味深いニュースを見つけました。二酸化炭素の排出量の増加が熱帯植物の成長を早めているという記事です。Mail online 熱帯の植物たちが吸収するCo2の量は年間15億トンで、世界中の植物が成長するために吸収するCo2の半分ほどを占めているようです。 Co2の増加により植物の光合成が活性化しているということですね。        写真Mail online引用
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「二酸化炭素は化学式がCo2とあらわされる無機化合物である。略 植物の光合成によって二酸化炭素は様々な有機化合物へ固定される。」Wikipedia参照
Co2は人間をはじめ地球上すべての生命を支える大事な物質です。植物は生命を維持するためのエネルギーとして、光合成を行いながらCo2を空気中から取り込み水(H2O)と結合して炭水化物エネルギー(C6H12O6 )を自らの力で作り出します。6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6H2O + 6O2
そして我々人間は、植物が作り出したエネルギーを摂取することで自らの生命を長らえることが出来るのです。
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21世紀に入り地球の気候変動と人間が排出するCo2濃度の増加との関係が科学的賢智を超えて、Co2がネガティヴなイメージとして政治的に利用されているようです。Co2がいかに大事な物質であるかということを理解しなければいけませんね。特に次世代を担う若者たちにはCo2に対してネガティヴなイメージを持ってもらいたくありません。   関連ブログ:光合成と芝生の呼吸 二酸化炭素は魔女じゃない!
無理が通っても道理引っ込まず? 最近の地球の気候3 2014年12月13日
今年の夏の北極海を覆った氷面積は昨年に引き続き2012年の夏の氷面積を上回ったようです。National Snow&Ice Data Center

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よく話題になる世界のCo2排出量は2011年度のデータで318億トンだそうです。世界のCo2排出量が2011年以降に減ったとのニュースは聞いたことがないので世界のCo2排出量は今でも増えているのでしょうね。このような地球環境の中で北極海の氷面積は2012年に最少面積を記録した以降、増加傾向にあるようです。また南極の氷面積も1976年以降最大期を迎えているようです。JCCA(Japan Center of Climate Change Action)参照。
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大気中のCo2濃度の増加が地球の気温を高めているといった単純な正比例みたいな考え方が世界を風靡していますが果たしてそうなのでしょうか?46億年かけて築き上げられてきた地球の自然環境(道理)を300年程度の歴史しか持たない近代科学の分析手法だけで測定して、一次方程式で地球環境の変動を説明するのは無理ではないでしょうか?一時的に政治イデオロギーに近い地球温暖化理論で無理が通ったとしても、地球環境を取り巻くスケールの大きなの自然法則(道理)を引っ込めることはできませんね。
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                                     夕暮れの雲 渋谷区 12月5日撮影
G邸ブミコン舗装 2014年09月20日
先週は新築の建物でブミコン舗装の仕事をさせていただきました。建物の周囲は隣地境界との間にスペースを設けることが必要です。そしてこの場所の土がむき出しになっていると、雨が降るとじめじめしたり水たまりが出来たりします。
                            ブミコン舗装前
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                                                           ブミコン舗装後
IMG_1573.JPGこのような場所をブミコン舗装することで水たまりをなくし、からっとした環境を作ります。猫たちには申し訳ないのですが、ブミコンの表面は固まっているので砂利舗装とは違い砂利を掘り起こして用をたすことはできません。
IMG_1567.JPG今年の夏、東京ではデング熱騒動に見舞われましたが、じめじめした水たまりは蚊の発生源になります。都市環境をブミコンで舗装することで水たまりやじめじめした環境をからっとした環境に変えて蚊の発生も抑えることが出来ますね。
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                                   設計施工:隆建築設計様 9月13日撮影  参考サイト 地球と人の環境保護舗装材
デング熱とヒトのグローバル化 2014年09月06日
報道によると都立代々木公園周辺では、デング熱のウイルスに感染したヒトスジシマカを媒体にして、70人以上の方々がデング熱に感染しています。私もよく代々木公園周辺を散歩することがあります。 先月も朝の代々木公園を散歩して公園内の自然を撮影しましたが、幸いなことに今のところデング熱の症状は見られません。
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ブミコン・ガーデンクリートの開発の原点の一つには熱帯・亜熱帯の伝染病対策があります。ガーデンクリートライト 熱帯・亜熱帯地方の伝染病対策として、これらの地域の地面を透水性舗装にすることで水たまりの面積を最小限に抑え、伝染病を媒体する蚊の発生を抑えようとするものです。
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デング熱が東京で発生したことで東京の環境が熱帯化していると結論付けるのは早計ですね。報道によると今回の件でデング熱ウイルスを媒介している蚊は、ヒトスジシマカという日本中に生息している蚊のようです。熱帯・亜熱帯地方でデング熱を媒介している蚊の主役はネッタイシマカで、この蚊が代々木公園で大量に見つかるようであれば、東京の熱帯化も考えられますが、今のところネッタイシマカが発見されたというニュースはありません。これは私見ですが、今回の件は熱帯・亜熱帯地方でデング熱に感染したヒトが代々木公園に行き、そこでヒトスジシマ蚊に刺され、デング熱ウイルスが蚊に伝染し、そのヒトスジシマカが周囲のヒトを刺すことで広まったのではないでしょうか?

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東京が熱帯化することで蚊の生態系が変わったというよりも、交通機関などの利便性が高まりヒトの移動がグローバル化することで、ヒトを通して熱帯・亜熱帯固有のデング熱が東京にやってきたと考えられないでしょうか?でも都市環境を透水性舗装にすることで水溜りを減らし蚊の発生を抑えることは必要ですね。                                                               代々木公園と明治神宮 8月3日撮影

植物の習性 セミの習性 2014年08月29日
インターネットを見ていたら面白いニュースを見つけました。Science 北アメリカからのニュースですが、過去40年にわたりシラネバダ山脈からロッキー山脈の間に生息する約300の植物のうちのおよそ60%の植物が、気候が温暖化の傾向にあるにもかかわらず、生息区域を涼しい高原に向かわずに暑い低地に向かって生息しているとのことです。その理由は水の確保にあるようですね。
                                                               箱根 駒ヶ岳   
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先日、箱根に行ってきました。箱根湯本ではセミが盛んに鳴いていましたが高度が海抜700メートルほどのところにある芦ノ湖周辺ではセミの鳴き声が聞こえずに静かな雰囲気に包まれていました。 
                          早朝の芦ノ湖
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芦ノ湖は今から3000年ほど前に芦ノ湖の隣にある神山が噴火して山の一部が崩壊し川が堰き止められて出来た堰止湖です。       芦ノ湖と箱根神社の鳥居
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                         8月22日撮影

過酷な環境で芝生を育てる 2014年08月16日
今年の夏、芝生にとってはチョッといい迷惑ですが、過酷な環境で芝生を育てています。PIOのテラスでガーデンクリート緑化ブロックと灌水装置を組み合わせた緑化システムの上で、6月の始めから西洋芝を種から育てています。ここではこれまでに、ケンタッキーブルーグラスのソッド(発芽した芝生の葉と土のついた根)等を緑化ブロックの上で育てました。また芝生の種を蒔く時期も早春から初夏にかけて、または晩夏から秋にかけてと、種が発芽して根を伸ばすのに最適な時期を選んで種をまき芝生を育ててきました。 5月27日 ベントグラスの種を蒔く。
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今回は盛夏に向けて気温が上昇していく時期に、あえて西洋芝の中でも暑さに弱いといわれているベントグラスの種を蒔きました。夏のPIOのテラスは午前9時から午後3時の間は直射日光が容赦なく芝生に当たり芝生の表面温度も40度を超える事もあります。芝生表面温度.pdfこのような過酷な環境でも、ベントグラスは元気に発芽して成長を続けて来ました。 6月10日 発芽する。

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ヒトの都合で過酷な環境に置かれ、暑さの中で懸命に生き延びようとしているベントグラスには大変感謝しています。そして今回の試みで様々な経験を積むことが出来ました。これからも、この経験を活かししながら、都市環境という砂漠にも似た過酷な環境の下で、様々な植物を育ててゆこうと思います。
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                                            8月15日朝撮影 関連ブログ:植物の都合に合わせた環境づくり
2030年の地球環境 2014年08月06日
以前のブログでも述べましたが2030年には、50億人が世界中の都市で暮らすようになる予測があります。熱帯の人口増加と都市化ちなみに2030年の世界の人口予測はおよそ84億人なので半数以上の人々が都市に集まる計算です。現在の世界人口が約72億人でこれから2030年にかけて12億人の人口が増える見込みです。そして世界の都市人口のうち、およそ26億人の人々が熱帯で暮らす見通しです。ちなみに2010年の熱帯の都市人口は約17億人なので2030年にかけて熱帯の都市人口は9億人増える見込みです。

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熱帯地方とは北緯23度26分の北回帰線から南緯23度26分の南回帰線の間に位置する地域で、国としては熱帯アジア(南アジア、東南アジア)、熱帯アメリカ(中央アメリカ、南アメリカ)、熱帯アフリカ(西アフリカ、中央アフリカ、東アフリカ)が含まれます。これから都市で暮らす人が増えるということは、世界規模での都市化が進むことでもありますね。ちなみに都市化とは建築構造物や道路舗装面積の増加、人口や車の増加が進み、それに伴い自然環境(動植物や、鳥、昆虫、魚などの生息地)が減少することです都市の温暖化と地球の温暖化 今のところ熱帯地方は温帯地方に比べると、自然環境に恵まれて緑の宝庫と呼ばれていますが、この熱帯地方で都市化が進むということは、さらに動植物や、鳥、昆虫、魚などの生息地が減少してゆくということですね。
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これから先、地球の気候がどのように動いてゆくのかわかりませんが、人間の都合で都市化が進むのであれば、その都市の環境を出来る限り自然に近づける工夫が必要です。ますは都市の保水性を高めてドライアイランド現象を抑える工夫です。そのためには都市の緑化を出来る限り進める努力が必要ですね。そして貴重な雨水を出来る限り大地に貯留させる工夫も必要です。それには地道な作業の継続が求められます。ハチドリクリキンディのたとえ話ですね。
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                        神宮の森と代々木公園
最近の地球の気候 2 2014年08月02日
東京では真夏の気候が続いていますが地球全体の気候はどう動いているのでしょうか?よく話題にされる南極大陸の氷結面積は冬を迎え昨年に引き続き増加しているようです。南極大陸の氷結面積の推移2014年7月現在
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一方、夏の北極海の氷結面積もここに来て2012年と比べて増加しているようです。National Snow &Ice Data Center        北極海の氷結面積の推移2014年7月現在
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上記の二つのグラフの推移を見ると、南極大陸と北極海周辺の氷の面積が増えている事がわかります。地球全体の温度はあまり変化しないと考えた場合、南極と北極の気温が下がった分、他の地域の気温が上昇しているのでしょうか?それとも地球全体が寒冷化の方向に向かい始めたのでしょうか?

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 これから地球が温暖化に向かうのか現状の気候が維持されるのか、寒冷化に向かうのかわかりませんが生物は地球に誕生して以来、35億年かけて様々な環境に適応しながら命をつないできました。そしてこれから先も、地球が温暖化しようが寒冷化しようが、その時代の環境に適応できる生物が 命をつないでゆくことでしょうね。
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                         関連ブログ:最近の地球の気候 仏の教えと科学の眼3



植物の都合に合わせた環境づくり 2014年07月07日
大田区の企業の皆さんが開発した技術で大田区産業プラザPIOのテラスで植物を育ち続けて10年以上が経過しました。私も途中からこのプロジェクトに参加させていただきガーデンクリートを緑化基盤にして芝生やハーブなどを育てるお手伝いをしています。

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ビルのテラスや屋上を緑化する発想は人間の都合に合わせた考え方です。植物たちは自然の中で生きてゆきたいと思っていることでしょうね。植物が生きるために必要な自然条件とは、光、水、風、そして土のバランスが基本ではないかと思います。コンクリートやアスファルトに覆われた都市環境は植物にとり、いごごちの良い場所ではないようです。
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植物はしたたかで逞しく、ちょっとした悪条件でへこたれることはありません。しかしながら人間の都合に合わせた環境で植物たちが生きて行くには、先ほど述べた4つの条件を満たしてやることが重要です。都市環境で植物を育てるには植物の都合に合わせた環境作りが大事であることをPIOのテラスで学びました。
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                                7月8日撮影

神宮の森 2014年05月08日
先日、明治神宮の参道を歩いていたらハキ屋のおじさんが参道の落ち葉を掃き集めていました。お話を伺うとこの季節、シイやカシ、クスノキなどの常緑樹の新芽が発芽して、それに伴い古い葉が落ちるとのことでした。掃いてもはいても舞い落ちてくる落ち葉の掃除は大変な作業です。
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明治神宮の森は今から94年前の大正9年に創設されました。当初は代々木の地名の起こりとなったモミの木が1本立っていただけで,この地一帯「土地が荒れ果てて不毛の地であった。」そうです。「明治神宮の森」の秘密 小学館文庫この地に神宮を建設するにあたり、周囲を囲む木々として日光の東照宮のような杉の木が候補に上がっていたようですが、樹木の選定に当たり杉の木は「土地は適度に潤っていて水通しの良い渓谷地に生えるものなので、都会、特に工業地帯付近では,煤煙に生育がはばまれる」との理由で却下されたそうです。大正9年当時の東京は、神宮の北に当たる西新宿(当時の淀橋あたり)が工業地区で工場から多くの煤煙が排出され、神宮の最寄りの駅である原宿もまだ山手線が電化される前で蒸気機関車が煙を上げて走っていた時代でした。このような環境で杉ヒノキなどの針葉樹を神木として育てることは困難と認め、将来の主林木をカシ、シイ、クス等の常緑広葉樹と定めたそうです。
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神宮の森を歩いていると空気はすがすがしく木々の緑が心を和ませてくれます。私が様々な事を学んだGarden city Singaporeは今、緑化された都市空間ををさらに増やしCity in a Gardenに変貌を遂げています。神宮の森や新宿御苑を歩いているとまさにCity in a Gardenの雰囲気を感じることが出来ますね。私も微力ではありますがコンクリートやアスファルトの上を容易に緑化スペースにできるガーデンクリートを使用して都市の緑化空間を広げるお手伝いをしたいと思います。
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                4月29日撮影 関連bログ:シンガポール植物園2   神宮のクスノキ  明治神宮参道
石炭火力発電と原子力発電との安全性比較 2014年04月04日
インターネットを検索していたら面白い記事を見つけました。池田信夫さんという方が主催するアゴラ言論プラットフォームというサイトの子供版のニュースで「石炭火力は安全なの?」というタイトルです。詳細は記事ご覧頂くとして、ここで述べられている石炭火力発電と原子力発電の安全性について考えたいと思います。日本で年間に火力として使用される石炭から排出される水銀量はおよそ22トンだそうです。そのうちの1.3トンが火力発電から排出されているそうです。一方、今までに日本の原子力発電所から排出された核のゴミの合計は1万7000トンで、日本の石炭火力から出る年間のゴミの1/300だそうです。そして最後に原子力発電は石炭火力発電と比べて年間のゴミの排出量が1/1万だと述べていられます。
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これらの数値がどこまで正確かはわかりませんが、この記事を見て私はあることに気がつきました。池田さんも述べられていますが、今の日本の世相は原子力発電所の周りの放射線量についてはとても敏感ですが、石炭火力発電所から排出される水銀量についてどこまで敏感でしょうか?放射線も水銀も人間に影響を及ぼす物質であることは間違いありませんが、放射能だけがクローズアップされているのが現実のようです。以前私は「二酸化炭素は魔女じゃない」というブログを書きました。今から5年前のブログですが、その当時、地球の環境の温暖化が進み、その原因が二酸化炭素Co2であるという風潮が世界を風靡していたころです。

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環境問題とは政治問題だということをつくづく感じます。人間が生み出した科学技術を利用して自然を眺めることが出来るようになり、まだ200年から300年ほどしかたっていません。その間に培ってきた経験、知識、技術だけで46億年の時間をかけて作り上げてきた地球環境を全て把握することは難しいと思います。人間社会を維持してゆくためには様々な政治的解決が必要であることは確かです。ただその手段として科学を利用する場合は、まだ200年程度の経験技術の視野で自然を眺めているという自覚を持ち素直に自然と向き合う気持ちが必要ではないでしょうか?今の科学技術で地球環境を動かす無限に近い自然法則の中から解明できたものはまだまだ限られているようです。関連ブログ:都市の温暖化と地球の温暖化
国民公園 新宿御苑 2014年03月27日
先日、事務所のそばの中華料理屋で食事をしていたら、隣のテーブルに居合わせたおじさんに声をかけられ世間話をしました。話が新宿御苑に及び、おじさん曰く「新宿御苑は日本で一番小さな国立公園だ。」というのです。確かに新宿御苑は環境省の所轄で、法律上の国立公園とは違いますが国がかかわるところは似ていますね?でも正しくは国民公園 新宿御苑でした。
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私は時間にゆとりがある時によく苑内を歩きます。開門と同時に入苑し、朝の光に包まれた美しい自然を写真に撮るのも楽しみのひとつです。温室も自由に出入りすることができるので、一年を通して亜熱帯から熱帯にかけての植物に接することもできます。
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新宿御苑は自然に接する楽しみを味わさせてくれるだけではなく、自然について様々なことを教えてくれる場所あります。御苑の内と外の環境に接することで私の仕事のテーマである都市のヒートアイランド現象が体感できますし、園内に設置された標識の説明を見て、排気ガスを取り込み空気をきれいにする樹木についても勉強させてもらいました。
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新宿御苑は江戸時代、信濃高遠藩内藤家の下屋敷でした。大木戸門の横では長野県天然記念物である高遠小彼岸桜が満開です。3月29日撮影
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これからの季節、新宿御苑では桜が咲き、芝生をはじめ木々や草花が芽吹き新緑の季節を迎えます。皆さんもぜひ新宿御苑で春を満喫してください。
21世紀の主役エネルギーを! 2014年03月13日
日ごろからお世話になっているY先生に福島原発と黒部ダムの水力発電の発電量の数値を聞いて驚きました。事故を起こした1号機の発電量が46万KWであるのに対して黒部第4発電所の水力発電量は33.5万KWです。福島の1号機は古いタイプで発電量が少ないのですが(6号機は110万KW)それでも黒部ダムの水力発電量を上回る発電量です。黒部峡谷をせき止めて作った大規模な土木工事によって生まれたダムの発電量が今から40年以上も前に作られた一つの原子炉の発電量にも満たないとは大きな驚きです。またLNGを使用して発電する火力発電所の発電量も侮れませんね。千葉県にある富津火力発電所の発電量は504万KWです。(写真は富山県にあります黒部ダムWikipedia引用)
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原子力発電と火力発電にかかわるコストは会社の業績を示すバランスシートで例えることができます。日本では火力発電のエネルギーとなるLNGを海外から調達してきます。原子力発電所が使用できなくなっている現在、火力発電所の稼働率が高まり変動費であるLNGの購入量が膨らみ貿易収支に大きな影響を与えています。1年あたりの会社の収支をみる損益計算に似ていますね。それに対して原子力発電は、電気を作るための核燃料の変動費としてのコストはLNGよりも安いかもしれませんが、使用した核燃料の廃棄に膨大な費用がかかります。使用済み核燃料の廃棄費用は損益計算のように1年で決着することなく貸借対照表の減価償却のように将来に繰り延べられます。負の繰り延べ資産ですね。Y先生は放射能の半減期を早める発明ができないものかとおっしゃいますがその通りです。
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21世紀に入り、70年以上前に開発された20世紀の発明である原子力のエネルギーに変わる主役のエネルギーが実用化されることを願います。そして今、20世紀の遺産である原子力が引き起こした問題に対して、20世紀生まれの人間として向き合ってゆこうと思います。 関連ブログ:ホームアンドアウェイ 石油Peak Out!



2月の風のガーデン 2014年02月20日
2月14日から15日にかけて東京も大雪に見舞われました。4日が経った風のガーデンにも多少の雪が残っていましたが、芝生の上に積もった雪はコンクリートやアスファルトに積もった雪とは違い柔らかい感じがしました。その理由は溶けた雪が芝生を通して緑化ブロックに保水されるので雪の下が凍らないこと。そして芝生は生きているので体温(基礎代謝)があり表面がコンクリートやアスファルトよりも暖かいからではないでしょうか?
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今月、風のガーデンにやってきた植物はゴールデンクラッカー、アイビー、そしてミスカンシャスです。ゴールデンクラッカーは南アフリカ原産のキク科の植物です。
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2月も中旬を迎えましたがまだ寒い日が続いています。その中で昨年の秋に植えたクロッカスの球根の芽が出てきました。雪柳もつぼみが膨らみ風のガーデンにも早春の気配が漂ってきました。
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                                                              2月18日撮影
冬の灌水量 2014年02月13日
大田区産業プラザPIOのテラスやマンションのベランダで緑化ブロックと自然灌水システム「お水番」を組み合わせて様々な植物を育ていていますが、冬になるといつも不思議に感じることがあります。それは灌水タンクからスリースバルブを経由して流れる水量が春夏秋と比べて少なくなる事です。
スリースバルブ内の仕切弁と管との間の広さは変更していません。下記写真は止水弁が半分開いたスリースバルブです。「お水番」は仕切り弁と管との隙間を微調整して水を流します。水の流れる空間は仕切り弁と管に挟まれてとてもせまいので水は流れにく水滴状になって流れる仕組みです。
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PIOに設置してある60リットル容量の灌水タンクは春夏秋にかけて1週間で水がおよそ30リットル減水しますが今朝、水量を計ったところ1週間で約15リットル,つまり春夏秋の半分ぐらいしか減水していませんでした。
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PIOでは西洋芝を育てていますが、冬になり気温が下がることで西洋芝からの水分蒸散量が他の季節より減ることが考えられます。冬になりお水番からの灌水量が春夏秋の半分になる理由は気温が低くなり植物からの水の蒸散量が減るのが大きな要因です。お水番は一年を通して植物が求める水量に合わせて灌水する植物の都合に合わせた灌水システムです。
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植物が利用する水分の90%以上は蒸散活動で消費されるようです。西洋芝は冬でも光合成を行うので葉は緑色ですが、植物が光合成で消費する水分量は蒸散作用を含めた全使用量の内2から3%前後のようですね。植物の水分蒸散活動はヒトが暑いときは汗をかき寒いときは汗をかかないのに似ていますね。2月12日撮影 関連サイト:マンションベランダガーデニングキット

水は素直である? 2014年02月07日
2月5日の朝、東京は寒気に覆われて朝の気温はマイナス1度でした。(渋谷区の気温 Google午前7時現在)新宿御苑の池の水も凍っているだろうと思い覗いたところ凍っていませんでした。先月、1月11日の朝の池が凍っていたのを覚えていたのでちょっと驚きました。
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                上の写真は2月5日の朝、下の写真は1月11日の朝です。
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1月11日の朝の気温もマイナス1度でしたがなぜ今回は池が凍らなかったのでしょうか?1月11日の前日まで1週間の平均気温は2.3度でした(渋谷区午前7時)。一方、2月5日前日までの1週間の平均気温は4.7℃でした(渋谷区午前7時)。この温度の差が氷結の有無につながったのでしょうね。2月5日は外気がマイナス温度を記録しても池全体の水温が高いために、池の表面が氷り始める0度まで下がらなかったのでしょうね。
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2013年の夏の北極海の氷の面積は2012年と比べて増えたようです。(上図参照)しかし1981年から2010年までの氷の平均面積と比べるとまだ少ないので地球の温暖化は進んでいるという意見が聞かれますが、海水温度の変化も考えなければいけません。これまで暖かかった海水温度がいきなり下がることはないでしょうね。それでも2013年の北極海の氷の面積が増えたということは、海水温度も下がり始めるターニングポイントを迎えたのでしょうか?私は生物が生活するには温暖な気候が好ましいと思います!  参考ブログ:最近の地球の気候
Plant is plant 2 2014年01月10日
新年を迎え大田区産業プラザPIOのテラスの芝生も葉の色の深みを増して元気に育っています。ここでは、テラスのタイルの上に緑化ブロックを敷き詰めて、自然灌水システム「お水番」と組み合わせ西洋芝を種から育てています。このシステムで芝生を育てて今年で6年目を迎えます。
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芝生への灌水は上の写真の奥に見える灌水タンクに一か月に一度、約240㍑の水を給水するだけで、あとはお水番が自然灌水を継続します。1日当たりの灌水量は約8㍑、芝生1㎡当たりの灌水量は約4.4㍑です。
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一日当たり約8リットルの水が常に流れているのですがタイルの表面が濡れることはありません。水は緑化ブロックや芝生の土も保水されますが、残りの水は常に芝生の根が吸い上げて葉から大気に蒸散されているのでしょうね。ここでは緑化ブロックが20枚(1.8㎡)、敷き詰められていますが芝生はブロック全面に広く根を伸ばして、送られてくる水を常に吸い上げるポンプの役割を果たしています。そして水を吸い上げる過程で緑化ブロックや土に含まれているカルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルも吸着して根や葉に貯めて栄養素として利用しています。
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先日ネットを見ていたらファイトレメディエーションという言葉を見つけました。植物が気孔や根から水分や養分を吸収する能力を利用して、土壌や地下水、大気の汚染物質を吸収、分解する技術だそうです。緑化ブロックとお水番を組み合わせた基盤の上に汚染土壌を乗せて芝生の種をまくことで汚染物質を取り除けるかもしれません。また灌水タンクに汚染水を入れてお水番の灌水システムを通して芝生の根に水を送ることで、汚染水から汚染物質を除去する事も可能かもしれませんね?

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植物には人間が作った技術では解決できない問題を解決できる様々な能力があります。それは地球に生存して数十億年という経験の中で築き上げた生きるための技ですね。植物の力を借りて緑化ブロック、お水番、そして芝生を組み合わせることで汚染土壌や汚染水から汚染物質を取り除くプラントを作り現代文明が生み出した問題を解決する一助になる事ができればと、新年の夢を膨らませました。 1月6日撮影  関連ブログ:Plant is plant!


気候変動の文明史 2014年01月04日
正月休みの間に「気候変動の文明史」安田善憲著:NTT出版を読みました。地層に堆積された様々な植物の花粉を分析することで人類の歴史を読み解こうという内容の本です。10年ほど前に出版された本ですが今、我々が直面している自然現象や社会現象を暗示しているようで興味深い内容です。21世紀は更なる人口増加に伴い、食糧、水、エネルギーの分配にストレスのかかる時代になりそうです。奈良の大仏様が建立された700年代、日本の気候は温暖で大仏温暖期と呼ばれています。
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気候変動は地球で暮らす人類をはじめとする生物にとって敏感かつ重要な自然現象です。著者は現代文明は「自然を支配し、自然から一方的に搾取することを文明の原理とする。」と述べています。確かに我々は地球の自然循環が生み出す水に支えられ、生きるのに必要なエネルギーである炭水化物は植物から、タンパク質は動植物から戴きながら命つないできました。現代文明はより多くの水や食料を自然から摂取する技術を開発して人口を増やしてきました。
法隆寺が建立され聖徳太子の活躍された600年代は後半から日本の気候は寒冷化に向かい政治的にも厳しい時代を迎えました。
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まだ人類は自らの技術で炭水化物を作り出すことはできません。そして海水を真水に転換する技術も雨水の自然循環には到底及びません。我々は太陽が作り出すエネルギーを中心とした自然体系の恩恵を受けながら日々の暮らしを続けています。
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                                                   写真引用 Facebook
その太陽が作り出す気候変動が地球上の様々な歴史事例を作り今日に至っています。著者は科学データを駆使しながら過去の気候変動と、人類の歴史の関係を述べられていてなるほどと思うことが多々ありました。気候変動期を迎えている今、我々はこれまでの気候変動と歴史事例の関係を読み取りながら、周囲で起こっている自然現象と社会現象の変化に応用させたいですね。 参考ブログ:最近の地球の気候 二酸化炭素は魔女じゃない





お年寄りが冬を暖かく過ごせる社会を! 2013年11月29日
インターネットを見ていたらちょっとショッキングなニュースを見かけました。イギリスのFinancial Timesのニュースなのですが2012年から2013年にかけてイギリスのEnglandとWalesでそれまで減少傾向にあった冬の死亡者の数が前年と比べて増えて30,000人を超えたようです。(その内75歳以上のお年寄りが25000人)その理由が建物の断熱不足とエネルギーコストの上昇による建物の寒冷化(cool house)にあるとのことです。建物が冷えることで心臓や呼吸器系疾患による病気が増えることが原因で、体温の低下による低体温症が原因ではありません。今年の3月のEnglandは1962年以来の寒さで平均気温が2.2度。これは1910年以来、2番目の寒さだったようです。しかし同じように寒い冬を迎えたドイツやフィンランドでは寒さによる死者の数は増えていないとのこと。その違いは建物の断熱普及率にあるようです。
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それでは日本の断熱普及率はどうでしょうか?数字が少し古いのですが1990年から2006年までの16年の間に日本の住宅着工数は165万戸から129万戸に減少(2012年現在ではさらに90万戸前後に減少)しているのに対して住宅用断熱材は面積ベースで2億7千6百万㎡から3億8千5百万㎡と、約1.4倍も増えているようです。(矢野経済研究所2007年9月27日データ参照
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FTのニュースが伝えようとしているポイントは、England,Walesで100年来、2番目に寒い冬を迎えた中、断熱化されていない寒い家で、エネルギーコストの高騰のために満足のゆく暖房が得られない環境で75歳以上の多くのお年寄りが亡くなったということです。日本では建物の断熱化はそれなりに進んでいるとはいえ最近では電気料金等のエネルギーコストが高くなってきています。これから寒い冬を迎えるのに、お年寄りたちが電気料金を気にしながら暖房費を節約することなく、暖かい環境で冬が過ごせる社会を作らなければいけませんね。

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                                                    River Thames London

最近の地球の気候 2013年11月08日
先週のブログで最近の日本の気候は温暖・多雨の傾向にあると述べました。確かに今年の日本の夏は太平洋の海水温度が上昇し太平洋高気圧が強く張り出し、さらにその上をチベット高気圧が覆う気圧配置の影響で日本各地で高温を記録したり、台風がたくさんやってきたりと大変な気候でした。しかしこのような気候が地球規模で起こっているわけではないようです。                                                 サイパン島の夕暮れ
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北極海の今年9月の氷の最少期の面積は535万k㎡で昨年2012年の同時期の氷面積363万k㎡よりも172万k㎡(約32%)ほど増えたようです。 (下のグラフ 破線グラフ2012年の氷面積の推移 灰色グラフ2013年の氷面積の推移 黒グラフ1981年から2010年までの平均グラフ 期間6月から10月)
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また地球温暖化の喩えとしてよく引き合いに出される南極の氷も今年は1981年から2010年の平均面積よりも3.6%ほど増えて1980万k㎡になったようです。 National Snow & Ice Data Center
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今年の夏、地球で起こった気象現象からいくつかの説明が唱えられています。たとえば地球の表層の温度はある場所では高くなっても他の場所では低くなり地球全体ではあまり大きな温度の変化は見られないという説。また2012年から今年にかけて地球の気候の変わり目を迎えこれからは地球が寒冷化に向かうという説。そしてさらに地球の温暖化が進むといった説。私は気候学者でも気象予報士でもないのでどの説が妥当なのかはわかりませんが、これから地球が寒冷化に向かうよりも温暖であるほうが生物にとり住み心地は良いでしょうね。
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大気を汚染する二酸化硫黄や二酸化窒素などの排出量は規制すべきですが、植物が光合成を通してエネルギーを作り出す原料になる二酸化炭素の量は増えても良いのではないでしょうか?またこれからの人間社会を支えるエネルギーとしては、プラスチックを作ることが出来る石油のエネルギーとしての使用は抑えてガス系のエネルギーに代替して行くのが妥当でしょうね。そして原子力に変わるエネルギーの開発も重要な課題です。 関連ブログ:都市の温暖化と地球の温暖化   二酸化炭素は魔女じゃない     
地球環境の保護と再生を目指して 2013年11月01日
「地球環境の保護と再生を目指して」をモットーに会社を設立してから10年、都市のヒートアイランド現象・ドライアイランド現象対策を目的とした透水性コンクリートと緑化コンクリートの開発を行ってきました。その間、多くの皆さんからのご協力を得ながら透水性コンクリート「ブミコン」、緑化コンクリート「ガーデンクリート」の商品化出来ました。気候変動の影響でしょうか、最近の日本の気候は温暖・多雨の傾向にあるようです。このような環境の変化の中で、都市のコンクリートやアスファルトに代わり雨水を透水・保水するブミコンや、土がなくてもアスファルトやコンクリートの上を容易に緑化できるガーデンクリートは都市のヒートアイランド現象・ドライアイランド現象、そしてゲリラ豪雨対策として都市の環境を改善する一助となります。                                                               浄土平 磐梯朝日国立公園
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これからは今の日本の自然が抱えている環境問題に取り組んでゆこうと思います。スケールの大きなテーマではありますが今まで培ってきた経験と技術を活かし、さらに多くの皆さんと共に自然との対話を通してこの問題の解決を目指します。
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三佐和ブログの中から地球環境をテーマにしたブログをまとめてみました。「地球環境の保護と再生を目指して」 当社のフロントホームページにある資料ダウンロードのコーナーからもpdfでご覧になる事ができます。皆さんも是非ご覧ください。
                                                           
仏の教えと科学の眼 3 2013年10月04日
10月に入り湿度も下がりさわやかな季節を迎えました。新宿御苑の芝生も美しい緑を保ちながらも冬にかけての準備を始めているようです。
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温室では今、睡蓮が白や紫の美しい花を咲かせています。白い蓮は仏教にご縁のある花ですね。Wikipediaによりますと法華経とは(「正しい教えである白い蓮の花」の経典の意)の漢訳の総称だそうで、漢文にすると妙法白蓮華になるのでしょうね。日ごろからお世話になっている大田区にお住いのF社長にお話を伺ったのですが,妙法蓮華經の意味するところは「蓮の花が実を結ぶように自然の流れ(経)にしたがって進むのが妙みのある生き方(法)である。」とのことだそうです。なるほど。
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今から35億年ほど前に地球に誕生した生命は、今日に至るまでこの蓮の花の喩えを繰り返しながら今日まで命をつないできました。そしてこれからも、この繰り返しを続けることでしょう。日ごろ地球上で活動している動植物をはじめとする様々な生命はこのように気の遠くなるような時間をかけて命をつなぐ活動をしてきました。これを自然法則と呼ぶのでしょうね。我々は生きるために毎日様々な選択をしますが、その判断基準の一つとしてこれまで生命が地球上で築き上げてきた自然法則に従って生きることが妙みのある生き方なのでしょう。
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                   新宿御苑温室にて10月3日撮影 関連ブログ:仏の教えと科学の眼   仏の教えと科学の眼2
三佐和ブログPowerPoint版を差し上げます 2013年09月12日

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」これは平安時代の歌人、藤原敏行が詠んだ歌です。風の音を聞き季節が秋に移り変わる気配を敏感に感じて詠んだ歌ですね。(東京都神社本庁9月の歌参照)

私は透水性コンクリートや緑化コンクリートの施工、メンテナンスに立ち会うために、お寺の境内や建物の屋上やテラスで時間を過ごすことがあるのですが、そこで見た光や木々にそよぐ風や雲の動き、そして植物の様子などで移り行く自然の変化を感じることがあります。三佐和ブログはこのような自然の変化について気がついたこと、考えたことをブログにしたものです。

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19世紀、ヨーロッパでは絵の具の品質が改良されて、それまでは室内で絵を描いていた画家たちが屋外に出て、自分の目で見た自然の姿をその場で描くことができるようになりました。時が経て21世紀に入りインターネットやソーシャルネットワークが普及して、屋外で見たこと、感じたことをその場で文章や写真にして多くの人に発信することが容易になりました。しかしインターネットやソーシャルネットワークを通して伝わってくるのはあくまでも知識や情報にすぎません。皆さんも外に出て、ご自分の目や体で自然の変化を感じてください。三佐和ブログも2008年の5月から書き始めて350編以上になりました。今回はその中から「地球環境」と「風のガーデン」のブログを95編、編集してPowerPointにまとめました。ご希望の方にはCD-Rに焼いてお送りします。三佐和ブログが皆さんの自然との対話のヒントになることができれば幸いです。 お問い合わせ

リサイクル・循環社会の構築 2013年09月05日
先日、大阪の友人Uさんが東京にいらっしゃりいろいろお話をする機会がありました。Uさんは大手化学メーカーで石油製品の販売を手掛けられ今は独立してペットボトルキャップの再利用を中心とした事業の展開をなさっています。私もUさんが作られたペットボトルキャップを再利用したプラスチックトレーを緑化ブロックを作る型として便利に利用させていただいています。Uさんは石油製品の販売を通して石油の素晴らしさに気が付かれている方です。燃料として利用できる地球資源は石油のほかにも、石炭、天然ガスなど色々ありますが、燃料以外に利用できる資源はまりありません。石油はプラスチックとして様々な分野で利用されています。さらにプラスチックの良さはペットボトルキャップを利用したプラスチックトレーの型のように再利用することができるのです。
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Uさんのお話ではプラスチック製品の大半は廃棄後に燃やされているとのことでプラスチックの再利用率は低いようです。確かに経済合理性の観点に立てばプラスチックを再利用するよりも、燃やしてしまったほうがコストは低いかもしれません。しかし、限りある石油資源を1度の利用で燃やしてしまえば後に残るものはありません。経済合理性とは今を生きる人間の都合に良い考え方ですが、次の世代の都合は考えていませんね。限りある石油を再利用することで次の世代により多くの石油ストックを残そうというUさんのスケールの大きな志と日々の地道な活動に敬意を表します。

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                  関連ブログ:石油ピークアウト 水と石油1    水と石油2



ゲリラ豪雨の緩衝帯を作る! 2013年08月30日

当社は「地球環境の保護と再生を目指して」をモットーとして起業しました。当社で取得している特許は天然素材を利用した固化材と、天然砂利、天然軽石で透水性・緑化コンクリートを作ることです。これまでの10年は、この特許を基に表層材としての透水性・緑化コンクリートを製造・利用する技術を確立しました。これからの10年はこれまで蓄積した経験技術を利用して雨水の貯留性を高める基盤としての役割果たす事にに力を入れたいと思います。雨水を貯留するにはより多くの空隙が必要です。ブミコンやガーデンクリートを15cm施工すると空隙に約40mmほどの雨水を貯留することが可能です。

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より多くの空隙を確保するにはブミコン・ガーデンクリートをより厚く施工しなければなりません。それには製品としての経済合理性が必要ですがブミコンやガーデンクリートを作るには世界中の既存のコンクリート製造プラントが利用できます。そして使用する固化材や砂利、軽石も各地の素材が利用できます。出来上がったブミコン・ガーデンクリートは天然素材でできているので遠い将来に地球に戻っても天然素材としての性質を保ちます。さらに既存のブミコン・ガーデンクリートを剥がして骨材として再利用して新たな雨水の貯留基盤が作れます。このように経済合理性に見合ったブミコン・ガーデンクリートの基盤を厚くすることで、ゲリラ豪雨の緩衝地帯をつくり都市の排水機能を高めます。さらに透水性アスファルトを表層材として組み合わせることで都市の雨水の貯留面積は飛躍的に広がるでしょうね。

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写真はゲリラ豪雨時の浅草寺様ご本堂前のブミコン舗装の様子です。関連サイト・ブログ:ゲリラ豪雨/雷雨対策に 雨水の緩衝帯
8月の風のガーデン 2013年08月23日
風のガーデンがあります文京区は東京23区に位置します。過去30日の降雨量を調べたところ今年の都心の降雨量は76ミリでした。(8月22日現在:気象庁:期間降水量参照) 1日当たりの平均降水量に置き換えると2.5ミリですね。先月の23日に風のガーデンをを訪れて以来、ひと月過ぎましたが植物たちは皆元気でした。先月に芝刈りをした高麗芝もまた葉を伸ばしていました。
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なぜ風のガーデンでは植物たちが元気に育っているのでしょうか?いくつかの要因が考えられますが底面灌水により植物の葉を濡らすことなく、常に根に水を供給していることも植物の成長にとり都合が良いようです。植物は体温を調整するために気孔を通して水分を蒸散させています。そして吸水できる水分が少ないと気孔を閉めて水分の蒸散量を抑えます。また雨で葉が濡れると気孔は閉まるようです。植物は気孔を通して空気中の二酸化炭素を取り込み光合成を行うので、長雨で葉が常に濡れて気孔が閉まると光合成にも影響を与えるようです。
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風のガーデンの緑化システムは、その場所の環境に適した灌水量を設定して灌水します。今年の東京の都心ように降雨量が例年に比べて少ない場合でも、植物が育つのに必要な灌水量が常に根に供給されるので、植物も蒸散水量を確保できて気孔を閉める必要がありません。そして二酸化炭素を取り込む作業にもあまり影響が出ないので植物も元気に育つのではないでしょうか?
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   先月植えたキバナコスモスがきれいな花を咲かせました。キバナコスモスの花言葉は「野生美」だそうです。
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今日8月23日は処暑です。夏の気候も秋に向けて変わり目を迎えています。風のガーデンでも秋の七草ミヤギノハギ、アサガオ(キキョウ)、オバナ(ススキ)が咲き始めました。
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               関連ブログ:光合成と芝生の呼吸   7月の風のガーデン  8月20日撮影
正受院様の梵鐘 2013年08月10日
今週は新宿区にあります正受院様の境内のブミコン舗装と鐘楼周囲の透水性改善工事のお仕事をさせていただきました。鐘楼周囲の石畳のレベルを上げ勾配を付けて水の道を作るのが主な仕事ですが、7年前に施工したブミコン舗装の一部の透水性の改善工事も行いました。
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正受院様の梵鐘は五世住職覚誉上人により発願され八世住職抑誉上人により完成されたもので、宝永8年(1711年)に江戸神田の鋳物師河合兵部藤原周徳により鋳造されました。梵鐘は先の大戦中の昭和17年に金属供出されましたが戦後アメリカのアイオワ州立大学に保存されていて昭和37年に無事に戻ってきました。江戸時代に製作された梵鐘は金属供出されたものが多いようで、正受院様の梵鐘は江戸の職人の技を見ることができる貴重な作品です。
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正受院様には幕末の会津藩主松平容保公が、会津若松市にある松平院内御廟に改葬されるまでの20年ほど葬られた徳川所縁のお寺でもあります。
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正受院様は地下鉄丸ノ内線・都営新宿線の新宿三丁目駅から徒歩で5分ほどのところにあります。皆さんも江戸神田の職人の技である梵鐘をご覧になってみてはいかがでしょうか?ついでにブミコン舗装もご覧ください!正受院  関連ブログ:正受院様の境内でブミコンが舗装されました
7月の風のガーデン 2013年07月25日

              7月に入り風のガーデンも植物の成長も旺盛です。今月は伸びた芝生の芝刈りをしました。

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非接触赤外線表面温度計を使用して緑化表面と同じテラスにあるコンクリートの表面温度を測定しました。外気温が30度の時、コンクリート表面は50度、緑化表面は32度で18度の温度差がみられました。この温度差の要因は植物には生命を維持するために、体内の水分を蒸発させて気化熱を発生させることで表面温度を低く保つ働きがあるからですね。
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今月風のガーデンにやってきた植物はコスモスと桔梗です。コスモスの花言葉は「はかなく揺れる秋風の精」だそうです。貞三先生の花言葉この次に風のガーデンにやって来るのは8月の下旬です。そのころには秋風の精も姿を見せ始めているでしょうね。
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今年の東京の夏の気候は太平洋高気圧が南西に下がり北からのオホーツク海高気圧の張り出しが強くなりそうです。気のせいか風のガーデンにもかすかに秋の気配を感じます?
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     関連ブログ:光合成と芝生の呼吸 7月23日撮影
放射率 Emissivity 2013年07月18日
都内の気温が高かった7月12日の午後、浅草寺様の境内で非接触赤外線表面温度計を使用してブミコンとアスファルトの表面温度を測定してみました。同じ時間、同じ場所で測定したところアスファルトの表面温度が55℃の時にブミコンの表面温度は52℃で3度の温度の開きがありました。この温度の違いはブミコンとアスファルトの放射率の違いによるものではないかと思います。
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放射率とは、物体が放射熱で放出する光のエネルギーを、同温の黒体が放出する光のエネルギーを1とした時の比です。また放射率(ε)と吸収率(α)は等しいようです。ε=αそして物体の厚みが十分にある時は吸収率(α)と反射率(σ)の和は1になります。α+σ=1これらの関係から放射率(ε)と反射率の和も1となります。 <アスファルト舗装の表面温度 7月12日 午後1時52分撮影>

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地表面のアスファルト舗装の反射率は15~20%、コンクリートの反射率は15~30%です。材料反射率つまりアスファルトの放射率は80~85%そしてコンクリートの放射率は70~85%になります。このアスファルトとコンクリートの放射率の約6%の差が表面温度の差となって表れるのでしょうね。<ブミコンの表面温度7月12日 午後1時52分撮影 測定場所 浅草寺様境内>
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都市のヒートランドアイランド現象を和らげるには、まず構築物や道路舗装に使用する素材を黒い素材よりも白い素材を使用することが第一歩ですね。そしてその素材に保水性を持たせることでさらに表面温度は下がります。
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地中海沿岸諸国、中近東、南アジア、東南アジアには白い建物が多いようですが、ここにも熱の反射率を高めて放射率を押さえる工夫が見られます。 関連ブログ:ブミコントアスファルトの表面温度測定  7月12日撮影
雑草という名の植物はない・植物の逞しさ 2013年07月11日
先週から今週にかけてブミコンとガーデンクリートを通して植物の逞しさをつくづく感じました。昨年の暮れにブミコンを施工した世田谷区の知行院様の墓所でブミコンの一部が隆起を始めたという話が今年の5月にありました。その後、隆起は収まりましたが下の写真の通り約1cmほどブミコンが隆起している様子がわかります。
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隆起した原因は下から筍が伸びてきてブミコンを持ち上げたからでした。7cmの厚みのブミコンが1.5㎡ほどの広さで隆起していましたが隆起した部分を壊たところ筍の跡がしっかりとありました。筍は残念ながらブミコンを突き抜けることはできませんでしたがその生命力に敬服しました。
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もう一つの事例は、夏になると雑草が2メートルほどの高さまで伸びる庭をガーデンクリート(4cm厚み)で覆ったところ、一部の雑草がガーデンクリートの空隙を抜けて成長していました。ガーデンクリートが持ち上がることはありませんでしたが、必死に生き抜こうとする雑草の粘り強さを感じました。
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雑草の名前はエノコロ草、俗にネコジャラシと言われている草です。ガーデンクリートには30%程の空隙がありますが、この空隙を通してわずかな光が射し込み、土の中のエノコロ草の種がこの光に反応して成長をはじめ、ガーデンクリートの隙間を抜けて地表に現れたのでしょうね。
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ガーデンクリートを施工した庭は昨年と比べて伸びてきた雑草の量は少なくなっているようですが、光に反応して地表に現れようとする植物の生命力は逞しい限りです。昭和天皇は「雑草という名の植物はない。」というお言葉を述べられたそうですが、日照りの中、与えられた生命力で必死に生き抜こうとする植物たちの姿を見ていると、雑草という一言で片づけてしまうのは申し訳ないですね。 7月4日、8日撮影

梅雨の晴れ間 2013年06月29日
今日の東京は時々薄日が射す清々しい気候です。事務所の室内気温は冷房をつけない状態で25度で快適ですね。久しぶりに朝の新宿御苑を散歩しましたが植物たちも緑の深みを増しているようです。P6291378.JPG

5月の下旬から浅草寺様境内でブミコン舗装を行っています。現場で1日を過ごす機会が多いのですが、今年の東京の梅雨は気持ちの良い日が多いようですね。梅雨空の中での施工で作業が予定通り進むか心配でしたが、雨で仕事が中止になった日は少なかったようです。
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ブミコンは雨の日には施工ができません。そこで施工前の天気予報には気を付けています。東京アメッシュなどインターネットの情報を便利に利用させてもらっていますが、TVのニュースで気候予報士がする説明には時々違和感を感じます。天気予報が当たるか外れるかは、ネットで調べられるので別に気にしませんが、私が現場で感じる体感温度や湿度と彼らがTVで伝える体感温度や湿度はちょっと違うような気がします。