1月の新宿御苑 | 2025年01月11日 |
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今朝の新宿御苑の池は久しぶりに凍っていました。朝の東京の気温は0℃でした。池は気温が0℃になったら凍るというわけではありません。昨年末から日本を包む気温は下がり、それにつれて御苑の池の水温も下がってきたのでしょうね。
芝生の広場では青空の下で芝生が暖かい日差しに包まれて休眠していました。御苑の芝生は事務所のベランダの西洋芝と違って、気温が下がると休眠する日本芝です。
園内ではシロバナスイセンが咲き始めました。梅の花はまだつぼみでしたが、しばらくすると咲き始めることと思います。
御苑の自然は明るい春の予感を感じます。1月11日撮影
11月の新宿御苑 | 2024年11月09日 |
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11月に入り東京の気温も下がってきました。今朝事務所に入った時の室温は17.7℃でした。御苑の木々もようやく色づき始めました。写真はたユリノキです。
温室の前では、今年もツワブキの群れが黄色い花を咲かせています。植物には年間の予定表があり、日差しや気温、湿度の変化に反応しながら花を咲かせているみたいですね。
芝生の広場の芝生もようやく色が変わり始めました。芝生も日差しや気温、湿度の変化に反応しながら休眠の準備を進めているようです。
11月9日撮影
10月の新宿御苑 | 2024年10月31日 |
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今日で10月も終わりですが、御苑の芝生の広場はまだ緑を保っています。例年と比べて気温が高いことを象徴していますね。今年の東京の気温が高いのは太平洋高気圧の勢力や偏西風の蛇行が大きな要因のようです。
それでも昨年からの新宿事務所の気温の推移を見ていると、11月になると室温は20℃を下回り徐々に下がります。気温が下がると芝生は休眠の準備を進めて色が変わり、楓などの葉も赤や黄色に色づきます。
そろそろ御苑のプラタナスの並木では落葉が始まり葉も色づいてきました。楓の木々はまだ緑色ですが、気温が下がるにつれて色も変わるでしよう。紅葉が楽しみです。
10月29日、31日撮影
室温の変化をグラフにすると | 2024年10月16日 |
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朝、事務所に入ったら机の上のデジタル温湿度計の室温と湿度を記録しています。昨年の7月からの記録をグラフにするといろいろなことがわかりますね。赤い線が室温のグラフです。
昨年も今年も8月のお盆を過ぎたころから少しづつ気温が下がり始め、9月のお彼岸を過ぎるとその傾向がはっきりします。今年の東京の夏は暑かったですが、昨年も同じような気温だったことがグラフからわかります。これから来年の春のお彼岸に向けて気温は下がり続け、お彼岸を過ぎると6月の夏至に向けて気温は上昇します。そして夏至から2か月ほど暑い日が続き、徐々に気温が下がるのが新宿事務所の室温の周期です。
新宿御苑では秋の桜ジュウガツザクラが咲き始めました。今年の東京はお彼岸を過ぎて涼しくなりましたが、まだ日中は暑い日がぶり返しているのがグラフからもわかります。それでも植物たちは周囲の自然の変化を敏感に察知して反応しているようです。 10月16日撮影
9月の新宿御苑 | 2024年09月23日 |
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秋分の日をすぎて、今朝の御苑には久しぶりに涼しい空気が流れていました。太陽の位置が赤道まで移動して、これから東京も気温が安定してゆくのでしょうか?「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがありますね。
昨年の7月から測定している新宿事務所の室温の推移を見ていると、昨年も秋分の日を過ぎたころから気温が下がり始めています。今年の夏の気温も昨年の夏とほぼ同じ推移を見せているので、これから秋に向けて東京の気温も下がってゆくでしょうね。上の写真は今朝の芝生の広場です。9月23日撮影
それでも今年の東京の夏は暑い日が続きましたが、御苑の芝生の広場の芝生は強い夏の直射日光を乗り越えて元気です。機械による芝刈りを時々見かけますが芝生のメンテナンスをする職員の方々も、気温が下がり一安心でしょうね。
上の写真は真夏の直射日光の下での芝刈り作業。8月20日撮影
8月の新宿御苑 | 2024年08月12日 |
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東京は連日30℃を超える猛暑日が続いていますが朝、千駄ヶ谷門から右に続くカエデの林を歩くと暑さをしのぐことが出来ます。
猛暑の中、涼しい部屋の中で過ごす日々が続いていますが、御苑を歩くと季節の微妙な変化を感じます。セミの鳴き声にも変化が見られ今朝は、初めてツクツクホウシが鳴いていました。
木々にそよぐ風にもかすかに秋の気配を感じます。ヒートアイランド東京を取り巻く自然も、秋に向けて準備を始めているようですね。
8月12日撮影
7月の新宿御苑 | 2024年07月31日 |
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朝の御苑の木立の中を歩いていると涼しさを感じます。頭上を覆うモミジの葉が太陽光を遮り、日陰を作ります。
プラタナスの並木は、根を通して地中から水を吸い上げて幹や葉に送ります。プラタナスは葉にあたった太陽光のエネルギーを利用して、吸い上げられた水を気化させて葉の表面温度を低く保ちながら周囲の温度も少し低くななります。
植物たちは周囲の気温が高くなっても、太陽光と地中の水を利用して自らの力で周囲の温度を調節しながら生命活動を続けます。
東京は連日30℃を超える猛暑日が続いています。人々は水分の補給に気を付けたり、クーラーで室温を調節しながらなるべく屋外に出ることを避けて生活していますが、植物たちは自らの力で猛暑に立ち向かいます。人間は御苑の植物たちの生命力にはかないませんね。7月31日撮影
地表からの水の循環 | 2024年07月06日 |
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先のblog「オアシスⅡからの水分蒸発量8」でお話ししたように、地表からの水の循環は、太陽光を浴びた水面や土の表面から水が気化して大気中を上昇して液化して雨となり地表に降る方法と、植物の葉を通して気化した水が水蒸気となり大気中を上昇して雨として地表に降る方法があります。
地表や水面で太陽光を浴びた水は気化し大気中に放出されますが、地中に根が生えた植物は、地中の水を根から吸収して葉の表面で気化して大気中に放出します。根から葉に向けて水が上昇してゆくのは、葉の表面から気化した水の影響で吸引力が働くことは先のblogでもお話ししました。「芝生の吸引力」そして水を気化して吸引力を生み出すのは太陽光エネルギーであることもお話ししました。「芝生から水を蒸発させるエネルギー」オアシスⅡからの芝生の水分蒸発量を観察していると、土や水からの水分蒸発量と、芝生からの水分蒸発量の動きに違いが見られますが、これらのことが影響しているみたいですね。
新宿御苑を歩いていると、木々が根から水を吸い上げて、大気中に水蒸気として放出している様子を実感することが出来ます。7月6日撮影
オアシスⅡからの水分蒸発量8 | 2024年07月05日 |
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6月29日から7月5日までのオアシスⅡからの水分蒸発量は3.7㍑/㎡・日でした。そしてオアシスⅡ周囲からの水分蒸発量は1.9㍑/㎡・日、芝生からの水分蒸発量は1.8㍑/㎡・日でした。下記のレイアウトをご覧ください。
今回はオアシスⅡからの水分蒸発量、周囲からの水分蒸発量、そして芝生からの水分蒸発量いずれも増加しましたが、芝生からの水分蒸発量は周囲の水や土からの水分蒸発量と比べて増加量が少ないようです。前回のblogでもお話ししましたが、土や水が太陽エネルギーと直接反応して蒸発するのと比べて、芝生から水分が蒸発する仕組みはやや複雑ですね。
芝生は地表で生育するために、雨水を利用して強い太陽光エネルギーから自らの体を守る仕組みを作りました。植物は遠い昔から自然界の水の循環を利用して、自らも体内で水が循環する仕組みを作り上げたのでしょうね。
写真は強い太陽光を浴びながらも、根を通して地中からしっかりと水分を吸い上げて、葉から蒸発させる仕組みを作り成長を続ける御苑の芝生です。7月5日撮影
12月の新宿御苑 | 2023年12月26日 |
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新宿御苑も年末を迎え開苑日はあと二日になりました。今年の東京の気候は温暖で苑内ではモミジの紅葉がまだ見られます。
プラタナスの並木は葉をすべて落としたようですね。新宿御苑の前身である内藤新宿試験場では日本の都市の環境にあった並木の研究開発が行われていました。今から100年以上昔の話です。百年の巨木
私も新宿御苑のそばに事務所を構えるものとして先人たちの研究努力を見習い、ヒートアイランド東京で植物たちが育ちやすい緑化基盤と給水システムの研究開発を続けてゆこうと思います。
苑内では藪椿の花がよく咲き始めました。12月26日撮影
11月の新宿御苑 | 2023年11月21日 |
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新宿御苑の芝生の広場の芝生もようやく黄色くなってきました。芝生は冬に向けて休眠の準備を進めているようですね。
今年の東京は気候が暖かく苑内ではイチョウやラクウショウ、そしてケヤキやポプラなどの紅葉は進んでいますがモミジの紅葉や芝生の休眠が遅れているようですね。
モミジは木々の葉がまだ緑色で、今年の見ごろは遅れるのではないかと思います。
苑内では海外からの観光客が御苑の秋の自然を楽しんでいました。菊花展が終わり温室では洋ラン展が始まりました。11月21日撮影
八月の新宿御苑 | 2023年08月25日 |
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8月も下旬に入りましたが、ヒートアイランド東京はまだ気温が30度を超える日が続いています。空に浮かぶ雲も夏の雲です。
それでも7月に続いた高温の日々と比べるとしのぎやすい気候で、秋の気配を感じます。台湾閣の池の周りも心地よい朝を迎えています。
芝生の広場の芝生も夏の雲の下でたくましく成長を続けて葉の緑色も深まっています。御苑の芝は気温が下がると色も変わります。
気候もやや落ち着いてきたようなので御苑のそばの新宿事務所では、西洋芝クリーピングベントグラス007の種を蒔いたのですが4日ほどで発芽して葉を伸ばし始めました。
ヒートアイランド東京も夏の峠は越えたようです。これから秋に向けて御苑の自然も徐々に移り変わります。8月24日撮影
7月の新宿御苑 | 2023年07月29日 |
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東京は連日30度越えの暑い日が続きますが、ヒートアイランドのオアシス新宿御苑ではたくましい生命の息吹を感じます。玉藻池の横を歩いていたら木の根の周辺に大量のカブトムシが発生していました。御苑でこれほどの数のカブトムシを見かけたのは初めてです。下の写真をご覧ください。7月22日撮影 気温が高くなるにつれて生物の活動も活発になるようで、先月もこの近くで青大将を見かけました。「6月の新宿御苑」
東京も梅雨が明けたようですが、ここのところ雨がほとんど降っていません。それでも芝生の広場では芝生が元気です。芝生の根がしっかりと土に根づいて土中の水分を吸収しているのでしょうね。おそらく芝生の広場ではおよそ4㍑/㎡の水が毎日大気中に蒸発していることと思います。
気温が30度を超えるなかでもヒートアイランドのオアシス新宿御苑では、池の周りや木立の下を歩いていると涼しい空気を感じます。
7月も終わりですが、御苑に生息している生物にもそろそろ雨が降ってもらいたいですね。地上で暮らす生命にとり水の循環は命をつなぐ大切な自然現象です。7月28日撮影
6月の新宿御苑 | 2023年06月17日 |
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梅雨に入りましたが、御苑の芝生の広場の緑も色が濃くなってきました。御苑では一年を通しておよそ4mm/㎡・日の雨が降り、芝生と土からもおよそ4mm/㎡・日の水が蒸発する水の循環が繰り返されています。
玉藻池の横を歩いていたら青大将が前を素早く滑るように横切りました。御苑はヘビやカメ、カエルなどの爬虫類にとってもヒートアイランドの中のオアシスなんですね。
梅雨はまだ続きますが梅雨の晴れ間の一日、御苑の自然を楽しみました。御苑ではあとひと月もするとセミが鳴き夏が訪れます。
6月16日撮影
五月の新宿御苑 | 2023年05月02日 |
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5月に入り新宿御苑では新緑の季節を迎えています。日差しが強い中、北風が吹き心地よい朝の散歩を楽しみました。
今年の東京の春は例年よりも気温が高いようで、バラ園ではゴールデンウイーク明けに見ごろを迎えるバラがすでに元気よく咲いています。
下ノ池では風がそよぎ水面にさざ波が立っています。池で冬を過ごしたカモたちも気候が暖かくなり北の空に旅立ったようですね。
風薫る5月、新緑の美しい季節です。御苑の植物たちには強い生命の息吹を感じます。5月2日撮影
3月の新宿御苑 | 2023年03月28日 |
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3月ももうすぐ終わりです。今年の桜は開花が早く、中旬に満開を向かえたソメイヨシノなども散り始めています。ただ今年の3月は下旬に入り雨模様の日が続いたせいか花も長持ちしているようです。
以前のブログで桜の開花日を計算する600度の法則というお話をしました。「御苑の桜」その年の2月1日以降の日々の最高温度を足して600度に達したころに開花するという法則ですね。今年の東京は1月の下旬に大きな寒波に見舞われて以降、温暖な冬の気候が続きました。その影響で桜の開花日も早くなったのでしょうね。
芝生の広場の芝生もうっすらと芽吹いてきました。これから御苑は八重桜が咲き緑の季節を迎えます。
3月28日撮影
2月の新宿御苑 | 2023年02月25日 |
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二月も終わりを迎え新宿御苑は明るい朝の光に包まれていました。
苑内では梅や桜の木々が花を咲かせ、春の訪れを告げています。日本庭園では今年も紅梅が赤い花を咲かせています。
休憩所の前では河津桜が咲いています。河津桜は桜の中でも早く咲く桜ですね。
管理事務所の前のジャノメエリカもよく咲いています。
来週からは三月です。朝日がが昇る時間も早くなってきました。新宿御苑では土曜日、日曜日の開門時間が午前7時に変わります。
2月25日撮影
1月の新宿御苑 | 2023年01月26日 |
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1月24日から26日にかけて日本列島は寒気に覆われました。東京の 気温も25日と26日の明け方にマイナス温度を記録しました。その中で新宿御苑の池の表面の様子は25日と26日では少し違いがありました。下ノ池では25日の朝は池の表面に氷は張らなかったのですが、26日の朝は池の表面にうっすらと氷が張っていました。
皆さんご存じのように水は水温が0℃になると凍り始めます。下ノ池では25日の明け方に気温がマイナス温度に下がっても水温が高く池の表面温度が0度まで下がらなかったのでしょうね。1月25日朝撮影
そして26日になると前日に比べるて水温が下がり、明け方に気温がマイナス温度になると表面は凍り始めたようです。1月26日朝撮影
一方で台湾閣前の池は日の当たりがよくないので、25日の明け方に池の表面の一部が凍りました。ちなみに下ノ池では朝の光が当たります。1月25日朝撮影
そして26日になると水温はさらに低くなり明け方に池の表面の凍った面積が広がりました。外気温度がマイナス温度を記録しても、水温の高低の差で池の凍り具合にも差が出てくるようです。そして水温の違いを生む大きな原因は太陽から届く光のエネルギー量の違いですね。26日朝撮影 参考ブログ「水は素直である?」
12月の新宿御苑 | 2022年12月21日 |
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12月も中旬を迎えて御苑の気温も下がってきました。朝の中の池ではカモたちがお互いに体を寄せ合って回りながら寒さをしのいでいました。
10月から始まった御苑の紅葉も終盤を迎え、下ノ池の周辺では楓が赤や黄色の輝きを見せています。
東京は大陸から張り出した冬の高気圧の影響で寒い朝を迎えています。しかし東京では過去およそ60年の間に冬の気温が高くなったようです。「何故冬の気温が高くなったのか?」これまで東京には様々なインフラストラクチャーが整備され、土と水と木々に覆われた自然がコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドに変貌したからでしょうね。
新宿御苑は東京23区のほぼ中央にあり、その自然は水と木々に覆われていてコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京のオアシスです。 12月20日、21日撮影
11月の新宿御苑 | 2022年11月29日 |
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11月に入り新宿御苑の木々も紅葉しています。まずプラタナスの紅葉がはじまりました。
次に黄色くなり始めたのが森のラクウショウの木々です。
そしてメタセコイアの高木の葉が茶色くなりました。
そしてこれから紅葉の盛りを迎えようとしているのはカエデの木々です。
今年の御苑の紅葉は例年よりもやや遅れているようで、まだまだ美しい自然を楽しむことができます。上の写真は下の池のカエデの紅葉11月29日撮影
10月の新宿御苑 | 2022年10月26日 |
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ラクウショウの気根を守るための歩道の整備がようやく終了しました。ラクウショウは北米原産のスギ科の落葉針葉樹で湿地や沼地に生息するのでヌマスギとも呼ばれています。ラクウショウの根は気根と呼ばれ地上や水面上に出て酸素を取り入れるようです。
今年も管理事務所の前の十月桜が花を咲かせ始めました。植物の体内時計の正確さには、いつもながら驚かされます。
10月も後半を迎え気温が下がり、御苑の落葉樹たちもも少しづつ紅葉を始めたようです。外気温の変化を感じながら冬に向けて休眠の準備を進めているのでしょうね。
10月25日 26日撮影
9月の新宿御苑 | 2022年09月30日 |
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今日は9月も最後の日です。御苑ではススキが風にそよぎ秋の気配が感じられます。今年の9月の東京は雨曇りの日が多く、下旬になってようやく晴れの日が続きました。
「「気候はこれから見込まれるもの。気象はそこで起こっているもの。」気候は長年の平均だから、ゆっくり変化する。気候を決めるには少なくとも10年間の観察が必要だし、その変化を明らかにするには20年以上を要する。中略 気候を決めるのはその何十年かの平均的な性質である。」S Eクーニン著「気候変動の真実47p」私たちが体感している気象は、今(2022年9月30日)そこで起こっているものです。そしてこれから10年、20年先の9月30日に起こる気象(気温、湿度、雨量など)の数値の積み重ねから、今と比べての9月30日の気候の変化が読み取れるということですね。
人間は常に動き回っているので、過去はもちろんのこと、これから10年、20年先の同じ場所の気象、気候の変化を体感することは難しいですね。ところが木は同じ場所で生き続けているので、体内に蓄積された様々な情報(例えば年輪)で、その場の過去の気候の変化を読み取ることができます。
人間はその場の気象をもとにして気候の変化を語ろうとする傾向がありますが、これから先に起こる地球の気象、気候の変化に長い年月をかけて対応し、そして記録し続けることができる唯一の生命は木なのかもしれませんね。
8月の新宿御苑 | 2022年08月06日 |
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東京は7月の後半から続いていた30度を超える猛暑日はひとまず落ち着きました。今朝の新宿御苑は猛暑日と比べて涼しく高原を歩いているような気がしました。猛暑日が続いていたころ、御苑の木立の下を歩いているとつくづく涼しさを実感しました。これは木々の緑が太陽からの日差しを遮るとともに、葉から蒸発してゆく水分の働きで気化熱が発生して木々の周囲の気温を調整しているからですね。
今、東北や北陸地方など各地では大雨に見舞われています。昨年の8月の東京は雨曇りの日が多かったです。一昨年前の夏も日本をはじめ中国、韓国など東アジアの地域で大雨に見舞われた記憶があります。地球全体を見回すと降雨量が増えているのでしょうか?または降雨量が増えた地域があるとともに降雨量が減った地域もあるのでしょうか?
昨年の春から今年の春にかけて新宿事務所で芝生からの水分蒸発量と計量カップから蒸発してゆく水分量を、周囲の温度や湿度の変化と合わせて観測しました。そして地球(計量カップ)から蒸発してゆく水分量の変化は植物(芝生)から蒸発してゆく水分量と比べると変化が少ないようでした。芝生から蒸発してゆく水分量15
地球規模で行われている降雨と地面や水面から蒸発してゆく水の循環のスケールはとてつもなく大きく、どこかの地域で雨量が増えてもどこかの地域では雨量が減って地球全体のバランスが取れているかもしれませんね。新宿事務所のベランダで芝生や計量カップからの水分の蒸発量を観察したり、新宿御苑を歩きながら微妙な自然の変化を感じると都市と地球の環境について様々なことが考えられます。 8月5日撮影
7月の新宿御苑 | 2022年07月28日 |
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7月もまもなく終わります。今年は梅雨が明けた後に雨模様の天気が続きましたが、中の池に入道雲が映っていました。本格的な夏の到来ですね。
芝生の広場の芝生も緑が濃くなってきました。芝生の上を歩くと芝が柔らかいクッションになり気持ちが良かったです。
来週からは8月です。昨年の東京の8月は雨曇りの日が多かったようですが今年はどうなるのでしょうか?このまま夏空が続いてもらいたいですね。
7月28日撮影
5月の新宿御苑 | 2022年05月14日 |
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今年の連休明けの東京は雨曇りの日が多いようです。今朝も自宅を出てから新宿御苑を抜けて事務所まで歩きましたが雨が降っていました。そしてその道中の雨の降り方に違いがあることに気が付きました。これは以前のblogでもお話ししたのですが、御苑に近づき緑の量が増えてゆくほど雨が強くなり、御苑を抜けて緑の量が減りコンクリートの建物とアスファルト舗装が増えるにつれて雨が弱くなる現象です。写真は緑に覆われた台湾閣5月13日撮影
昨年の春から今年の3月まで1年かけて新宿事務所で芝生から大気中に蒸発してゆく水分量を観測しました。その結果、芝生とその周辺の土からは平均しておよそ3.7㍑/㎡・日の水分が蒸発しているのがわかりました。ちなみに同じ環境で計量容器から蒸発してゆく水分量は1.5㍑/㎡・日でした。芝生は生きている つまり緑に覆われた新宿御苑では、大気中に蒸発してゆく水分量が周囲のコンクリートやアスファルトに覆われた環境より多いので、大気中の水蒸気が飽和して露点を迎えるまでの時間が周囲の環境よりも早く雨が降りやすいということですね。
御苑の芝生の広場は今年も新緑に覆われてきました。5月14日撮影 関連ブログ:気温と湿度とヒートアイランド東京 植物からの蒸散作用を肌で感じる?
4月の新宿御苑2 | 2022年04月16日 |
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桜の季節も終盤にはいり新宿御苑は新緑の季節を迎えています。いつのまにか中の池の周りも若葉に覆われはじめました。
芝生の広場も、芝生が日を追うごとに緑色の葉を伸ばしています。御苑の芝生は丈夫で多くの人に踏まれても元気に育ち続けます。
ようやくウコン桜が咲き始めました。昨年と比べて今年は咲く時期が少し遅れているようです。
玉藻池の周囲も若葉が出始めて潤いを与えています。御苑は土曜日の静かな朝を迎えています。
4月16日撮影
芝生から蒸発してゆく水分量19 | 2022年04月05日 |
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3月16日から4月5日までの芝生から蒸発してゆく水分量のデータがまとまりました。これで昨年の4月6日から始めた1年にわたる植栽装置オアシスから蒸発してゆく水分量の観測データがまとまりました。
今回測定した3月16日から4月5日までの測定値をみると、前の測定期間2月26日から3月14日までの測定値と比べて芝生からの水分蒸発量と湿度がふえました。そして芝生を除いた植栽装置オアシスからの水分量は減り気温はほぼ横ばいでした。
今回の測定で気温がほぼ横ばい、そして湿度が上昇した中で芝生からの水分蒸発量が増えた要因の一つとして芝生の成長が始まったことが考えられます。3月中旬ごろから植栽装置オアシスの芝生は再び成長を始めたようです。芝生からの水分蒸発量が増えるとともに芝生を除いた植栽装置からの水分蒸発量が減り始めました。
新宿御苑の芝生の広場では、うっすら伸び始めた芝生の上に桜の花びらが散っていました。これから東京も本格的な春の季節を迎えます。
4月5日撮影
4月の新宿御苑 | 2022年04月02日 |
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4月に入り新宿御苑では土曜日、日曜日は朝7時から入園できるようになりました。今朝の御苑は少し寒いですが良い天気に恵まれています。
苑内では桜をはじめ様々な花が咲き始めています。春の訪れですね。枝垂桜が美しい花を咲かせていました。
冬の間眠っていた木々も若葉が芽吹き始めました。これから御苑では植物たちが目覚めて元気で美しい季節を迎えます。
4月2日撮影
3月の新宿御苑 | 2022年03月19日 |
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3月も中旬から下旬に移り東京の気候も暖かくなってきました。新宿御苑では様々な桜が咲き始めています。以前のblogでもお話ししましたが2月1日以降の一日の最高気温を積算して600度を超えると桜が開花するという考え方があるようです。御苑の桜今年の東京の気温は昨年よりも低いようですが積算気温は600度を超えたようですね。(ちなみに昨年の積算気温が600度を超えたのは3月14日だったそうです。)
玉藻池ではカメが冬眠から覚めて甲羅干しをしていました。カメも気温の変化を感知して動き始めるようですね。(3月16日撮影)
芝生の広場では休眠していた芝生も目覚めたようで、うっすらと緑の葉を伸ばし始めています。
新宿御苑では今日から入園するのに予約制を設けて人の出を制限しています。春の陽気に誘われて人の動きも活発になってきました。3月19日撮影
芝生から蒸発してゆく水分量18 | 2022年03月15日 |
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2月26日から3月14日までの芝生から蒸発してゆく分量のデータがまとまりました。今回は植栽装置オアシスから水が完全に蒸発してゆくのに17日かかりましたが、前回の測定期間よりも日数が2日短くなりました。
今回の測定では気温や湿度が上昇に転じたことがわかります。芝生からの水分蒸発量は前回の測定よりも少し下がりました。今回の測定の大きな特徴は、芝生からの水分量を除いた植栽装置オアシスの土や水からの水分蒸発量の伸びが大きかったことです。
気温や湿度が上昇した中で植栽装置オアシスからの水や土からの水分蒸発量が増えて、芝生からの水分蒸発量が減ったのは、芝生からの水分蒸発量が湿度の増加と反比例しているのでしょうか?そして土や水からの水分蒸発量は気温の上昇に比例しているのでしょうか?
東京も春の気候に変わりました。新宿御苑の広場の芝生もうっすらと緑色の芽を出し始めたようです。
3月15日撮影
1月の新宿御苑 | 2022年01月30日 |
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1月も終わりを迎えましたが、新宿御苑では春の訪れを感じます。下ノ池のそばで紅梅を見かけました。紅梅は白梅よりも先に咲くようですね。
日差しのよく当たる台湾閣の前の庭では、今年も里桜の蕾がふくらんできました。
ヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑の植物たちは、太陽の周りを公転する地球の軌道が作る自然の変化に対応しながら成長を続けます。
あと5日もすれば立春です。1月30日撮影
芝生から蒸発してゆく水分量14 | 2022年01月06日 |
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12月23日から1月6日までの芝生から大気に蒸発してゆく水分量のデータがまとまりました。今回の期間は晴れの日の連続で湿度が下がり芝生からの水分量が増ました。やはり大気中の湿度と芝生からの水分蒸発量の変化は反比例するようですね。
一方で芝生からの水分蒸発量を除いた、植栽装置オアシスからの水分蒸発量には大きな変化がみられませんでした。9月の秋分の日を過ぎて以来、植栽装置オアシスからの水分蒸発量は安定しているようです。秋分を過ぎてからの東京の気温と湿度の変化と、地面や水面からの水分の蒸発量の変化に何か関係がみられるのでしょうか?
新宿御苑の芝生の広場は、完全に休眠に入ったようです。これから東京も立春が過ぎるまで真冬の気候が続くのでしょうか?春の訪れが待ち遠しいです。
1月6日撮影
12月の新宿御苑 | 2021年12月21日 |
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今日は冬至です。今年の東京の気候は穏やかで、12月も下旬に入りましたが下ノ池の横の楓が色鮮やかに紅葉しています。
台湾閣前の池の松に雪吊りの縄が張られました。これから来年にかけて東京も積雪が見込まれるのでしょうか?
落葉したメタセコイアが青空に向けて伸びていました。ヒートアイランドのオアシス新宿御苑もこれから本格的な冬を迎えます。
12月22日撮影
11月の新宿御苑 | 2021年11月26日 |
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11月も下旬を迎え新宿御苑の木々もようやく本格的な紅葉の時期に入ってきたようです。下ノ池の周りのもみじも赤く色づいてきました。
ラクウショウの林の隣のメタセコイヤも黄色くなってきました。ラクウショウの赤とメタセコイアの黄色が朝日に浴びていい感じです。
今年の東京の気温は温かく、十月桜がまだ咲いています。長期予報では今年の冬は寒くなりそうですが、植物たちは寒さを迎える前の気候を過ごしています。
11月26日撮影
10月の新宿御苑 | 2021年10月22日 |
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東京も10月下旬を迎え気温が下がってきました。新宿御苑の芝生もやや黄色くなり始めてきたようです。御苑の芝生は冬の間は休眠して春に備えます。
春から夏にかけて緑を保ってきた木々も落葉し始めました。植物たちは季節の移り変わりを感知して周囲の環境に対応しているようですね。
1年を通して周囲をコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京の真ん中にある新宿御苑の自然を観察していると、御苑の植物たちも地球の公転が作り出す四季の変化に合わせて身を処してゆくのがよくわかります。そして太陽から届く光の量が植物たちの生育に大きな影響を与えていることを実感しますね。
10月22日撮影
9月の新宿御苑 | 2021年09月17日 |
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9月も中旬に入りましたが新宿御苑もようやく良い天気になりました。中の池では大きなスッポンが泳いでいました。御苑ではスッポンやカメなどのほかに時々蛇も見かけます。
草むらでアオサギを見かけました。気温も下がりアオサギも日中歩き始めるようになりました。草むらで餌になるトカゲやヘビを探しているようですね。
芝生の広場の芝生はまだ緑を保っていますが、これから季節が秋に移り少しずつ色が変わり休眠の準備を始めます。
中の池では池に伸びた木々が水面に映っていました。東京も気温が25度を下回るようになり御苑の動物や植物たちにとっても住み心地の良い季節を迎えています。
8月の新宿御苑 | 2021年08月08日 |
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8月7日は二十四節気の立秋。この日は太陽の位置が黄径135度にあり夏至と秋分のちょうど中間です。大陸性気候の中国では、このころから気温が下がり始めることを感じられるようですが海に囲まれた日本では湿度が勝り、気温の変化が感じられるのはまだ先ですね。昔の人はこの現象を残暑という言葉で現しました。
人間は1年を通して移り変わる自然現象を気温や湿度で体感します。植物たちも体内の敏感なセンサーが働いて、気温と湿度に反応しているようですね。新宿事務所のベランダで芝生から蒸発してゆく水分量を観測しているのですが、芝生は周囲の気温や湿度の変化に反応しながら水分の蒸発量を調整しているようです。
上のグラフは4月初めから8月初めまでの春、梅雨、そして夏の芝生からの水分蒸発量と温度、湿度の変化をまとめたものですが梅雨が明けて夏に入り気温が上がり、湿度が下がると芝生からの水分蒸発量が増加に転じたことがわかります。
これから秋分に向けて新宿御苑の植物たちが周囲の気温や湿度の変化にどのように反応してゆくのか眺めてゆこうと思います。新宿御苑8月7日撮影
7月の新宿御苑 | 2021年07月14日 |
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新型コロナウイルス感染症対策のために東京都に緊急事態宣言が発令している中で新宿御苑は、多少の制約はありますが人々に癒しを与える都会のオアシスの役割を果たしてくれています。
今朝は温室を訪れましたが、スイレンやランが美しく咲いていました。人間は自分たちの都合に合わせて自然を整えてゆきますが、自然のとてつもなく強い力に立ち向かうことはできません。いま世界を席巻しているコロナが人間に与えている影響を見ればよくわかります。
植物と比べても、人間は植物たちの生命力にはかないませんね。植物たちにとってコロナの影響は他人事です。
人間は地球を取り巻く自然の中の微力な一員であることを忘れてはいけませんね。人間は自然をコントロール(制覇)出来るといった奢りを持つことは愚かなことです。コロナの影響で社会が混沌としている中で、自然に囲まれた御苑を歩いていると人間の微力な存在をつくづくと感じます。
土壌を潤す植物の力 | 2021年06月09日 |
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先のブログで植物から蒸発してゆく水分量が、地表や水面から蒸発してゆく水分量とザックリ同じではないかとお話ししました。「芝生から大気に蒸発してゆく水分量2」今回はこの現象を掘り下げて考えたいと思います。
私は以前のブログで「芝生が育っている周囲は土が濡れているのですが、芝生がない場所の表面の土がか乾くことがあるのです。」ということをお話ししました。「毛細管現象と蒸散作用」植物には浸透圧、根圧、凝集力の働きで土中の水分を吸収して体内に送る機能があるようです。「関西造園株式会社サイト引用」自らの命を保とうという目的意識のある植物は、自分の力で土壌の水分を吸収するので植物の周囲はいつも濡れた状態を保つことができるのですが、目的意識がなく物理法則に支配される土壌は雨が降れば土壌内に水分を保ちますが、それが蒸発すると水分がなくなり表面が乾くのです。
つまり植物から大気中に蒸発してゆく水分は、植物から蒸発してゆく水分に加えて、植物の周囲の土壌に毛細管現象の働きで伝わり蒸発してゆく水分が含まれるということですね。植物が生息する環境は植物の生命力で土壌から水分を吸い上げて大気中に蒸発させます。そして大気中の水分が飽和状態を迎えると雨となって大地を潤し再び植物が水を吸収して蒸発させるというサイクルが生まれますが、植物が生息していない場所では土壌は、雨となって降ってきた水を保水はできますが、土壌の水分が乾燥してしまうと再び水分が大気中に蒸発することはありません。
以前私はブログで、エジプトのスフインクスが作られたころは、周囲は雨に恵まれた緑豊かな環境であった話をしました。その後、スフインクスの周囲の環境は緑がなくなるにつれて砂漠に覆われるように変化していったようです。「香港上海銀行のライオン像」
6月の新宿御苑 | 2021年06月05日 |
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桜の季節が終わりその後一月以上閉園された新宿御苑ですが、ようやく開園しました。その間も植物たちは元気に成長を続けていました。ポプラ並木も緑の葉が茂っていました。
御苑が閉園中、新宿事務所のベランダでは植栽装置オアシスで西洋芝から蒸発してゆく水分量を測定しましたが、その結果はザックリ言うと芝生から蒸発してゆく水分量は地面や水面から蒸発してゆく水分量とほぼ同じでした。「芝生から蒸発してゆく水分量2」写真はラクウショウの森の様子ですが、ここでは地面から蒸発する水分に加えてラクウショウの下を覆う植物の葉から蒸発してゆく水分量が見込まれるということですね。
そして、木々とその下に生息する植物に覆われた空間は、地面の土や植物から蒸発してゆく水分量に加えて木々の葉から蒸発する水分が加わり潤いのある場となります。
新宿御苑が閉園中の間は外苑西通りを通り事務所に通っていましたが、久しぶりに新宿御苑を歩いて心地よさを感じるのは、この空間に漂う潤いではないでしょうか。6月5日撮影
気温と湿度とヒートアイランド東京 | 2021年04月14日 |
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自宅から新宿御苑を抜けて事務所に通っています。今日4月14日の渋谷区、新宿区は朝から雨模様でしたが道を歩きながら面白いことに気が付きました。それは場所により雨の降る様子が違うということです。自宅から千駄ヶ谷駅にかけての道のりでは雨はそれほど強く降っていませんでした。 写真は千駄ヶ谷駅前の東京体育館
千駄ヶ谷駅の前を通り新宿御苑に向かう途中から雨は強くなってきました。千駄ヶ谷門から御苑に入り大木戸門にかけての道のりは雨が本降りでした。そして大木戸門を出て事務所に向かう道のりで雨は再び御苑の中を歩いたときよりも弱くなってきました。写真は雨の日の新宿御苑
なぜこのような現象がみられるのでしょうか。以前もこの現象についてお話したことがあります。植物からの蒸散作用を肌で感じる?雨の強度は雲の動きはもちろんですが、その環境を取り巻く気温や湿度からも影響を受けると思います。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京の環境と芝生と木々の緑に覆われた新宿御苑の環境では、気温と湿度が微妙に異なり、それが雨の強度にも影響を及ぼすのではないでしょうか?
4月の新宿御苑 | 2021年04月07日 |
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今年の東京の春は例年と比べて進むのが速いようです。御苑ではすでにソメイヨシノは終わり木々の緑が芽吹いています。
しばらくの間、閉苑していた御苑ですが今年はざまざまな桜が同時に咲き乱れています。
ヒノキの若葉が芽吹いてきました。芽吹いたばかりの若葉は美しいですね。御苑ではすでに新緑の季節が始まっています。
コロナの影響でまた閉苑する可能性もあるので時間が許す限り、春から初夏に移り行く自然を満喫したいと思います。4月7日撮影
12月の新宿御苑 | 2020年12月20日 |
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12月も中旬を過ぎましたが、御苑の下ノ池のまわりの紅葉が美しく色づいていました。新宿御苑の紅葉は近所にある代々木公園よりも、紅葉の盛りを迎えるのがやや遅めです。同じ東京で立地も近いのに、植物の紅葉の時期に差があるのは面白いですね。
下の写真は12月20日に撮影した代々木公園のイチョウですが、すっかり落葉して黄色の絨毯になっていました。
新宿御苑も代々木公園もヒートアイランド東京の中でほぼ隣接しているのに、そこで育つ植物たちの生育に差がみられるのは、光や風、土壌など、植物が育つ環境に微妙な違いがあるからでしょうね。
11月の新宿御苑 | 2020年11月23日 |
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今日は11月23日、勤労感謝の日です。新宿御苑では様々な木が紅葉して一年で最も色鮮やかな季節を迎えています。台湾閣の前ではモミジが紅葉していました。
湿地ではヌマスギ科の落葉針葉樹の高木ラクウショウが赤く変色していました。
今年の東京の秋はやや気温が高めのようですが、ようやく温室の前の大イチョウも色づいてきました。
ポプラやケヤキなどの紅葉は盛りを過ぎましたが、モミジやイチョウなどの紅葉は今が盛りです。ヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑の秋はまだまだ深まって行くようですね。11月23日
10月の新宿御苑 | 2020年10月24日 |
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今朝の新宿御苑は久しぶりに気持ちの良い朝を迎えています。今年の東京は秋になっても雨曇りの日が多く秋晴れに恵まれた日が少ないような気がします。
今年の東京の秋は気温もやや高いようで下ノ池の周りの紅葉も、まだ緑色をしています。あとひと月もすると美しく紅葉するのでしょうね。
バラ園では明るい光を浴びてバラが元気に咲いていました。
ポプラ並木では、葉がまだ緑を保ちながらも落ち始めたようです。
玉藻池ではナンテンが赤く実っていました。ヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑も、これから秋が深まって行きます。
10月24日撮影
9月の新宿御苑 | 2020年09月24日 |
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秋分の日が過ぎて新宿御苑には秋の気配が漂ってきました。千駄ヶ谷門の入り口付近でヒガンバナが咲いていました。
上の池のほとりではススキが穂をそよがせていました。
日本庭園では秋の七草の萩が咲いていました。
夏の名残のサルスベリの花が台湾閣を遠くに臨みながら咲いていました。
秋の彼岸も終わり気温が下がってきたようです。これからヒートアイランド東京のオアシス新宿御苑の自然も美しい色どりを添えてゆくことでしょうね。9月24日撮影
8月の新宿御苑 | 2020年08月14日 |
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久しぶりに朝の御苑を歩きました。日本庭園の池は波もなく水面に木橋が映っていました。
ポプラ並木も葉がすっかり大きくなり緑が深くなっていました。
温室ではクワズイモが紫の花を咲かせていました。
木立の間を歩くと涼しさを感じます。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われた東京で新宿御苑はヒートアイランドの中のオアシスです。8月12日13日撮影
6月の新宿御苑 | 2020年06月02日 |
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新宿御苑が67日ぶりに開苑されました。3月の下旬の桜の美しい季節から季節は移り御苑の緑も深まっていました。
コロナウイルスの蔓延という人間の生活圏へ影響で閉苑された御苑ですが、御苑で生息する植物たちは人間の都合に関係なく季節を刻んでいるようです。今年もビワの実が成っていました。
温室のそばのタイサンボクも大きな花を咲かせていました。
また朝に夕に御苑を通り抜けながら、移り変わる自然の様子を撮影してゆこうと思います。6月2日撮影
3月の新宿御苑 | 2020年03月12日 |
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3月に入り暖かい日が続き御苑の桜も咲き始めました。先日新聞を読んでいるとダイポールモード現象という言葉を目にしました。(日本経済新聞3月6日朝刊)今年の冬の日本の気候が暖かかった原因は、ダイポールモード現象で偏西風が蛇行して、本来であれば日本列島の北を通る偏西風が日本列島の南を通っているのが原因ではないかということです。今朝の御苑では桜が綺麗に咲いていました。桜の開花の標準木のソメイヨシノもあと数日で咲くみたいですね。
私は昨年のブログで新宿御苑の桜の開花が早くなったのは、コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドの出現が原因であると述べました。地表がアスファルトやコンクリートに覆われて都市の保水性が低下して冬の気温が高くなったことは確かだと思います。それに加えて大気の動きと海水温の変化が引き起こすダイポールモード現象という、スケールの大きな自然現象が新宿御苑の桜の開花を早めたのでしょうね。御苑の桜
ヒートアイランド現象、ダイポールモード現象をはじめとして様々な自然現象が作用しながら我々が生活する地球環境を作り出しているのでしょうね。そして先のブログでもお話ししましたが、日本列島とそれを取り巻く海が作り出す地学的な要因が各地の気候風土を作り出しているようです。
今年はコロナウイルスの影響で閉塞的な状況が続いていますが、少しでもみじかな自然と接する時間を作られてみてはいかがでしょうか。 新宿御苑3月12日撮影
2月の新宿御苑 | 2020年02月20日 |
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今年の東京の二月は暖かく御苑も穏やかな気候に包まれています。朝の苑内は人も少なく静かです。
暖かいせいか苑内では冬桜がよく咲いていました。今年もまた4月にかけて様々な桜を楽しむことができそうですね。
梅も見ごろを迎えています。梅は紅梅が先に咲いて、あとから白梅が咲くようです。
2月20日撮影
福羽イチゴ | 2020年01月18日 |
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新宿御苑の温室で福羽イチゴを見かけました。福羽イチゴは日本のイチゴのルーツでそのDNAは、はるのか、とよのか、女峰、さちのかなどの品種に受け継がれているそうです。
福羽イチゴの開発者である福羽逸人は新宿御苑の前身である勧農局農業試験場に務め、そののち農業試験場が宮内省管轄の新宿御苑に移管された後、1898年に責任者に就任したそうです。そして福羽は1900年にオランダイチゴの栽培品種の実生を選抜して福羽イチゴを作られたようですね。下の写真は福羽イチゴの説明パネルです。
福羽イチゴはやや細長い形をしているようですね。事務所のそばの新宿御苑に日本のイチゴの源流があることを知り、手作りフラワーポッドやカスケードブロックでイチゴを育てている私に親しみと自信を与えてくれました。
1月18日撮影
今年の冬は暖かい❕ | 2020年01月15日 |
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今年の東京は暖かい冬を迎えています。昨年の1月、新宿御苑の台湾閣の前では池の水が凍っていました。2019年1月8日撮影
同じ場所から撮影した今年の写真を見るとご覧の通り池は凍っていません。2020年1月15日撮影
ウエザーニュースに初氷の観測日を記録したグラフが載っていました。このグラフを見て驚いたのは東京では1920年代には11月の初旬に初氷がみられたようですね。1970年や80年にも11月の初めに初氷が観測されたようですが。その後、初氷の観測日が12月から1月に向かうようになったのは東京のヒートアイランド化が進んだからではないでしょうか?東京の都市空間のコンクリートの構造物やアスファルト舗装面が増えることで保水率が下がり、自動車や空調機からの排熱の増加などと複合してもたらすヒートアイランド現象の影響で東京の冬の平均気温が高くなり初氷の観測日が遅れるようになったと思います。以前のブログでもお話ししましたが、今日までの東京のの気温の変化は冬に大きくみられるようです。何故冬の気温が高くなったのか?もちろん1970年や80年の11月初めに初氷が見られたように地球規模による気候の変化に基づく影響も忘れてはいけませんが。今から7年前2013年1月14日の朝、東京は大雪に見舞われていました。JR山手線原宿駅の雪景色
冬の東京の気候に大きな影響を与えるのは冬のシベリア高気圧(冬将軍)の配置ですね。これから将軍様がどのような行動に出るのか気を付けて見てゆこうと思います。
1月の新宿御苑 | 2020年01月04日 |
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今日から御苑が開園しました。芝生をはじめ多くの植物たちが休眠している中、小福桜が寒い中で花を咲かせています。
日本庭園の池の黒松に施された棕櫚縄のユキツリが周囲の景色のアクセントになっています。
台湾閣の前でナンテンが赤い実をつけていました。
もう少したつと梅の花が咲き始めますね。御苑の植物たちも寒空の下で春の準備を進めています。
1月4日撮影
11月の新宿御苑 | 2019年11月19日 |
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今年の東京は気温がやや高めに推移してきましたが、ようやく新宿御苑も秋が深まってきたようです。ポプラ並木の紅葉も見ごろです。
今年は二つの台風に見舞われて新宿御苑の木々も倒れたりしましたが、そのような中でもカモが北から渡ってきて御苑で冬を過ごします。
今夜は北風が吹いて寒くなるようですが、バラ園ではエーデルワイスが元気に咲いていました。
11月19日撮影
ヒートアイランドにオアシスを フロントページのデザインが更新されました | 2019年09月19日 |
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「ヒートアイランドにオアシスを」をテーマにして活動を続けていますが、今年の東京は梅雨が明けたらすぐ真夏日の連続という厳しい夏を迎えました。そこで国立天文台が編集している理科年表を使って東京の過去の気温の変化を調べてみたところ意外な結果に驚きました。1961年から2017年までの東京の気温の変化をグラフにしてみたところ、冬の気温は高くなりましたが夏の気温はあまり大きな変化が見られませんでした。
私なりにその理由を考えてみたのですが、一つは人間が作り出すエネルギーと太陽が作り出すエネルギーに大きな差があるという事ではないでしょうか。太陽から離れて気温が低い冬の間は、ヒートアイランド東京が作りだすエネルギーが年とともに増えてゆくことで、気温が高くなりましたが、太陽が近づく夏の間は、そのエネルギーが人間が作り出すヒートアイランドのエネルギーよりも、とてつもなく強い事で気温に大きな変化が見られないのではないかと思います。
もう一つは、東京の気温が皇居のそばの気象庁や北の丸公園といった、都内では木々の多い自然に恵まれた中の、芝生の地表から1.5m離れた百葉箱や通風筒の中で測定されていることも過去56年の間に気温の大きな変化をもたらさなかった一因ではないかと思います。芝生の表面とコンクリートの表面では真夏の暑さの中では20度以上の温度差がみられます。
コンクリートジャングルとスファルト砂漠に覆われたヒートアイランド東京で、強烈な真夏の太陽エネルギーに対処するには、都市の様々な場所を緑化したり、透水性舗装面を増やして保水性を高めることで、人が体感する温度を下げる事ではないでしょうか。「ブミコンとガーデンクリートで保水性を高めて都市に潤いを与えます」。これが当社の目標です。
関連ブログ:何故冬の気温が高くなったのか?
植物は正直である? | 2019年04月22日 |
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下の写真は昨日4月21日の朝、外苑イチョウ並木を撮影したものですが、今年のイチョウの発芽は例年よりも遅いようです。たまたま私が2013年の4月21日にSNS投稿したイチョウ並木の写真がアップされていたのですが、イチョウの若葉は今年より大きいようです。2019年4月21日撮影
この年のイチョウの発芽は今年と比べて早かったようですね。2013年4月21日撮影
同じく今年の新宿御苑のポプラ並木の写真と2015年4月に撮影されたポプラの写真と比べても今年の若葉の発芽が遅いことがわかります。2019年4月24日撮影
植物は周囲の気温に反応しながら発芽のタイミングを決めているようです。2015年4月25日撮影
私は主に新宿御苑、代々木公園、神宮外苑の季節の移り変わりを体感しながら写真を撮影しています。これらの場所はコンクリートジャングルとアスファルト砂漠に囲まれた中にあるのですが、気温の低い年は植物の成長が始まるタイミングも遅れるようですね。植物は環境の変化に正直に反応するようです。そして太陽や地球が作りだす自然は人間が作りだすヒートアイランド現象も飲み込む大きな力と勢いがあるようです。
関連ブログ:都市の温暖化と地球の温暖化 二酸化炭素は魔女じゃない
御苑の桜 | 2019年03月30日 |
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肌寒い日が続いていますが新宿御苑では今年も桜の季節を迎えています。桜が開花する日を計算した「600度の法則」というものがあるそうです。その年の2月1日以降の日々の最高温度を足して600度に達したころに開花するという法則ですね。Stastical Discovery参照
私が生活をしている東京はこの100年の間に気温がおよそ3度上昇したようです。都市の人口の増加に伴い、建物や道路など人間の生活に必要な構造物や舗装が整備された結果、都市の保水性が低下したことが大きな要因です。コンクリートジャングルとアスファルト砂漠に覆われたヒートアイランドの出現ですね。東京で育つ植物たちも平均気温の上昇につれてに体内に備えられた体内時計を前に進めているのではないでしょうか?ヒートアイランド東京では6月中旬から9月下旬の間は暑く、人間にとって住みにくい環境ですが、暑さに強い植物たちにとっては継続して水分の穂補給が出来れば決して住みにくい環境ではないと思います。
そして冬になるとヒートアイランド東京は自然に囲まれた環境と比べて気温が暖かく、植物や人間にとっても悪い事ではありません。一年を通して新宿御苑の自然と触れあっていると人間の都合でヒートアイランド化が進んだ東京も、植物にとって過ごしやすい場所ではないかと思います? 3月29日撮影 関連ブログ:ドライアイランド現象
虫の声 | 2018年10月15日 |
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10月の新宿事務所 | 2018年10月04日 |
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新宿事務所のベランダでは5月の始めに手作りフラワーポッドに植えたゴーヤが実をつけていました。
ヒートアイランドのオアシス新宿御苑 | 2018年09月08日 |
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宇宙万物の根源 | 2018年01月27日 |
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内藤トウガラシ | 2017年09月06日 |
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アルベド | 2017年07月18日 |
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洪積層と沖積層 | 2015年08月13日 |
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自然樹と人工樹の育ちの違い | 2014年12月19日 |
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御苑の紅葉 | 2014年12月05日 |
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朝の新宿御苑 | 2014年10月18日 |
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国民公園 新宿御苑 | 2014年03月27日 |
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仏の教えと科学の眼 3 | 2013年10月04日 |
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梅雨の晴れ間 | 2013年06月29日 |
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冬の新宿御苑ゴルフコース? | 2012年12月29日 |
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温帯では温室 熱帯では涼室? | 2012年12月06日 |
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雲の動きと体感温度 | 2012年07月27日 |
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次世代エネルギーの柱 | 2012年07月14日 |
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木を見て森も見る | 2012年07月07日 |
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宇宙からの恵み・自然エネルギー | 2012年05月02日 |
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思い出の沼南博物館 | 2012年03月04日 |
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雪の朝の新宿御苑 | 2012年02月26日 |
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二十四節気 大寒 | 2012年01月22日 |
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季節の変化を数字で見ると! | 2011年09月25日 |
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新宿御苑 午前9時開門・午後4時30分閉門 | 2011年07月12日 |
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私の好きな場所の一つである新宿御苑の今年の夏の開園時間は午前9時から午後4時30分までのようです。御苑の入口に下記の写真の内容の掲示がありました。内容を良く見ますと昨年は公開時間が延長されていたようですね。そこでインターネットで詳しい内容を調べたところ2008年に公開されたお知らせがありました。新宿御苑の夏季開園時間の延長についてお知らせの趣旨は夏になり日が長くなり、人々により多くの時間を自然に親しんでもらおうという事と、新宿御苑はクールアイランド効果で周囲より2度ほど温度が低いので、人々に冷房に頼らないでも涼しい空間を楽しんでもらおうという、とても素晴らしい内容の趣旨でした。それがどのような経過で今年は中止になったのか定かではありませんがとても残念なことですね。
今年は国の要請で民間の企業や家庭に15%の節電が求められています。これに応じて民間企業では土日の休日を変更したり始業時間を早めたりして、暑い夏を乗り切るための様々な工夫や試みがなされています。それならば国も応援して、日が長くなった分だけでも開園時間を延長して、周囲より2度低い、涼しいクールアイランドの環境を国民の皆さんに提供してみてはいかがですか?
開園時間を長くして人々に涼しい環境と提供しようとした2008年の新宿御苑の試みは、暑い夏を節電で乗り切ろうとする、今年の日本の置かれた環境に最適です。是非素早い対応を見せてもらいたいものですね。そして将来は、夏の間だけでも開園時間を午前7時から午後7時までに、もしくは明治神宮のように午前5時から6時30分まで開門したり、さらにシンガポール植物園のように午前5時から深夜の0時まで開園できるようなサービス体制を整えていただきたいものです。 新宿御苑台湾閣7月12日撮影 関連ブログ:一年中サマータイム? 明治神宮日の出開門・日の入り閉門Plant is plant! | 2011年05月08日 |
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5月4日は「みどりの日」。事務所の近所の新宿御苑も入場料無料で開放されて、さわやかな朝の散歩を楽しみました。
なぜ多くの植物は緑色に見えるのでしょうか?その理由は植物の葉を構成している葉緑素クロロフィルにあるようです。クロロフィルは植物が光合成で光エネルギーを効率よく吸収して化学エネルギーへと変換する、光アンテナとしての役割をもつそうです。(Wikipediaクロロフィルより転記) この時に赤と青の光がエネルギーとして吸収され利用されます。それ以外の光は葉から反射するのですが、この光がヒトの目には緑色に見えるようです。 英語で植物のことをplantと呼びます。別の意味は工場ですね。植物は光合成で太陽の光をエネルギーとして利用し、水と空気中の二酸化炭素を原料にして炭水化物を作り出す工場です。Plant is plant! 植物は自らの力で自然エネルギーを利用して炭水化物作り出し、生きるためのエネルギーとします。自らの力で炭水化物を作り出す事の出来ない我々動物たちは、植物から生きるためのエネルギーをいただくのです。新宿御苑 4月30日、5月4日撮影 関連ブログ: 光呼吸(寒冷地型芝草と暖地型芝草の違い) 光合成と植物の呼吸
インターネット・アウターネット? | 2010年08月15日 |
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Windows95の登場以来、インターネットには大変お世話になってきました。インターネットを通して必要な情報を瞬時に入手することが出来ますし、様々な人と情報を交換することも出来ます。最近ではSkype等のビデオ電話を通して、きめ細かな情報交換も手軽にできるようになりました。
今から140年ほど前の19世紀の印象派の芸術家たちは、屋外に広がる自然の光の動き、変化をいかに表現するかに夢中でした。そしてその光の変化や動きを、絵画や音楽で表現することに成功したようです。コンピュータの中に構築された世界を仮想世界(仮想現実・バーチャルリアリティ)と呼びます。コンピュータ・インターネットが作り出すバーチャルな空間も素晴らしいですが、インターネットから外(アウターネット?)に目を向けて、自然の中を移りゆく光の変化を実感するのも楽しいですね。
新宿御苑の北隣り、新宿門から大木戸門にかけての散策路には玉川上水が復元されて流れています。江戸時代、ここ四ツ谷大木戸水門から上水は地下に潜り、江戸の町を水のネットで結んでいました。
木の葉の価値 | 2010年08月01日 |
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コンクリートの建物やアスファルトに囲まれた都市で芝生を育てるには、ヒトの手による芝刈りと水やりが必要です。同様に街路樹をメインテナンスするには落ち葉の処理や枝の剪定など、手間暇のかかる作業の連続です。都市を緑化するということは、人間が植物と共棲して行くことですね。動くことが出来ない植物の葉を掃除したり、枝を剪定したりする作業はヒトに課せられた役割です。
都市の緑を増やして行くにつれて、ヒトによる植物のメインテナンス作業も増えます。この課題にどのように対処したらよいでしょうか?公園や街路樹など公共の資産は、自治体に委託された業者さんが定期的にメインテナンスを行います。これから街路樹を増やして行けば、公共事業として植物のメインテナンスの仕事も増えて、雇用の創出にもつながるのではないかと思います。
しかし、これから都市の緑化をさらに進めてゆく中で、植物のメインテナンス作業は専門の業者さんだけで対応できるのでしょうか?学校の校庭緑化が推進されていますが、芝生のメンテナンスは地元の方々の協力がないと続きません。また商業地区や住宅地の緑化が進んだ場合、自分の家や建物の周りの落ち葉の処理は誰がするのでしょうか?植物が生きる限りメインテナンスは10年、20年と継続する作業です。学校周辺の皆さんや住宅地、商業地区の皆さんの善意のボランテアで、いつまでも続くような作業ではありません。
ヒトが芝刈りや落ち葉拾いをする作業に価値を見出すことができれば、それは仕事として継続してゆくのではないでしょうか?私は芝刈りをして集めた芝生を見ていて、これが食べることができないかなといつも考えます。西洋芝を刈り取ると細い芝生の緑が美しく、おひたしにでもできそうですが無理のようですね。キツネやタヌキであれば、木の葉をお金に変えてしまうことができますが、ここにヒントがあるような気がします。
例えば街の落ち葉や校庭で刈った芝生をビニール袋に入れて、自治体のどこかの部署にもって行きポイントに換算してもらい、そのポイント数で自治体に収める税金をを引いてもらうとか、子供の給食費に充ててもらうとか、いろいろな方法が考えられます。落ち葉が価値をもつようになれば、街を歩いていてヒトはそれを拾うのではないでしょうか?そのようになれば、都市の緑化もより一層広がるような気がします!
百年の巨木 | 2010年07月25日 |
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信州高遠藩内藤家の中屋敷であった新宿御苑は明治の初頭、内藤新宿試験場として農業の振興を図っていた時代があったようです。新宿駅東口にある高野フルーツパーラーも創業当時、新宿御苑で出来た果物を販売していたという話を聞いたことがあります。現在の新宿御苑内で一番高い木はモクレン科のユリノキで、明治9年(1877年)に植樹され、明治40年(1907年)にはこの種木から、街路樹用の苗木が全国に広まっていったそうです。
新宿御苑には同じく、樹齢100年を超えるプラタナス(モミジバスズカケ)が元気に育っていますが、このプラタナスの木も明治の初めに海外から移植され、研究開発た後に街路樹として送り出されて都市を緑で満たしてきました。新宿御苑もシンガポール植物園と同じような役割を果たした時代があったようですね。
東京もユリノキやプラタナスが街路樹として、都市に涼しい空間を作り出しています。これらの街路樹が巨木に育つ100年後の東京の姿をイメージすると壮観ですね。目指せCity in a Gardenです!
間伐材のプランター | 2010年07月18日 |
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大田区産業プラザPIOのテラスに,から松の間伐材で作った素晴らしいプランターがやって来ました。長野県のパートナー企業キクイチさんが開発した新製品「からまつ緑華」です。信州の山で育った天然木、から松の間伐材を有効利用した手造りのプランターです。
先日新聞を読んでいたらこれからの日本に必要な事業のひとつとして、林道の整備が重要であると提言なさっていた方がいらっしゃいましたがその通りだと思います。以前のブログで戦後の日本の国土の緑化面積が増えていることをご紹介しました。(森の主役交代)詳しい話はブログをお読みいただければと思いますが、日本国内で消費される目的で植林されたスギなどの人工林が有効利用されないまま、間伐もされずに 放置されているようです。芝生も人間の髪の毛も、時々散髪してすっきりさせると気持ちがいいですね。木も同じです。森をメンテナンスするための林道を日本全土にきめ細かく張り巡らすことで、自然林の間伐もしやすくなることでしょう。
新宿御苑の千駄ヶ谷門から新宿門に抜けるおよそ1kmの間にスダシイ、マテバシイ、シラカシ等の常緑広葉樹から落羽松、メタセコイア、レバノンスギ、ヒマラヤスギに連なる森が続きます。木々の葉からの蒸散作用で冷気が降りてきて、とても気持ちがよい散歩道です。ハキ屋のおじさんが大きなホウキで木の葉を掃除してくれるので、道もすっきりしています。このような木立に囲まれた道が、日本全土の森から都市の街路まで張り巡らされる姿が見られるようになるまで、これから30年、50年、100年かかるかもしれませんが、今からその作業を開始しなければ話は進みませんね。シンガポールでは、先の首相Lee Kwan Yewが自らの手で植樹を開始して、およそ50年をかけて都市の半分を緑化しました。シンガポール植物園2
桜吹雪とアレロパシー | 2010年04月11日 |
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今年の春は気温が低い日が続き、新宿御苑の桜も例年よりも長く咲き続けましたが、ようやく花びらも散り始めました。その景色ははうっすらと雪が積もったようで、なかなか良い眺めです。
散った花びらが積もっている木の下をよく見ると、土がむき出しになっています。そこは芝生はもちろん、草もあまり生えていません。以前、芝生に詳しい方から、木の下や周辺に植物が生えないのは、木から分泌される物質が原因らしいと伺ったことがあります。アレロパシーと呼ばれる現象で、木から微量の化学物質が空気中や地中に分泌されて、他の植物の繁殖を抑えたり昆虫などを遠ざけたりするようです。木が自分の縄張りを主張しているようですね。
木の下は日陰になりやすい場所ですが、芝生が生えない理由は太陽光の影響だけではなさそうです。桜も自分が生きながらえるために化学物質を分泌して、芝生に栄養分を取られないようしているのでしょうか?
事務所のそばの大木戸門の横には大型の観光バスが停まる駐車場があり、海外から大勢の団体客が御苑を訪れてています。皆さん、朝のすがすがしい空気の中で桜を見て感動しているようです。何を話しているのか良くわかりませんが、元気で楽しそうですね。
ケンブリッジ400年の芝生 | 2009年09月27日 |
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数学者藤原正彦先生のエッセイ遥かなるケンブリッジ(新潮文庫)のなかで、藤原先生が同僚の先生と、手入れの行き届いたケンブリッジ大学のキャンパスの芝生を歩いていて、「どのようにしたら,このようにきめ細かな美しい芝生を保てるのか?」尋ねたところ、「四百年ほど丁寧に手入れを続ければこうなる。」という答えが返ってきました。Kings College Chapel 写真引用:Wikipedia
400年とは驚きの長さですが、確かに芝生の育成は,日々の芝刈り、水やり、そして時々の施肥、オーバーシード(種の追い撒き)の繰り返しです。プロのグリーンキーパーさんによる日々の作業の連続が、美しいキャンパスの芝生を支えて来たのでしょうね。 当社では、皆さんがご自身の手で芝の育成が容易にできるように、緑化基盤、灌水システム、そして芝生のソッド、種、肥料、砂をご提供する方法を整えてきました。三佐和オンラインショッピング 次の課題は皆さんが楽しく芝生を刈れる方法を開発することです!
都内でも新宿御苑や皇居外苑では誰もが、手入れの行き届いた美しい芝生を楽しむことができます。日本のグリーンキーパーさんの芝生を育てる技の素晴らしさを感じます。
新宿御苑ではその昔、昭和天皇が皇太子であられたころゴルフを楽しまれたという話を聞いたことがあります。確かに御苑の風景を眺めているとゴルフコースの雰囲気を感じますね?
青海から新宿へ | 2009年05月17日 |
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東京都産業労働局から中小企業創造法の認定いただき、東京都中小企業振興公社から青海事務所をお借りして5年がたちました。当初はガーデンクリートの透水性・保水性・軽量性を活かし、気化熱の働きで都市を冷やす技術を開発しました。その後、公社のビジネスナビゲータの皆さんをはじめ多くの方の協力を得て新しい機能を付加した製品が出来ました。この5年間て学んだことは毛細管現象という自然エネルギーを活用して、ガーデンクリートを植物を育てる緑化基盤として使用する技術を開発出来た事です。次の仕事はこの技術を、東京をはじめ様々な都市で利用していただくことです。そこで私が生まれ育った新宿に事務所を移すことにしました。青海という島での様々な出会いが、新しい製品を生みました。この機会を与えてくださった東京都と中小企業振興公社、海外特許取得の支援をしてくださった東京都知的財産総合センター,そして東京で暮らしていらっしゃる皆さん、働いていらっしゃる皆さんに心から感謝いたします。
青海南ふ頭公園 5月1日撮影
新宿御苑 5月14日撮影
坂の上の網 | 2009年01月11日 |
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昨年の暮,来日したシモン・ボリバル・ユースオーケストラ・オブ・ベネズエラ(Simon Bolivar Youth Orchestra of Venezuela)のコンサートに行きました。創設者のホセ・アントニオ・アブレウ博士の"貧しくても音楽を学びたい子供たちに、わけ隔てなく楽器を与え集団で練習することで団結と規律の精神を養い、若い演奏家を育て演奏の場を作る。"という理念のもと、音楽教育のエル・システマはベネズエラにしっかりと根付き豊かに実ったようです。若者たちの演奏技術も一流ですが、音楽の楽しさを伝えようとする 気持ちが、彼らの目の輝きとともに伝わって来て感動しました。この若者達の生き生きとした表情を見て、ふと司馬遼太郎の「坂の上の雲」を思い出しました。この小説に描かれている若者たちは、新しい国家を作るために時代を駆け抜けて行きましたが、彼らが活躍した時代、坂の上には青空にポッカリ浮かぶ白い雲を見ることができる社会の雰囲気があったのでしょうね。維新から140年を経過した現代、新国家の形成と発展のために張り巡らされて来た様々な制度やしきたりの網は、平成の坂の上に重くのしかかっているようです。その中には、これからの社会を築いてゆくのに役割を終えた制度やしきたりの網が無数にあるようです。
京王井の頭線の渋谷駅改札口前には、岡本太郎作のとてつもなく大きな壁画「明日の神話」があります。岡本画伯がメキシコで制作されたものだそうですが、一人でこの大作をお描きになったとは、まさに"芸術は爆発だ!"の気迫が迫ってきます。この絵を見て我々も岡本画伯の元気をいただき、青年諸君から中年、壮年の皆さんまでが連携して、今の社会を覆っている役割を終えた様々な網を整理して、次代の若者たちが再び坂の上の青空に浮かぶ雲が眺められる社会を作ろうではありませんか!
コンサートが終わり席を立つときに、私の後ろの席で演奏を聴かれていたアブレウ博士にBravo!と声をかけたところ、にっこりと笑いながら会釈して下さいました。(当日の演奏会の模様は2月20日の夜、NHK教育テレビで放送されるそうです。是非ご覧ください!)
新宿御苑 | 2008年11月09日 |
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新宿御苑は幼いころからの思い出がいっぱい詰まった場所です。小学生のころ、近所の友達と御苑の池にアメリカザリガニを捕りに行ったことがありました。スルメを縛った糸を池に入れるとザリガニがハサミでスルメを挟み、簡単に捕まえられます。バケツ一杯のザリガニを持ち帰りましたがお咎めを受けた記憶はありません。縛りが強くなった現代の管理社会ではご法度の行為ですね。この縄を解きほぐし穏やかな空気が漂う社会環境を蘇らせたいものです。新宿御苑で私が好きな場所の一つに台湾閣(旧御涼亭)があります。雨の日にここから眺める日本庭園には、雨に煙る墨色の風情が感じられます。