蒸発散とは地表・水面からの水分蒸発量に植物からの蒸発量を加えたものです。
蒸発散量は気温・湿度・日射量・風速などの影響で変化します。
東京が位置する温帯地域・中緯度の都市近郊、緑地を含む環境の一般的な目安は、冬期低温期で約2~3mm/日、春・秋で約3~5mm/日・盛夏高温期で約5mm/日以上のようです。
ザックリまとめると東京の年平均の蒸発散量は約2~3mm/日のようです。
私は新宿事務所のベランダに設置されたオアシスⅡで育てている芝生や周囲の水面からの水分蒸発量を測定しています。
そして2024年5月から2025年5月までの観察記録をまとめました。
これによるとオアシスⅡの土、水、そして芝生から蒸発散する水量は1年平均して3.0㍑/㎡・日(3mm/日)という数値が計測されました。
2024年5月から2025年5月までのオアシスⅡからの水分蒸発散量の変化

新宿事務所のベランダは西向きで午後になると日が当たる時間が少しあります。雨が当たることはありません。
この環境で毎週一度、オアシスⅡの受け皿に給水して給水量を計測しますが、これが1週間のオアシスⅡからの水分蒸発散量です。
同じくオアシスⅡの横の計量器に水を入れて水分蒸発量を計測し、オアシスⅡと計量器の水分蒸発量の差を芝生からの蒸発量とみなしています。
このようにして計測したオアシスⅡからの水分蒸発散量が、インターネットに蓄積されている膨大な情報から引き出されたAIの数値に近いことを知り驚くとともに嬉しくなりました。
先の説明でオアシスⅡの年間平均の水の蒸発散量は測定した結果3mm/㎡・日だとお話ししました。
蒸発散量には基準蒸発散量と実蒸発散量というものがあります。
基準蒸発散量とは芝生が十分に水をもらっている理想状態で気象条件だけで決まります。
その量は年間で1000mm~1200mm、1日当たり2.7mmから3.3mmで、オアシスⅡの蒸発散量3mmはこの基準蒸発散量に該当します。
実蒸発散量とは実際の土地・植生・土壌水分を反映して乾燥すると下がります。
温帯で年間500mm~800mm、1日当たり1.4mm~2.2mm前後のようです。
新宿御苑の休眠中の野芝からの蒸発散量を想定すると1日当たり1.4mm~2.2mmになりそうですね。
参考までに気候帯別に実蒸発散量を列記すると寒帯100mm~300mm,温帯500mm~800mm,亜熱帯700mm~1000mm,熱帯800mm~1200mmです。
オアシスⅡからは熱帯とほぼ同じ蒸発散量が人間の手で作り出されています。実蒸発散量で生命を維持する御苑の野芝のたくましさを感じます。


オアシスⅡからの水分蒸発散量を測定してわかったこと
2024年5月から2025年5月まで新宿事務所のベランダにオアシスⅡを設置して給水のインターバルを7日にした水分蒸発散量の測定はでは、
オアシスⅡの表面を覆う芝生と、土からの水分蒸発量を分けて測定できました。その結果は芝生からの水分蒸発量が1.2㍑/㎡・日、
土からの水分蒸発量が1.8㍑/㎡・日で、オアシスⅡ全体からの水分蒸発散量は3.0㍑/㎡・日でした。
(ちなみに土の表面からの水分蒸発量は、周囲の水面からの水分蒸発量と同じとみなしています。)
芝生の茎と茎の間は土で覆われています。土の表面積は芝生の茎が点で生えているので、かなり広いと考えられます。
そこで芝生が生えている場所から蒸発する水量は芝生の葉の表面と、芝生を支える土の表面から蒸発する水量の合計であると考えます。
これが水分蒸発散量ですね。


今回の測定でオアシスⅡの土や水からの水分蒸発量1.8㍑/㎡・日に対して芝生からの水分蒸発量が1.2㍑/㎡・日であったのは、土や水と芝生からの水分蒸発の仕組みに違いがあるからではないかと考えられます。
土や水は太陽光や風の影響に敏感に反応して水分を蒸発させますが、芝生は根が土中の水分を吸収して茎を通して葉から蒸発する仕組みをとっています。
その違いは水分蒸発量のグラフを見てからもわかります。
1年を通して芝生からの水分蒸発量の変化は、オアシスIIの土や水からの水分蒸発量の変化よりも小さいことがわかります。
下のグラフをご覧ください。緑色のグラフが芝生からの水分蒸発量の推移、オレンジ色のグラフが土や周囲からの水分蒸発量の推移です。
2024年5月から2026年1月までのオアシスⅡからの水分蒸発散量の変化

オアシスⅡからの水分蒸発散量を測定してわかったこと
1月24日から30日までのオアシスⅡからの水分蒸発散量は2.9㍑/㎡・日、芝生からの蒸発量は2.0㍑/㎡・日、周囲からの蒸発量は0.9㍑/㎡・日でした。
朝、事務所に入った時の室温も11℃前後に下がり、屋外の地表や水面からの蒸発量も外気に敏感に反応して少なくなったようですね。
その中で芝生は葉の表面で外気と反応して、気孔から水を蒸発させます。そして水が蒸発した芝生の葉脈から茎の導管、根にかけて吸引力が働き地中から水分を吸引する独自の水の循環システムが働いで、芝生は水を蒸発させているようです。
AIが引き出してきたデータによりますと、東京が位置する温帯地域・中緯度の都市近郊、緑地を含む環境の蒸発散量の一般的な目安は、冬期低温期で約2~3mm/日のようです。今回新宿事務所のベランダで測定したオアシスⅡからの水分蒸発散量は2.9㍑/㎡・日(2.9mm/㎡・日)でした。
1月31日から2月6日までのオアシスⅡからの水分蒸発散量は2.9㍑/㎡・日、芝生からの蒸発量は2.0㍑/㎡・日、周囲からの蒸発量は0.9㍑/㎡・日で先週とほぼ同じ値でした。
新宿事務所のベランダで測定しているオアシスⅡからの水分蒸発散量は基準蒸発散量です。オアシスⅡへは週一度の給水が続いていて芝生は常に水を吸収することが出来ます。
これまで定期的にオアシスⅡへ給水を続けることで分かったことですが、人為的に常に水が満たされているオアシスⅡからの蒸発散量は、数値的に熱帯地方の実蒸発散量に似ていました。